まずは、草津温泉がどのようなところなのか少し調べてみましょう。草津温泉は群馬県吾妻郡にある温泉地で、岐阜県の下呂温泉、兵庫県の有馬温泉と並んで日本の三名泉のひとつに数えられる全国屈指の名湯です。草津温泉の特徴は、全て自然に湧出する自然泉だということです。そのため草津温泉の宿泊施設や入浴施設の温泉はいわゆる「源泉掛け流し」で入浴を楽しむことができます。その泉質は非常に強い酸性で「五寸釘を湯に浸けておくと10日ほどで溶けてなくなる」と言われています。そのため、殺菌作用が強く皮膚病などの湯治にも利用されてきました。また水温が95℃前後という非常に高い万代源泉をはじめ、そのほかの源泉も50℃前後と比較的高温ため、道路の融雪や室内暖房などに温泉熱が活用されています。
ご家族連れの場合などは自動車で草津旅行を楽しまれる方が多いでしょう。そこで自動車で草津へ行く場合のアクセスルートをご紹介します。東京方面から草津を訪れる場合、まず練馬ICで関越自動車道に入り渋川伊香保ICを目指します。渋川伊香保ICから一般道に入り、国道353号線を北上、そのまま国道145号線へ入り、長野原で国道292号線を10kmほど進めば草津温泉に到着です。
一般の交通機関を利用する場合、もっとも便利なのは高速バスです。高速バスを利用すれば東京から直接草津温泉の中心に位置する草津温泉バスターミナルまで移動できます。東京・新宿発なら JR バス「上州ゆめぐり号」を利用できます。また、渋谷発なら東急バスが運行しています。いずれも所要時間は約4時間から5時間といったところです。
鉄道を利用する場合、東京方面からは大きく分けて2通りのパターンがあります。ひとつは在来線特急「草津」を利用するパターンと二つ目は新幹線を利用するパターンです。
在来線特急「草津」を利用する場合、始発駅は上野になります。特急「草津」は上野駅から草津温泉の最寄駅である長野原草津口駅まで乗り換えなしの直通です。所要時間は約2時間半。そこから更に路線バスで草津温泉まで約25分の行程です。
新幹線を利用する場合、始発は東京駅です。東京から約1時間10分の所要時間で軽井沢駅まで行き、そこから草津温泉行きのバスで更に約1時間20分から2時間の移動です。
草津温泉の最大の観光資源はもちろん温泉です。しかし、草津は温泉だけにとどまらず、古い歴史を持つ史跡があり、夏は屋外でのアクティビティスポット、冬はスキーリゾートとしても人気があります。
見所は何と言っても、湯畑を中心とした草津温泉の温泉街です。戦国時代には既に温泉地としてよく知られた草津は、江戸から明治にかけては湯治場として栄えました。そんな温泉情緒を感じることのできる草津温泉の温泉街を旅館の浴衣を来て散歩してみると旅の良い想い出になるでしょう。
活発な火山活動によって生み出される草津温泉の周囲には、雄大な自然が広がっています。草津白根山をはじめとした山々や湖などを見学することができます。
そして、そんな自然に囲まれた草津ではトレッキングやパターゴルフなどのアクティビティも楽しむことができます。そして冬になればスキーなどのウィンタースポーツも楽しめます。草津温泉はアクティビティも充実した観光地と言えるでしょう。
草津温泉と聞いてまずイメージするのがこの湯畑という方もいるでしょう。日本三大名泉のひとつである草津温泉のシンボルとも言えるのがこの湯畑です。毎分4000リットルという驚異的な寮の温泉が湧き出ている様子は見る価値が十分にあります。湯畑の周囲は遊歩道になっているのでゆっくりと歩いて見て回ることができます。また夜にはライトアップされるので昼間とはまた違った雰囲気を楽しむことができます。
熱乃湯は、草津温泉名物の湯もみショーが1日6回行われる観光施設です。草津温泉は水温が50℃という高温のため、そのまま入浴することはできません。しかし、水で薄めると温泉の効能も弱まってしまうため「湯もみ」で水温を下げる方法が生み出されました。その「湯もみ」を実演し、さらに観光客が実際に体験できるプログラムが用意されています。草津の伝統を観光で楽しむなら熱乃湯を訪ねてみましょう。
【熱乃湯】住所:群馬県吾妻郡草津町草津414/TEL 0279-88-3613
草津温泉観光で野外アクティビティを楽しむなら「草津温泉スキー場」がおすすめです。これまで「草津国際スキー場」の名称で親しまれてきましたが、2018年4月から現在の「草津温泉スキー場」と名称を変更しました。冬はもちろん雪で覆われたゲレンデをスキーやスノーボードを楽しむ人たちで賑わいます。しかし、実は草津温泉スキー場はオールシーズン営業しているレジャー施設です。そのため雪のない夏場はサマースポーツを楽しむことができます。会場内でパターゴルフやグラススキー、さらにミニアスレチックにキックボードなどを親子で楽しめるアクティビティを豊富に揃えています。
【草津温泉スキー場】住所:吾妻郡草津町大字草津字白根国有林158林班/TEL 0279-88-8111
草津温泉から少し足を伸ばして草津の自然を観光するなら「湯釜」がおすすめです。湯釜は草津白根山の火口にある直径300mの火口湖です。pHが1.0前後という世界でも有数の酸性度の高い湖として知られています。しかし、水に溶け込んだ鉄イオンや硫黄の影響で水がエメラルドグリーンに輝きとても美しい景観を生み出しています。駐車場から湯釜までは軽い登山になるので動きやすい服装を心がけましょう。
なお、平成30年4月22日に草津白根山の噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」に引き上げられたため、湯釜を中心とした半径1km 圏内の立ち入りが規制されています。お出かけの際は規制情報をご確認ください。
引用: https://www.kusatsu-onsen.ne.jp/spot-img/1001610.jpg
草津温泉を観光する際にいわゆる「ザ・温泉街」の雰囲気を味わえるスポットが「射的本舗まんだら堂」です。昔ながらの雰囲気を残した店舗は草津温泉では「行列のできる射的場」として人気を得ています。最大12名が並んで射的を楽しむことができます。浴衣姿で遊びに来てもいいですね。
【射的本舗まんだら堂】住所:群馬県吾妻郡草津町108-1 センターアーケード内/TEL:08043560932/営業時間 10:00~22:00/定休日 年中無休
ここまで草津温泉のおすすめ観光スポットを紹介して来ましたが、こうした観光スポットを巡るモデルコースを考えて見ましょう。
まず、バスターミナルに到着したらターミナルビル3階の「温泉図書館」に立ち寄り草津温泉について簡単に知識を詰め込みましょう。その後、草津温泉のメインスポットである「湯畑」周辺を歩いて周ったら、湯畑から西に「西の河原通り」の土産物店などを物色しつつ、突き当たりの「西の河原公園」を散策、最後は「熱乃湯」で湯もみショーを見学したのち、自らも湯もみの体験をして草津温泉情緒をたっぷり味わったところで宿に戻りましょう。
さて、ここまで草津温泉の観光スポットに焦点を当ててきましたが、ここでいよいよ草津のグルメ情報をお伝えしましょう。全国屈指の観光地である草津温泉では、旅行者のみならず地元の住人にも愛されるバラエティに富んだ飲食店が温泉旅館街を中心に数多く点在しています。草津ならではの郷土料理を提供する店だけでなく、洋食店やカフェなども充実しています。
草津温泉周辺の郷土料理としてはこんにゃく料理が挙げられます。草津温泉のある群馬県はこんにゃくの生産量が全国トップでそのシェアは90%以上という圧倒的なこんにゃく王国です。そのため、定番のおでんや刺身こんにゃくをはじめ、湯葉こんにゃくや枝豆こんにゃく豆腐、こんにゃくの味噌漬けなど食べ方もバラエティに富んでいます。その他には山間の土地と名水の里ゆえに美味しい蕎麦も名物と言えます。
つづいて草津温泉のB級グルメの紹介です。草津温泉のB級グルメといえば、「草津味(くさつみ)うどん」が挙げられます。高山地帯に生えるクマザサの葉を練り込んだうどんを竹で編んだとうじかごに入れ、地元で採れた野菜をふんだんに使った田舎鍋の汁でほぐしながら食べます。クマザサの香りが麺に染み込み独特の味わいを醸し出します。また、幅広の麺を同じく地元の野菜やきのこなどと一緒に煮込む「おっきりこみ」も有名です。
草津温泉のスイーツといえば「温泉まんじゅう」でしょう。もちろん、お土産としてもナンバーワンの人気を誇ります。また、草津温泉にはおしゃれなカフェも多くあり、そうした店舗では各店こだわりのケーキやアイスクリームなどを提供しています。歩き回って疲れた時は、こうした店で甘いものを摂取して元気を取り戻すのも良いかもしれません。
最初にご紹介する草津温泉グルメは、湯畑から徒歩3分の好立地にある蕎麦屋「三國屋(みくにや)」です。三國屋では料理の素材にこだわり、水は草津白根山の雪解け水を使用、蕎麦は店内の石臼で挽き、油は国内産の綿実油、そして出汁のかつお節も厳選された良質のものを使用しています。そのため味には定評があり、週末には長蛇の列ができることもあります。
三國屋の名物がランチメニューの「三國そば」です。2.5人前の蕎麦をお好みのつけ汁で楽しめます。通常は2〜3人でシェアしますが、ひとりで食べる方もいるそうです。蕎麦が好きな方ならボリュームたっぷりの三國そばを味わってみましょう。
【三國屋】住所:群馬県吾妻郡草津町草津386/TEL 0279-88-2134/営業時間:10:30~15:00 17:30〜品切れまで/定休日:無休、月曜、火曜は夜休み
草津温泉で洋食を食べたくなったらおすすめなのが「どんぐり」です。湯畑から徒歩10分の距離にあり、住宅街の中にひっそりと佇む隠れ家的なレストランにも関わらず、草津グルメで洋食といえば「どんぐり」と言われるほど、地元ではよく知られた人気店です。
どんぐりの定番メニューは「どんぐり風ハンバーグ」です。ボリュームたっぷりのハンバーグにとろとろのチーズが載せられ、さらに野菜も豊富です。そのほかにパスタなども定評があります。人気店なので事前に予約をしておくと良いでしょう。
【どんぐり】住所:群馬県吾妻郡草津町草津562-16/TEL 0279-88-7222/営業時間:11:30~14:00 17:30~21:00 (夜は要予約)/定休日:水曜
草津グルメの隠れた名店と言えるのが、本格的イタリアンを提供する「リストランテ アル・ロドデンドロ」です。アル・ロドデンドロは日本で最初のペンションとして知られる「綿貫ペンション」内に併設されたイタリアン・レストランで、綿貫ペンションの3代目がイタリア、フランスで修行をしたのち、2003年にオープンしました。
メニューはランチ、ディナーともにコース料理となります。こだわりの食材は全て群馬県産。地産地消のイタリアン・レストランです。ジビエは地元猟師から一頭買いしたものをシェフ自ら解体しています。そして野菜や天然の山菜も地元のものです。そして、デザートも全てシェフの手作り。ワインはイタリアのものを中心に約40種類を用意しています。草津温泉を訪れる人の中にはこのレストランでの食事が目的の人も少なからずいるそうです。席数が限られているので事前に予約しましょう。
【アル・ロドデンドロ】住所:群馬県吾妻郡草津町草津557-11 綿貫ペンション内/TEL 0279-88-6150/営業時間:ランチ 火~日 12:00~14:00(L.O.13:30) ディナー 火~日 18:30~20:00(L.O.19:30)/定休日:月曜
温泉街の定番のお菓子といえば「温泉まんじゅう」ですね。草津温泉の食べ歩きグルメとしておすすめなのが、「松むら饅頭」の温泉まんじゅうです。松むら饅頭は草津温泉のお土産の定番として観光客に人気で、旅行シーズンには店の前に行列ができるほどです。
自家製のなめらかな餡に黒糖を加えた薄皮が「ふわふわしっとり」とした食感を生み出しています。そのままお土産として持ち帰るも良し、また温泉街を散歩する際に口に頬張るのも良し。気軽に楽しめる草津温泉のスイーツ・グルメを味わってください。
【松むら饅頭】住所:群馬県吾妻郡草津町草津389/TEL 0279-88-2042/営業時間:7:00~18:00(売切れ次第閉店)/定休日:火曜 (水曜不定休)
最後にご紹介するグルメスポットは、湯畑の目の前にある素泊まりの宿「湯畑草庵」に併設された「足湯カフェ」です。
文字通り、店内で足湯を楽しみながらコーヒーやソフトクリームを味わうことができます。草津温泉でグルメと温泉を同時に楽しめる贅沢なカフェと言えるでしょう。
食事メニューも群馬の伝統食である「おっきりこみ」(煮込み麺料理)や「上州もち豚丼」を味わうことができます。湯畑を見たら足湯を体験しに立ち寄ってみると良いでしょう。
【足湯カフェ】住所:群馬県吾妻郡草津町草津118-1/TEL 0279-89-1011/営業時間:10:00〜L.O.21:30/定休日:無休
さて、ここまで草津温泉のグルメスポットを紹介してきましたが、草津温泉周辺のレストランやカフェ、居酒屋などの場所を紹介したグルメマップが存在します。草津温泉観光協会が作成したふたつのグルメマップ「うまいとこマップ」の「昼版」と「夜版」をご紹介します。以下のリンクからマップをご参照ください。
それではここで草津温泉がどのような歴史を歩んできたのかを簡単にご紹介します。
草津温泉は古くは古墳時代にはすでに温泉が発見されていたとも言われています。そして、実際に草津の湯に浸かった人物の中には歴史上の大物も多数挙げられます。鎌倉時代には源頼朝、安土桃山時代には豊臣家の縁者や加賀藩の前田利家、さらに江戸時代には草津の湯を江戸城まで運び八代将軍徳川吉宗が入浴しています。
明治時代になると時間湯の入浴法が確立され、同時に草津のシンボルとも言える湯もみが始まります。その後、ドイツ人医学者のベルツ博士が草津を世界に紹介し、草津温泉は世界的に知られる温泉地となりました。
温泉の入浴とともに楽しみたいのが、現地での観光イベントです。ここでは2018年に予定されているイベントをほんの少し紹介いたします。
1500個以上のクリアキャンドルが草津温泉の夜を鮮やかに彩るイベントです。2018年8月から2019年2月にかけてほぼ毎週末開催されています。
草津温泉を浴衣で歩くことで、イベント加盟店で様々な特典を受けられるイベント。2018年7月25日から11月30日まで開催しています。
草津温泉で毎年恒例のジャズライブとしてKUSATSU ONSEN JAZZ FESTIVAL があり、例年秋に「草津音楽の森国際コンサートホール」で開催されます。草津節をジャズバージョンにアレンジするなどジャズを身近に感じられるイベントです。冬には「湯けむりJAZZ」も開催されます。
他にも年に一度だけ湯畑に入れる「湯の花採取」体験(先着30名)や「手花火」打ち上げなど見応えのあるイベントが揃っています。詳しい情報はイベントカレンダーをご覧ください。
最後に草津温泉の定番のお土産をいくつか紹介しましょう。まずはグルメ情報でも紹介した「温泉まんじゅう」です。これに関しては全国の温泉地の定番のお土産と言えるでしょう。続いて、草津温泉限定の商品、「温泉たまごボーロ」。昔懐かしい味を感じさせます。そして、草津温泉の「ご当地サイダー」である「湯けむりサイダー」です。草津を離れる前にお土産屋さんでこれらの定番みやげを探してみてください。
今回ご紹介したように草津温泉は全国屈指の温泉地として観光スポットもグルメスポットも充実しています。温泉を中心とした見学施設だけでなく、アウトドアや大人から子供まで楽しめるアクティビティ施設も揃っています。そして、グルメスポットは地元草津の味と言える蕎麦や地元食材を使った本格洋食などバラエティに富んでいます。こうした観光スポットやグルメスポットはオールシーズンで楽しめます。草津温泉を訪れる際は是非こうしたスポットをのぞいてみて下さい。