車のマフラーは音を出すもの!?
車の後に付くと、たまにピカピカしていて、重低音や甲高い音を響かせながら走行している車を見かけることがあります。それは、車のマフラーによるもので、マフラーを交換、いわゆるマフラーを改造していることがほとんどです。
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しかし、よく勘違いしてしまうのが、マフラーは音を出すために交換・改造していると思ってしまうこと。確かに交換・改造することで音が変わりますが、本来マフラーの役目というのは、車が排気ガスを発生させ、外部に放出する際の音を、抑えることが主な働きです。
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車のマフラー①役目と構造を理解しておこう!
車のマフラーの役目が、音を抑えるためのものだと理解するためには、車のマフラーの役目と構造を理解しなくてはなりません。今後、ご自分の車のマフラーを、交換や改造することを考えているのであれば、車のマフラーの役目と構造を、理解しておきましょう。
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車のマフラーの役目(排気システム全体の構造から)
車のエンジンは、内部で燃焼しており、爆発の力を利用して内部が動くシステムになっています。この際、大きな音が出ているのですが、厚いヘッドカバーなどで、上には音が伝達されません。しかし、排気ガスを放出する下側は、パイプが空洞となっているため、音を伝達してしまいます。
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エンジンで排出された排気ガスは、エキゾーストマニホールド、サクションパイプを通って触媒(キャタライザー)と呼ばれる部分で浄化されます。浄化された排気ガスは、フロントパイプなど中間パイプを通ってマフラーに入り、消音作用を経て外部に放出されます。
車のマフラーの構造
では、マフラーの内部構造を見て行きましょう。マフラーのタイコ部分は、消音作用があるため、中でパイプが折り返されたり、分岐されたりするなどして、音を消していきます。このマフラーのタイコの部分は、サイレンサーと呼ばれており、排気作用による音を、ここで消音しています。
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また、マフラーは車種によってエンド部分(出口)が違っており、「左側1本出し」「右側1本出し」「左右2本だし」「センター出し」「左右2本出しダブルマフラー」などがある他、縦付けと横付けがあります。しかし、効果や作用については同じものになっています。
車のマフラー②車のマフラーを交換・改造!車検対応マフラー(保安基準適合品)とは!?
自分専用の車を所有してしまうと、改造やカスタムしたくなるのは当然のことです。しかし、公道で乗る車のマフラーを改造擦るのであれば、車検対応でなければなりません。市販のマフラーであれば、「JASMA認定」となっているマフラーを購入しましょう。
JASMAの歩ア基準適合の証明証
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JASMAとは日本自動車スポーツマフラー協会に事で、ここで認定されているマフラーであれば、車検通過可能で、現在ではディーラーでも認められています。但し、注意点として同じ車であっても、年式によっては適合外になる場合があります。購入の際は、年式・型式をしっかり確認してください。
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現在市販で販売されている車検対応マフラーは、中間パイプ後、つまりテール部分だけになっているものがほとんどです。車種や型式によっては触媒後からとされていますので、音が大き過ぎない場合は、ほとんどが車検をクリアできるようです。
車のマフラー③車マフラーを交換・改造!競技用マフラーとは!?
マフラーを交換する本来の目的は、音を大きくすることではなく、排気効率を良くすることが目的です。その結果、純正マフラーと比較すると、音が大きくなるというのが、音が変わる原因です。競技用マフラーの構造は、この排気効率を最大限にすることが目的です。
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従って、タイコ内部までのパイプがストレートになっていることが多い他、タイコを設けない場合もあります。また、触媒部前から接続するタイプの場合、排気ガスの浄化作用もなくなります。競技用マフラーでは、音と排気ガスの成分から、車検をクリアすることはできません。公道で使用すると、違法改造や整備不良ということで、加点の対象になりますので、ご注意を。
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車のマフラー④車のマフラーの車検基準とメーカー
マフラーの車検基準は、自動車メーカーや自動車パーツメーカなどのメーカーが定めるのではなく、国交省が定める道路交通法による自動車の構造と、排気ガス規制法が定める排気ガス基準に、メーカーが準ずる形になります。ですから、メーカーが「Yes]といっても、基準が「No」という場合もあります。
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○道路交通法が定める基準
・音:近接排気騒音69dB以下 加速騒音82dB以下(90dB=犬の鳴き声)
・排気ガス:COやHC、NOxの排出基準(定められ年度によって違いあり。年度ごとに強化されている)
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車のマフラーに定められた上記基準をクリアしなければ、車検通過はできません。また、音に関しては、現在消音サイレンサーなども販売されていますが、これを非装着の場合に限ります。従って、消音サイレンサーは、道路交通法では意味がないので、ご注意ください。
車のマフラー⑤車のマフラー交換方法
では、マフラーの交換方法をご紹介します。エキゾーストマニホールド(以後エキマニ)や中間パイプ、触媒交換は違法改造になる場合があるので、ここではマフラーエンド部分の交換方法についてご紹介しますので、ご了承ください。
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1.車をジャッキアップします。この時、車のジャッキポイントを、ウマ(ジャッキスタンド)で必ず固定してください。
2.ジャッキを少しずつ降ろし、ウマに車が確実に乗ったことを確認し、ジャッキを一度外します。
3.マフラーエンド部分と、中間パイプのつなぎ部分繋いでいるボルトを外し、パイプを外します。この時、ガスケットをなくさないように注意してください。
4.マフラーエンド部分のタイコの上部にあるフックを、車体と繋いでいる強化ブッシュ(ゴム)から外し、マフラーエンド部分を外します。この時、重いので自分の上に落とさないよう注意してください。
5.交換するマフラーエンド部分のタイコ上部のフックを、車と繋ぐ強化ブッシュに通します。
6.マフラーエンド部分とパイプの間に外したガスケットを挟み、マフラーエンドとパイプをボルトで固定します。注意点として、ガスケットを均等に挟むため、左右交互に少しずつボルトを締めて下さい。
7.再度ジャッキアップし、ウマを外してジャッキを降ろせば終了です。
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車の年式や車種、パーツメーカーによって、取り付け方法に違いがある場合があるので、必ずパーツに付属するメーカーの説明書に目を通して下さい。また、車検対応の場合、メーカーから付属されてくるJASMA認定証明証は、大切に保管して下さい。
車のマフラー⑥競技用マフラーに交換する場合の注意点
車のマフラーを交換して、競技用にする場合は、ものによってはエキマニや中間パイプから交換を余儀なくされる場合もあります。しかし、エンジン側にあるエキマニは、ボルトを外すのもはめるのも、困難な場合がほとんどです。
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ボルトの締めが甘かったりすると、排気効率に悪影響を及ぼすだけではなく、ガスが濃いので、不意に爆発したりする可能性も考えられます。自分で作業をする場合は確実にガスケットをはめ、ボルトを締めて下さい。自身がない場合は、この部分だけでもショップや専門店に依頼しましょう。
※吸気系・排気系のチューニングは平行で行うことが望ましいとされています。吸気が多いのに排気が少ない、または、吸気が少ないのに排気が多いとなると、吸排気のバランスが悪くなり、逆にパワーダウンしてしまいます。特にターボ車はデリケートに反応するので、ご注意ください。
車のマフラー⑦車のマフラーが故障!修理方法は!?
マフラーが故障してしまうと、音がうるさくなったり、排気漏れ起こしたりしてしまい、車検を通過できなくなってしまいます。その多くの原因は水。マフラー内部は温度変化が大きいので、水滴が発生しやすく、その水滴が水となり、タイコ部分に溜り、放置しておくことでタイコが腐食します。
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この腐食によって穴が空いてしまい、音が大きくなったり、排気ガスが漏れてしまいます。初期段階なら自分でも修理できますので、修理にチャレンジしてみましょう。修理作業は簡単で、穴周辺をきれいにし、マフラーパテで穴を塞ぎます。パテが乾燥したら、修理完了です。
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マフラーパテで修理する際は、穴だけではなく、広範囲に少し厚めにパテ付けしてください。また、原因がパイプ部分にある場合は、マフラー補修用のアルミシートを巻き付けます。温度変化で剥がれてしまうので、金属製のホースバンドなどで、固定しておきましょう。
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※音や排気ガス漏れの原因が、パイプ同士のつなぎ目にある場合は、つなぎ目に液体ガスケットを塗布します。それでも効果がない場合は、ガスケットを交換してください。
車のマフラー⑧故障する前に対処を!
前述にもありますが、マフラーやパイプが故障するというのは、大きな原因が水によるもです。パイプのつなぎ目等の場合は劣化による場合もありますが、タイコ部分であれば、先に地処方を講じておくこともできます。
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マフラーのタイコ部分に、ドリル等で小さい穴を開けます。この時、ドリル等が深く入りすぎないように注意してください。次に穴を開けた部分を、ボルトネジを使ってボルトで塞ぎます。これでドレンができあがり。ボルトを外して水抜きをすれば、マフラーも長持ちします。
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車のマフラーまとめ
マフラーを交換するのであれば、その構造と役割を把握し、目的に合ったマフラーに交換して下さい。また、交換作業を自分でやる場合は、作業中の事故には十分注意してください。ちなみにマフラーの音は、6気筒、4気筒など、エンジンによって違うということも覚えておいてください。
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