はちみつに含まれる栄養成分
ハチミツの主な成分は糖類とブドウ糖で約80%で、残りの約20%のほとんどが水分になります。「ブドウ糖」は「単糖類」とされこれ以上に分解される必要がないとされており、体にすばやくエネルギーとして変換される特徴があります。それによって胃腸にやさしく体にとって大切な働きをしてくれるんです。それ以外の成分として、ビタミンB1、B2、葉酸などのビタミン類、カルシウム、鉄をはじめとする豊富なミネラル、20種類以上のアミノ酸、約80種類の酵素、ポリフェノールなどのさまざまな栄養分が含まれております。その効果、効能から昔の人ははちみつをやけどや傷口に塗るなどして「天然の薬」として使用されていた歴史があります。
健康にどんな効果があるの?
たくさんの栄養素を含んだ「天然の薬」はちみつですが、具体的にはどの成分が体にどのように効果や効能を発揮してくれるのかを、ひとつひとつ具体的に解説していきたいと思います。
健康① 動脈硬化を防止
動脈硬化とは、どろどろになった血液が、血の通り道である血管に詰まりやすくなった状態を指します。血管に血が詰まることで起きる、心筋梗塞や脳血管障害などは最悪の場合、死にいたることもある恐ろしい病気です。その引き金になる動脈硬化を予防してくれるのが、はちみつに含まれる「コリン」という成分なのです。コリンの主な働きは血管を広げて、血圧を下げる働きがあります。また血管の壁につく悪玉コレステロールなどの働きを抑えてくれます。これらのコリンの働きによって、動脈硬化の予防にいいとされます。
健康② 疲労回復
はちみつには疲労回復によいとされる「ブドウ糖」「果糖」「ビタミンB1」といった成分が豊富に含まれています。はちみつは約20分ほどで腸にすばやく吸収し、血管に栄養が届いてくれるので、疲労回復に効果的です。慢性疲労にならないためにもはちみつを疲れたあとすぐに摂取するといいでしょう。
健康③ 便秘を改善
はちみつに含まれる「オリゴ糖」は腸内の善玉菌の餌となり、善玉菌の働きをサポートしてくれるんです。それによって善玉菌が活性化し、腸内環境を整えてくれます。またグルコン酸などの成分は、腸内環境を整えてくれるビフィズス菌や乳酸菌・善玉菌を増やします。腸内環境が整うことによって腸が刺激され、便秘解消にも繋がるといわれています。また下痢や不快な症状まで軽減する働きもあるようですね。便秘に悩む方には、はちみつはおすすめです。
健康④ 胃腸の働きを整える
はちみつには、「プロテアーゼ」という酵素を含み、たんぱく質を分解してくれる効果があります。それによって消化を助け、胃腸の健康をサポートしてくれるのです。また殺菌作用によって胃がんの原因とされる「ピロリ菌」退治してくれる力強い役割もあります。特におすすめのはちみつはニュージーランドで作られるマヌカハニーで、殺菌作用が強いとされています。
健康⑤ 殺菌作用がある
はちみつには医用現場などで医用器具の消毒や傷口の消毒などで用いられるグルコン酸が含まれています。また空気中の水分を吸収することで、殺菌作用があるとして使用される過酸化水素(オキシドール)という物質も作り出す性質があります。その特性を生かし、やけどや怪我などでも昔から人々の間で治療に大きく貢献してきました。他にもはちみつの優れた殺菌作用を利用して、口内炎や虫歯、口臭予防、また歯石の防止、のどの痛みを和らげ咳などを止めてくれる効能等が期待できます。はちみつにはそれだけ強力な殺菌作用があるんです。
美容にどんな効果があるの?
美容効果① スキンケアに効果的
はちみつには様々な栄養素が含まれているのはだんだん理解していただけたかと思いますが、はちみつには「しわ、シミ、ニキビ」といった気になるお肌の悩みをサポートしてくれる成分がたくさん含まれているんです。市販のスキンケア商品には、はちみつを使った様々な商品が店頭に並んでいますよね。日本の厚生労働省の日本薬局方でははちみつは「医療用医薬品」との記載がされています。それははちみつが肌に与えてくれる豊富な栄養素が理由です。約200種類もの栄養素がある中でごく一部ですが紹介します。①ミネラルなどの栄養素が老化を防ぎます②ビタミンが殺菌と抗菌によってニキビ予防につながります③はちみつの細かい分子が、くすみの原因になっている古い角質層を落とし美白効果をもたらします。ここでは一部のみの紹介になりますが、はちみつに含まれる栄養成分はお肌にとって良いことづくしなんです!最後に「はちみつの上手な取り方」について、はちみつを使ったスキンケア方法を簡単にご紹介しますので併せてご参考にしてくださいね。
美容効果② ダイエットに効果的
はちみつの甘さは砂糖の倍です。甘味なのにかかわらずそのカロリーは砂糖に比べて控えめで、はちみつのカロリーは294kcal/100g、砂糖のカロリーは384kcal/100gと砂糖よりも20パーセントほどカロリーが抑えられます。砂糖よりも甘みがしっかりしていているのに、カロリーが砂糖よりも低いのはダイエットをしている方にはとってもうれしい限りですよね。寝る前にはちみつを取ることで、脂肪燃焼効果と深い睡眠が得られます。寝ているときでも人間の体は脂肪燃焼していますから、寝る前にはちみつを取ることによって脂肪燃焼の働きを促すとされます。また寝つきの悪い方でも、眠りが深くなり質の良い睡眠を取ることで、成長ホルモンが十分に分泌されます。この成長ホルモンによって脂肪燃焼を促してくれるのです。ただはちみつには糖質が含まれるので、夜に炭水化物を多く取ると、糖質が多くなりすぎて脂肪を作る原因になります。ただ十分にカロリー管理をすれば問題ありません。ダイエット寝る前に甘いものが食べれて寝ながらダイエットできちゃうなんて、試してみる価値がありますね。中にははちみつダイエットをして18キロも体重を落とせた!なんて方もいるようなので脂肪燃焼の効果が期待できそうですね。
はちみつの効果的な選び方
選び方① 純粋なはちみつを選ぶ
これまではちみつの様々な効果や効能について解説してまいりましたが、「純粋なはちみつ」であるということが条件になります。「純粋なはちみつ」とは加工などによって加糖されていないもので、はちみつ本来のそのままの状態を指します。加工されているはちみつはほとんど効果や効能が期待できません。「殺菌作用」の効果、効能を期待してはちみつを歯磨き粉代わりにする際は必ず「純粋なはちみつ」を選びましょう。スーパーなどでよく見かけるはちみつの商品はそのほとんどが残念ながら「加工はちみつ」です。本物の「純粋はちみつ」は「全国はちみつ公正取引委員会」のマークがラベルに記載されていますので、お買い求めの際は確認してみてください。
選び方② 天然はちみつを選ぶ
「天然はちみつ」とは加熱処理がされていないものを指します。はちみつは40℃以上になると生きた酵素など体にいい栄養素が徐々に死んでしまうのです。そのためたくさんの栄養素があるはちみつの効果や効能を発揮できないなんてことになります。余すことなくはちみつの効果や効能を試してみたい方は、加熱処理していないもの、もしくは40℃以下の低温加熱などのはちみつを選ぶようにしましょう。スーパーなどではなかなか取り扱いがない可能性もありますので、ちみつ専門店やデパートもしくはインターネットでも購入することができます。
はちみつの上手な取り方
取り方① スプーン一杯を朝晩に
1日の適切な摂取量は、スプーンで朝昼晩と1杯ずつ食べるのが理想です。取りすぎはカロリーオーバーにもつながりますので、気をつけましょう。
取り方② 寝る前に
さきほどもご説明したように、ダイエット効果のあるはちみつですが、寝る前1時間くらいに取るのがいいとされています。食事は3時間前には済ましておくのがいいでしょう。寝る前にはちみつを取ることによって脂肪燃焼の働きを促すとされます。
取り方③ 空腹時や疲れたあとすぐに
いつ食べてもいいのはちみつですが、出来るだけ空腹時や疲れたあとすぐに食べた方が栄養素の吸収がよくなるとされています。はちみつは20分ほどで体内に吸収されすぐにエネルギーに変換されますので、空腹時や疲れたときであれば、その効果が体で実感するでしょう。より十分にはちみつの栄養素を体に吸収することができますので試してみてくださいね。
取り方④ スキンケアに
いつものスキンケアにちょっとだけはちみつを加えて使うことでお肌に効果、効能があるんです。
例えば、「クレンジグ+はちみつ」クレンジングはもともと肌にはよくないとされていますので、先にはちみつを塗ってからクレンジングを塗ることで肌への刺激を少なくできます。「洗顔+はちみつ」は、はちみつに含まれる新しい皮膚を作り出す肌細胞が活性すると言われています。また「化粧水+はちみつ」ですと、はちみつの保湿成分が働き、化粧水の効果をより高めてくれます。割合などは決まっていませんが、使いすぎはべとべとする原因になりますので、ほんのいつも使っているスキンケア商品にほんの少し混ぜるくらいでいいかと思います。
はちみつを摂取するうえでの注意点
注意点① 1歳未満の子供に食べさせないこと
はちみつは1歳以下の子供には絶対に食べさせないでください。dはちみつに含まれる「ボツリヌス菌」によって「乳児ボツリヌス症」という病気になり最悪の場合ですと命を落としてしまうこともあるからです。はちみつにはボツリヌス菌が極微量ですが含まれており、通常大人が食べてもなんの問題はありません。しかし免疫力が低く、まだ腸内環境が整っていない乳児の腸内では、ボツリヌス菌の増殖を止めることができません。そのときにボツリヌス菌の出す毒素に耐え切れないのです。ボツリヌス菌を殺菌するには120度で4分以上の加熱が必要になりますが、無理にリスクを犯してまで、子供が小さなうちからは絶対に食べさせないでくださいね。
注意点② 過剰に摂取しない
いくら健康や美容にいいとされる万能なはちみつですが、甘味なので取りすぎには注意。はちみつのカロリーは294kcal/100g、砂糖のカロリーは384kcal/100gと砂糖に比べると20パーセントほどカロリーが抑えられますが、たくさん取ればカロリーオーバーにも繋がりますので過剰な摂取には気をつけてくださいね。
注意点④ アレルギーに気をつける
はちみつにアレルギーの物質は含まれませんが、蜂が蜜を運んでくる花などがそうしたアレルギーのもの(そばの花等)であれば、口にしたり肌に塗ることでアレルギーの症状がそのまま出てきてしまいますので、アレルギー体質の方はちみつを購入する際は十分に注意して買ってくださいね。
注意点⑤ 加熱しすぎないこと
せっかくの「天然はちみつ」を買っても、40以上に加熱してしまってはその栄養素がじょじょになくなってしまいます。また60度を過ぎるとその栄養素はほぼゼロになります。はひみつの持つ「殺菌作用」などの効果はなくなります。加熱しすぎには気をつけてくださいね。
注意点⑤ スプーンは木製を
「天然のはちみつ」の場合ですと、金属のスプーンに触れることで科学変化が起きてしまいます。そうすることで本来の豊富に含まれるはちみつの栄養素がなくなってしまい効果が発揮できなくなってしまうんです。なので「天然のはちみつ」を食べるときには金属のスプーンではなく木製のスプーンを使用してくださいね。余すことなくはちみつの栄養素を取り入れていきましょう。
まとめ
はちみつの効果と効能について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?どれか気になった効果はありましたか?はちみつのすぐれた魅力はまだまだたくさんあります。他の記事も併せてはちみつを選ぶご参考にしてみてくださいね。