「デビルマン」とは、漫画家・永井豪により1972年から1973年にかけて制作された漫画作品で、週刊少年マガジンにて連載されていました。ジャンルはホラーアクションにあたります。また原作漫画と同時期にテレビアニメも制作され、全39話に渡り放送されました。
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漫画・デビルマンとアニメ・デビルマンは、「漫画作品のアニメ化」や「アニメ作品の漫画化」といった関係ではなく、「同一の基本設定を使用し描かれた2つの作品」と原作者は語っています。他のアニメには見られないスタイルですよね。だからこそ、同時期に漫画とアニメの2つが誕生したのです。
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1973年の3月にアニメ放送を終え、その後はOVA作品として1987年と1990年に「デビルマン 誕生編 / デビルマン 妖鳥死麗濡編」が。そして2000年に「AMON デビルマン黙示録」が制作されました。そして今年2018年に45年ぶりに「テレビアニメ」としてのデビルマンが帰ってきました!
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Netflixにて「DEVILMAN crybaby」というタイトルで1月5日に、全10話が放送され、現代の若者にも「デビルマン」の存在を知らしめました。
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先ほども説明したように原作漫画とアニメは別物。ストーリーさえ異なるのです。アニメ版では事故により死亡した主人公・不動明にアモンという悪魔が合体し、それがヒロインの牧村美樹を愛するようになります。愛する美樹‥つまり人間を守るために地球の先住人類であった「デーモン」という種族と敵対するというヒーロー要素のある作品。
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原作漫画は、明とアモンが合体する際に明がアモンの精神に打ち勝ち、デビルマンとなるのです。そして明本人の意思で人間を守るため、デーモンたちと戦います。デーモンはあらゆる手で人類を絶滅させようとしますがその方法が非常に残酷なもの。当時日本では「終末論」が流行っていたためか、どこか暗い内容の作品となっていたのです。
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主人公の不動明は、両親が海外出張している関係で牧村家に居候しています。そのため明とは同居人という不思議な関係性。芯が強く正義感のあるおてんばな少女。明がデビルマンとしての姿を見せた時も、心は不動明のままと気づき受け入れます。
男勝りな一面もあり、自分のことを「セッシャ(拙者)」と呼びます。しかし2018年版の
「DEVILMAN crybaby」の牧村美樹の一人称は「オレ」だそうです。さすがに「セッシャ(拙者)」は引き継がなかったようですね。
黒髪のショートで毛先が跳ねているのが特徴的。黄色のカチューシャをつけています。可愛らしい容姿ですが気の強さも現れているキリッとした顔つきにも見えますね。クライベイビーではカチューシャはつけていません。
飛鳥了の正体が判明し、明は人類のために戦うためこれまで共に戦ってきた飛鳥とは決別。人間を守るため必死に戦う明でしたが、人間が人間を拷問にかけるところを目の当たりにし、人間は守る価値があるのか、人間はケダモノ以下ではないか、と考えるようになってしまったのです。
しかし明は美樹というたった1人の守るべき存在を思い出します。人間を守ることは美樹を守るということ。何があっても美樹を守らなければ。と美樹の元へと走り出します。
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明が最後の希望を見つけ、牧村家に走りました。しかしそこで待っていたのは、なんと‥殺された美樹の生首だったのです。
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殺されたのは美樹だけではありません。牧村家の人間はすべて殺されていました。しかも殺したのはデーモンではなく、明が最後の最後まで守る理由を見出そうとしていた人間たちだったのです。明が悪魔ではないかと疑った近所の住民が、明が住む家に押しかけ美樹を始め牧村家の人々を惨殺したのです。
思いもよらぬ最悪な出来事に、明は人類に絶望。生首を突き刺した槍を掲げて狂喜乱舞している、「人間でありながら悪魔になった者たち」を怒りままに皆殺しにしました。これは読者の誰もが想像出来なかった展開で、このシーンは読者のトラウマとも言える衝撃的なシーンとなったのです。
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ここで気になるのが、最新作である2018年版の「DEVILMAN crybaby」で、牧村邸襲撃事件が描かれていたのかということ。
結論から言うと、最新作でもこのシーンはしっかりと描かれています。地上波放送されなかった理由はこれなのではないかと囁かれているほどです。たしかにデビルマンにおいてこのシーンはファンに衝撃やトラウマを与えるものながら、明のその後に繋がる出来事として必要不可欠なシーンと言えるでしょう。現代風にアレンジされた美樹もまたとても可愛らしいキャラクターだったので、再び衝撃が走ったでしょう。
1972年版の美樹と最新作の2018年版の美樹の違いを紹介していきます。1972年版は序盤で紹介したようにかなりのおてんば少女。不良に絡まれても不良をも驚かせる男勝りな口調で言い返し、武器まで所持しています。牧村邸襲撃事件のときも最後まで戦う覚悟と勇気がありました。
2018年版の美樹はというと、まず時代の流れからキャラクターデザインにも違いが見られますが髪型は引き継いでいるようです。また性格は「オレ」という一人称から、男勝りな一面は引き継いでいるものの、性格は優しく大らか。牧村邸襲撃時も、原作のように戦うのではなく脱出・逃走を選びます。
愛しい人がデビルマンであっても、人々が狂気に囚われ変わっていっても、人間を信じ明を信じ続けた聖母のような存在として描かれているのです。原作の美樹との大きな違いはやはりこの聖母的なイメージを与える部分ではないでしょうか。そのためより、牧村邸襲撃事件の残酷さが引き立っているようです。
「あたしがなんで平手美樹っていわれてるか知ってるか!知らなけりゃ教えてやるぜ!」「ガタガタうるせーぞ!チンピラ!」
「セッシャが男であんな恥かいちゃったら生きてないね。」「みっともなくてみられたざまじゃねーぜ 生き恥さらさず死んじまえ!」「ノコギリで不良と喧嘩するおてんばなんて思わないで、明くん」
「DEVILMAN crybaby」の牧村美樹役を担当するのは、声優の潘めぐみさんです。
2011年に大人気テレビアニメ「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン=フリークス役に選ばれ声優デビューを果たし、デビュー作ながら一気に知名度を上げました。その際声優オーディションでは100人以上の応募者がいたにも関わらずスタッフの満場一致で決まったようです。その後2014年の「ハピネスチャージプリキュア!」にて白雪ひめ/キュアプリンセス役も務め、2017年には第11回声優アワードにて助演女優賞を受賞しました。
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「デジモンクロスウォーズ 〜時を駆ける少年ハンターたち〜」「ちはやふる」「遊☆戯☆王ZEXAL II」「ジュエルペット ハッピネス」「NARUTO -ナルト- 疾風伝」「熱風海陸ブシロード」「とある科学の超電磁砲S」「ムシブギョー」「LINE TOWN」「ガンダムさん」「残響のテロル」「ナノ・インベーダーズ」「BABYGAMBA」「俺物語!!」「かみさまみならい ヒミツのここたま」
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「双星の陰陽師」「ブブキ・ブランキ」「リトルウィッチアカデミア」「“栄光なき天才たち”からの物語」「スナックワールド」「ゲーマーズ!」「シュタインズ・ゲート ゼロ」「僕のヒーローアカデミア」「キャプテン翼」「東京喰種トーキョーグール:re」「魔法使いの嫁」「Re:ゼロから始める異世界生活」「カードファイト!! ヴァンガードG」「アクエリオンロゴス」
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デビルマンといえばやはりかつての主題歌「デビルマンのうた」。デビルマンが復活するにあたり公開されたスペシャルムービーにて、「デビルマンのうた」のリメイク版が流れ、当時のファンを喜ばせました。
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電気グルーヴのサポートメンバーでもある牛尾憲輔が編曲を務め、人気バンド・女王蜂のボーカル、アヴちゃんが歌い上げるというリメイク版「デビルマンのうた」。スペシャルムービーにてそれをみたファンは「主題歌に違いない!」と誰もが思ったでしょう。しかし主題歌は全く別の最新曲。電気グルーヴによる「MAN HUMAN(DEVILMAN crybaby Ver.)」という楽曲が起用されました。
当時「同一の基本設定を使用し描かれた2つの作品」とあくまで漫画とアニメを別物という捉え方を望んだ原作者の想いを汲んだのではないかと感じました。同じデビルマンでも、時を超えて新たな現代の「デビルマン」として世に送り出されたのですね。主題歌だけでなくデザインも現代風へとリメイクを遂げていますが、根本的な原作のストーリー、牧村家襲撃事件などの重要シーンはしっかり引き継がれており当時のファンにとっても嬉しい作品となっているのではないでしょうか。
今回はデビルマンに登場するヒロイン・牧村美樹について、基本的なキャラクタープロフィールやセリフ紹介、声優情報、最新作での美樹に関してなど細かくまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
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男勝りで常に武器まで所持しているようなおてんば娘の美樹。そしてヒロインというポジションであることから、まさか美樹があんな姿で最後を迎えるとは誰も予想できなかった展開ではないでしょうか。一部では、あんなに酷い最後を迎えたヒロインは日本漫画史上、美樹以外にいないとまで言われているようです。最新作のクライベイビーでも第9話にてしっかり描かれており、さらに第9話にのみスペシャルエンディング曲が流されました。原作を知らない現代の若者にも衝撃を与えたことでしょう。