「はちみつは虫歯にならない」という話を聞いたことはありませんか?
あんなに甘くてドロッとしたはちみつが虫歯にならないなんて、そんなはずはないと思う方も多いのではないでしょうか。糖度も高いし、むしろ虫歯菌が喜んで寄ってきそうですよね。はちみつを食べて、そのまま歯磨きもせずに寝てしまった日には、翌朝お口の中がベタベタになっていそうです。そんなこと繰り返していたら、当然のように虫歯になってしまうような気がしますよね。
それでは、まことしやかに囁かれる「はちみつは虫歯にならない」という噂は一体何なのでしょうか。
結論から言ってしまうと、「はちみつは虫歯にならない」という話は本当です。でもそれは、一体どうしてなのでしょうか?
とても信じられない………という方も、それは知っているけど………という方も、まずは虫歯やはちみつについてから詳しくご紹介するので、是非参考にしてみて下さい。
私達のとても身近にある、虫歯。あの凄まじい痛みや腫れに苦しめられたことのあるひとは、少なくないのではないでしょうか。ただでさえ痛いのに、歯医者さんで削られるときのあの痛みも、これまた地獄ですよね。あの「キーン」という音が苦手で歯医者さんは嫌いという方は、大人でも結構いるようです。大人になってもそうなんですから、子供が怖がるのは当たり前のような気がします。
そんな虫歯ですが、皆さん、虫歯についてどれくらい知っていますか?
そもそも虫歯とはどういう状態なのか、虫歯になってしまうとどうなってしまうのかなど、まずは虫歯の理由についてお話していきたいと思います。
虫歯は「虫」という漢字が使われているにも関わらず、虫には何の関係もなく、ミュータンス菌という細菌によって起こります。不十分な歯磨きなどで口の中に残ってしまった汚れ(歯垢)の中に、この菌はいます。ミュータンス菌は糖分を摂取すると活発になり、酸を作り出します。この酸によって歯が溶かされた状態が、虫歯というのです。
虫歯は、絶対に放置してはいけません。放置していると、取り返しのつかないことになりかません。
実は、虫歯は一度なってしまうと決して自然には元に戻らないのです。
虫歯を長く放置していると、細菌が神経にまで到達してしまう可能性があります。細菌が神経に到達すると、頬まで腫れあがり、激しい痛みに襲われます。細菌が到達してしまった神経は、抜く手術をしなければいけません。すると勿論痛みは治まりますが、その歯は知覚や触覚さえも無くなってしまいます。神経を抜いてしまった歯は脆くなり、将来的に抜け落ちてしまう可能性が高くなる理由になります。また、その時は痛みを感じなくても、数年後には痛むことも。神経を抜いたことで空洞になってしまった歯の内部に、細菌が感染してしまうことが原因です。
初期の段階では保険適用の治療ができますが、症状が進行してしまうと、自分の歯を残すためには自費で治療しなければいけなくなってきます。進行すればするほど治療に時間もかかります。
はちみつが美容や健康にいいことは、なんとなく知っている方も多いのではないのでしょうか。はちみつを使った食品や化粧品は、よく見かけますよね。その具体的な効果はどのようなものがあるのでしょう。
はちみつにはたくさんの栄養成分が含まれています。その成分たちが、身体の様々なところに様々な良い効果をもたらすのです。
はちみつには、150種類の栄養素が含まれています。その中でもビタミンB2やB6、アミノ酸やポリフェノールや酵素などは、美肌をつくるために欠かせない成分です。特にビタミンB6は、エネルギー代謝を良くしたり肌荒れを改善したりする効果があります。ピーリング効果や強力な保湿効果もあり、はちみつは天然の美容液とも言われています。
理論的には、はちみつは永遠に腐らないと言われているほど殺菌力が強いです。また、消化されやすいため素早くエネルギーを補給することができますし、整腸作用もあります。喉の調子が悪い時や風邪の時、それから胃腸の調子が悪い時や体が弱っているときにもはちみつはおすすめです。他にも、不眠や貧血にまで効果があると言われています。
はちみつは虫歯にならないという話を聞いたことのある方は、少なくないのではないでしょうか。でも、そう言われる理由は一体何なのでしょう?理由を確認していきましょう!
先程もご紹介した通り、はちみつには強い殺菌・消炎作用があります。そのため、虫歯の原因菌であるミュータンス菌の活動も抑えることができるのが理由で、虫歯になりにくいのです。
でも、あんなに甘くてドロッとしたはちみつが虫歯になりにくいだいなんて、やっぱりなんだか信じられませんよね。はちみつはとても甘いですから、逆に虫歯になってしまいそうな気さえします。
実ははちみつに含まれている糖分は、虫歯になりにくい糖分なのです。「そんな糖分があるの?」と思った方もいると思います。皆さんご存知の通り、虫歯菌の増殖には糖質や糖類が必要です。しかしはちみつに含まれている糖分はフルクトースという果糖とグルコースというブドウ糖です。虫歯菌はこれらの糖をエサにできないので、虫歯にはなりにくいのです。
実ははちみつは、虫歯にならないどころか虫歯の予防にまでなるときもあるんです!歯だけでなくお口自体にも良い効果があり、オーラルケアも期待できるんです。
それはなんと、古代エジプト時代から伝えられています。
紀元前1550年頃の古代エジプト最古に重要な医学文献
『エベルスの医学パピルス』に
はちみつで虫歯を防ぐ・・・歯茎の潰瘍を除去する薬
【シナモン・ゴム・はちみつ・油か油脂】とあるのです。
約3500年も前からはちみつには虫歯の予防効果があるということが知られていたようです。歯茎の潰瘍を除去するとも記されているので、はちみつは単に虫歯の予防だけに用いられていたわけでもないようです。驚きですね。
それでは一体、はちみつで虫歯を予防する具体的な方法とは何なのでしょうか。
それはなんとシンプルに「はちみつで歯を磨く」というものです!歯磨き粉の代わりに歯ブラシにはちみつを付けて、あとはいつも通りに歯を磨きます。もしくは、普通に歯磨きをした後、はちみつを舐めて口の中に広げてもいいそう。口臭の予防にもなるんだそうです。
そして早速試してみました。
はちみつには色々種類がありますが、
ポピュラーなアカシアのはちみつを使ってみました。
歯ブラシにはちみつを乗せ 普通どうりに磨いてみました。
美味しい・・・
ずーっと磨いていたい・・・・・
あれっ?歯の表面がツルツル。
しかし注意していただきたいのは、はちみつで絶対に虫歯にならないとは言い切れないということです。
先程もご紹介した通り、虫歯はミュータンス菌という細菌が作った酸によって歯が溶けてしまった状態です。ミュータンス菌は歯と歯の間や歯茎との間に残った食べ物のカスや歯垢をエサにしますから、いくらはちみつを使って歯を磨いてもそれらが歯に残ってしまっていては危険です。はちみつの力に頼ってしまわず、隅々まで丁寧に、しっかりと歯磨きをしましょう。
はちみつにはたくさんの効果効能があり、虫歯だけでなく風邪など様々な予防に使えます。あらゆる面において、摂取しておいて損はありません。
ひとつだけ注意して頂きたいのは、子供にはちみつを与えることです。1歳以下の子供にはちみつを与えると、乳児ボツリヌス症を起こす場合があります。その理由は、1歳に満たない子供はまだ正常な大腸菌が作られておらず、はちみつに含まれているボツリヌス菌を処理することができないことが理由です。
いかがだったでしょうか。あんなに甘いはちみつが虫歯にならないどころか予防にもなるなんて、驚きですよね。おいしいしたくさんの効果もあり、いいことづくめです。これを機に是非、お家にストックしてみては?