ハンターハンターのカイトは、作中に初めて登場したハンターでゴンの恩人です。 ゴンの父親ジンの弟子でもあり、ゴンがハンターに憧れるきっかけを作った重要人物でもあります。 ハンターハンターのカイトについて紹介します。

カイトは生物調査を行うハンターで、専門は大型生物です。 ゴンと再会した時は、カキン王国から依頼を受け、アマチュアハンター達とチームを組んで生物調査をしていました。 

子供の頃から動物に好かれていたため、カイトにはピッタリのハンターなのかもしれません。

カイトはそれほど出番の多いキャラクターではありませんが、第1回の人気投票では10位、再登場後の第3回人気投票では4位に入るなど、とても人気の高いキャラクターです。

主人公ゴンの内面に深く関わってくる重要なキャラクターだけに、印象が強いのでしょう。 ハンターハンターのスマホアプリ「バトルスターズ」でも最強クラスのキャラクターになっていることから、彼の人気の高さがわかります。

ハンターハンターのカイトは、具現化系の念能力者です。高等技術の円を45メートルほどの大きさで使えるため、念能力者としての実力は高いと考えられます。彼の念能力である「気狂いピエロ（クレイジースロット）」は9種類の武器をランダムに具現化するといったものです。

ピエロ型のルーレットが出す1から9までの数字によって出る武器が決まるといった能力ですが、狙った武器を出すことができないため、本人は「まったくもって使いづらい」能力と考えているようです。 ただし、これに関しては、制約をかけることで念能力を強化している可能性があります。

現在確認されている武器は、2番の鎌、3番のロッド、4番の銃の3種類だけです。 2番の鎌の能力「死神の円舞曲（サイレントワルツ） 」は360度回転して周囲の物を切断する大技ですが、これ以外の技が使えないため、使い勝手がよくありません。

また、師匠のジンによると「ゼッテー死んでたまるか」と本気で思わないと出ない番号もあるそうです。 これが、ネフェルピトーとの戦いで出た3番なのか、それ以外の番号なのかは不明です。

カイトは、ゴンに自然の厳しさを教えると共に、父親のジンがすごいハンターだということを話して聞かせました。その時のカイトが楽しそうだったことから、ゴンも自然とハンターに憧れるようになったのでしょう。

カイトがクジラ島に来たのはこの時だけかもしれませんが、ゴンに与えた影響は大きかったでしょう。 カイトはある意味ゴンの父親代わりでもあり、一番影響力のある人物なのかもしれません。

それだけに、カイトが死んだと思った時、ゴンは狂ってしまったのでしょう。

ハンターハンターのカイトはジンの弟子です。 カイトはスラム街で生きてきた浮浪児で犬と共に生活しており、この頃から犬やカラスを操るなど動物の扱いに長けていていました。 新アニメではジンとの出会いが描かれています。この時に「いいハンターってやつは動物に好かれちまうんだ」という言葉をジンから送られます。

その後、カイトはジンにハンターとしての素質を見出され、ジンの弟子になりました。そして、ジンから出された最終試験はジンを見つけ出すことでした。ジンはダブルハンターになっています。ダブルハンターになる条件として、指導をした後輩のハンターがシングルハンターになることですので、カイトを育てたことにより、ジンはダブルハンターになったのかもしれません。

カイトはジンを探している途中でゴンと出会うことになります。カイトによるとジンはダブルハンターでありながら、トリプルハンター相当の功績を上げているようです。彼はジンのことを最高のハンターと呼んでいることから、かなり尊敬していることが伺えます。

カイトは、カキンで調査を行っていた時、6人の仲間と行動を共にしていました。 メンバーの名前は「スティック＝ディナー」「バナナ＝カヴァーオ」「リン＝コウシ」「スピーナ＝クロウ」「モンタ＝ユーラス」「ポドンゴ＝ラポイ」です。

全員アマチュアハンターですが、リンは３年間で新種を1019種も発見しているという功績もあるため、 アマチュアだからといって彼らは必ずしもプロハンターより実力が劣るわけではないようです。

モンタは人間のはずですが、キメラアントにしか見えないとネタにされてしまっている人物です。 カイトは転生して姿が変わった後も、このメンバーと行動を共にしています。

ハンターハンターの原作では、カイトは第1話で登場しています。 ハンターハンターの作中で1番初めに登場したハンターでもあり、キツネグマに襲われたゴンを助け、自然の厳しさを教えています。

この時、ゴンが師匠ジンの息子であることに気づいたカイトは、ジンのことやハンターについて色々と話しています。このことから、ゴンは自然とジンに憧れるようになり、ハンターを目指すことになりました。 よって、主人公のゴンがハンターを目指すきっかけを作ったのはカイトであり、彼抜きではハンターハンターの物語が成り立たない重要人物と言えます。

その後はキメラアント編が始まるまでカイトの出番はありません。キメラアント編でも出番が多いわけではありませんが、ゴンの内面に深い影響を与えることになります。

その強さに驚き、ゴンとキルアに声をかけようとするカイトですが 、隙をつかれて片腕を失うことになります。何とか2人を逃すことには成功しますが、ネフェルピトーに敗北してしまいます。カイトの生首をピトーが抱えるという衝撃的なシーンが描かれましたが、カイトの出番は終わったわけではありませんでした。

ゴンとキルアは、キメラアント討伐隊に参加し行方不明になったカイトを探すことになります。 一方、カイトの遺体を大事そうに保管するピトーはカイトを生き返らせるための念能力を開発します。

仲間からカイトを見つけたという知らせを受けたゴンとキルア。 しかし、ゴンが見たのは、近づくものに無差別に襲いかかる変わり果てたカイトの姿でした。 ゴンはカイトを元に戻すためにもキメラアント打倒の意思を新たにします。

カイトが洗脳されたと考えたゴンは、ピトーにカイトを元に戻すように迫ります。 しかし、カイトは殺された後に体を治されただけで、生き返ったわけではありませんでした。カイトを元に戻せないことを理解したゴンは、自分の念能力を全て捨ててでも、ピトーを殺そうと決意します。

その誓約によってゴンは変貌。死後の念で強くなったピトーの「黒子舞想(テレプシコーラ)」をも寄せ付けずに圧倒的な力でピトーを倒しますが、ゴンは廃人になってしまいます。 しかし本当はカイトは死んでいませんでした。カイトはキメラアントの少女に転生しており、外見は女の子になっていますが、元のカイト記憶と人格があるようです。 回復したゴンとはその後、再会を果たしています。

カイトは、キメラアント編でネフェルピトーに襲撃されて死亡します。 ピトーがカイトの生首を抱えているシーンは、ハンターハンターの中でもかなり衝撃的でトラウマになっている人も多いようです。

 カイトは不意を突かれる形で片腕を失いました。その後の戦いは全く描かれていないのですが、ピトーは傷を負っており、また、ピトーはカイトの実力をかなり高く評価しているため、もしカイトが両腕を使えたら、ピトーに勝てたのではないかと考える人もいるでしょう。

ピトーは、ハンター協会会長のネテロが「ワシより強くね？」というほどです。 そのため、カイトに勝ち目はないようにも思えますが、この時のピトーはまだ生まれたばかりなので、念がまともに使えない状態と考えられます。

この時のピトー相手なら、カイトが万全の状態で実力を発揮できれば勝つ可能性は充分にあったと思います。しかし、ピトーは短期間で自分の念能力を考えてしまうほどなので、戦闘中に強くなってしまう可能性もあることから、カイトが勝利できる確率は決して高いとは言えないでしょう。

ハンターハンターでは、主人公ゴンの純粋さ故の危うさが、作中で指摘されてきました。そんなゴンの純粋さが悪い方向に出たのが、キメラアント編でしょう。 カイトの変わり果てた姿を見た後は、残酷な一面も見せるようになりました。

カイトが死んだと思った時は、自分の全てを投げ打ってピトーを殺そうとします。 その結果、身体が干からび、生きているのが奇跡のような状態になってしまいました。このシーンから、ゴンのカイトへの思いの強さがよくわかります。

ピトーに首を切断されたカイトは念能力で体の傷は治されますが、生き返ったわけではありませんでした。ピトーの口からも既に死んでいることが語られてしまいますが、実はなんと、カイトはキメラアントの子供に転生していたのです。

キメラアントの王であるメルエムの双子の妹と思われる子供が、自分のことを「アタチの名前はカイトです！！」と言い出しました。 普段は自分のことを「アタチ」と言いますが、ゴンと話すときは完全にカイトの雰囲気で、一人称も「オレ」になっています。

コアラとの会話を見るに「アタチ」の時も人格はかなりカイト寄りのようです。 あのカイトが生きていたことも驚きですが、女の子になって復活する展開は衝撃的でした。 この少女は、ファンの間でカイトちゃんと呼ばれていましたが、新アニメにて正式にカイトちゃんとクレジットされるようになりました。

転生後のカイトと関わりの深いキメラアントがいます。それはコアラ型のキメラアントです。名前は分かっていませんが、彼は元々人間の殺し屋だったようです。キメラアントになってからもそのことを後悔しています。

そして、カイトちゃんの元である人間の少女を殺したのがそのコアラでした。 彼はカイトにそのことを懺悔した後、カイトに説得されて贖罪のために生き続けることになりました。 まだ名前も分かっていないので、今後も出番がありそうです。

キメラアントの女の子に転生したカイトですが、実はめちゃくちゃ強くなっているのではないかとも言われています。 それは転生後のキメラアントが、メルエムの双子の妹と考えられているからです。

メルエムはキメラアントの王であり、その能力はキメラアントの頂点です。 王を守るための護衛軍は、キメラアント中でも桁外れの強さを持っていますが、メルエムはそれよりも遥かに上で、ハンターハンター最強とも言われています。

カイトちゃんがどんなキメラアントなのかはまだ分かりませんが、メルエムの双子だとすると特別なキメラアントである可能性が高いです。軍儀の伏線で死なない王というものがありますが、これが双子の妹のことを指している可能性もあります。 カイトちゃんが、文字通りメルエムの双子なら桁外れに強いかもしれません。

転生してキメラアントの少女になってしまったカイトですが、今後、登場しないのではないかという意見もあります。 しかし、キメラアントは今後もハンターハンターの物語に関わってきそうです。

また、カイトと一緒にいるコアラのキメラアントの名前も分かっていないため、今後もカイトが登場する可能性は高いと言えます。

ハンターハンター旧アニメで、カイトの声優をしたのは岸祐二さんです。 岸さんは大学生の時に「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」のストリートバスケットボールコーナーに出演しました。そして大学卒業後に芸能界入りを果たします。

声優としては大人の男性役を演じることが多いですが、熱血漢から3枚目役や、冷酷な二枚目の悪役、好青年など様々な役柄も演じています。 また「レ・ミゼラブル」ではアニメと舞台の両方でアンジョルラスを演じました。

因みに、岸さんがテレビアニメで初めて声優をしたのは「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のボルボ西郷役で、舞台でもボルボ西郷役を演じています。

ハンターハンターの新アニメで、カイトの声優をしたのは池田秀一さんです。 池田さんは、機動戦士ガンダムのシャア・アズナブルの声優として有名ですが、実は幼少期から俳優として活躍していました。 1964年にNHKの「次郎物語」で主演を務め、天才子役として名を馳せています。

その後、60年代から80年代まで映画やテレビドラマ、時代劇に多数出演しました。シャア役を務めてからは、声優を中心に活動するようになったため、実写作品の出演は少なくなっています。 シャア役のイメージが非常に強いことから、美形や大物の悪役を演じることが多いです。

また、声優を務めた「忍風戦隊ハリケンジャー」のサンダールは、シャアをオマージュしたキャラクターとされています。「ONE PIECE」で演じたシャンクスは、原作の第一回で登場する主人公の恩人というところがカイトと共通しています。

ハンターハンターの中でゴンに最も影響を与えているかも知れないキャラクターであるカイトですが、転生したので、念能力はどうなったのかなど、まだ気になる点は多く存在します。恐らく、キメラアントに再びスポットライトが当たる時に再登場することになるでしょう。いつになるのかは全くわかりませんが、カイトの登場を楽しみに待ちましょう。