日本酒の賞味期限は?◆美味しく飲むコツは?
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多くの食べ物と同じように日本酒にも賞味期限があります。やはり美味しく飲むには旬があるので、せっかくの日本酒もどうせでしたら美味しく飲める期間に楽しみたいものです。そこで日本酒の賞味期限について、開栓前、開栓後(未開封)の場合、そして保存方法について細かくチェックしていきましょう。
日本酒は、米(蒸米)と米麹と水を原料とし、「アルコール発酵」させたものです。 「アルコール発酵」とは、糖分をアルコールに変えて炭酸ガスを発生させることですが、日本酒の原料の米には糖分が含まれていないため、発酵ができません。 そこで、麹を使い、麹の酵素によって米のデンプンを糖分(ぶどう糖)に変え(糖化)、酵母の力で「アルコール発酵」を行っています。 「糖化」と「アルコール発酵」、2つの化学反応を同時に同じタンクで行う技術を“並行複発酵”といい、世界でも類をみない高度な醸造方法であり、このことにより、高アルコールの醸造酒ができるのです。
日本酒の賞味期限は?❶日本酒には「賞味期限」が書かれていない!
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日本酒の賞味期限ですが、実は酒瓶には賞味期限が書かれていないことにお気づきでしょうか?日本酒は他の食品に比べて長期保存が可能なため、賞味期限の表示を行わなくても良いのです。これはアルコールの殺菌効果によるものです。やはりワインやウイスキーも同様です。
日本酒の賞味期限は?❷日本酒の“製造年月”とは?
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しかし賞味期限の代わりに「製造年月日」が書かれています。賞味期限と混同しやすいのですが、これは日本酒が製造された年と月です。念のために申し上げると、お酒をしぼった日ではありません。日本酒造りは、しぼった後にろ過、火入れ、貯蔵と熟成という工程の後に瓶詰されて出荷されます。瓶詰された年と月のことが「製造年月」なのです。
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日本酒の賞味期限は?❸開栓後の賞味期限は?
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お酒は一度に飲み切ることができればよいのですが、量が多い場合はつい飲み残してしまいます。保存したいところですが問題ないのでしょうか?風味が失われそうなので開栓後の場合は賞味期限が気になります。やはり他の食品と同様に空気に触れるので、いくらフタをしていても酸化して劣化が進んでしまいます。
2日~3日程度でしたら大きな差は感じられませんが、1週間も経つとまったく風味が無くなってしまいます。そのため開栓後の日本酒は早めに飲み切ってしまうのがおすすめです。これはワインも同じ考えですね。加熱処理をされていない生酒は余計に早く飲み切ってしまいましょう。味が変わってしまった日本酒は料理酒として利用するのがおすすめです。
ビン詰め後もお酒の熟成、着色は進んでいきます。熟成は温度と時間により、着色は光と温度、そして酸素があることで増加していきます。特に開栓後は空気に触れて、熟成、着色はより一層早く進みます。熟成や着色が進むに従って、お酒本来の風味は損なわれていきますから、購入してからはなるべく早く飲み切ってしまうこと。そしてお酒の保管には、上記の原因を確実に除くことが大切です。
日本酒の賞味期限は?❹未開封の賞味期限は?
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それでは未開封(開栓前)の日本酒はどうでしょうか?日本酒には賞味期限がないとお伝えしましたが、それでも食品ですので味わいに変化が生じます。日本酒は製造方法によって種類が2つに分けられ、賞味期限も異なります。
一般的な日本酒の場合
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目安として、一般的な方法で製造された日本酒の賞味期限は、製造年月から【一年ほど】と言われています。一年ほどであれば風味が損なわれずに美味しく頂くことができます。一般的な製造方法とは、お酒をしぼってからと瓶詰めする前の2回、加熱処理の「火入れ」が行われた日本酒のことを言います。
生貯蔵酒と生酒の場合
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生貯蔵酒とは、貯蔵する前に加熱処理(火入れ)を行わずに、出荷するときに一度だけ加熱処理をするお酒のことを言います。そのため賞味期限の目安は【9ヶ月】と言われています。しかしメーカーによっても異なるので、ご注意ください。
【生貯蔵酒】製成後火入れをせずに低温で貯蔵熟成をして、出荷時に一度だけ熱処理したお酒。しぼりたての味・香りが残っています。常温管理が可能。生酒同様、冷やして飲む夏向きのお酒。
開栓せずにこの程度の温度に保つことが出来れば、生酒で2ヶ月程度、その他の酒で6ヶ月程は酒質はほとんど変わらないと思われます。
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さらに一度も加熱処理を行わない日本酒「生酒」もあり、こちらの賞味期限もやはり9ヶ月ほどとなります。
【生酒】製成後一度も加熱処理されていないお酒。しぼり立ての新鮮な味と香りが残っています。各種の酵素が生きていて成分変化を起こしやすく、低温で流通する必要があります。(現在は精密濾過をして酵素を取り除き、常温流通の可能な製品も多くなっています。)
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日本酒の賞味期限は?❺賞味期限が過ぎた日本酒は?
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「大事にしまっておいて、つい飲み忘れていた……」。開栓前の日本酒は賞味期限が過ぎて1、2ヶ月の場合は、少し味見をして風味が損なわれていないようでしたら飲んでも差し支えないと言えます。しかし「ちょっとどうかな?」と思ったときは、やはり料理に活用しましょう。隠し味にしたり、アサリの酒蒸しにしたり、いろいろな料理方法があるので捨てないで活用してくださいね。
日本酒の賞味期限は?❻おすすめの保存方法
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頂き物だったり旅先で地酒を買ってきたりと、つい貯まりがちの日本酒。そこで少しでも日本酒を美味しく頂くための、おすすめの保存方法がありますのでご紹介します。
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日本酒の賞味期限は?①光に当てない
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まず、他のお酒も多くの食品もそうですが、「光に当てない」ことが挙げられます。特に日本酒は光に弱く、数時間で変色し、成分も変化してしまいます。長時間光に当たった日本酒は日光臭と呼ばれる異臭までします。これらのことから日本酒の保存は、光の当たらない暗くて涼しい場所「冷暗所」で保存をしましょう。
日本酒が日光に弱いことは、透明ビンに入ったお酒を直射日光に当てると3時間あまりで3~5倍に色が濃くなり、味も香りも悪くなってしまうことからも明らかです。また紫外線の少ない室内でも、散光によっても徐々に着色は進んでいきます。光による着色反応はいずれも酸素を必要としています。
日本酒の賞味期限は?②温度にも気を付ける
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次に、「温度」にも気を付けなければいけません。先ほども「冷暗所で保存」と説明しましたが、高温の場所で保存すると“老ね香(ひねか)”という匂いが発生してしまいます。ワインやウイスキーも高温を避ける必要がありますが、日本酒は最高で5~6℃、最低で15℃ほどの場所で保存をするようにしましょう。しかし日本酒の種類やメーカーによって違いがあるので、この点にもご注意ください。
望ましい酒の保管温度は、酒質、酒のタイプ、味の濃淡などによって著しく異なりますが、一般的な保管温度の例は以下の通りです。 普通のお酒は20℃以下 純米酒は15℃以下 吟醸酒や生貯蔵酒は10℃以下 生酒は5℃以下
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日本酒の賞味期限は?◆賞味期限を守りましょう
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日本酒の賞味期限に関することについてまとめました。日本酒は、開栓後のものは風味が損なわれてしまうのでなるべく早く飲み切ってしまうのがおすすめです。そして開栓前(未開封)の場合は、一般的な日本酒は一年、生貯蔵酒と生酒は9ヶ月と言われています。しかしメーカーによって異なるので、それぞれのラベルに記載されている情報をご確認ください。おすすめの保存方法は「冷暗所」で保存することです!