キノの旅とは電撃文庫(KADOKAWA)より出版されているライトノベルです。作者は時雨沢 恵一(しぐさわ けいいち)先生です。時雨沢先生は作家になる前、もともと小説家に憧れは持っていましたが夢のような話だと行動には移さずにいました。
その後、たまたまライトノベルの募集を見かけ、10年以上前から考えていた「キノの旅」の原案となる短編小説を編集部に送ったところ、編集部の目に止まり、すぐデビューしたといいます。時雨沢先生はバイク好き・銃好きのガンマニアで、実際に所有もしていたらしいです。そういった時雨沢先生の趣味が、本作「キノの旅」に小道具として反映されています。
キノの旅は、主人公で旅人の『キノ』が相棒のエルメスとともに旅をしながらさまざまな国を巡る、基本一話完結の物語です。キノは黒い単発に大きな瞳、華奢だけれどもずば抜けた運動神経を持ち、特にパースエイダー(銃)の扱いに優れた主人公です。青年にも少女にも少年にも見える格好で旅をしています。キノの旅に目的はありませんが、キノは特別の場合を除き、一つの国での滞在は最大3日間と決め、旅を続けています。
物語の世界は、さまざまな都市国家が存在する架空の都市が舞台です。国それぞれに独特の文化や文明を持っており、社会体制やその土地に住む国民の価値観などそれぞれ違います。キノの旅では、原則としてタイトルに「○○の国」といったようにその国を表すタイトルがつけられています。
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また、キノの旅の世界では、人間でないものが喋ったり、人間と同じような思考回路を持っていたりします。キノの旅の主人公・キノの相棒の「エルメス」は自動二輪車でモトラドという種類のバイクですが、ことばを話しますし、のちにキノの旅作中でキノと出会う旅人・シズの相棒も「陸」という名の犬ですが、人間の言葉を話します。
見た目10代、少年にも少女にも見える外見のキノは、実はかわいい女の子です。黒い短髪に大きな瞳の整った顔立ちで、華奢だけど抜群の運動神経をもち、さらには旅人として必要なスキルも備えており、旅先で多数の困難や問題をこなすキノですが、実はそうなるにはさまざま苦労があったのです。
キノの旅・キノを演じている声優さんは3人居ます。初代キノを演じたのは声優の前田愛(まえだあい)さん。2作目キノを演じたのは声優の悠木碧(ゆうきあおい)さん。ラジオドラマでキノを演じたのは声優の久川綾(ひさかわあや)さんです。
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キノは基本的に白のシャツに黒色のジャケット、そして茶色いコートを羽織っているのが基本スタイルです。ただし、旅先の気候によって臨機応変にかえています。それも長く旅を続ける秘訣なのです。
キノの旅・キノの旅人としてのスキルですが、10代の女の子がどうやってどれほどのスキルを手に入れたのでしょうか?キノはパースエイダーの才能に優れています。キノが所持している銃器は3丁。師匠の元から勝手に持ち出した大口径のリボルバー「カノン」と、「優しい国」にて老人から譲り受けた小口径の自動式拳銃「森の人」、「英雄達の国」にてもらったライフル「フルート」です。
それ以外にも、銃が仕込んであるナイフなどを全身に隠しています。キノの旅・キノはパースエイダーの他にも多彩な才能があり、戦闘・サバイバル術・その場の状況を冷静に把握し行動する能力に優れており、多数の男対キノでも戦い抜くことができるほどです。
キノの旅・キノは、目的のためなら手段を選ばず、見返りがなければ動かない現実主義な面がある一方で、恩を感じた人のためなら無償で動き、何のメリットがないにも関わらず報復に手を貸したりなど少女なりの不器用な優しさを見せる一面も。
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キノの旅・主人公のキノの出身地はどこなのでしょうか?キノの旅・キノは「大人の国」出身です。「大人の国」は、「12歳になるとおとなになるための手術をしなければならない国」です。大人の国では、12歳未満はこどもとみなされます。「大人」は生きる上でちゃんと仕事をしなければなりません。
それがどんなに嫌な仕事であっても、ちゃんとやることが「大人」なのです。大人の国では、12歳になったら頭から子供の部分を切り取る手術をします。【子供】の部分を切り出すことで、【大人】になれるのです。そして大人になったら嫌な仕事もちゃんとできるようになる、それが大人の国での大人なのです。
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12歳になったら脳にある「子供」の部分を切り取り「大人」になる手術をする……それが、キノの旅・キノが生まれた「大人の国」です。大人の国には2つルールがあります。まず1つ目、12歳になる直前の一週間は「対象の子供に話しかけてはいけない(子供から話しかけるのは可)」というルール。
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2つ目は、毎日「特別」なお菓子を対象の子供に食べさせるというルール。この「大人の国」の人々は基本的に笑顔で、怒ったり怖がったりといった感情があまり見えません。おそらくは子供に与え続けている「特別なお菓子」に、何らかの成分(例えば恐怖心を抑える成分)などが入っていて、手術当日、手術に対する恐怖心が起きない状態のままで「子供」の部分を切り取り「大人」にする「麻酔」のような存在ではないかと思われます。
実は「キノ」の名前はもともと「キノ」ではありませんでした。本名は明かされていませんが、キノがキノと名乗るようになったのにはキノの生い立ちが関係しています。キノの旅・キノは「大人の国」で生まれます。当時のキノは長い髪の毛にフリルの付いたワンピースを好んで着る見るからに「女の子」でした。
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キノは手術を受ける前日、宿場を営んでいる親の元へやってきた旅人と出会います。その旅人の名前は「キノ」。バイクに乗り、メガネを掛けた青年です。青年「キノ」は旅をしていると言いました。ありのままで好きなことをしている青年「キノ」に何かを感じ取ったキノは、翌日両親に手術を受けたくないことを告げます。
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「大人の国」では、手術を否定的に受け取ることは国全体を敵に回してしまうほど危険なことでした。手術を拒否した子供は失敗作として実の親の手によって殺されてしまわなければなりません。キノも例外なく実の父によって刃物を向けられましたが、青年キノが身代わりとなり一命を取り留めました。その時、青年キノが乗っていたバイクに乗り、大人の国から逃げ出します。そのバイクが後の相棒となる「エルメス」で、キノの旅の始まりでした。
キノの旅・キノの名言をいくつか紹介します。まず、『「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい」』です。『「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい」』はキノの旅第一巻にかかれていたセリフでした。キノが相棒・エルメスと出会いそして旅人としてスタートする過程が書かれた一冊です。
上記の名言どおり、決して幸せだらけではないキノの旅を表した名言です。二つ目のキノの旅名言は『“禁止されていない”ということは、“許されている”ということではないんだよ』です。キノの旅・主人公キノが相棒のエルメスとともに旅の途中で出会った男。その男が語るある「紳士的な国」は実は「殺人が禁止されていない人を殺すことができる国」でした。
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その国に入ったキノは老人のある一言によってその国の本質を見ることになるが……といったキノの旅第5巻にかかれている名言です。三つ目は『人間、楽ができる場合は楽をした方がいい。今がまさにその時だ』です。キノとエルメスが「認めている国」を訪れた際の名言です。
「認めている国」では、「必要な人と不必要な人を選ぶ」選挙があり、「不必要な人間」がいないとき、まつりが開催されます。キノは「認めている国」で、国民から「不必要な人間は誰ひとりとしていない」と聞かされていましたが、出国後ある真実を聞くことになります。医療と社会保障をテーマにした深い名言でした。
キノの旅に出てくるエルメスについて紹介します。エルメスとはキノの旅の主人公・キノの相棒です。相棒と言っても人ではなく、エルメスは「バイク」です。バイクと言ってもエルメスは人間のことばを喋ります。しゃべるし、人間と同じようにものを見て意思疎通ができるのです。
擬人化とはちょっと違いますが、近未来を感じられてとても夢がありますね。そして気になるエルメスの性別ですが、声だけ聞くと少年のように感じます。エルメスを演じた声優さんは3人います。2003年の初代エルメスを演じたのは相ヶ瀬龍史(あいがせりゅうじ)さん、ドラマCDでは野田順子(のだじゅんこ)さん、そして2017年の2代目エルメスを演じたのは斉藤壮馬(さいとうそうま)さんです。
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キノの旅・キノと一緒に旅しているバイクの車種はブラフ・シューペリアSS100という種類です。1929年製のバイクで、オークションで歴史上もっとも高く落札された歴代2位バイクでした。2018年現在は手に入れるのは非常に困難で、万が一運良くオークションに出されたとしても四千万近い値段で出品されている超がつく高級車です。
しかしこのブラフ・シューペリアSS100、すごいのは値段だけではなくその性能にありました。ブラフ・シューペリアSS100は、とにかく早くて、1920年から30年代では世界最速記録を持っていたそうです。本作キノの旅でエルメスを知ったファンも少なくないはず。
エルメスに憧れ、乗ってみたいと思う方も多いと思いますが、なんとブラフ・シューペリアSS100が今回限定で販売されているそうです!しかし値段は先程のオークションと同じくらいの額だそうで……興味のある方はぜひとも確認してみてください。
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キノの旅・エルメスとキノの出会いはどんな出会いだったのでしょうか?もともとエルメスはスクラップでした。それを初代キノ(大人の国で出会った青年)が組み立てました。青年キノはエルメスに乗って旅をしていたとき、大人の国に立ち寄ります。そこで少女(現在のキノ)を庇ったことにより青年キノは死亡してしまいます。
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残された少女(キノ)を助けようと声を掛けたのがエルメスでした。「逃げるんだよ」と少女(キノ)に言い、少女(キノ)は言われるままにエルメスのハンドルを握り、大人の国から脱出したのでした。このときから少女はキノと名乗り、旅が始まったのです。
キノの旅の派生作品がいくつかありますが、中でも異彩を放っているのが、現在を舞台にした「学園キノ」です。「謎の美少女ガンファイターライダー・キノ」として活躍数する主人公・木乃(キノ)の、やはり相棒として登場しているのが、ストラップのエルメスです。
原作キノの旅と同じく人間後を話すようですが、周りのおなじみの登場人物がぶっ飛んでいるせいか、非常にまともな人間(ストラップ)に見えるとか。ストラップのエルメスですが、実際に商品化もされています。
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キノの旅・キノと一緒に旅するバイク・エルメスですが、機械ならではというべきでしょうか、深い名言がたくさんあります。中でも、キノとエルメスが旅の途中、あまり評判のよくない国に向かうとなったとき、エルメスがキノに放った言葉『道はいくらでもあるのに。自由に選べるのに。それでも行くのかな?キノ』です。
いくらでも良い国があり、楽な道があるのに、それでも自ら選択して進むキノの精神の強さが伺えるエルメスの名言でした。