ルパンの愛車「フィアット」とは
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映画「ルパン3世 カリオストロの城」への登場など、いまだ多くのファンを獲得しているイタリアの自動車メーカーFIATの旧車、「フィアットNUOVA500」。そもそもは当時の作画監督であった大塚康生氏の愛車であったことから選ばれ、アニメの中でも頻繁に登場するようになりました。
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フィアットNUOVA500は通称「チンクエチェント」、または「チンクチェント」と呼ばれます。イタリア語でチンクは数字の「5」、チェントは数字の「100」を表すため、それゆえの通称名です。
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ルパンで登場するモデルは1957年から生産されます。(ルパン仕様は改造車) 以降1977年の生産終了を迎えるまでの20年間で400万台近くも生産され、現在もなお世界中のマニアに愛される車です。現在でもレストアして乗り続けているオーナーは多数いて、日本国内にも専門に扱うショップやオーナーズクラブが存在します。
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ルパンの愛車フィアットが生まれた背景
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フィアット500の開発ルーツ及び成功は、当時イタリアで主に自動車を買えない層に人気だったスクーターのユーザーを獲得したことにあります。値段の安い自動車を制作して、スクーターユーザーを取り込んだのが「チンクエチェント」でした。
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1936年のイタリアで始まったチンクエチェントの生産。しかしながら当初からルパンの乗る形であったわけではありません。先にも触れましたが、ルパンの愛車として有名なモデルが誕生するのは1957年のことです。1936年に発表された当初は「トポリーノ」という、ハツカネズミの意味を持つニックネームで呼ばれたモデルが最初で、1955年まで製造されました。
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水冷エンジン、フロントエンジン・リアドライブ方式を採用した通称トポリーノは、値段が安いことも受け、1955年までに50万台以上が販売され、結果として成功作となりましたが、２人乗り仕様であったことが大衆車としては不便な点でもありました。
ルパンの愛車フィアットの登場！二代目にして最高峰
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ルパンの愛車フィアット500は、1957年から1977年まで製造された二代目モデルにあたります。コンセプトとしては、値段を抑えた「4人乗れる屋根付きスクーター」として開発されました。
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簡素なつくりの車ゆえにかなり値段が安かったことや、当初はスクーターを高額で下取りするような販売方法を用いたこともあり、販路はヨーロッパ全体にまで拡大し、バリエーションを増やしながら1975年まで生産され、総生産台数は400万台近くに達しました。スクーターを移動手段としていた人たちにとって、四輪車のメリットは絶大なものであったといえます。
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チンクエチェントのモデルは詳細こそ様々あれ、大別すると「前期」「後期」の２種類に分類できます。簡単に判別できる特徴がドアにあり、前期はドアが後ヒンジで前が開くタイプのnuova500、後期型の500F/L/Rでは前ヒンジに変更し、後ろに開くようになっています。
ルパンの愛車フィアットの基本スペック
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全長2970x全幅1320、車両重量470kgという現代の基準では驚くほど小さな車体。そしてボディの表面積を減らしつつ丸みを持たせるシェイプにすることで強度と軽量化を兼ね備えたデザインが採用されています。現在においても人気を博す丸みのあるスタイリングは、デザイン性を狙ったというより軽量化と強度の両立のために採用されたものでした。
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後部に簡素で低コストな空冷直列2気筒479ccエンジンを搭載するRR（リアエンジン・リアドライブ）車です。
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ガソリンタンクの容量は21Lでフロントフード内に設置されており、給油時にはフードの開閉が必要です。フロントフード下はトランクになっていますが、ガソリンタンクとスペアタイヤが場所を占めるため、物を入れるスペースはほとんどありません。
オイルフィルターは遠心分離式となっています。
ルパンの愛車フィアットの性能
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チンクエチェントの排気量は479cc、出力は13.5馬力です。驚くほどのアンダーパワーですが、その最高速度は95kmに達します！これは車重がわずか470キロしか無かったためで、よって13.5馬力でもかなりのスピードを出すことができました。
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ホイールベースとトレッドの比率の良さ、巧みにセットされたサスペンション、RRレイアウトによる動的バランスなどの調和によって、コーナリングの速さに加え、ハンドリングも良好であるといえます。
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ルパンの愛車フィアットといえばキャンバストップ
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人気を博した500チンクにも乗り心地と騒音という問題点がありました。日常で快適に走るスピードを出すためには、アクセルをそれなりに踏み込む必要があったため、その際かなりの騒音が発生していました。
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値段を安く製造することに重きを置いていたため、乗り心地もけして良くはありませんでした。アニメではルパンと次元、五右衛門がガタガタゆられながら乗車しているシーンが多く登場します。
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問題点を解消するために採用されたのがキャンバストップです。キャンバストップが全車に備わるのは、屋根を開閉可能にして騒音を逃がすことで空冷2気筒エンジンの音を車内にこもらせず、快適性の確保に繋がるというアイデアからでした。
ルパンの愛車フィアットのポップな色遣い
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白色、クリーム色、水色などポップでかわいらしいラインナップの中、一番の人気色はやはり、ルパンの愛車として有名な2代目の500Fと呼ばれるグレードの「バニティイエロー」です。アニメの放送をうけて、500チンクといえばこの色！といわんばかりに人々に強烈な印象を与えました。
ルパンの愛車フィアットの中古相場と維持費
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当然のことながら中古で探すことになりますが、500チンクは50年以上前に活躍していた車です。よって中古市場にもそもそも台数が少ないのが現状です。また、状態の良い中古車両に巡り合えるかもはっきり言って運次第です。値段に関してはその稀少性と人気ゆえに、旧車とはいえ中古販売の車両価格で150万円程度であることが多いようです。
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旧車は維持に特に気を遣います。ちょっとやそっとのトラブルは覚悟しなくてはなりません。中古で購入したら、好調を維持して安心して乗るためにも、予防整備をしっかりすることが大切です。小さな不具合であってもけして放置せず、その都度必ず修理することです。予防整備、点検を義務づけることで二次故障、三次故障を防ぎ、しいては車を長持ちさせることに繋がります。維持費を低く抑えるテクニックともいえます。
フィアット500チンク！ルパン仕様の改造
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「カリオストロの城」で大きなインパクトを与える改造として、ルパンの500チンクはターボスーパーチャージャー搭載で出力を100馬力まで上げられる改造車ということになっているのだとか！
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ターボスーパーチャージャーとは排気ガスでタービンを回し、その回転力で圧縮機を動かすことで大量の空気をエンジンに押し込み、一緒に燃料も多めに入れて出力を上げるシステムのことです。
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ルパン仕様の改造では、エンジンのハッチがスーパーチャージャーが起動するとオープン状態になります。空冷エンジンなので、冷却のため少しでも外気を取り込むための仕組みだと思われますが、それもカッコよく見えるポイントです。車両を手に入れたら、ルパンの改造車を真似てハッチをオープンして走りたくなってしまいますね。
最後に
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ルパン型の後継車として2007年、イメージを色濃く残しつつ現行モデルが登場しました。こちらも世界中で大人気となり、2015年には生産累計150万台に達しています。ルパンの愛車フィアット500チンクの魅力は今も受け継がれています。当時ものを中古で手に入れるのが難しい方にもこちらの現行モデルはおすすめです。ルパンの愛車に似せて改造などしてみてはいかかでしょうか (笑)
