セルビアってどんな国?
セルビアは正式名称を「セルビア共和国」と言い、周囲をクロアチア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、コソボ、マケドニア、モンテネグロ、ボスニアヘルツェゴビナに囲まれています。面積は北海道とほぼ同じくらいの小さな国ですが人口は約710万人もいます。公用語はセルビア語ですが若い人は英語も通じます。セルビアは1878年にベルリン条約によりセルビア王国の独立が承認されて以降、何度も周辺の国と共和国などを作りましたが内戦や独立戦争などで分断、分裂を繰り返してきました。2006年には、モンテネグロの独立によりセルビア共和国が制定されました。その後、コソボ紛争がありコソボの独立が国際司法裁判所で認められ、現在は交渉を行っています。また、セルビアはEU加盟国を目指しており、2018年現在も本交渉中です。
セルビアの治安は?
このように、数多くの内戦や独立運動に見舞われたセルビアですが、治安は比較的安定しており、凶悪事件は滅多に起こりません。実際にセルビアを旅行した人からも「思ったよりも治安が良かった」「人が優しくて親切だった」などの声が聞こえてきます。外務省の情報でもコソボ近辺のみが危険レベル1の「十分注意してください」が発令されているだけです。
しかし、治安の良いセルビアでもスリや置き引きなどには注意が必要です。また、タクシーのぼったくり被害も報告されています。治安の良いセルビアでも、旅行客として基本的なことは注意する必要があります。
セルビアで治安が悪い場所は?
比較的治安の良いセルビアですが、治安の悪い場所もあります。例えば、セルビアは、コソボ独立に反対しているため国境周辺では一部アルバニア系住民とセルビア系住民のトラブルがあります。また、首都ベオグラードでは、バスの発着所になっているゼレニ・ヴェーナツやベオグラード大学経済学部前のルーク・チェロヴィチ公園、共和国広場からゼレニ・ヴェーナッツに向かう道の途中にある地下道などは、夜になると人通りがなくなり怪しい雰囲気になります。この辺りを夜間に歩くのはおすすめできません。
また、2015年以降、中東から多くの難民が流入して未だに数多くの難民がセルビアに留まっています。そのため、治安の悪化が懸念されています。
セルビアを観光するとき治安以外に気を付けること
安心して女性の一人旅もできるセルビアですが、屈強な男性が公園などで飲酒をして騒いでいる場面に遭遇したら速やかにその場を立ち去るようにしましょう。また、セルビアはサッカーとバスケットボールが人気ですが、熱狂的ファンのフーリガンにも注意をしてください。特に「レッドスター」と「パルチザン」のフーリガンは気性が激しく暴力事件は日常茶飯事と言われています。街中でレッドスターやパルチザンのユニフォームを着ている人を見かけたら近づかない方が良いでしょう。
とても優しく話好きな人が多いセルビアですが、旧ユーゴスラビア内戦やコソボ紛争、民族的、宗教的な話題は思わぬ誤解を招く場合があるので、避けるようにしましょう。また、「セルビアを観光したついでにコソボも観光したい」と考えた時は、先にセルビアに入国をしてからコソボに回るとスムーズに旅行ができます。コソボからセルビアを回るとセルビアに不法入国したとみなされる場合があるので注意が必要です。
外務省情報もチェックしよう
治安の良いセルビアですが、旅行前は外務省のホームページ「外務省 海外安全情報」をチェックすることをおすすめします。外務省のホームページは、セルビアの危険情報が一目でわかる他、安全対策や医療情報、在日本国大使館の所在地などが分かるようになっています。
セルビアで英語は通じる?
セルビアはセルビア語が公用語ですが、他にもハンガリー語などが多く使われています。また、若い人は英語を理解できるので、ホテルや観光地であまり困ることはありません。しかし、市場やバスなどは、英語が通じないことがほとんどです。
セルビアは比較的治安も良い
日本ではあまり知られていませんが、セルビアは大の親日派です。東日本大震災の時にはいち早く支援のための行動を起こしてくれました。また、セルビア人はとても親切な人が多く「優しい人々と触れ合ったことが最高の旅の思い出だった」と言う話をよく耳にします。セルビアは観光名所も多く、食事も安くて美味しいと言われています。ぜひ、一度、旅行に訪れてみてはいかがでしょうか。