ロゼは「鋼の錬金術師」に登場するキャラクターで、とても明るい性格をしている若い女性です。褐色の肌と紫の瞳に、髪はロングヘアーという見た目をしています。発色の肌は、イシュヴァール人の血が混ざっているためですが、純血ではないため目の色は赤くありません。

ロゼは、登場回数こそ少ないものの原作およびアニメ「鋼の錬金術師」（第1期（2003年版））では、第一話から登場している人物です。登場した当初は、レト教と呼ばれる新興宗教にはまっており、主人公たちのエルリック兄弟に宗教を薦める様子も描かれています。

ロゼが、宗教にはまった理由には複雑な過去があります。ロゼにはもともと身寄りがなく心を許せる存在は恋人しかいませんでした。しかしロゼの恋人は1年前に亡くなっており、その時ロゼは恋人を失った悲しみを立ち直れませんでした。

そんな心が弱ったロゼにつけ込むかのように、レト教の教祖であるコーネロは、「奇跡の力」「恋人を復活させる」ことも可能であると論します。このことを心の拠り所にロゼは、日々を全うしていました。

しかし、エルリック兄弟によりコーネロの悪事がバレ、コーネロの使う不完全な力では恋人を復活させる事はできないと知ったロゼは自暴自棄に陥りかけますが、エドワードに「立って歩け　前へ進め。あんたには立派な足があるじゃないか」と言われ、前を向いて生きていくことを決めます。

レト教の一件があったあと、ロゼの暮らすリオールでは、レト信者だった者とそうでない人たちによる暴動が起こり街は半壊滅状態になります。この暴動は中央軍の介入もあり鎮圧します。

原作ではここでロゼの出番は終了ですが、このあとのエピソードがアニメ「鋼の錬金術師」（第1期（2003年版））では、追加されています。

リオールの暴動後にロゼは中央軍に軍部に連行され、そこで暴力を受けます。このときのショックでロゼは声を失います。

その後、ライラに成り代わったダンテに拾われることになりますが、これは、ダンテがロゼを次の器として選んだからです。またこのときのロゼはダンテの洗脳を受けており、自分の意志では動けませんでした。

しかし、エンヴィーによってエドが殺されたことで我に返ったロゼは、ダンテに体を奪われることなく、リオールに帰還することができます。

余談ですが、アニメ「鋼の錬金術師」（第1期（2003年版））ではロゼのフルネームの設定があり、それはロゼ・トーマスという名です。原作には一度も登場しない設定になります。

アニメ「鋼の錬金術師」（第1期（2003年版））では、ロゼにいつの間にか子どもができていますが、作中子どもが出来たきっかけや、父親が誰であるか語られていません。実はこの子どもの父親は「誰かわからない」というのが結論です。

ロゼは、リオールの暴動後にロゼは中央軍に軍部に連行されますが、そこで中央軍の軍人に狭い部屋に押し込められ、次のシーンでは虚ろな表情で子どもを抱えています。

推測するに、軍部でロゼに行われた暴力とは性的暴力であり、そのときに子どもを孕み、出産したのではないかと考えられます。

ロゼの声優はアニメ「鋼の錬金術師」（第1期（2003年版））と「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」(第2期（2009年版）)では異なる声優が担当しています。ロゼ役のお二人を一人ずつ紹介していきます。

「鋼の錬金術師」（第1期（2003年版））で、ロゼ役を演じたのは、桑島 法子（くわしま ほうこ）さんです。桑島 法子さんは、1975年12月12日生まれで、声優業以外では、歌手、ナレーターなどで活躍されています。代表作に「機動戦艦ナデシコ」（ミスマル・ユリカ）、「犬夜叉」（珊瑚）などがあります。

「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」(第2期（2009年版）)で、ロゼ役を演じたのは、ゆきの さつきさんです。ゆきの さつきさんは、1970年5月25日生まれの京都県出身です。芸名は雪乃 五月、雪野 五月という名前を経て2015年に今の平仮名の表記になりました。代表作に「犬夜叉」（日暮かごめ）や「ラブひな」（乙姫むつみ）などがあります。

「鋼の錬金術師」の登場人物であるロゼのプロフィールやその魅力、声優情報などをご紹介してきました。彼女の辛い生い立ちや、アニメ一期での、その後のエピソードはとてもつらく悲しいものですが、そんな苦境から立ち直れる人間の強さも彼女からは感じれると思います。

ロゼを含め、とても魅力的なキャラクターたちが多く登場する「鋼の錬金術師」をぜひ見てみてはいかがでしょうか。