時代劇を見たことがあるだろうか?徳利から醤油を注いでいる情景が描かれているモノがある。これは正確である。なぜなら江戸時代後期まで醤油入れと云えば徳利が主流であった。大本を辿れば日本酒と同じで樽詰めされている。
今の若い人には信じられないことかもしれないが、昭和30年代ごろまで醤油は一升瓶で売られていることが当たり前であった。筆者の生まれたころ(実は筆者は昭和最後期生まれだが・・・)には樹脂の容器が出だしたがそれでも田舎などでは一升瓶が主流であったように思う。
他にも、商用だと今でもあるが、一斗缶入りの醤油が販売されていた事もあったようにおもいますが・・・
今までの話はあくまでも醤油の保存・販売方法だが、近年でも『寿司屋』等で『陶器製』の『醤油差し』やおしゃれなお店で見られる『ガラス製』の『醤油差し』などを見る事ができるかと存じます。高度経済成長期頃まで『陶器製』の『醤油差し』が主流でありました。
この画像は日本酒のおちょこと徳利ですが、筆者の知っている古い『醤油差し』は、この『とっくり』に『木の栓がはまっているタイプ』です。
そんな卓上用の『醤油差し』は使用する際(特に傾けて使用し、使用直後に傾きを正常に戻す際)に『醤油』が『醤油差し』や『机』を汚す『液だれ』現象が起こりやすいかったので、『醤油差し』は『受け皿』に置かれている事が多かったように思えます。
平成のバブル絶頂期頃には栓や本体総てがガラスで出来ていたモノ(栓のガラスには受け口に嵌る部分にゴムのパッキンが使用されていた)が存在しました。
引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/31MRvpxKY4L.jpg
この『醤油差し液だれ問題』は多くのメーカーや使用者を悩ませていました。この『液だれ問題』を解決した『醤油差し』を開発・販売したのが『1961年』に千葉県野田市を本拠地とした『キッコーマン株式会社(以後キッコーマン)』の『キッコーマンしょうゆ卓上びん(上記リンク参考 ガラス製のビンとプラ製の蓋)』であります。
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ 卓上 150ml×6個
価格
¥ 1,452
高めですが、試す価値ありです!
『キッコーマン』は小容量容器販売への要望で、以前から『液だれしにくい(あくまでも、しにくい)』卓上びんを開発し、使用していたのですが、さらなる改良を進める為、1961年当時、同社の企画宣伝課だった吉田節夫(2005年1月に逝去した元キッコーマン専務取締役で当時31歳)がGKインダストリアルデザイン研究所(現、株式会社ジイケイデザイン機構)所長の榮久庵憲司(2015年2月に逝去した、えくあんけんじ氏、当時32歳で秋田新幹線『こまち』のデザインでも知られる)にデザインを依頼したのが、正規の大発明の発端である。
その発明は『注ぎ口の上側ではなく下側を切る』ことにより『液だれ』を解消し、『透明なガラス』で『醤油』残量が分かりやすくなり、注ぐ際に『空気穴を指で塞ぐ』ことで『1滴ずつ』垂らす事ができるようになった。
他にも容量性・形状・色彩など数点も含めて試行錯誤の結果作られた『キッコーマンしょうゆ卓上びん』は以降現在に至るまでほとんどデザインを変更せず発売され続け、1993年には「グッドデザインマーク商品」に選定された程でなのである。
海外のレストランでは『ブランドのイメージ』や『機能性』を活かし、最初だけ『キッコーマン』の醤油が入った同社の『卓上びん』を購入し、『キッコーマン』の醤油が無くなった後は『中国産の醤油』を詰め替えて使っている店もある程だ。『キッコーマン』以外の醤油メーカーも、『同じ機構を持つ醤油差し兼用容器』に醤油を入れて販売していると云う。尤も、上にリンクを貼っているが、今年、平成30年(2018)3月30日付で『立体商標』を特許庁から許可が下りており、その形=『キッコーマンしょうゆ卓上びん』として世界中で認識されているという事なのである。
引用: https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/mantenpuraza/cabinet/nakayakagaku/nakayakagaku046.jpg
この商品実は筆者も使用しています。ダイソー版とセリア版、その他100均商品版の三つがありますが、『液だれ』はしませんが、しかし・・・残念なことに『液漏れ』はあります。そしてそれを『舐める』『妖怪醤油舐め(ウチの黒猫ですw)』なぜ『行燈の油』じゃなくて『醤油』なのか・・・
ガラス製ではなくポリ製で、胴体をプッシュして醤油を押し出す形式です。ダイソーならどこにでも売っていると思います。
ダイソーの商品を『たかがダイソー』と侮るなかれ!『さすがダイソー』と思われるほど色々な商品が販売されています。
ニトリはやはり『お値段以上』のキャッチコピー同様安いのに種類が豊富です。筆者が愛用していたのは下記にあげた中で②の『プッシュ式醤油差し S』でした。誤って倒してもこぼれにくく、使い勝手は抜群でしたね!やはりプッシュ式は醤油の量を調節できるので安心です。普通の醤油差しでもいいのですが、『塩分過多』なので少しだけ出せるプッシュ式は筆者には最適でした。これまでの商品の中でこのニトリの商品こそ筆者がおススメしたい商品の一つだと断言いたします。
引用: https://www.nitori-net.jp/wcsstore/ec/images/Image/catalog/8912126/646X1000/891212601.jpg
引用: https://www.nitori-net.jp/wcsstore/ec/images/Image/catalog/8912289/646X1000/891228901.jpg
上がニトリのプッシュ式醤油差し『プッシュ式醤油差し S(ブラック)』です。
引用: https://www.nitori-net.jp/wcsstore/ec/images/Image/catalog/8912359/646X1000/891235901.jpg
上がニトリの『プッシュワン しょうゆ差し(BK)』です。ガラスに見えますがメタクリル樹脂でできています。
ニトリはデザイン性にもこだわっていて、『おしゃれ』な商品がたくさんあります。ニトリに行かれてみてはいかがでしょうか??
タケヤ 『調味料入れに』 プルーディスペンサー・S ブルー
価格
¥ 354
この商品を知っていますか?
この商品を知っていますか?「あれ?この注ぎ口に見覚えが・・・」そうです。『はま寿司』さんや『スシロー』さんで使用されている醤油差しです!実はこの『タケヤ ブルーディスペンサー』が使用されています。皆さんも実地調査してみてください。『液だれ』しにくい商品です!
無印良品の『卓上醤油差し』は小さくて便利。そんなに醤油を使わない人ならこの位のサイズで問題ないと思われます。『液だれしない』とまでは言いませんが、『しにくい』醤油差しだと思います。無印良品の商品ページを載せていますので見てみてください。
この無印良品『卓上醤油差し』の問題点はいくつかあります。まず、ガラス製の『キッコーマン卓上ビン』の半分以下の量しか入らず、すぐに補充しないといけないという非常に面倒くさい作業の連続なのがこの『無印良品 卓上 醤油差し』です。液だれ問題ですが、この『醤油差し』は口が小さく、正直そのまま使用すると醤油が固まってしまうので使い切っては洗いを繰り返さないと『液漏れ』してしまいます。1ポイント工夫が必要です。それはマイナスドライバーなどで醤油の注ぎ口内を少し削ってやれば『通りは良くなるうえに』『液だれ』しなくなります。まぁうまく削れれば・・・ですが・・・
引用: https://img.muji.net/img/item/4547315002641_1260.jpg
無印良品の卓上醤油差しの問題点は実は結構あります。元々無印良品の製品は『誰にでも合う商品』がモットーのようで、ダイソー等の100均の商品とさほど変わりが無いように思えるのです。であるならば無印良品の製品である必要はなく、それこそダイソーでも問題ないと云う考え方もあります。
醤油差しにはプッシュ式と注ぐタイプがありますが、私はどっちもどっちだと思っています。『プッシュ式』は醤油を少ししか使わない人におススメで、『注ぐタイプ』はそれなりの量を使用する人におススメだからです。
引用: https://www.nitori-net.jp/wcsstore/ec/images/Image/catalog/8912351/646X1000/8912351s.jpg
さて、『液だれしない』醤油差しや『おしゃれ』な醤油差しをいくつか紹介させていただいたが、醤油と云うのは『酸化しやすい』性質にある。本来の醤油は赤茶色をしているのだが、参加すると赤黒になってしまう。こうなると風味が落ちてあまりおいしくない。下に『ヤマサ醤油』の『酸化はなぜおきる?』を載せておくので見てみてほしい。
開けたてそのまま ず~っとそのまま醤油さし 76090
価格
¥ 1,700
醤油液面に『浮き蓋』を浮かべることで、空気に触れる醤油の面積を減らし、醤油の鮮度を保つことができる醤油さし。
上は『浮き蓋』が醤油を空気に触れにくくした『酸化しにくい』醤油差しである。
seiei しょうゆ ちょいかけスプレー 17364
価格
¥ 360
このスプレーは本当に『液だれ』もしないし役に立ちます!
引用: https://shop.yamasa.com/upload/save_image/02201846_5a8bee65d45c2.png
空気にふれさせない事を考えると上記した『開けたてそのまま ず~っとそのまま醤油さし』や『ヤマサ醤油』が出しているこのような密封ボトルを使用するしか方法は無いようである。
色々な醤油差しをみてきたが、中に入れる醤油の味は読者のみなさんの好みである。自分に合った醤油差しを買ってその中に好きな醤油を入れて使ってみよう!筆者がおススメするモノである必要はない。あくまでも筆者の独断と偏見で選んだモノだからである。形も使用方法もそれは読者諸兄次第である。