『ポプテピピック』とは
『ポプテピピック』とは、大川ぶくぶ原作の漫画、アニメ作品です。特徴的な絵柄と、シュールな作風、他作品のパロをふんだんに盛り込んだ話が面白く、楽しい作品になっています。漫画では、本を出版している竹書房を爆破したり、アニメでは、有名声優さんに本気のおふざけをやらせたりと、かなりやりたい放題な印象も受ける本作。
アニメでは声優さんの出演NGや、漫画は連載打ち切りなど、色々と問題もある『ポプテピピック』ですが、アニメや漫画、声優さんといったものがより身近になった現代だからこそ通用する楽しさというのが、一心に詰まっているような作品です。そんな『ポプテピピック』について、2019年に公開された漫画シーズン3、及び、TVアニメスペシャルについて、その中で使用されていたネタを紹介していきます。
【ポプテピピック】シーズン3[15-4]:X-MEN【元ネタ】
[15-4] ポプテピピック シーズン3【15】 / 大川ぶくぶ / まんがライフWIN https://t.co/V7xTyFivck pic.twitter.com/O2c6pc1yPF
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シーズン3の15で登場した「Cry For the moon」というのは、大人気アメコミ作品、アニメX-MENの日本版OPに登場する歌詞とシーンです。X-MENのアニメが日本で放送されたのは1994年〜1995年なので、もう20年以上も前のアニメが元ネタということになりますね。いったい、どれだけの人がこの元ネタに気付いたのか知りたいところでもあります。
アニメシリーズでも、なかなかに時代を感じるネタを入れてきたりしたので、そもそものコンセプトがそういう方向なのでしょう。たった4コマしかない中で、確実に元ネタがわかる要素を入れてくるのは、さすが『ポプテピピック』としか言いようがありませんね。
【ポプテピピック】シーズン3[15-6]:ポプテピピックシーズン1の1-1【元ネタ】
[15-6] ポプテピピック シーズン3【15】 / 大川ぶくぶ / まんがライフWIN https://t.co/8vr42vdgmRシーズン4始まりました pic.twitter.com/6BqZUMt363
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サイト上ではシーズン3として登録されていますが、漫画としてはシーズン4となったBL的なやつです。これは、シーズン4から竹書房のBL編集部に任せるという、漫画に登場する竹書房の人が言ったセリフから来ていますが、その記念すべき1話で懐かしの「えいえい、おこってる?」「おこってないよ♡」ネタが描かれました。
『ポプテピピック』のシーズン1、1-1という初っ端に描かれたネタで、アニメにも登場したシーンになります。これには懐かしさを感じた人も多かったようですね。突然の逆作画崩壊と、実際のBL漫画家さんによる作画という、ネタにどこまでも本気で挑む『ポプテピピック』の姿勢は素晴らしいですね。
【ポプテピピック】アニメTVスペシャル#13①:ランボー【元ネタ】
アニメ放送終了後、地上波とネットで放送されたTVスペシャル。通常のアニメと同様に、30分の中で同じ話を2回繰り返し放送しました。13話目のタイトルとなる「コンビニ」という話で登場したシーンは、映画「ランボー」のパロディになります。これに関しては、円盤のジャケットを見ても一目瞭然でわかりやすいですよね。
4/17発売『ポプテピピックTVスペシャル』Blu-ray&DVDのジャケットが公開!
— アニメ「ポプテピピック」公式 (@hoshiiro_anime) April 1, 2019
TVや各配信サイトなどで放送された青龍ver. 朱雀ver. 玄武ver. 白虎ver. の4バージョンを全て収録!
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作中で登場したのは、元ネタとなった映画の最後の方のシーンです。前後の流れから見るといまいちよくわからない展開ではありましたが、このランボーのパロディシーンはなぜか感動的な仕上がりとなっているので、ぜひ見たいところ。すべて声優さんが違う青龍・白虎・朱雀・玄武のバージョンがあるので見応えがありますよ。
【ポプテピピック】アニメTVスペシャル#13②:ドラゴンクエスト【元ネタ】
そして「夢のスライム巨大化プロジェクト」の紹介ムービーも公開!こちらもぜひご覧ください! #夢の巨大スライム #DQB2 pic.twitter.com/zXK57yHPWq
— ドラゴンクエスト宣伝担当 (@DQ_PR) November 20, 2018
『ポプテピピック』では定番的なものであるゲーム画面のシーン。ここもまた懐かしネタではありますが、「ドラゴンクエスト」シリーズの、敵とエンカウントした時の場面がパロディとして登場しました。黒背景に白い文字で次の行動を選択したり、相手のステータスが見えるあの画面です。
ドラクエのエンカウントシーンは、わりと多くの作品でパロディにされているので、実物を見たことがない方でもパロディだと気付くことができるネタでもありますね。敵のでる位置など、パロディとしてのクオリティは高くわかりやすいのも印象的です。
【ポプテピピック】アニメTVスペシャル#13③:ストリートファイト【元ネタ】
ドラクエのパロディがわかりやすいとしたら、こちらは知る人ぞ知るというものかもしれませんね。「ストリートファイター」というゲーム自体は有名ですが、ゲームのコンティニュー画面を思い起こせる方はあまり多くないのではないでしょうか。カウントダウンが特徴的ですよね。
こちらも、ゲーム風シーンのときに登場するパロディですが、こうして見るとカウント部分が非常に酷似しています。さらりと見逃してしまいそうな部分にもしっかりネタを入れてくるのが『ポプテピピック』らしい部分かもしれませんね。
【ポプテピピック】アニメTVスペシャル#13④:ドラえもん【元ネタ】
各パートラストのほうで登場した筒状のトンネルは、ドラえもんの「ガリバートンネル」が元ネタになっています。古い作品ほど新しいギャグ作品のネタにされやすく、ドラえもんネタも多くの作品で取り扱われてきましたが、『ポプテピピック』はただそのアイテムを出すのではなく、粘土で3次元的にアイテムを登場させ使用するのも面白いところです。
キャラクターも粘土で作りやすい、というのがそう言った遊びをできる理由かもしれませんね。おそらく粘土の元ネタであろう、以前NHKで放送されていた粘土アニメーションも丸みを帯びた造形しやすい形でした。ドラえもんの道具ではないので、最終的に絞り出されるようにしてキャラクターが出てくるシーンなどは、アニメーションではなく造形物だからこそ面白いポイントですね。
【ポプテピピック】アニメTVスペシャル#14①:へぇボタン【元ネタ】
歯医者でのシーンで、突然雑学を話し出したピピ美に、ポプ子が押した手元のボタン。2002年から10年間放送されたテレビ番組「トリビアの泉」に登場する「へぇボタン」が元ネタでしょう。「そうなんだ」と納得するほどでも、「すごい」と賞賛するほどでもない知識を聞いたときに自然と出る「へぇ」という気持ちをそのままボタンで表現するという番組でした。
漫画やゲーム、映画などは、古い作品を知っている方も多いですが、こういったテレビ番組系は知らない方も多いので、『ポプテピピック』の製作陣と客層の年齢がだいたいわかるようです。元ネタからアレンジしてパロディを行うことも多い『ポプテピピック』ですが、へぇボタンはわりとそのまま「へぇへぇ」言わせましたね。
【ポプテピピック】アニメTVスペシャル#14②:新機動戦記ガンダムW【元ネタ】
14話に関しては、随所にガンダムWのネタが散りばめられていました。映像的には関係ないものも多いですが、セリフがそのままガンダムWから引っ張っているものが多く、「ゼロは何も言ってくれない」「ウィング?ウィングでしょ?」など、わりとわかりやすくセリフを声優さんに言わせました。
通常アニメでもガンダムネタを入れてきたり、13話のOPではガンダムを彷彿とさせる上にきちんとサンライズに協力してもらうなど、『ポプテピピック』の意外なガンダム好きがわかりますね。新しい作品ではなく、微妙に古いガンダムシリーズを持ってくるあたり、弾圧されないギリギリを狙っている感があります。
【ポプテピピック】アニメTVスペシャル#14③:世界でいちばんダサいPV【元ネタ】
物語途中で入った突然の歌とダンスは、「世界でいちばんダサいPV」として話題となったArmi Ja Dannyというユニットの「I Want To Love You Tender」のPVを元ネタにしています。40年ほど前の外国の曲なのでがっつりそのまま描いていますね。『ポプテピピック』で取り上げられたことでさらに注目が集まったようです。
注目を集めるのは良いことですが、「いちばんダサい」というのは少々微妙な注目もされたかもしれませんね。この「ダサい」というのは「世界で」と付いているだけあって、日本だけでなく世界中でその評価を受けています。元ネタがシュールなだけあって、『ポプテピピック』の世界と絶妙に合うのが面白いところです。
【ポプテピピック】アニメTVスペシャル#14④:キャプテン翼【元ネタ】
一瞬の場面ですが、ゴールポストに人が乗っているという衝撃的なシーンの元ネタは、有名サッカー漫画『キャプテン翼』にあるシーンが元ネタです。ギャグアニメでさえゴールポストに登っているのは驚きなのに、サッカー漫画でそれをやっているというのも驚きですよね。こういう元ネタを知ってさらに驚けるのも『ポプテピピック』のいいところです。
ネタシーンにさらに元ネタのあるシーンを入れ込むというところを考えると、『ポプテピピック』は意外と考えて作られていることがわかりますね。TVスペシャルなだけあって、余計そういう細かなパロディシーンが多かったような印象を受けます。
ポプテピピックの元ネタについてまとめ
『ポプテピピック』はわかりやすいネタも、わかりにくいネタもたくさん取り扱っているのがい印象的で面白い作品です。元ネタがわかると、ちょっと嬉しい気持ちになりますよね。漫画の連載は一旦終了しましたが、原作者のツイッターでは今でもイラストが描かれているので、そちらもチェックしたいです。
今日の pic.twitter.com/7t612dQrUZ
— 大川ぶくぶ/bkub (@bkub_comic) May 14, 2019