アーミー・セーターとは、多くはプルオーバー型で、肩や肘周辺に補強用のパッチが充てられた、軍隊での使用を想定した丈夫に作られたセーター、もしくはそれをモチーフにしたもの。 コマンド・セーター(commando sweater)や、コンバット・セーター(combat sweater)とも呼ばれる。

カウチン・セーターとは、小さ目のショールカラーと狩猟対象の動物や自然をモチーフとした模様と幾何学模様を特徴とし、カナダのバンクーバー島の先住民のカウチン族が使用するセーター。 本来のものは、脂肪分を抜かない毛糸とアメリカ杉の皮繊維を使用しているため防寒のみならず撥水、防水性が高いが、現在市販されている物は脱脂したウールが原料の場合がほとんどのため防寒が主目的。 カナダでのカウチンセンターの認定基準は、脱脂していない自然の色合い、手で紡いだ太目の糸、鷲や杉等の伝統柄、シンプルなメリヤス編み等が要件になっている。

フィッシャーマンズ・セーターとは、アイルランドやスコットランド地域の漁師が、作業中に着る仕事着として使っている、厚手のセーターの事。 漁具のケーブルや編み目をモチーフとした縄状の網目と模様が特徴である。 単色が基本で、縄を交差する様な網目により立体性をもたせて空気を含み、防寒性、撥水性も高い。 荒れた極寒の海で作業するアラン諸島の漁師が着用していたセーターを、アランセーターといい、歴史も古く、フィッシャーマンズ・セーターの別名にもなっている。セーターの複雑な模様が、事故時の個人識別の意味合いも持ち合わせていた。 その他ガーンジー島の漁師のセーターをモチーフとした模様が少な目のガーンジーセーターも有名である。

チルデン・セーターとは、Ｖネックの首回りと袖口や裾口に1本、もしくは複数の太めのラインのはいったセーター。 もともとはケーブル編みで厚手のセーターだが、動きやすさや着用シーズンの広がりから薄手の物も多い。 名称は、愛用していたアメリカの名テニス選手ウィリアム・チルデンの名前に由来する。 首回りと裾の太いラインの特徴は、ニット系のベストなどでもチルデンベストとして名称がつけられている。 古くからあるため、トラッド感とスポーティーさをアピールしやすい。ファッション性を重視したＶの開きの大き目なデザインも増えてきており、小顔アピールなどにも有効である。子供っぽく見えやすい面もある。 テニスセーター、クリケットセーター、テニスニット、クリケットニット等とも呼ばれる。