平成の泣かせ屋「大人気小説家・浅田次郎」
「小説の大衆食堂」と自称するように、人情味溢れ、多ジャンルの小説を執筆する「人気小説家・浅田次郎」。直木賞をはじめ、これまで多くの文学賞を受賞してきた。そして、2015年には紫綬褒章を受章するなど、名実ともに「浅田次郎=日本を代表する小説家」となりました。そんな浅田次郎の人気小説を何なのか?
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【平成の泣かせ屋】浅田次郎の書籍&新刊おすすめ①:「プリズンホテル」<初期の代表作>
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極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。たった一人の身内で、ヤクザの大親分でもある叔父の仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになったというのだ。招待されたそのホテルはなんと任侠団体専用。人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶ―。
「プリズンホテル」は四季ごとに分かれ、全4部作からなる浅田次郎初期の傑作シリーズとして人気があります。登場人物の多くは極道の人が多く、普通なら怖い印象になってしまいそうなところだが、「プリズンホテルシリーズ」で描かれる世界はユーモアな雰囲気があるので、老若男女楽しめる作品になっています。「プリズンホテル」のシリーズを通して成長していく主人公・木戸孝之介に注目です。
プリズンホテル 1 夏 (集英社文庫)
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【平成の泣かせ屋】浅田次郎の書籍&新刊おすすめ②:「地下鉄(メトロ)に乗って」<吉川英治文学新人賞受賞作>
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永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。
1995年「地下鉄に乗って」で吉川英治文学新人賞を受賞。こちらの賞を受賞する前に、すでに傑作「プリズンホテル」は世に出ていたが、現在の浅田次郎と同じような人気はありませんでした。実際、家族からは「売れない作家」という見方をされていたというから驚きだ。しかし、「地下鉄に乗って」で吉川英治文学新人賞を受賞してからは状況は一変し、人気売れっ子作家の仲間入りすることになります。「地下鉄に乗って」は作家・浅田次郎のターニングポイントとなった作品です。
地下鉄に乗って (講談社文庫)
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【平成の泣かせ屋】浅田次郎の書籍&新刊おすすめ③:「鉄道員(ぽっぽや)」<名作映画の原作・直木賞受賞作品>
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娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた―。心を揺さぶる“やさしい奇蹟"の物語…
浅田次郎の同名小説が原作になっている高倉健主演の名作映画「鉄道員(ぽっぽや)」は非常に高い評価を受けており、その年の日本アカデミー賞の主要部門を独占するほどでした。原作である小説の方も第117回直木賞を受賞するなど高い評価を受け、浅田次郎の代表作のひとつに挙げられます。表紙やタイトルは「鉄道員(ぽっぽや)」となっているが、ぽっぽやは長編ではなく短編集の中に収録された1編の物語なので、小説の大半はぽっぽや以外の話しになります。しかし、同収録の「ラブ・レター」「オリヲン座からの招待状」「角筈にて」など、ドラマ・映画化もされた人気作品が多くあります。その全ての短編を含め直木賞に値する評価を受けたことになります。
鉄道員(ぽっぽや)
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【平成の泣かせ屋】浅田次郎の書籍&新刊おすすめ④:「ラブ・レター」<短編集「鉄道員(ぽっぽや)」収録作品>
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新宿の歌舞伎町で裏ビデオ屋の店長を任されている高野吾郎は、世話になっている佐竹から偽装結婚の話を持ち掛けられる。ひょんなことから留置場に入れられてしまった吾郎だが、出所の日に看守長から妻の死を告げられ…。
ベストセラー小説「鉄道員(ぽっぽや)」に収録される「ラブ・レター」。ぽっぽや目当てで小説を購入した方などからもラブ・レターで涙する人が多く、人気の作品でした。そんなラブ・レターは中井貴一主演で映画化され、日本と韓国でもドラマ化されるなど、人気の高さが伺えます。ヒロイン・白蘭が読む「ラブ・レター」で号泣する人が続出します。
鉄道員(ぽっぽや)
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¥ 1,620
【平成の泣かせ屋】浅田次郎の書籍&新刊おすすめ⑤:「琥珀」<短編集「夕映え天使」収録作品>
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定年を目前に控え、三陸へひとり旅に出た警官。漁師町で寒さしのぎと喫茶店へ入るが、目の前で珈琲を淹れている男は、交番の手配書で見慣れたあの……。
短編集「夕映え天使」に収録されている「琥珀」は2017年に西田敏行主演でドラマ化されました。浅田次郎の映像化作品に出演することが多い西田敏行は「琥珀」でもベテランらしい好演を見せてくれます。喫茶店「琥珀」の中で様々な人間模様が繰り広げられるヒューマンドラマは小説・ドラマどちらも心地の良い空気感が流れます。知名度こそ低いですが、おすすめの「琥珀」を是非読んでほしいと思います。
夕映え天使 (新潮文庫)
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【平成の泣かせ屋】浅田次郎の書籍&新刊おすすめ⑥:「壬生義士伝」<浅田次郎の代表作>
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浅田次郎、初となる時代小説「壬生義士伝」は浅田次郎文学の金字塔と呼ばれる傑作小説です。これまで2002年には渡辺謙主演でドラマ化、2003年には中井貴一主演で映画化もされ、共に数々の賞を受賞するなど、高い評価を受けた。その原作となる時代小説「壬生義士伝」は第13回柴田錬三郎賞を受賞するなど、これから先も日本文学界の歴史に名を残し続ける傑作時代小説となるでしょう。
壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)
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【平成の泣かせ屋】浅田次郎の書籍&新刊おすすめ⑦:「おもかげ」<新刊>
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「忘れなければ、生きていけなかった」 浅田文学の新たなる傑作、誕生――。 定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。 心揺さぶる、愛と真実の物語。
「おもかげ」は近年の浅田次郎作品の中でも高い評価を受けています。涙なしでは読めない「おもかげ」は平成の泣かせ屋の異名に恥じない感動作品になっています。過去に浅田次郎が執筆した「地下鉄(メトロ)に乗って」を彷彿とさせる作風で、古参の浅田次郎ファンも初めて浅田次郎作品を読む人にも「おもかげ」はおすすめできる傑作小説です。
おもかげ
価格
¥ 1,620
【平成の泣かせ屋】浅田次郎の書籍&新刊おすすめ⑧:「長く高い壁ーTHE GREAT WALL」<新刊>
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ここは戦場か、それとも殺人現場か――。従軍作家が日本軍の闇に挑む。 日中戦争中の万里の長城。探偵役を命じられた従軍作家が辿り着く驚愕の真相とは?
新刊「長く高い壁」は浅田次郎初となる「戦場ミステリー・本格ミステリー」作品として浅田次郎の新境地を示した意欲作です。「長く高い壁」を執筆したことを振り返って「面白かった。」と語ったように「長く高い壁」は初めてのジャンルとは思えない堂々とした重厚感のある仕上がりになっています。また、浅田次郎は小説家としてデビューする以前、陸上自衛隊に入隊していたという経歴も作品へ良い影響を与えているはずです。
長く高い壁 The Great Wall
価格
¥ 1,728
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【浅田次郎の書籍&新刊おすすめ|琥珀、おもかげ、ラブ・レター、ぽっぽや、プリズンホテルなど!】まとめ
初期の傑作シリーズ「プリズンホテル」、直木賞受賞作品「鉄道員(ぽっぽや)」、浅田次郎の代表作「壬生義士伝」、近年の傑作小説「おもかげ」など、浅田次郎のおすすめ作品を挙げているとキリがないほど、多くの作品があり、そして、そのひとつひとつが高いクオリティーを誇ります。普段小説読まないような人でも読み進めやすい構成と文章になっているので、小説初心者にも浅田次郎作品はおすすめです。