『とある科学の一方通行』とは、科学と魔術という相反するものを題材に描かれた、大人気ライトノベル『とある魔術の禁書目録』の外伝に当たる物語です。『とある魔術の禁書目録』に登場した敵・一方通行（アクセラレータ）を主人公に、以前のように自由に戦えなくなった彼が、守りたいと願う存在のためにその力を奮っていく物語です。

「ダークヒーロー」と表現されている通り、彼は決して善人ではないですし、勧善懲悪を目指すような人物ではありません。そんな彼の、彼なりのやり方、彼らしいヒーローのなり方が描かれた本作は、アクセラレータについてより詳しく知れる作品と言っても過言ではないでしょう。

そんな『とある科学の一方通行』について、アニメに登場する主要キャラクターとキャストを紹介していきます。

一方通行と書いて、アクセラレータと読む本作の主人公です。アクセラレータは、最強だけでなく無敵になるために行った実験で、御坂美琴という超能力者のクローンである約1万のシスターズを殺した人物。シスターズの中でも最後に作られた少女・打ち止め（ラストオーダー）と出会ったことで、彼は彼自身の「ヒーロー像」を見つけていくことになるのです。

アクセラレータの声優を担当したのは、「しこりん」や「のぶくん」の愛称で親しまれている岡本信彦さん。声優デビュー後すぐに主要キャラの声を担当するなど、デビュー当初から実力のあった人物です。『青の祓魔師』の主人公「奥村燐」や『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』の「ギアッチョ」など、かっこいい役から一風変わった役まで様々な役をこなします。

打ち止めと書いて、ラストオーダーと読みます。ラストオーダーは、シスターズが反乱を起こした際、それの行動を制限し、命令によって止めることができるシスターズたちの管理者的立ち位置にいる人物です。見た目は他のシスターズに比べてだいぶ幼い仕様になっているのが特徴的で、表情も豊かにコロコロと変わるのが可愛いですね。

ラストオーダーの声優を担当したのは、日高里菜さん。人気声優を多く有する大沢事務所の所属です。まだ25歳という若さながら、すでにデビューから10年以上経っている、さらなる活躍が今後期待される声優さんです。『りゅうおうのおしごと!』の「雛鶴あい」や『転生したらスライムだった件』の「ミリム」などヒロインや主人公を演じることが多いですね。

エステル＝ローゼンタールは、神を作ろうと目論む一族の当主でありながら、その意義に疑問を持ち、世界の危機を救うためアクセラレータに協力を要請しました。アクセラレータとは真逆にいるような人物で、根っからの善人。アクセラレータたちとは違う魔術側の人間らしい言動も多く、アクセラレータやラストオーダーの魅力を良く引き出してくれます。

エステルの声優を担当したのは、モデルやタレントなどもやっていた久保ユリカさん。サブキャラや名前のない役なども演じていますが、名前のあるキャラクターのほとんどは主役級。『ラブライブ!』の「小泉花陽」や、『citrus』の「桃木野姫子」など、話題作への出演も多く、女の子がたくさん登場するような作品への出演が今後も期待されますね。

禍斗には、カタカナのルビはなく、このまま「かと」と読みます。禍斗は、ローゼンタール家が作った擬似魂魄です。元は体のないもので、死体に憑依することでその体の能力を極限まで使用することが可能。禍斗の体は、能力者・人皮挟美の死体であり、彼女本人のものではありません。エステルを守る役目を担います。

禍斗の声優を担当したのは、ナレーターとしても活躍している声優の渡部紗弓さん。声優としてデビューしてからはまだ数年ですが、すでに『南鎌倉高校女子自転車部』の「森四季」や『恋は雨上がりのように』の主人公「橘あきら」などメインのキャラクターを担当することが多く、今後どんどんメインキャラへの起用が予想される人物です。

シスターズとは、オリジナルである『とある魔術の禁書目録』に登場する御坂美琴のDNAを元に作られたクローンたちのことです。元々は2万ほど存在しましたが、実験の一環でアクセラレータに半数ほど殺されました。『とある科学の一方通行』でもシスターズは登場し、そのうちの1人は敵に攫われ、敵を強化する材料としてその記憶を使われてしまいます。

シスターズの声優を担当するのは、ささきのぞみさん。ラストオーダーなど他の呼び方がある特別なシスターズ以外はすべてささきさんの担当で、1人1人のセリフは短くても、合計セリフはとても長いということも。そんなささきさんは、声優デビューがヒロイン役という大抜擢を受け、その次の作品もメインキャラクターという、実力のある声優さんです。

黄泉川愛穂は『とある魔術の禁書目録』の主人公・上条の通う高校の教師です。学園都市の治安を維持する警備員の一員で、不思議なほど幅広い交友関係が印象的な人物。懐が深いのか大雑把なのか、実験が中止され行き場を失ったアクセラレータ、ラストオーダー、そして実験失敗で解雇となった研究者・芳川、アクセラレータの命を狙っていたミサカワーストなど、多くの行き場のない人を自宅に住まわせています。

若者が多い本作で、頼れる年長者となる黄泉川の声を担当するのは、舞台女優としても活躍する甲斐田裕子さん。人気声優を多く抱える賢プロダクションに所属し、声優デビューから約20年という男女双方から人気のある方です。『銀魂』の「月詠」役として有名で、最近では『約束のネバーランド』「イザベラ」などを担当されています。

菱形幹比古は、正義を名乗る「DA」という組織の協力者をしていますが、それは亡くなった妹を完全な能力者として復活させるために利用しているだけ。「DA」の利用価値が低くなったと考えるとすぐ見限ろうとするなど、その行動の徹底ぶりが素晴らしい人物です。彼の行動はすべて溺愛する妹のためのもので、そのためには自分が危機に陥っても構わないようですね。

幹比古の声を担当したのは、逢坂良太さん。声優デビューからまだ10年ほどですが、主役級はもちろん、主人公の声を当てることも多く、これからさらに名前を見る機会が増えそうな方ですね。「ハマトラ」シリーズの主人公「ナイス」や、『ぼくたちは勉強ができない』の主人公「唯我成幸」など、安定した頻度で主人公の声を担当されています。

菱形蛭魅は、幹比古の実の妹ですでに亡くなっている人物です。もともとエステルとは友人で、彼女に別の魂を憑依させてしまったのもエステル。もともとは明るそうな少女でしたが、現在の彼女はとても無口で容姿以外生前の彼女らしさはあまりないようですね。無数のケーブルが体に繋がれており、それらは彼女自身の意思で操ることが可能です。

本当の蛭魅、そして別の魂に憑依された蛭魅という、2人の蛭魅を演じる声優は、真野あゆみさん。兼ね役や名前のない役も多いですが、『ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-』の「イワザル」や、『デート・ア・ライブIII』の「七罪」など人気作でのメインキャラ起用があるなど、これからの活躍が期待される人物でもありますね。

『とある科学の一方通行』は、決して善人ではないけれど、自身の信念に基づき行動する強い心を持ったアクセラレータと、そんな彼を信じる人々との物語と言えそうですね。

本編で行ったことは非道なことながら、一定の人気があるアクセラレータ。日本では珍しい完全なる「ダークヒーロー」の彼が、物語の主人公としてどのように行動していくのか、また周りはそんな彼をどう評価するのか、注目していきたいですね。