1.イギリスと花の歴史
昔は植物激貧国だった?!
いまでこそお花天国のイメージの強いイギリスですが、実はもともとイギリスで生殖していた植物はたった200種類しかなかったそうです。その半数がバラ科の植物ばかり。種類的にはかなり乏しかったとされています。
植民地時代は植物目当てだった?!
世界各国との貿易がはじまった時代、イギリスではコーヒーやお茶に始まりナツメグやクローヴの存在を知りました。すっかり魅了されたイギリス人はこれらの亜熱帯植物がのどから手が出るほど欲しがりました。そこで始まったのが植民地植樹計画です。植民地各地でイギリスの気候に適応できる植物の実験、開発が始まったのです。
イングリッシュガーデンのはじまり
17世紀になると特に北米の植民地からの植物の輸送が盛んになり、貴族階級の間では広大な敷地にお屋敷を立て、ガーデニングを楽しむことがステイタスとなっていきました。これがイングリッシュガーデンの始まりです。
現在もイギリスでは欠かせないガーデニング文化
日本では街の中心に行くほど物価が上がりますが、イギリスでは小さな田舎町ほど土地の値段が上がります。イギリス人の夢はいつか大きな庭でガーデニングが楽しめる田舎町に住むことと言われるほど、今でもイギリスにはガーデニング文化が根付いているのです。
2.イギリス春の花
今では外来種により充実したイギリスで楽しめるたくさんの花。イギリス人が春の訪れを感じる花を紹介します。
桜
意外にもイギリスには多くの桜が公園などに植えられており春の訪れの象徴となっています。しかしこのイギリスの桜、日本のソメイヨシノとは種類が異なるチェリープラムが有名で、なんと1カ月以上咲き続けるお得な桜なのです。4月に咲きはじめ5月まで楽しめます。
チューリップ
チューリップといえばオランダのイメージが強いですが、実はトルコが発祥と言われています。17世紀にはチューリップ狂時代と呼ばれるほどイギリス含めヨーロッパではチューリップが大人気でした。
モクレン
一般家庭のガーデンでよく目にするのはモクレンです。上品な花モクレンはイギリスの有名陶磁器メーカーウェッジウッドのデザインでもよく使われる人気の春に咲く花です。
3.イギリス夏の花
バラ
キリスト教やイスラム教など多くの宗教でバラは神の象徴として扱われてきました。バラは古代オリエントやローマ時代からヨーロッパ各地に存在していたとされ、暴君ネロやクレオパトラもバラを愛していたことで有名です。イギリスでも、バラ戦争は歴史上で有名で、白バラを家紋としていたヨーク公と赤バラを家紋としていたランカスタ-公の戦争のことをバラ戦争と呼んでいます。今でもヨークシャー州の紋章として白バラがランカシャー州では赤バラが使用され、バラは今でも信仰の対象とされています。
ラベンダー
イギリスの夏を彩るラベンダーはイギリス各地で6月から8月にかけて見頃を迎えます。日本ではケガややけどをするとアロエを塗ることがありますが、イギリスではラベンダーのエッセンシャルオイルをつける家庭が多いです。見ても美しく、香りも豊かで万能薬としても利用できるラベンダーはイギリスの人の暮らしには欠かせない花の一つです。
4.イギリスの花が楽しめるスポット
キューガーデン
イングリッシュガーデンを楽しむならまずはここ!王立植物園キューガーデンがおすすめです。世界遺産にも登録されているこの植物園では、1日あっても回り切れないほどの広大な敷地にたくさんの植物が植えられています。故ダイアナ妃の建てたプリンセス・オブ・ウェールズの温室や日本庭園などもあり、みどころ満載です。
5.まとめ
イギリスの花についての紹介でした。イギリスに旅行の際はぜひ花とイギリス人の暮らしについても注目して観光してみると面白いかもしれません。