ニキビ跡は治せるの?
2タイプのニキビ跡
ニキビ跡にはいくつか種類がありますが、症状を大きく分けて「赤み」と「クレーター」の2タイプに分けることができます。2つのタイプはそれぞれ、ニキビ跡になってしまった原因や症状が違うので“自宅で治せるもの”と“病院での治療が必要なもの”があります。まずは、それぞれの「ニキビ跡ができてしまった原因とニキビ跡の状態」についてお話しします。
ニキビ跡になる“ワケ”
「ターンオーバー」が正常に行われていない状態
ニキビ跡の種類については後程詳しくお話ししますが、症状の異なるニキビ跡でもどれも「肌のターンオーバーが正常に行われていない状態」ということが言えるでしょう。「ターンオーバー」とは、一定のサイクルで行われる“肌の生まれ変わり”のこと。肌の奥深くにある「基底層」で生まれた細胞が、新しい細胞から徐々に押し上げられていき、最後は表皮でアカとなって自然と剥がれ落ちていく仕組みです。この一定のサイクルが、だいたい女性の生理周期と同じ28日周期で行われています。
「ターンオーバー」が乱れると肌トラブルに
この一定のサイクルで行われる肌の生まれ変わりが乱れてしまうことで、肌に古い角質が残ってしまい、新しく細胞が生まれなくなってしまうので、ニキビ跡の原因や“シミ”や“しわ”、“肌のキメが荒くなる”などの肌トラブルに繋がってしまいます。このターンオーバーの仕組みを踏まえて、次は2タイプのニキビ跡の原因とそれぞれのニキビ跡の状態についてお話しします。
赤みのあるニキビ跡
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赤みタイプのニキビ跡は、普段メイクや肌の油脂をしっかり落としきれずに、毛穴に汚れが詰まってニキビができてしまうのが主な原因。ニキビができるとアクネ菌が繁殖してさらに炎症を起こし、その傷ついた肌を治そうとして毛細血管が増えるので、その部分が赤く見えてしまい、赤みのあるニキビ跡となって残ってしまいます。ニキビ跡の中では比較的に症状の軽い“初期のニキビ跡”と言えるでしょう。
クレーターのニキビ跡
引用: https://kirei-kyokasho.com/wp-content/uploads/2016/06/47a009d6b915487a384ff5f71ba9f38a-304x214.jpg
凹凸のあるクレータータイプのニキビ跡は、ニキビを潰してしまったり、摩擦や乾燥などで、肌内部がダメージを受けることにより、コラーゲン組織やその周辺組織まで破壊されてしまうことが原因です。このクレータータイプのニキビ跡は、ターンオーバーでは再生しない皮膚組織(真皮)が傷ついてしまっているため、残念ながらセルフケアでは完治が難しい“重症化したニキビ跡”と言えるでしょう。
赤みのニキビ跡は「自宅で治せる!」
赤みのニキビ跡は、比較的に症状の軽いニキビ跡なので、自宅で正しいケアをすれば治すことが可能です。それでは、赤みニキビ跡を治すためにどうすれば良いか、自宅でのケアで“気をつけるべきポイント”をいくつかお話しします。
赤みニキビ跡の消し方①洗顔
自宅でのケア1つめは「丁寧に優しく洗顔をすること」。赤みニキビ跡は毛穴に汚れが詰まってニキビができてしまうことが原因なので、まずはしっかり汚れを落としましょう。1日に何度も洗顔をしたり、ゴシゴシこすって刺激を与えてしまっては逆に悪化させてしまうので、1日2回、ぬるま湯で優しく丁寧に、洗顔料も肌に残らないようにしっかりと洗い流すことが重要です。また、洗顔料を選ぶ時の注意点は、肌に刺激の強い“界面活性剤”を使っていないものを選ぶことです。洗顔後は清潔なタオルで“こすらずにそっと水分をとる”ように気を付けましょう。
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赤みニキビ跡の消し方②保湿効果の高いスキンケア用品
自宅でのケア2つめは「保湿」を心掛けること。赤みニキビ跡は、きちんとしたケアができずに、さらに乾燥してターンオーバーを遅らせてしまうと、茶色のシミのような“色素沈着”として残ってしまいます。洗顔をした後は必ず“保湿”を心掛けましょう。赤みニキビには、肌に優しく炎症を抑える働きがある「グリチルリチン酸」や、殺菌作用があり角質を柔らかくして肌のターンオーバーを促してくれる「サリチル酸」などの成分が効果的です。合わせてよく耳にする「ビタミンC誘導体」は余計な皮脂を抑え、シミの元となるメラニン色素の生成を抑制する働きがあるため、ニキビ跡改善には必須。その他には肌のバリア機能を回復させてくれる“ヒアルロン酸”“コラーゲン”“セラミド”“スクワラン”などの保湿成分も効果的です。保湿と同様にメラニンの生成を防ぐために日焼け止めの併用などの「紫外線対策」も重要になってきます。
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湧き上がるような弾力をもたらし、相乗作用で後から使う美容液やクリームの効果も格段に高めます。
赤みニキビ跡の消し方③ターンオーバーの正常化
自宅でのケア3つめは、「ターンオーバーの正常化」です。ターンオーバーの正常化には“生活習慣の改善”が欠かせません。まずは「バランスの良い食事」。アミノ酸を豊富に含んだ良質のタンパク質(卵、牛乳、大豆など)、ビタミンA、B群、C、E(緑黄色野菜・キノコや海藻類、果物、ナッツ)などがターンオーバー正常化には必要な栄養素です。次に「質の良い睡眠時間」。“肌のゴールデンタイム”といわれる午後10時~午前2時までの間に熟睡することが理想的と言われています。しかし普段忙しくなかなか睡眠時間の確保が難しい方は、ターンオーバーを促進してくれる効果がある成長ホルモンは、眠りについて3時間の間に集中的に分泌されるので、この3時間の間に、いかに質の良い睡眠を取ることができるかどうかが重要になってきます。最後は「適度な運動」。血液の流れを良くして代謝を上げるために適度な運動も大切です。また自分の好きな運動をすることでストレス改善にも繋がるので、ターンオーバー正常化には必要不可欠です。
クレーターのニキビ跡は「病院で治そう!」
凸凹としたクレーターのニキビ跡は、肌の真皮が傷ついてしまった“重症化したニキビ跡”なので、残念ながら自宅のセルフケアで治すことは難しいでしょう。しかし、メイクでも隠せないクレーターのニキビ跡、綺麗に治したいですよね。やはり完治を目指すのなら、“病院での治療”がおすすめです。ここでは、クレーター肌を治すために必要な、病院での治療法をご紹介します。
クレーターのニキビ跡の消し方①レーザー治療
クレーターニキビ跡の代表的な治療法と言える「レーザー治療」。病院によって治療法の名称が変わっていたりしますが、浅いニキビ跡でも深いニキビ跡でも効果的に治すことができるのが特徴です。レーザー治療にもいくつか種類があり、1つ目が“細胞を刺激することで肌を活性化させていくタイプ”と2つ目が“肌の表面を削って凹凸をなくしていくタイプ”があります。1つ目の方法は、肌への刺激が少ないので痛みも抑えられますが、内側から少しずつクレーターのニキビ跡へアプローチしていくので、完全にニキビ跡が治るまでには複数回の施術が一般的です。2つ目の方法は、皮膚の表面に直接アプローチできるので、1回で効果は得られますが、痛みがかなりあります。それぞれ「レーザー光の届く深さ」・「1度の施術での効果」・「必要な施術回数」・「痛みや価格」など細かい点が違うので、病院での治療の際には、担当医とのカウンセリングで自分のニキビ跡の状態に合った方法を選びましょう。
フラクセルレーザー
引用: https://www.takasu.co.jp/operation/photo/common_ope_collect/ba_flaxel_pic08.jpg
フラクセルレーザーは“細胞へアプローチして肌を活性化させていくタイプ”の施術法です。1回の施術で、レーザーをあてた部分の10%の皮膚が新しいものに生まれ変あると言われており、レーザーで肌にごく小さな穴をあけながら細胞に刺激をあたえることで、皮膚の再生を促します。。チクチクとした痛みがありますが、レーザーの中では痛みが少ないのが特徴です。施術回数は1か月に1回を合計5回~10回が目安です。費用は症状によって異なりますが、1回あたり:¥50,000~¥150,000ほどです。
ブリッジセラピー(アンコア)
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ブリッジセラピーも“細胞をアプローチして肌を活性化させていくタイプ”の施術法です。フラクセルレーザーと同様に皮膚に小さな穴をあけて皮膚の再生を促す施術法ですが、レーザーが炭酸ガス(CO2)となるため、フラクセルレーザーでは届かない肌の奥深くまでの治療が可能になります。深さのあるクレーターニキビ跡を改善するのにおすすめの治療法です。施術回数は2~3ヵ月に1回を合計3回。費用は1回あたり:¥80,000~¥100,000ほどです。
引用: http://www.ulysses-clinic.com/menu/image/pimple2/pimple2_01/pic_01.jpg
クールタッチレーザー
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クールタッチレーザーも“細胞へアプローチして肌を活性化させていくタイプ”の施術法で、肌内部にレーザーの熱を与えることで肌細胞を活性化させます。またクールタッチレーザーは名前の通り、熱を与えるのと同時に-30℃の冷却ガスで冷やしながら治療ができるので、レーザーの熱によるヤケドなどの心配はありません。冷却ガスの力で、痛みも弱く施術後の肌へのダメージが少ないことが特徴となります。施術回数は1ヵ月に1回を合計4~5回。費用は1回あたり:¥50,000前後。
炭酸ガスレーザー
引用: https://www.araki-cl.com/img/box/1465787098.jpg
炭酸ガスレーザーは“肌の表面に直接アプローチして凹凸を滑らかにするタイプ”の治療法で、炭酸ガスで肌を削ることで凸凹が目立たないようにする施術法です。かなり痛みは強いですが、複数回の治療で内側から少しずつアプローチしていく他のレーザーと違い、1回の施術でクレーター跡に効果が得られるのが特徴です。費用は¥10,000~¥30,000前後となります。
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クレーターのニキビ跡の消し方②針治療
クレーターニキビ跡には針治療も効果的です。やはり肌に針を刺すので多少痛みはありますが、レーザーに比べると肌に与えるダメージは少なく安全性が高いので、初めての施術の方でもチャレンジしやすい治療法となります。次に針治療の中でも有名な2つの施術法をご紹介します。
ダーマローラー
引用: https://www.nikibic.net/lab/wp-content/uploads/2016/02/shutterstock_229929688.jpg
肌をふっくらさせてハリを持たせてくれる“コラーゲン”は、クレーターのニキビ跡を治すときに欠かせない存在です。通常、ケガをして傷が治るときは、肌内部からコラーゲンが同時に作りだされますが、ダーマローラーは、この傷が治る仕組みを利用した治療法です。細かい針がついたローラーで意図的に肌を傷つけてコラーゲンを増やします。人工的にコラーゲンを注入する方法とは違い、ダーマローラーは自力でコラーゲンを増やしてニキビ跡を修復する“自然治癒力を利用した治療”というのが魅力になります。施術回数は1ヵ月に1回を合計5~6回。費用は1回あたり:¥50,000前後です。
引用: http://www.mg-clinic.com/img/dermaroller_01/img_dermaroller_06.png
イントラセル
イントラセルは皮膚に小さな針をさして、電流を流す施術法になります。電流で肌の奥深くの真皮層に刺激を与えることができるので、コラ―ゲンの生成を促し肌表面を滑らかにすることができます。ニキビ跡のできている箇所だけに電気を流すので、レーザー治療に比べヤケドや腫れなどが少ないのが特徴。費用は高めですが、1回の治療で効果が得られるのでトータルで考えると低価格で済ませることができます。費用は1回あたり:¥150,000~¥250,000となります。
引用: https://www.hiroshimain.com/case/uploads/995_f.jpg
FGF注入
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FGFとは人体で作られるタンパク質の一種で、そのタンパク質を肌の気になる部分に注入することで肌細胞の再生を促す、エイジングケアにもよく行われる治療法です。
タンパク質を注入した部分がふくらむので、深いクレーターのニキビ跡にも効果的。注入後は2週間~1ヵ月かけてゆっくりと肌がふくらんできたことを実感することができます。施術回数は2カ月に1回を2回以上の施術が好ましく、費用は1か所あたり:¥10,000~40,000 となります。
引用: https://blog-imgs-42.fc2.com/b/e/l/belleclinic/blog_import_512ce60fb6da0.jpg
クレーターのニキビ跡の消し方③ピーリングの併用
「ケミカルピーリング」や「FCR(グロストリートメント)」などのピーリングは、肌に残った古くなった皮膚をはがしていく治療法なので、凸凹を滑らかにする効果があります。しかし、浅いクレーターの場合はピーリングだけでも効果が期待できますが、基本的にピーリングだけではクレーターのニキビ跡の治療にそれほど効果がないので、他の治療と合わせて行われることが多くあります。病院によっておすすめの施術の組み合わせもあるようなので、担当医と相談して決めていただくと良いでしょう。
まとめ
【ニキビ跡の消し方まとめ】いかがでしたか?“自宅で治せるニキビ跡”と“病院で治すニキビ跡”。自分のニキビ跡のタイプを把握して、自分に合う「ニキビ跡の消し方」で美肌を手に入れましょう!