『LaLa DX』に登場した2003年から、現在も『LaLa』で連載中の『夏目友人帳』は、妖(あやかし)=妖怪を見ることのできる夏目貴志と、彼に関わる人間と妖が繰り広げるファンタジー漫画。
幼い頃に両親を亡くした主人公・夏目貴志。他人には見えない妖(あやかし)を見える夏目は、子供のころから周囲に理解されず孤独に育ちました。
ある日、夏目は妖の斑(まだら)と出会い、祖母レイコの遺品である『友人帳』の存在を知ります。『友人帳』とは、レイコが勝負で負かし子分にした妖の名を書かせた契約書の束。
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『友人帳』の持ち主となった夏目が、幼い頃は厄介な存在でしかなかった妖も自分と同じように悩み傷つく優しい存在だと気付き成長していく物語が描かれています。
『夏目友人帳』の主人公・夏目貴志の祖母である夏目レイコ。その過去は未だに多くの謎に包まれています!
普通の人には見えない妖の存在を見ることができたレイコは、当然ながら周囲から理解されずに変人扱いされていました。
人間との関わりを避けるレイコは、いつも一人で話し相手は妖ばかり…。
そんな憂さを晴らすためか妖たちに「負けた方が子分になる」という約束で勝負をしかけます。強い妖力を持つレイコは多くの妖に勝利し、子分になるという約束を守らせるために書かせた契約書、それが『友人帳』なのです。
時は流れて、レイコの孫である夏目が『友人帳』受け継ぎだところから物語は始まります。
レイコは、すでに他界しているため、作中では回想シーンでのみ登場するキャラクター。
夏目は『友人帳』に名のある妖たちに“名前を返す=契約から解き放つ”際、妖の持つレイコの記憶を共有します。
レイコが関わるのは妖ばかりですが、レイコは人間も妖も大事に思っていたことを知る夏目。
自分容姿がレイコにそっくりで境遇も似ていることで、夏目は、もっとレイコのことを知りたいと考えます。
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結婚せずに夏目の母を生んだレイコ。夏目の祖父にあたるのは誰なのか?レイコが死亡したのはいつなのか?その死因は?
そんな謎の存在である夏目レイコについて、わかっている情報をまとめながら、いろいろと考察していきたいと思います。
なお、ところどころネタバレがあるので気をつけてくださいね!
上に書いたように『友人帳』とは、レイコとの勝負に負けた妖を子分にするため、その名前を書かせた契約書です。
尚、『友人帳』が誕生した経緯については単行本22巻第88・89話にて、1番最初にレイコと勝負して負けた妖の「ソラノメ」によって明かされています。
実は妖にとって“真名”を相手に明かすことは、命を握られるのと同じこと。なぜなら、その相手の命令に逆らうことができなくなってしまうからです。
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『友人帳』の存在は妖たちの間では知れ渡っているようで、多くの手下欲しさに『友人帳』を狙う妖も存在します。
(夏目はそれを阻止しながら、『友人帳』にある名前を妖に返そうとします)
しかし、レイコが妖の名前を集めたのは、妖を意のままに操るためではなかったようです。なぜなら、勝負に勝ったレイコは、負けた妖の名を呼ぶことは1度もなかったから…。
『友人帳』が誕生した経緯を夏目に教えてくれたソラノメの名を返した時に、ソラノメの記憶を見た夏目は、レイコの寂しさを知ります。レイコは妖を子分にしたかった訳ではなく、名前を呼べる友達が欲しかったのだと感じ、涙を流す夏目なのでした。
強い妖力を持っていたと言われている夏目レイコですが、その強さはどれ程だったのでしょうか?
残念ながら夏目の世界には、妖力を測定する装置などは存在しないため、詳しい妖力の強さはわかりません。
ですが、三篠(みすず)や若神様の時雨(しぐれ)、森の主様のリオウなど、かなりの大物の妖であろう者たちの名を手に入れていたことから、レイコの妖力は相当に強かったのではないかと推測できます。
また、その力の強さは、妖たちの間だけでなく、人間の祓い屋の間でも有名でした。5巻19話では、陣を使って妖を祓っていることから相当の力を持っているのは間違いありませんね。
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その血は夏目にも受け継がれたようで、もやしのような腕から繰り出される拳の威力は、真の姿の斑をもノックアウトできるほどなのです。
TVアニメ第4期8話で放送されたアニメオリジナルストーリー『惑いし頃に』には、的場一門の七瀬が祓い屋として活動を始めたばかり頃が描かれています。
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そこでは、中学生の七瀬が、妖たち間で「妖を見ることができて、しかも強い」と噂される夏目レイコに興味を持ち会いに行くシーンが描かれています。
残念ながら、二人が出会うことはありませんでしたが、その頃から夏目レイコの強さは周囲に響き渡っていたことがわかりますね!
友人から「美形だ」と言われることもある夏目ですが、その容姿はレイコによく似ていると言われています。
実際、斑や滋もレイコは「美しかった」と言っていることから、美人だったのは間違いないようです。
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回想シーンのレイコは、ロングヘアにすらりとしたセーラー服姿をしています。すずし気な顔立ちで、かわいい笑顔もたまに見せています。
ただし、周囲からは変人と呼ばれできるだけ人との関りを避けていたレイコですから、面と向かって「かわいい・美人」と言われたことはなかったかもしれませんね。
夏目の母を生んだレイコですが、結婚(婚姻)はしていないようです。しかも相手の男性については今のところ不明となっています。以下、ネタバレが含まれるのでご注意ください!
多くの妖の間では有名なレイコですが、その結婚相手の男性については、妖たちも知らないようです。
しかし、18巻73話で元・祓い屋の箱崎氏の式竜が、「むかし、お前によく似た面差しの男にあった気がする」と言っています。
また、20巻80話に登場した、祓い屋の依島氏に何かを感じる夏目と、レイコの名を聞いた依島氏の表情が気になるところ。
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箱崎氏と依島氏はどちらも祓い屋であることから、おそらくレイコの結婚相手も妖になんらかの関係がある人物、もしくは妖ではないかと推測できます。
漫画の方で描かれている、人間と妖がお互いに好意を持つストーリーは、レイコの相手が妖だったという伏線になるのかもしれませんね?
このようにレイコの結婚相手(便宜上そう呼びますが)である夏目の祖父について、様々な考察をまとめてみました。
レイコの結婚相手は妖ではないか?実は、斑(ニャンコ先生)こそがレイコの結婚相手だったのでは?との意見が多く見られます。
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第一話目から登場し、夏目が死んだら『友人帳』譲り受けるという約束でに夏目の用心棒に納まった斑。斑の名は『友人帳』に載っておらず、勝負を断ったとのこと。それからレイコは、ちょいちょい勝負しろと、斑を訪れるようになったと言っていることから二人は頻繁に会っていたと思われます。
人間とは上手く付き合えないレイコでしたが、妖の斑であれば気兼ねなく接することもできたのではないでしょうか?そして、斑がレイコの結婚相手であれば、孫である夏目を見守るのにも納得がいきますよね。
もしくは、まだ登場していない妖がレイコの結婚相手かもしれせん!この場合も、斑とは関係の深い妖である可能性が高いのではないでしょうか。
人間との付き合いは、ほとんどしていなかった夏目レイコですが、14巻59話でドングリ好きの妖相手に最近会った人間について語るシーンがあります。
普段は人と関わらないレイコですが、この男性については柔らかな表情で語っています。
この人物についても詳しい情報はほとんどありませんが、明らかにレイコを気にしている様子です。もしかするとこの男性こそがレイコの結婚相手なのかもしれませんね。
また、夏目に対する的場誠静司の態度も気になるところ。
夏目に興味があるのは、単に夏目レイコの孫だからなのか?それとも他に何か理由があるのか?
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もしかすると、レイコの相手は的場一門に関係のある人物ということも考えられます!
さらに、祓い屋の依島氏も何か含むところがありそうです!依島氏は登場して日が浅いので、情報がほとんどありません。今後、どのように絡んでくるのか注目したいと思います。
果たして、レイコの結婚相手は誰なのか?早く知りたいですね。
夏目レイコの死因についても、作中では詳しく語られていません。
3巻11話で、名取と参加した祓い人の会合で、夏目の名前を聞いた的場一門の七瀬から「夏目レイコを知っているかい?」と尋ねられた際、「若いうちに、「どこかの木の下で亡くなったと聞いたことがあるだけ…」と夏目は答えています。
レイコが亡くなったと聞いた七瀬は、「ご病気?事故?それとも妖にでも…?」と死因の可能性を口にしています。
中には凶暴で危険な妖もいますから、レイコが負ける可能性もあり得るでしょう。しかし、もし妖に殺されたのなら、そのことを知っている妖が大勢いてもおかしくないと思いますが、そういった話は聞こえてきません。
また、不審死だったとすれば、いくら昔とはいえ人間の世界で噂くらいにはなったはず。
このように、妖も人間も誰一人としてレイコがいつどこで亡くなったのか、その死因について知らないのです。未だ謎のレイコの死因。できることなら妖が原因でないことを祈りたいものです。
更には、レイコも夏目の母も若くして亡くなっていることが非常に気になります!二人の死が血筋に関係あるとすれば、夏目の今後にも大きく関わってくることも考えれます。
夏目の為にも早いうちに、レイコの死因が判明することを願います。
レイコの結婚相手の候補として名前の挙がっている、大妖の斑ことニャンコ先生。
本体の時は優美な姿の妖の『斑』ですが、普段はずんぐりした姿の猫でかわいい『ニャンコ先生』としておなじみですね。
まねき猫を依り代として封印されていたのを夏目が(うっかり)解放したのがきっかけで二人は出会いました。
夏目がレイコの孫だと聞いて驚いていましたが、斑はレイコについてこう語っています。
「(妖を見ることができたので)人は誰も彼女を理解(わか)らなかった」
人はレイコを理解しなかったと言っていることから、少なくとも斑はレイコの気持ちについて何か知っていたとも考えられます。
夏目と出会った時『友人帳』を奪おうとした斑。しかし、「祖母の大事な遺品を軽々しく手放せない!(唯一の血縁者としてレイコと)繋がりをもっていたい」、さらに「おれ(夏目)が命を落としたら友人帳は斑に譲る」という夏目の言葉を聞いて、斑は夏目に手を貸す決心をしたのでした。
斑ほどの妖が本気になれば、夏目を食らうことはそれほど難しくないのかもしれませんが、おそらく斑は、レイコにそっくりな夏目を食らうことにためらいがあったと思われます。
また、夏目が祖母レイコを想う気持ちを汲んだことで『友人帳』を諦めたのではないでしょうか。それだけ、斑にとってレイコは大切な存在だったのかもしれません。
今のところ斑とレイコの回想シーンなどはありませんが、二人のエピソードが明かされるのが楽しみですね!
2017年にTVアニメ第6期が放送された『夏目友人帳』。
回想シーンで登場する夏目レイコも、しっかりアニメにも出演していますよ!
アニメでレイコの声を担当しているのは、声優の小林沙苗さんです!
小林さんは2000年に声優としてデビュー。その後、多くの作品に出演。アニメ声優として、『イナズマイレブンシリーズ』の雷門夏未役や『デュラララ!!シリーズ』の矢霧波江役などがあります。
また、洋画の吹き替え声優としても多くの作品に出演している小林さんは、女優のセレーナ・ゴメスの声を担当していることで知られていますよ。
なお、2018年公開の劇場版長編アニメ『夏目友人帳 うつせみに結ぶ』にもレイコが登場するので、小林さんも声優として出演します。チェックしてくださいね。
『夏目友人帳』に登場する夏目レイコについて、声優情報含めて紹介しました!
人間と上手く付き合えずに妖とばかり関わっていたレイコ。若くして亡くなったこと以外、死因や結婚相手についてなど多くの謎に包まれています。
夏目のルーツを知るうえでも重要な立ち位置にいるレイコ。これから少しずつ、謎が明かされていくのではないでしょうか?
レイコの謎が明かされることで夏目には、どのような影響があるのか?非常に楽しみですね!