// FourM
Qaphgsvgjlqmftfldc0v

トイ・ストーリー

CATEGORY | トイ・ストーリー

『トイ・ストーリー』シリーズの魅力を徹底解説!

2021.07.28

ピクサー社がはじめて手がけたディズニーの長編アニメトイ・ストーリー・シリーズはアニメの中でも不動の人気シリーズとなりました。トイ・ストーリー・シリーズには尽きせぬ魅力がいっぱいです。トイ・ストーリーシリーズの魅力を徹底解説します。

  1. トイ・ストーリー・シリーズは「おもちゃが本当に生きてたら?」を実現させた!
  2. トイ・ストーリーは愛情をめぐる物語
  3. ディズニー映画トイ・ストーリー・シリーズは成長物語①
  4. ディズニー映画はトイ・ストーリー・シリーズは成長物語②
  5. ディズニー映画トイ・ストーリー・シリーズは成長物語③
  6. ディズニー映画トイ・ストーリー・シリーズは友情物語
  7. ディズニー映画トイ・ストーリー・シリーズはディズニーアニメの流れを変えた
  8. ディズニー映画トイ・ストーリー・シリーズは悪役の形も変えた
  9. ホントは怖いディズニー映画トイ・ストーリー・シリーズは元はもっとブラックだった!
  10. ホントは怖いディズニー映画トイ・ストーリー・シリーズ② おもちゃの老化問題
  11. トイ・ストーリーのおもちゃたちはそれぞれ個性的で魅力いっぱい
トイ・ストーリー・シリーズの魅力はなんと言ってもおもちゃたち。 「おもちゃのチャチャチャ」の童謡と同じように、 「いつも遊んでいるおもちゃが本当に生きていたらいいなあ」 「いや、ホントは生きてるんじゃないの?」 子どもの頃に誰もが抱く願望や妄想をそのままアニメにしたような物語です。 だから、人間のいる時に動いたり、しゃべったりするのは絶対NGというのがおもちゃたち 全体の鉄の掟なのです。
おもちゃたちは当然ながら、遊んでくれる子供たちがいてはじめて生きている意味がある存在です。 そんなおもちゃ達にとって、持ち主からもらえる愛情が常に最重要事項になります。 『トイ・ストーリー』第1作目では不動のアンディのお気に入りだったウッディが、バズが現れたことで、一気にその自信が崩れていく様子が描かれています。 「何をそんな小さなことでクヨクヨと…」 と人間の世界から見たら、おもちゃ達の悩みなんて小さなモノですが、 ひょっとしたもっと大きな視点から見ると、人間一人ひとりの悩みもウッディの悩みと大差ないのかも知れません。 幼い頃からは見えなかったことが年齢を経ることで見え方が変わってくる。また成長しても 鑑賞に耐えうる。 小さい子供から大人まで楽しめるのがトイ・ストーリー・シリーズの魅力のひとつです。
ウッディは物語が始まる前からアンディのおもちゃの中でリーダーでした。 それはアンディの1番のお気に入りであるという自負があったからです。 ところがバズが登場してその自信がもろくも崩れ去っていきます。 これは今まで愛情を一身に浴びてきたのに、兄弟ができた子どもの心境に似ています。 ウッディのバズに対する気持ちは、下の子に嫉妬して、意地悪しちゃう上の子の気持ちと一緒ですね。 バズもやってきた当初は自分を本当のスペースレンジャーだと思いこんでいます。 何度か実際に空を飛んでみて、落下して、ようやくただのおもちゃだと言うことに気が付きます。 バズは本当の自分を知って、地の底に落ちたようにやる気がなくなります。 幼い頃は本当に自分がヒーローだと思い込めます。 根拠なき万能感があります。 でも、だんだん成長するうちに、ヒーローは夢物語で、自分はちっぽけな子供だとある日突然知ります。 誰もが一度は経験するショックをバズは体現してくれています。 本来の自分の姿を知ったウッディとバズは本来の自分のままで、自分に何ができるかを模索するようになります。 引っ越すアンディの元へ2人は協力しあって戻ります。 その時に、ようやく本当の自信が2人の中に生まれたのでした。
「トイ・ストーリー2」ではウッディは自分は50年代に大ヒットしたテレビ人形劇のレア物の価値のあるおもちゃであることに気が付きます。 今まで、アンディの愛情のあるなしが価値基準だったウッディは新たな価値感を知ることになります。 子供が親の教えられる通りの価値観を植え付けられていたのが、全く違う価値観に気が付かされる時に似ています。 ウッディは一時は、日本のおもちゃ博物館で展示物で大事にされることを選びますが、結局、「おもちゃは持ち主に抱きしめられるのが1番の幸せだ」と思いアンディの元へ戻ります。
「トイ・ストーリー3」では持ち主アンディ17歳に成長して、大学に行く準備をしています。 おもちゃたちは色々あった末に新しい持ち主ボニーの元へ引き取られます。 アンディが親で、おもちゃが子どもだったら、成長したらいつか別れて違う世界へ行かなければなりません。 3では成長と別離・新しい出会いが描かれました。 「トイ・ストーリー4」ではどんな物語が描かれるのでしょうか?
当初は自分中心の面が多かったウッディでしたが、年数を経るにしたがっておもちゃたち全体を思いやる真のリーダーシップに目覚めました。 おもちゃ博物館に行かされそうになった時も、自分だけアンディと共に大学に行きそうになった時もつねに仲間のことを考えて、仲間の元に戻ることを選択しました。 バズも第1作で芽生えたウッディとの絆は変わら持ち続け、 「トイ・ストーリー2」では飛行機に積み込まれたウッディを身体をはって連れ戻しました。 「トイ・ストーリー3」では、別々の行動を取ることになったウッディとも、最後の握手をしようと手を差し出しました。
ディズニーアニメではそれまで、世界の名作童話を題材にしていました。 大雑把に言うと、悪者を退治して、愛する人と結ばれるという大筋がメインでした。 古くは「白雪姫」「シンデレラ」「眠れる森の美女」 「ライオンキング」「アラジン」「リトル・マーメイド」「美女と野獣」 「トイ・ストーリー」はそれまでのディズニーアニメの枠を外れ、 より身近なモノを題材にする流れを作りました。 より、国を巻き込む大きな物語より、より身近な個人的な物語を描くようになりました。 「ファインディング・ニモ」や「カーズ」しかりピクサー社の姿勢はとトイ・ストーリー以来変わっていません。 その流れはディズニーアニメ本体にも影響を与え、 「アナと雪の女王」では本来古典のリメイクですが、姉妹の個人的な幸せを描きました。 単純に王子様と結ばれてめでたしめでたしのお話ではなくなっています。
トイ・ストーリー・シリーズはいわゆるディズニー・ヴィランズと呼ばれる悪役のあり方にも大きな影響を与えました。 「トイ・ストーリー2」のやさしそうなおじいさん風のプロスペクター。「トイ・ストーリー3」でのピンク色の毛のイチゴのにおいのするロッツォ・ハグベア。 2人とも見た目はやさしい癒やし系なのに、裏へ返すと悪であるという複雑なキャラクターでした。 しかも悪をおかした理由に複雑な背景が隠されています。 今までのディズニーアニメだったら、悪役だと悪役らしいキャラクターデザインになっており、「このキャラが悪役だな」と分かりやすかったのですが、 プロスペクターやロッツォの登場で誰が悪役かわからなくなってしまいました。 よりストーリー展開が読みづらくなってスリリングになりました。 ディズニー映画本体にも影響を与え、 「ズートピア」のベルウェザー副市長、「アナと雪の女王」のハンス王子など 今や穏やかな見た目のキャラを実は悪? と思ってしまうほどになりました。
「トイ・ストーリー」のDVDの特典映像で監督のジョン・らセーターの打ち明け話によると、「トイ・ストーリー」のもともとのオリジナルストーリーはもっとシニカルなものだったとか。 ウッディも意地悪な性格で、他のおもちゃたちの嫌われ者。 バズを反則技のえげつない投げ方で窓から突き落とし殺し。 その後、ウッディは最後まで家来扱いしていたスリンキーにも裏切られて、 やっつけられます。 実際に絵コンテまで出来上がっていて、特典映像で見ることができます。 ディズニーの幹部はこの試写を見て、この展開を却下。 最初からストーリーを練り直すことになりました。 もしオリジナルストーリーのままだったら、こんなに大ヒットにはならなかったでしょうし、 こんなに長く続くシリーズにはなってなかったでしょうね。 ジョン・ラセターに柔軟性があってよかったですね。
「トイ・ストーリー3」では ウッディ以外のおもちゃたちがアンディにゴミとして捨てられたと思い、寄贈品になることを選んでサニーサイド保育園へ行きます。 ですが、ここでも捨てられるおもちゃとしてぞんざいに扱われたのでした。 アンディの元を離れさまようおもちゃたちを老人と考えるとちょっとぞっとします。 劣化して用済みになると、最終的にはごみ処理施設行きです。 ラストではごみ処理施設に運ばれ、焼かれる寸前の恐怖が描かれています。 現実の人間の社会はおもちゃの運命より厳しいかも知れません。
トイ・ストーリーの魅力はやはり個性的なおもちゃたち。 おもちゃたちの動きやセリフを追っているだけでも十分楽しめます。 スリンキーやハムやポテトヘッドなど、 「トイ・ストーリー」のDVDの特典映像では 実際に売られていたおもちゃをモデルにして、個性を肉付したと語られています。
サムネイル画像は下記より引用しました。
出典: https://twitter.com/DisneyMovies/status/1065696424023736321