ワセリンとは?ワセリンの種類
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ワセリンって何からできているかご存知ですか?ワセリンは鉱物油です。まず地中奥深くから原油が採取されます。その原油を精製して石油が作られます。その石油からプラスチックなどの製品を作るのですが、その時に廃油がでます。これが鉱物油です。この廃油を脱色・精製して不純物を取り除いたものがワセリンです。
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ワセリンの種類
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ワセリンは精製の度合いによって区分けされています。精度の低い順に、黄色ワセリン<白色ワセリン<プロペト<サンホワイトと大きく4つに分けられます。
黄色ワセリン
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ワセリンの中で最も精製度が低いものは、黄色味を帯びています。よく見かけるヴァセリン(Vaseline)は黄色ワセリンです。不純物が多少なり残っているので、皮膚の弱い方やアトピーの方、傷や発疹のある箇所、また、皮膚疾患がない方でも、目元は皮膚が薄いので避けることわおすすめします。分類としても薬剤品ではなく、雑貨扱いで販売されています。
白色ワセリン
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黄色ワセリンを精製して不純物を取り除いたものが、白色ワセリン。商品のバリエーションが最も豊富で、赤ちゃん用と銘打ったものも存在します。この白色ワセリンには2種類あります。
白色ワセリン ①第3類医薬品扱い
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まず一つ目が、「日本薬局方」の基準をクリアしている、第3類医薬品扱いの商品です。傷ついた皮膚への使用を想定したものなので、酸化防止剤や香料など皮膚の刺激になる物質は一切加えられません。全身はもとより、目の周り、皮膚の薄い赤ちゃんへの使用も可能です。薬品扱いなので、薬局・ドラッグストアで販売されています。
白色ワセリン ②化粧油
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二つ目が、日本薬局方に関係のない白色ワセリン。日本薬局方のワセリンよりは若干品質が劣るとはいえ、スキンケア用品に使われる鉱物油と同ランクですのでもちろん顔にも使えます。それに価格が安いのも魅力。医薬品ではないので色々なお店で販売されています。ほとんど日本薬局方ワセリンと同じくらいですが、超敏感肌やアトピー性皮膚炎の人など、肌が弱い人はまれに刺激を感じる場合もあります。
プロペト
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白色ワセリンをさらに精製して不純物を取り除いたのがプロペトです。もし、白色ワセリンを使って刺激を感じるような場合は、プロペトに切り替えましょう。白色ワセリンにごくわずかに残ってしまっている不純物に、肌が反応してしまった可能性があります。プロペトは皮膚科でアトピー性皮膚炎や肌トラブルを起こしている患者さんに処方されています。ですが肌が弱いと自覚している人なら、こちらがおすすめです。価格は白色ワセリンより多少高め。
サンホワイト
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プロペトをさらに精製した、ワセリンの中で最高品質のもの。より安心して使えます。しかしながら、サンホワイトは保険適用外のため、他のワセリンに比べて高価。白色・黄色との差別化で超純白ワセリンと称しているお店もあります。
アトピー・乾燥肌にとって大事なこと
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アトピー性皮膚炎
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アトピー性皮膚炎とは、ひどいかゆみと発疹が繰り返し現れる皮膚の病気。発疹は、顔や首、肘、膝などに出ることが多いですが、ひどくなると発疹が全身に広がります。
アトピー性皮膚炎の皮膚の状態
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アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、バリア機能が弱くなってしまい、外へ水分が出ていってしまうため、とても乾燥してます。そして、皮膚が乾燥すると、外部から刺激物質が入りやすくなってしまいます。
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乾燥した皮膚は、外からの刺激を受けやすく、そのために、かゆみを生じます。そこで我慢できずに掻いてしまうと、新たに傷が生じてしまったり傷口が悪化してしまい、さらに皮膚の状態が悪化します。掻いた刺激によりかゆみが増し、また掻いてしまう‥という悪循環におちいってしまうことに。
皮膚のバリアを守るために
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皮膚のバリア機能を正常に保つためには、「3大保湿因子」をしっかりと補うことが重要です。正常な皮膚では、水分が保たれ、外部の刺激物質もブロックされています。3大保湿因子とは、①天然保湿因子=水分を補う、②セラミド=水分を保つ、③皮脂=水分を逃がさない、この3つです。
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つまり、アトピー性皮膚炎にとって大事なスキンケアとは、乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を正常に保つために、皮膚を清潔し、皮膚のうるおいを保つ、このことが大事になってきます。この大事な皮膚のうるおいを保たせるために、有効なのがワセリンです。
アトピー・乾燥肌 ワセリンの使い方
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アトピー・乾燥肌 ワセリンの使い方 夜
アトピー・乾燥肌の人へのおすすめの使い方を紹介していきます。もちろん、普通肌の人も乾燥する季節には是非試してみて下さい。
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まずは、お風呂に入って体をキレイに洗いましょう。その際、熱いお湯に長く使って体が温まり過ぎると痒みがでてしまいます。あまり熱いお湯に長く浸からないようにしましょう。お湯は少しぬるめがおすすめです。保湿成分が入った入浴剤を使用すると、手が届きにくい背中のスキンケアが簡単にできます。ですが、体を温める成分の入っている入浴剤はやはり痒みがでるので避けて。入浴後に体をふくときはゴシゴシこすらずにタオルをあてるように水分を取りましょう。
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入浴すると、皮脂が洗い流されるため、そのままにしておくと、すぐに皮膚が乾燥してしまいます。遅くともお風呂から出たら5分以内にワセリンを塗りましょう。まず、手のひらで温めてワセリンを伸ばしやすくします。そのあとこすりつけずに手のひらで優しく、薄く塗っていきましょう。
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ワセリンの量は顔で米粒1~2つぶくらい。普通肌や肌トラブルがなければ、入浴後すぐに化粧水で肌の表面を整え、保湿成分の入った乳液を薄く塗ります。少し乳液が肌に馴染んだら、薄くワセリンを塗ってスキンケアは終わりです。ワセリンを塗った後に何を塗ってもワセリンが浸透を遮りますので、順番は間違えいないようにしましょうね。
アトピー・乾燥肌 ワセリンの使い方 朝
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朝、洗顔後にタオルで押さえるように顔の水分をとります。その後すぐに化粧水や乳液などをつけ、最後にワセリンを塗ります。この時も、まず手でワセリンを温めて伸ばしやすくしてから優しく・薄く顔に塗ります。
日焼け止めはワセリンの次に
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日焼け止めや化粧下地はワセリンの次につけるのがおすすめ。ワセリンを塗ることで日焼け止めが直接肌に触れませんので肌への刺激は少なくなります。
アトピー・乾燥肌 ワセリンの使い方 保管について
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ワセリンは他のスキンケア用品のように保存料が添加されていなくても長期保存ができます。ですが、だからこそ気を付けたいワセリンの使い方があります。普段クリームなどを取る時に容器から直接指でとると思います。ワセリンもほとんどの人が直接指でワセリンをとっているでしょう。しかしながら、指には雑菌が付いてることが殆ど。雑菌のついた指で直接ワセリンを触れば、容器内で雑菌が繁殖してしまいます。また、フタを毎日開け閉めすることで中にホコリが混じることも。ですので、小さい容器に移し替えて使用するのがおすすめ。大きい容器のままでも直接指でとらずに清潔な綿棒などを使うのが良いでしょう。
アトピー・乾燥肌 ワセリンの使い方 注意すること①塗り方
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アトピーや乾燥肌の人に限らず、これからワセリンを使おうとしている人のも共通の注意事項です。必ず目を通してくださいね。
・すぐワセリンを塗る
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使い方でもお話しましたが、お風呂上りにそのままにしておくと、皮脂が洗い流されたお肌からどんどん水分が蒸発していきます。遅くともお風呂上り5分以内にワセリンを塗りましょう。もし、お肌が完全に乾いてしまったと感じたら、霧吹きなどで水分を吹き付けるか、化粧水などをつけてからワセリンを塗ります。ワセリン自体に水分を補う役割はありません。
・ワセリンを大量に塗らない
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保湿剤だからたっぷり塗った方が良い、というのが一番の勘違い。ワセリンをたっぷり塗るというのは、言ってみればサランラップできっちり皮膚を包んでしまっている状態。そうなると、角質層から自然に出る水分が逃げ場所を失い、皮膚を湿らせます。しかし皮膚には水分を体内に吸収する働きがありませんので、皮膚の表面にとどまります。そして皮膚の上にある水分は蒸発する際に、排出する必要のない角質層の水分も一緒に蒸発させてしまうんです。角質層の水分は天然保湿因子を抱え込んでいるため、大事な天然保湿因子も一緒に蒸発させてしまう。これが皮膚を余計に乾燥させてしまう原因です。よく、ワセリンをたっぷり塗ると皮膚が余計に乾燥する、と言われますが、それはこういう仕組みだったんです。
・ワセリンを擦り付けない
ワセリンは通常固まった状態になっています。これをそのまま皮膚に塗ると硬いので力を入れなくてはいけません。手のひらにとって体温であたためてから薄くなでるように塗ります。また、保湿剤だからとすり込もうとゴシゴシ擦り付ける人がいますが、ワセリンは肌に浸透しませんのでただ肌に負担を与えているだけです。ワセリンは温めてからそっと優しく薄く伸ばすのが正解の塗り方。
アトピー・乾燥肌 ワセリンの使い方 注意すること②肌トラブル中
とくに乾燥がひどかったり、痒みが出てしまっていたり、ニキビができている時の注意事項です。
・乾燥がひどい時
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セラミドなど保湿成分が配合されている乳液をつけたあとでワセリンを塗りましょう。ワセリン自体に肌を潤わせる役目はありません。
・痒みがひどい時
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どんなものにも敏感になっている状態ですので、化粧水や乳液など、普段は症状が起きないものでも敏感に反応してしまうことがあります。そういった場合は普段の化粧水や乳液をつけずに、ワセリンのみを薄く塗りましょう。
・ニキビができている時
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ニキビといっても乾燥からくるニキビには塗っても大丈夫ですが、赤いニキビが出来ている時は、ニキビの箇所だけ避けてワセリンを塗りましょう。なぜなら、ワセリンの粘度が高いため毛穴をふさいでしまい、ニキビをさらに悪化させる可能性があるからです。
アトピー・乾燥肌 おすすめのワセリン サンホワイトP-1
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ワセリンの中でも一番不純物の少ない高品質ワセリンです。皮膚科のお医者さんが処方するのが白色ワセリンです。さらに、その2ランク上といえばどれだけ高品質か想像できると思います。チューブタイプでホコリが混じることなく使えますが、指でとらずに綿棒を使うことをおすすめします。50g 実売価格1,180円。上でご紹介した大きな容器のものは400g 実売価格3,152円です。
アトピー・乾燥肌 おすすめのワセリン 健栄製薬 ベビーワセリン
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ベビーワセリンとは、肌の薄い赤ちゃんでも使える精製度の高いワセリンです。サンホワイト同様に酸処理を伴わない精製方法を採用しており、やわらかくて伸びも良く、無添加・低刺激処方にこだわって製造されています。赤ちゃん用ですので、刺激に敏感になっているアトピー・乾燥肌・敏感肌の人も使えます。顔はもちろん、口や目元などにももちろん使用できます。値段もサンホワイトよりお手頃なため、人気のワセリンです。60g 実売価格349円
まとめ
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ワセリンは刺激も少なく、アトピーや乾燥肌、敏感肌でも使える安心のスキンケア用品です。塗る量や付け方に気を付けて、毎日を快適にお過ごしください。