『鬼滅の刃』とは
『鬼滅の刃』とは、吾峠呼世晴先生が週刊少年ジャンプで連載している人気少年漫画です。魅力的なキャラクターやわかりやすいストーリー展開が人気を呼び、アニメ化、舞台化、映画化ととんとん拍子にメディア化が進んでいった作品になります。アニメ化の影響もあってか漫画も爆発的な人気となり、売り切れの巻が出たり、購入制限が出るなど、その人気の高さがうかがえますね。
炭焼き小屋の息子として育った竈門炭治郎は、亡き父に代わり、長男として家族を支えていました。ある日、炭治郎が町から戻ってくると家族が殺され、唯一息のある妹も怪我を負っていました。家族を襲った犯人は鬼で、怪我から鬼の血が入った妹・禰豆子も鬼となってしまいます。鬼と戦う鬼殺隊の存在を知った炭治郎は、妹を人間に戻すため、家族の仇を討つため、鬼殺隊に入ることになるのです。
【鬼滅の刃】煉獄杏寿郎について
名前:煉獄杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)
年齢:20歳
身長 / 体重:177cm / 72kg
好きなもの:さつまいもの味噌汁
階級:炎柱
煉獄杏寿郎は、鬼殺隊の最上位階級である柱の中の炎柱という立場にいる人物です。毛先の赤い黄色い髪の毛が印象的で、羽織も炎を連想させる黄色から赤へのグラデーションと、全体的に炎柱というのを前面に出したキャラクターになりますね。二股に分かれた太い眉毛も印象的です。
煉獄杏寿郎は物語の前半で退場してしまったキャラクターではありますが、だからこそ登場人物たちの心に深く残り、彼は主人公たちを精神的に支えることとなったのです。現在の柱の中にも杏寿郎に助けられたり、師事を受けた人などもおり、彼の存在の大きさがうかがえますね。
【鬼滅の刃】煉獄杏寿郎の呼吸と日輪刀
呼吸:「炎の呼吸」
杏寿郎が使用する呼吸は炎の呼吸という、昔からある基本の呼吸のひとつです。どの時代にもいたという言葉から、古い歴史のある呼吸法であることがわかります。剣術自体は以前父親に教わっていましたが、ある日突然気概を失った父から見放されたことで、家に代々伝わる指南書から呼吸の使い方を学びました。そのことからも彼には鬼殺隊としての才能があったことがわかりますね。
日輪刀:燃えたぎる炎のような赤色の刃
杏寿郎の刃は、炎の呼吸の使い手らしい赤い色と、炎のような鍔が特徴的です。様々な形の日輪刀を持つ柱の中ではスタンダードなタイプの剣ですね。炎と同様、いつの時代もいたと言われる水柱もスタンダードタイプの剣を使っているため、やはり昔ながらの呼吸は型通りの剣を使うものなのかもしれませんね。
【鬼滅の刃】煉獄杏寿郎の家系
煉獄杏寿郎の煉獄家は代々炎柱を務めた家系で、父である槇寿郎も以前は炎柱を務めていました。槇寿郎はもともと熱心な人物でしたが、その熱心さが故に、自分の使う炎の呼吸がもともと他の呼吸の真似事であったことが許せず、最愛の妻を失ったことも重なり、毎日だらだらと酒を飲む日々を過ごすようになってしまいました。杏寿郎の弟である千寿郎は稽古をしても日輪刀の色が変わることなく、剣士の道を諦めることに。
煉獄家が紡いできた炎の呼吸の歴史は杏寿郎が亡くなったことで途絶えてしまうことになってしまいました。杏寿郎は、家柄としては恵まれていたかもしれませんが、環境や後継という意味ではあまり恵まれなかったかもしれません。しかし、杏寿郎を失ったことで父は目を覚まし、千寿郎は炭治郎と出会い、新たな道を進めるようになったのです。
【鬼滅の刃】煉獄杏寿郎の魅力①人間愛
杏寿郎は、上弦の参である猗窩座との戦いで、人間や炭治郎を弱いとなじる猗窩座に対し、それは弱さではないと静かに怒りを示します。
「老いることも死ぬことも 人間という儚い生き物の美しさだ」
「強さというものは 肉体に対してのみ使う言葉ではない」
杏寿郎の人間に対する愛情の深さ、優しさ、かつて母に言われた「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」という言葉に対する想いすべてが伝わるようなシーンですよね。杏寿郎は初登場時、鬼である妹を連れる炭治郎を、禰豆子もろとも斬首しようとしていましたが、これは人を愛し守ることを心に決めていた故であることがわかります。
乗客を誰も死なせなかったこと、誰も死なせないために自らの命を投げ打ったこと、もちろん、杏寿郎は勝つつもりで挑んだと思いますが、それを当然のこととやってのけるのは誰にでもできるものではありません。これが煉獄杏寿郎という人間の魅力のすべてではないでしょうか。
【鬼滅の刃】煉獄杏寿郎の魅力②心の炎
気概を失った父に、柱になったことも自分の存在も否定された杏寿郎は、それでも自分は挫けることも折れることもないと千寿郎に伝えました。
「そんなことで俺の情熱は無くならない! 心の炎が消えることはない!」
また、太陽の光が届かないところまで逃げていく猗窩座に対し泣き叫ぶ炭治郎に、杏寿郎は諭すように言葉を紡ぎました。
「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと 心を燃やせ 歯を喰いしばって前を向け」
杏寿郎が燃やしていた心の炎は、どんなときも消えることはありませんでした。そしてそれは確実に、炭治郎へと燃え移ったのです。炭治郎はその後、自分の力を引き出すルーティーンに杏寿郎の「心を燃やせ」という言葉を思い出すようになります。杏寿郎が消さずに保っていた炎がきちんと引き継がれていくシーンは、胸が熱くなりますよね。
炭治郎が同期である栗花落カナヲに言った「人は心が原動力」という言葉は、杏寿郎の心の炎に通ずるものがありますよね。この杏寿郎の心の炎は、作品を読んでいる読者の心も燃やしてくれるような、そんな強さと暖かさがありますね。
【鬼滅の刃】煉獄杏寿郎の強さは柱の中でも上位
杏寿郎の訃報を聞いた際、当時音柱だった宇髄天元は「煉獄でさえ上弦の鬼には負ける」という言い、蛇柱の伊黒小芭内は「信じない」と言いました。この言葉から、杏寿郎の強さがうかがえますよね。また、恋柱は以前杏寿郎に師事していたことから、杏寿郎は柱の中でも相当な実力者であることがうかがえます。
最強は岩柱の悲鳴嶼行冥と言われているので、代々鬼狩りの家系であることや、父が元柱であることから、その次くらいの実力はあったのではないかと思われます。無論、他にも強い柱はいますが、精神的な安定さを含めると、悲鳴嶼に続く実力と言えるのではないでしょうか。
【鬼滅の刃】煉獄杏寿郎は多くの人から慕われている
家族を失ったこと、ひどい傷を負ったことで過去の記憶をなくし、新しい記憶も保持できなくなっていた霞柱の時透無一郎が杏寿郎の鍔を見て涙を流すシーンがあります。他の柱や特に炭治郎に冷たい伊黒も、杏寿郎に信頼をおいているように感じるシーンが登場するなど、杏寿郎は多くの人から慕われているのがよくわかります。
杏寿郎は一見、人の話を聞いているのかいないのかわからない部分もありますが、仲間や人に対しては基本的にとても真摯で、いつでも誰にでも心の炎を分け与えるような懐の深さと優しがあります。有言実行の行動力はもちろんのこと、そういった精神面の強さが周りの人から慕われる理由ではないでしょうか。
【鬼滅の刃】煉獄杏寿郎の死は炭治郎が成長する大事なきっかけ
初登場時からわりとすぐに亡くなってしまった杏寿郎。あまりに早すぎる退場にショックを受けたファンも多いかと思いますが、杏寿郎の死は炭治郎が鬼殺隊員として成長する大事なきっかけとなりました。炭治郎はこれからことあるごとに杏寿郎の強さ、言葉、その心の炎を思い出すようになるのです。
杏寿郎の育った環境を知ったことで、杏寿郎の優しさや心の強さを炭治郎は本当の意味で理解したのではないでしょうか。だからこそ、杏寿郎が繋いでいこうとしたものの大切さ、杏寿郎がやってのけたことの難しさを理解していくのだと思います。
柱稽古に参加しない冨岡に炭治郎が言った「義勇さんは錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」という言葉は、杏寿郎から託されたものを繋いでいこうとしている炭治郎だからこそ出た言葉で、そんな炭治郎だからこそ、冨岡も心を動かされたのではないでしょうか。
『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎についてまとめ
ファンも多く、人気キャラの1人でもある煉獄杏寿郎。2020年には彼のメイン回となる無限列車編が映画化されるなど、彼の姿を大スクリーンで観ることのできる機会がすぐそこまで迫っています。死亡したキャラでこれほど長いことファンの心に残り続けるというのはなかなかレアで、それだけで彼の魅力がわかるような気がしますよね。