「キルミーベイベー」とは、芳文社が発行する月刊雑誌である「まんがタイムきららキャラット」にて2008年にフレッシュゲストとして初めて掲載された読み切り漫画。好評であったものの不定期連載の状態が半年間続き、同年7月にようやく正式連載がスタートしたカヅホのデビュー作品です。内容はギャグ路線の強い4コマ漫画で、「Baby, please kill me.」という英語表記が併記されています。
萌え系の絵柄の漫画作品にしては珍しく主な登場人物が少ないのが特徴的で、主人公の折部やすなと準主人公ともいえるソーニャの2人のやり取りがほとんどとなっています。呉織あぎりというキャラクターも主要キャラクターではありますが登場頻度はその2人に比べたら極端に少ないようです。
キルミーベイベーのファンは「キルミスト」と呼ばれ、ファン発信で広まった名称であるものの後に公式でも使われるほどに広まりました。原作が人気でテレビアニメ化まで果たしたにも関わらず、テレビアニメ放送当初はなかなか視聴率は上がらずはっきり言って不人気。初動売上を見る限り"大爆死"とすら言える状況だったようです。しかし、これが逆にネットで広まり同情を買うと徐々に人気が出るようになりました。
普通の学生である折部やすなと、「殺し屋」なのに普通に学校に通う少女・ソーニャの普通ではないバイオレンスな学校生活、日常をおもしろおかしく描いたのがこのキルミーベイベー。
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原作者のカヅホいわく「漫才コント漫画」とのこと。当初、掲載誌である「まんがタイムきららキャラット」に馴染む普通の日常系漫画を描いていましたが、変わったことをしないと生き残れないと感じたカヅホはギャグ漫画に一変させました。すると好評になり、それに味をしめてギャグ路線を突っ走るようになりました。
2011年7月28日に発売されたキルミーベイベーの掲載誌「まんがタイムきららキャラット9月号」の表紙にて、キルミーベイベーのテレビアニメ化が発表されました。
TBS系列で、翌年の2012年1月から3月まで全13話が放送されました。「まんがタイムきららキャラット」に連載された作品がテレビアニメ化するのはこのキルミーベイベーが4作目だそうです。
アニメ化の話は以前から出ており、一度企画段階までこじつけたものの当時は残念ながら流れてしまいました。そのため今回再び企画が持ち上がったときには原作者のカヅホはどうせまた流れてしまうのではと疑っていたそうです。
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しかしその不安も企画が無事通ったことで解消され、アニメ制作スタッフと共に会議に出席したり、原作者として意見を出したりと積極的に制作に関わり協力したようです。念願のアニメ化がようやく形になって本当によかったです。
外国出身の金髪ツインテールの少女。髪は非常に長く腰あたりまで伸びています。目は綺麗な青色で、短い眉毛も特徴の一つです。ある暗殺組織に所属する殺し屋でもあり、組織に暗殺依頼が来ると、組織の上の人間から手紙や電話等でソーニャに依頼が託され、仕事として暗殺任務を遂行します。
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しかし暗殺の場面などは直接的に描かれてはおらず、その代わり制服に返り血を付けている描写で表しています。制服の下などあらゆるところに銃やお得意のナイフを忍ばせており、暗殺の指令書やターゲットの写真などを持っている時もあるようです。
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殺し屋という仕事も影響してか、友達を作るなどもってのほかで基本的に一般人と関わりたくないと思っているようです。そのため他人への態度は冷たく淡白なもの。滅多に笑顔も見せません。一般生徒との関わりはほとんどないのですが、クラスメイトである天然おバカな一番めんどくさいタイプの折部やすなに懐かれてしまうことになります。
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折部やすなはごく普通の学生ですが、ソーニャが殺し屋をしていることを知りながら「友人」であると主張ししつこくつきまとっています。天然でアホな子と言われるやすなによる幼稚なイタズラや、突拍子も無い暴走にソーニャが巻き込まれる形で物語が進行することが多く、その度にソーニャは迷惑を被っています。しかしソーニャはその度にやすなに対し、普通の人間なら死んでしまうレベルの容赦ない反撃を繰り出します。しかしやすなは狂人的な頑丈さとタフさを持っており、骨折させられても大体次のコマには復活していることが多いです。
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ウザかわという新しいジャンルさえ確立しているやすなに、イライラさせられっぱなしの日常を送っているようです。
キルミーベイベーの数少ない登場人物の一人である呉織あぎりも暗殺組織に所属しており、ソーニャとは同僚に当たります。ナイフを扱う典型的な殺し屋のソーニャとは対照的に、あぎりは忍者として忍術を用いた暗殺を得意とするとか。
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あぎりは仕事の一環で2人と同じ学校にやってきたようで、空き教室となっている元・忍者同好会の部室にいることが多いです。のんびりマイペースなゆるふわ系に見えるあぎりですが、やすなやソーニャがピンチになるとどこからともなく現れ力を貸すなど、意外と頼りになるキャラクターです。普段はめちゃくちゃな忍術を繰り出すものの、いざという時には2人が驚くほどのハイレベルの忍術を繰り出しその度に驚かせているようです。
ソーニャは殺し屋であるにも関わらず苦手なものが多く、しかもその苦手なものは女の子が苦手とする典型的なものばかりです。
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何が苦手かというと、まず幽霊などのお化け、更にゴキブリなどの虫、犬などの動物も苦手。特にお化けに関しては刺客が現れた時と比べ物にならないほど怖がります。
一般的な女の子が苦手そうなものはほとんど同じように苦手と言っていいでしょう。殺し屋であっても女の子らしい一面はあるということですね。
また自身も暗殺で銃を使うこともあり携帯するほど馴染みがあるにも関わらず、銃の発砲音が苦手らしく、それに似たクラッカー音さえも嫌がります。それを逆手に取ったやすなが、クラッカーを脅しの材料に迫るシーンもありますがいつも通りソーニャにぶっ飛ばされる結末が待っています。
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アホでおバカなキャラクターといえばやすなですが、そんなやすなにつきまとわれ一緒にいる時間が多くやすなのおバカが伝染してしまったのか、ソーニャにもマヌケな行動が見られるようになります。その一部を紹介したいと思います。
など、厳しいツッコミに徹していたソーニャにあるまじき行動です。あのソーニャをここまでさせるやすなに恐怖さえ感じます。
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学校外の制服を着る必要のない場面でも基本的に制服で行動しています。初期は人の気配を背後などの見えない場所に感じたときには反射的に手を出すという周りからしたら迷惑でしかない悪い癖がありましたが、後に"気配判別能力"を向上させたことによりその癖は無くなりました。
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呪いをかけられそうになると全力で嫌がるものの、呪いや占いなどの非科学的なものは一切信じていないと言い張っています。
暗殺の腕は優れており、特にナイフの扱いはプロ級ですが腕力は非常に弱く、たかがペットボトルのキャップでさえも開けられないほどだそうです。更に焼きそばパンが好きらしく、ソーニャのキャラクターソングに「焼きそばパン」という曲があるほどです。
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アニメ・キルミーベイベーのソーニャ役の声優に選ばれたのは声優・田村睦心(たむらむつみ)さんです。
田村さんは日本ナレーション演技研究所を卒業後にテレビアニメ「ef - a tale of memories.」で声優デビューを果たし、翌年「バトルスピリッツ 少年突破バシン」のバシン役が声優としての初主演作となりました。田村さんはハスキーボイスが特徴的で、それを活かし同性の女の子よりも少年役の声優を担当することが多いそうです。
主要キャラクターとして声優参加している作品がたくさんあるので紹介します。「あにゃまる探偵 キルミンずぅ」「ぼくチロ!」「あそびにいくヨ!」「境界線上のホライゾン」「超速変形ジャイロゼッター」「ヨルムンガンド」「団地ともお」「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」「バトルスピリッツ 烈火魂」「最弱無敗の神装機竜」「バトルスピリッツ ダブルドライブ」「小林さんちのメイドラゴン」「ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝」「妖怪ウォッチ シャドウサイド」「ダーリン・イン・ザ・フランキス」など、まだまだここに挙げきれない作品もたくさんあり、人気声優さんということが分かりますね。
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アニメの制作会社が同じであるという共通点と、作品名の共通点もあり「探偵オペラ ミルキィホームズ」とコラボレーションし、2011年の12月、2日間限定でキルミーベイベーの公式HP(に限りなく近いサイト)が「ミルキィベイベー」となり乗っ取られてしまいました。その後仕返しの如く、今度はアニメ版ミルキィホームズの公式HPを「キルミーホームズ」と称し乗っ取ってみせました。
コラボはそれだけでなく、ミルキィホームズの4人の声優がキルミーベイベーの声優陣による"殺し屋ラジオ"に出演したりと、コラボイベントはいくつか行われました。
今回はキルミーベイベーには欠かせない重要な役割を担うソーニャというキャラクターについて、基本情報からやすなとの関係性、声優情報まで細かくまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
やはりキルミーベイベーと言ったら折部やすなとのソーニャの掛け合いが一番の見所です。やすなのしぶとさ、タフさを引き立たせるソーニャの酷すぎる痛撃は見ていてスッキリすらします。お化けや虫が苦手というのも意外でしたね。萌え系の漫画で殺し屋の女子学生のギャグ漫画というのがまた意外な組み合わせで、それだけで読んでみたいと思わされますね。キルミーベイベーの人気も頷けます。