ワセリンとは?
引用: http://antiaging-sensei.com/vaseline-face
皮膚を保護し潤いを保つために作られた外用薬を言います。乾燥した皮膚に塗ることで、その部分を保護する役割があります。
ワセリンの成分は?
ワセリンの成分原料は「石油」です。「えっ!石油って皮膚に危なくない?」と思われる人も多いですが、ファンデーションにも石油が使用されている事が多いです。石油でも、正式名称が「鉱物性油脂」と言うもので主に、皮膚の乾燥防止や皮膚が粉をふいた状態を改善するために作られたと聞きます。
ワセリンの特徴と性質
手で触ると、ベッタリしており肌に塗るとベタ付き感が残る所が特徴です。皮膚を保護し水を弾く効果が出ています。又、白色に近いが無色透明で肌にのせても目立たない所も特徴の一つです。「保湿成分が有るなら、尿素と同じじゃない?」「ミルクローションと似ている」
と思う人。尿素とミルクローションはワセリンと全く違います。ワセリンと尿素、ミルクロショーンの違いもご紹介します。
ワセリンを使用した外用薬と成分
「ワセリン」と言う名前で販売されていない外用薬を見かけます。医療の現場でもそれが増えて来ています。そこでワセリン成分の外用薬をご紹介します。
プロぺト
引用: http://medistor.net/hirudoid-propeto/
医療現場で使用されてます。白色ワセリンと同じで効果も皮膚の保護剤として使用されています。白色ワセリンの純度を高めたワセリンがプロペトです。プロぺトは市販の物も有りドラックストアーで購入する事が出来ます。プロぺトホームとして市販で購入出来ます。
ワセリン混合軟膏
引用: http://www.barjp.com/kinuya/shop/rams/wasern/koebi...
ワセリン混合軟膏とは、ワセリンに別な外用薬を混ぜて作った軟膏を言います。医師が混合軟膏を処方すると、薬剤師がその処方箋を確認し量を測りながら混合軟膏を作ります。ワセリンは皮膚を保護する効果が有ります。逆に皮膚を保護しない副作用が強いステロイド剤など傷や痒みへの効果優先の外用薬は、皮膚を保護せず乾燥肌になってしまいます。そのためにワセリンを混ぜて混合軟膏と言うものを医師が処方します。尚、ワセリンは他の外用薬と混ぜても効果が落ちる事は有りません。
尿素とミルクローション、ワセリンとの成分と違いは?
ワセリンの効果を知って頂けた所で、ワセリンに似ているイメージが有る「尿素」「ミルクローション」はどんな効果が有るのか?ワセリンとどう違うのか?ご紹介いたします。
ミルクローション
ミルクローションは、乳液成分が入ったローションクリームを言います。効果はワセリンと同じ肌の保湿と保護ですが、ワセリンとの違いは水分量です。肌に、ミルクローションを載せる事で、肌の熱で溶けて皮膚内に吸収されて行きます。肌の表面には残らないため、皮膚の保護効果はワセリンより低い効果です。
引用: https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8B%E3%83%99%E3%82%...
ミルクローションは、よくニベアのミルクローションが浮かびます。ニベアは保湿ミルクローションを多く出しています。
尿素クリーム
尿素配合クリームは、踵や肘など皮膚がカチカチに硬くなった部分に有効です。尿素事態は乾燥や潤いは関係ありません。かえって、乾燥した部分や痒みが酷い部分に塗ってしまうことで、尿素成分が反応して激痛がはしるケースも有ります。尿素は、皮膚の角化症改善に効果が有ります。角化症とは、肌が一部硬くなり鱗状になってしまう状態を言います。その部分に尿素配合のクリームを塗ることで、カチカチに硬い肌を柔らかくしてくれる効果があります。
引用: http://hc.kowa.co.jp/keratinamin/product01/
尿素配合の市販外用薬に代表と言えば「ケラチナミン」です。肘や踵に塗ることでカチカチ肌を柔らかくしてくれます。
医療の現場でのワセリンの使い方
医療現場でのワセリンの使い方は、肌を綺麗に洗った後に使うようにしています。特に、入浴後や足浴後は、肌の潤い成分が落ちてしまうため乾燥が強い部分にたっぷり塗るようにします。又、お臍の中に塗ることで、お臍の手入れがとても楽になります。体以外にも、頭皮に塗る高齢な患者さんもいます。高齢者は肌の乾燥の進行が成人よりも早いです。乾燥した肌はとても弱くて摩擦で表皮が剥けてしまう事故が多いです。そのために、皮膚の保護剤として使用します。
市販ワセリンの使い方
市販のワセリンは簡単に購入出来ますが、「イマイチ使い方が解らない」「どのタイミングに塗ればいいの?」と思う人が多いです。簡単な使用方法をご紹介します。
お風呂上りの3~5分以内が勝負!
お風呂上りは、肌の乾燥の進みが早いです。3分で肌の乾燥がスタートします。何故、乾燥してしまうのか?それは、お湯で潤い成分まで流してしまうからです。3分~5分以内にワセリンを塗ることで乾燥の進行を抑える効果が発揮します。
ミルクローションとワセリンを混ぜて混合美容コスメに!
引用: https://fril.jp/search/%E3%83%AF%E3%82%BB%E3%83%AA...
ワセリンとミルクローションは混ぜる事は可能です。「潤い成分欲しい」「美容も気になる」「皮膚内部にも美容成分が吸収されたらいい」と思う人。混合美容コスメを作ってみませんか?私自身は、ワセリンとニベアのミルクローションを混ぜて使用しています。乾燥と美容にとても効果があります。
ワセリンを使えない皮膚疾患と悪い所は?
ワセリンは保湿効果があって、とても良いですが悪い部分や、かえって塗ることで肌の状態が悪くなってしまう事が有ります。肌の状態を見ながら使用する事が重要です。
アトピー性皮膚炎
アトピーと言ったら痒みが代表的な症状です。アトピーはワセリンを使う事で痒みが増大します。原因はワセリンの特徴にあります。ワセリンは塗ることで皮内には吸収されずに表皮に残り肌を保護します。ワセリンを使ったことによって、熱が蒸発せずに、皮内に熱がこもってしまっていることが原因で痒みが増大します。体温が上がるとかゆみは増します。特に赤ちゃんは体温が高いことで、痒みが酷くなります。赤ちゃんはワセリンやベビーパウダーでもアトピー性皮膚炎が悪化しますので、赤ちゃんにはローションを使用した方がいいと思われます。赤ちゃんがかゆみを感じて、肌をかきむしってしまえば傷ができ感染症等を起こす可能性もあります。
べたつき
ワセリンの特徴はベトベトしています。普通の乳液とか化粧水系のものというのは、塗って少し経つと肌になじんでいってちょっとしっとりする感じになります。それは、皮内に化粧水や乳液が吸収されるからです。ですがワセリンの場合そういうことなく、結構な時間ベタベタが続きます。ワセリンは肌に浸透せずに表面に残る所が特徴です。肌に塗ると結構ベタベタして、逆に、不衛生になってしまい、ほこりや汚れが付いてしまいます。
ワセリンが有効な皮膚疾患と有効な成分は?
ワセリンの効果や成分が有効な肌の疾患とは何だろう?どんな皮膚に有効なのか?皆さん、知っていきましょう。
乾燥肌
乾燥肌は、肌の水分がすっかり蒸発してしまった状態です。そのままでいたら、痒み、引っ掻くなどの外部刺激で傷だらけです。その前にワセリンを塗ることで、水分蒸発を予防し痒くなる事は少なくなります。
ひび割れや火傷
「傷が有る肌にはワセリンを塗っても・・かえって悪くなる」「ベタベタして傷も、ベタベタになってしまう」と思う人。それは違います。例えば、指のひび割れが有ります。ひび割れは皮膚の表面が裂けてしまった状態です。それは、とても痛くて水仕事は辛いです。そこにワセリンを塗ります。ひび割れ部分にワセリンの成分が入る事で、保護してくれ水も弾く効果が有ります。又、火傷もワセリンが有効です。水疱が出来た火傷の場合、水疱を潰すと跡になってしまいます。ワセリンを水疱部分に少量塗り絆創膏で保護する事で、水疱が潰れてしまっても、ワセリンが保護し跡が付きにくくなります。
まとめ
ワセリンの良い点と悪い点、成分や効果を理解して頂けたでしょうか?「万能薬だ」と思っていても悪い所があり、塗って逆効果になってしまうことが有ります。気を付けてワセリンを使ってみてください。