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『結城友奈は勇者である』とは、「勇者である」シリーズの2作目として発表された、「変身ヒロインもの」作品のことです。
ファンからは「ゆゆゆ」と略されていますね。『結城友奈は勇者である』はシリーズ第2作ではありますが、テレビアニメは『結城友奈は勇者である』から放送。
アニメは1作目を知らなくても楽しめる内容となりました。
物語の舞台は四国の香川県。讃州市にある讃州中学に通う女子中学生5人が、ある日突然、勇者として世界を守る神樹様に選ばれ、神樹様に近付く敵を倒していくというもの。『結城友奈は勇者である』では、ギャグチックな表現や、のんびりとした日常パートなどもありながら、ストーリーとしては全体的に重い話となり、毎週視聴者をドキドキとさせていましたね。
特にアニメ第1期で「満開」という、勇者に強大な力を宿す、いわば通常よりも圧倒的に強い力を引き出す勇者システムの機能を使うと「散華」し、身体機能の一部を失うという展開に驚かされた方も多かったのではないでしょうか。
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2期『結城友奈は勇者である -勇者の章-』最終回では、『結城友奈は勇者である』はもとより、「勇者である」シリーズの最終的な結末を暗示しているような展開になりました。
そんなアニメ『結城友奈は勇者である -勇者の章-』最終回について、ネタバレを含めストーリー紹介をしていきます。
基本的にネタバレで構成している記事になりますので、そちらを把握したうえでご覧ください。
それでは早速『結城友奈は勇者である -勇者の章-』の最終話にあたる「第6話」についてネタバレ解説を進めていきます。
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『結城友奈は勇者である -勇者の章-』最終回は、冒頭から地獄絵図のようなシーンからスタートしました。今までは、神樹様の結界が早々に張られ、天の神が送ってくる敵バーテックスと戦っていましたが、『結城友奈は勇者である -勇者の章-』では神樹様が弱っているせいか、現実世界に天の神の魔の手が忍び寄ってきます。
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青かったはずの天の海もすべてが赤黒く染まり、どんどん進行してくるバーテックス。勇者たちのことを知っている人たちはいいですが、知らない一般人たちにしたらこの世の終わりのような光景です。そんななか、大赦が命じたのは「最後のお役目」。友奈と神樹様の神婚が成立するまで、あの侵攻を止めろというものでした。
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『結城友奈は勇者である -勇者の章-』の全体テーマとも言える神婚。『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』と合わせ、『結城友奈は勇者である -勇者の章-』では、「神に身を捧げる少女」という姿が根底に描かれました。この神婚はその最終形態とも言えますね。友奈は神樹と神婚するため身を清め、その身を神樹様の世界へと囚われていきます。
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『結城友奈は勇者である -勇者の章-』では、今までのような「神樹+勇者VS天の神+バーテックス」という構図ではありませんでした。
まるで神樹様も敵のような立ち位置にいるのが特徴といえるでしょう。
この神婚では、必ず友奈は死ぬということが決まっているため、勇者部のメンバーたちは神婚も、天の神の侵攻も止めようと力を振り絞ります。
必死になって戦うさまは圧巻の一言でした。
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『結城友奈は勇者である』では、子どもばかりが犠牲になり、大人は都合の悪いことを隠しながら子どもを利用しているような図で描かれていました。
勇者として、命を賭して戦うのはいつも年半ばの少女たち。
思春期真っただ中でありながら、非常に重い責任を半ば強制的に担わされ、ギリギリの戦いに身を投じなければなりませんでした。
命を落とした勇者もいれば、「満開」と「散華」のシステムにより身体機能を失うことになった者も少なくありません。
アニメ第一期の『結城友奈は勇者である』では、結城友奈は味覚を、東郷三森は左耳の聴覚を、犬吠埼風は左目の視力を、犬吠埼樹は発声機能を失っています。
そして、乃木園子に至っては、20回もの満開を経て大半の身体機能を失い、寝たきりの状態に。
痛い目を見てこなかった大赦の人間たちが『結城友奈は勇者である -勇者の章-』でやっと痛い目を見たのです。
そもそもなぜ砂や麦になったのかというと、神婚が進行されていたから。大赦の人間たちは、神樹様の眷属として優しく平和な世界で生きられることを喜んでいました。神樹様と同化することを望んだ結果が砂や麦だったのでしょう。勇者に倒されたバーテックスが砂になることから、神樹様にとって砂は養分になるのではないかと考えられます。
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大赦の人間の多くは、この初期の段階で肉体を存在を消失しました。神婚が途中で終わったからか、神樹様とひとつになることを望みきれなかったのか、『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』で登場した安芸先生は、片目を失うだけに留まっています。
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『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』でも言われていましたが、『結城友奈は勇者である』に登場する夏凜と、『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』に登場する銀には、いくつか共通点があります。衣装カラーとデザインから、夏凜は銀の勇者システムを元にしていると思われます。
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刀や剣を使うというところも共通ですよね。『結城友奈は勇者である -勇者の章-』では、銀のように先陣を切って行く夏凜のフォローに、『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』のメンバーである園子が駆けつけるシーンがあります。2年前は、銀のフォローに行けなかった園子。園子の加入により、『結城友奈は勇者である -勇者の章-』では銀と夏凜が重なるような描写も多くなりました。
『結城友奈は勇者である』をはじめ、「勇者である」シリーズを網羅している人には感無量なシーンですね。神婚中の友奈のもとへ向かい、「死にたくない」という友奈の意志を聞いた美森が、あと一歩のところで友奈を救えず超えられない壁の前にひれ伏されている場面。まず駆けつけた赤いシルエットは、間違いなく銀でしょう。
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『結城友奈は勇者である』の2期として、前半に『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』を持ってきた理由がよくわかりますね。そして、その銀に続くようにして、多くのシルエットが神樹様のバリアを押し返そうと手を伸ばします。
『結城友奈は勇者である -勇者の章-』では、亡くなった歴代勇者の石碑シーンが何度か登場していて、そこには他のシリーズの勇者の名前が刻まれていました。シルエットと色、石碑で、誰が登場したのかわかりますよ。
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『結城友奈は勇者である』であるをはじめ、「勇者である」シリーズでは、神である神樹様から力を借りた勇者として戦い、神樹様の加護のもと生きていました。天の神にとって、ただの人間が神の力を行使するのは許せることではなく、根本として「人」の領分をはみ出さないことが大事だったのです。
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『結城友奈は勇者である -勇者の章-』では、歴代勇者の力、神樹様の力すべてを友奈の体に集約。そして散華のごとく、今この場にあるすべての力を解き放ってでも、「人間」として生きていくという決意を込めた拳を繰り出します。『結城友奈は勇者である -勇者の章-』のこの「人」として生きていくことを決意し、それぞれが「人間」であることをの誇りを抱えるシーンは、「神」である神樹様にはたどり着けない境地のように感じますね。
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『結城友奈は勇者である -勇者の章-』の最大の見所となる場面ではないでしょうか。歴代勇者、そしていつも傍で友奈を支えた牛鬼からの能力譲渡により、勇者時とも満開時とも違う姿へと変容した友奈。『結城友奈は勇者である -勇者の章-』でありますが、その姿はまるで「神」でしたね。
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今で以上に桜を前面に持ち出したデザインと、『結城友奈は勇者である -勇者の章-』時代の勇者たちの力を具現化したような球体が、その姿の強さを表しているようです。ただ、そのデザイン変化だけでなく、今までどんなピンチもその拳ひとつで乗り越えてきた友奈だからこそ、視聴者に「勝てる」と思わせたようにも思いますね。
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『結城友奈は勇者である -勇者の章-』ラスト、すべての想いがこもった友奈の拳に神樹様も火の海もすべてが吹き消しなくなりました。樹海から帰ってきた友奈たちがいたのはいつもの屋上。そして傍には画面の割れたスマホが落ちていました。
1期ラストでは、桜の花びらが落ちたことで、失った体の機能が戻る提示としていましたが、『結城友奈は勇者である -勇者の章-』ラストのこれは、勇者システムがなくなったことを示していると思われます。
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春まで生きられないと言われた友奈は、風の卒業まで無事生きることができ、勇者部は全員心から笑うことができました。神樹様の加護がなくなった世界では、資源の問題など解決しなければいけないことが多くありますが、死ぬか生きるかの世界で生きていた少女たちは、平和な日常を取り戻したのです。
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『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』ではすでにバッドエンド決まった物語を放送し、『結城友奈は勇者である -勇者の章-』ではハッピーエンドに見えた『結城友奈は勇者である』の真相を明かすという、1期に比べて辛い展開が続きました。
『結城友奈は勇者である -勇者の章-』最終回では、今まで蓄積されていた精神的辛さがすべて無くなるような、みんなが笑ってラストを迎えられる、幸せな終わりとなりましたね。
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『結城友奈は勇者である』を含め、『勇者である』シリーズは度々「鬱作品」として挙げられることが多いです。
しかし、今回注目した『結城友奈は勇者である -勇者の章-』は最終的にハッピーエンドへ導かれています。
もちろん劇中で描かれている過程などを見ているとしんどい描写、苦しんでいる結城友奈の姿に胸が苦しくなることもあるでしょう。
しかし、最後に皆が笑顔になるさまは、とても鬱作品とは思えない幸せなエンディングです。
「鬱作品は嫌だ」と思っている方も、視聴にチャレンジする価値がある作品であるといえるでしょう。
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『勇者である』シリーズには『結城友奈は勇者である』以外にも魅力的な作品が存在しています。
『結城友奈は勇者である -勇者の章-』直前に放送されていた『鷲尾須美は勇者である』や、『乃木若葉は勇者である』、『楠芽吹は勇者である』といった、同一世界観で描かれる別作品が語られています。
それぞれで過去や未来が描かれているので、シリーズのファンの方はぜひとも全作品おさえておきたいところ。
それぞれが補完し合っている部分もあるので、ぜひともチェックしましょう。
『勇者である』シリーズの展開から、今後も目が離せません。