お通夜・香典とは
お通夜
「お通夜」とは、故人の遺族や親戚・縁者が集まって夜通し故人と一緒に過ごすこと。現代では夜6時頃から数時間の「半通夜」が多く行われています。昔は死亡確認が難しかったこともあり、一晩かけて確認する意味合いもあったと考えれています。より親しい間柄の人間が集まる風習でしたが、現在では「通夜か葬儀の間に合う方に出席すればよい」という考えが一般的な為、もともとは葬儀に参列する間柄の人でも通夜に向かう場合もあります。
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香典
「香典」とは、通夜や葬儀に参列する際、線香や抹香の代わりに差し上げるお金のこと。急な不幸で出費が多くなる遺族側への助けの意味合いもあります。宗教や宗派、地方によって表書きや袋の書き方が異なるので、準備の際には確認が必要です。難しい場合には宗派によらない書き方で対応しましょう。金額も相場をおさえ、正しい入れ方でマナーを守って渡しましょう。
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【お通夜の香典マナー①】金額の相場
日本の場合、宗教や宗派を問わず相場がきまってきます。「両親の場合:5~10万円」「兄弟の場合:3~5万円」「祖父母やおじ・おばの場合:1~3万円」「知人友人の場合:3千~1万円」「仕事関係3千~1万円」「近所の場合:3~5千円」が一般的な相場です。会社関係などで職場のルールがある場合はそれに従いましょう。新札はNGな入れ方とされています。
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金額は「4」「9」を避ける
「4=し=死」や「9=く=苦しみ」を連想させる金額はNGです。相場内の金額でも、遺族が余計な気をまわさなくて済むように配慮しましょう。
【お通夜の香典マナー②】不祝儀袋の種類、書き方、入れ方
基本的には「のし」をつけません。のしのマーク(※赤や白の尺のようなもの)がついているものは避けてください。水引の形は「結び切り」が一般的です。また袋によって金額の相場があり「相銀の場合:1万円以上」「黒白の場合:3~5千円」といった相場の使い分けをします。相手がどの宗教かわからない場合は「御霊前」で用意することが無難です。
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仏式
のしなし、水引は結びきり。水引は黒白・相銀の不祝儀袋をつかいます。表書きは「御霊前」「御香料」とかきます。※浄土真宗の場合は死亡後にすぐ仏になるという考えから「御佛前」と書きますので、なるべく「御霊前」は避けるようにしましょう。
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神式
のしなし、水引は結び切り。水引は双白が一番よく、黒白、相銀でも良いとされています。表書きは「御榊料」「御神前」「御玉串料」と書きます。
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キリスト教式
十字架や花が書かれた専用の不祝儀袋があります。ない場合は白封筒が良いとされています。
表書きは「御花料」「御ミサ料※カトリック」「忌慰料※プロテスタント」と書きます。キリスト教では棺を白いお花で飾ることから御花料とされているそうです。お金の相場はキリスト教も仏教などの相場と変わりありません。
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お金の入れ方①新札はNG
先に書いたように、新札はNGな入れ方のひとつです。故人の死を前もって準備していたような印象になる為、一度折り目をつけるか使用済みのお札を選ぶのが正しい入れ方です。
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お金の入れ方②お札の向きを揃える
二枚以上お札を入れる場合は、向きを揃えるように入れましょう。また表裏の入れ方ですが、お札の人物が描かれている面が、不祝儀袋の裏面に向くようにするのが一般的な入れ方です。
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お金の入れ方③中袋と外袋
通常の不祝儀袋は、中袋に現金を入れるのが基本的な入れ方です。しかし通夜など急ぎの席では相手の手間を考え、中袋を使わず外袋に直接おさめる入れ方も認められています。その場合、金額や住所、名前は外袋の裏側に書きましょう。
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【お通夜の香典マナー③】不祝儀袋、その他のポイント
中袋(中包み)
表には何も書かず、裏面に「金額、郵便番号、住所、名前」を書きましょう。また先ほど書いたように通夜や葬儀など、たくさんの人が集まる場合は中包みを省いて、上袋の裏に「住所・郵便番号・金額」を書くのも配慮のひとつです。
「ふくさ」や「小さめの風呂敷」に包む
不祝儀袋をむき出しで持ち歩くのはマナー違反です。不祝儀袋が汚れたりまがったりしないよう、ふくさや小さな風呂敷に入れて持ち歩きましょう。ない場合はなるべく無地で暗めの色合いのハンカチで代用しましょう。色は「灰色、紺色、濃い緑色、紫色」が良いとされています。
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【お通夜の香典マナー④】渡すタイミング
受付で記帳する際に渡しましょう。通夜と葬儀の両方に参列する場合はどちらかで渡せば良いですが、通夜に渡すのが一般的です。またやむをえず持参できない場合は、不祝儀袋を現金書留封筒に入れて郵送します。その場合にはお悔やみの手紙を添えるようにしましょう。
【お通夜の香典マナー⑤】添える言葉
渡す際は一言、故人を偲び、遺族へのいたわりの気持ちを伝えましょう。遺族の気持ちを考えあまり長く話さずに簡潔に伝えるのが基本です。「この度はご愁傷さまでございます」「心よりお悔やみ申し上げます」といった言葉を基本に、急死の場合や長い看病の末の場合など、自分の心中と相手の気持ちをさっする言葉をかけるようにしましょう。
【お通夜の香典・その他のマナー①】一般的なお通夜の流れ
お通夜は故人が亡くなった翌日に使われるもの、翌々日に葬儀
告別式という日程が一般的です。流れとしては、受付→焼香→通夜振る舞い、が一般的な流れで、18〜19時開始の場合が多いです。通夜振る舞いの参加を迷う方は多いと思いますが、声をかけられた場合は参列し、ひと口だけでもいただくようにしましょう。料理と飲み物がふるまわれますが、食べ飲みすぎと長居は禁物です。
【お通夜の香典・その他のマナー②】参列する時間
現代で主流の半通夜であれば上記のような流れで、18〜19時開始、2〜3時間のうちに終了するのが一般的です。遅れる場合は何時まで焼香が可能かどうか、葬儀社に確認し参加するようにしましょう。ご遺族は参列者の対応で忙しいので、問い合わせは葬儀社へ、連絡事項がある場合もそこから伝えてもらうようにしましょう。
【お通夜の香典・その他のマナー③】受付での作法
まずは手短に「この度は御愁傷様です」といった挨拶をします。あまり深い関係でない場合や、ご遺族や受付の状態次第では目礼だけでも構いません。その後、香典渡しや記名となります。香典を渡す際には「(御霊前に)お供えください」とひと言添えるようにしましょう。
芳名帳の場合
香典を渡した後、芳名帳に名前と住所を記入しましょう。
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カード式の場合
カードに名前や住所を記入した後、カードと一緒に香典を渡しましょう。
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【お通夜の香典・その他のマナー④】席次について
基本的には受付後に案内されますので、それに従いましょう。開始後に参列する場合はすぐに焼香となる場合もあります。席は故人と親しい順番に、ご親族→ご友人→仕事仲間といった流れで組まれています。
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【お通夜の香典・その他のマナー⑤】焼香について
ここでは一般的な立礼焼香について記載します。自分の順番が来たら左手に数珠を持ち、喪主や遺族へ一礼→遺影に一礼→右手3本で香をつまみ額にまで上げてから香炉へ入れます。そのまま数珠を両手の親指にかけて合掌し、遺影に一礼→喪主や遺族へ一礼して退席となります。
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その後、席へ戻る場合もありますが、そのまま通夜振る舞いに案内される場合が多くあります。焼香の仕方や参列方法は宗派や地方によって異なりますので、最低限のマナーは守り、あとは案内に従いましょう。
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【お通夜の香典・その他のマナー⑥】数珠について
数珠はもともと、お経を読む回数を数える為の道具でした。現在では自身の身代わりとなるお守り、厄除けなど法要に欠かせないものになりました。急なお通夜などの場合は平服でかけつけても数珠があれば良いとされていますので、普段のお守りとしてもバックへ入れて持ち歩くことをおすすめします。近年ではパワーストーンとして身につけている方もいますが、法要の数珠とは別物なので使い分けるようにしましょう。
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本式数珠と略式数珠
数珠選びには大きく2パターンあり、宗派別に決められた「本式数珠」か、どの宗派でも使える「略式数珠」があります。ご自分の宗派がある場合は、より格式のある本式数珠を持つことが理想ですが、基本的には略式数珠を一本持つことをおすすめします。
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価格について
数珠の価格は、本格的に何万円もするものから、100円均一で手に入るものまで幅広くあります。経済的に余裕がある場合は、高価な数珠の方が作りがしっかりしておりおすすめですが、通常はより安価なものでも構わないとされています。大切なのは数珠を持つ人の気持ちです。法要の際にはしっかりと気持ちを込めて供養すれば、安価な数珠でも何の問題もありません。それよりもパワーストーンなどと兼用にしてしまう方が問題です。安くても専用のものを持つことが大切です。
男性用
数珠には男性用と女性用と明確に違いがあり、兼用することは良くありません。男性用の数珠は22玉・20玉・18玉の3パターンが主流で、とくに22玉のものが一般的です。色は黒など暗めの色が良いとされています。最近では20玉や18玉で玉の大きなものを選ぶ人もいます。
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女性用
女性用の数珠はパステル調であったり、華美なものでなければ色がついているもでも良いとされています。玉のサイズは7ミリや8ミリのものが主流です。
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数珠の持ち方
普段は袋に入れるなど、傷や汚れがつかないように持ち歩きましょう。法要の際、移動中は房を下にして左手で持ちます。供養やお祈りのときには両手の親指に数珠をかけて軽く抑えながら合掌するか、左手の親指にかけて右手を添えるように合わせるのが一般的です。
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貸し借りは基本NG
数珠は身代わりや厄除けに使われるお守りです。大切なものなので、個人で1本所有することが良いとされています。小学校低学年以下の子供など、やむを得ない場合を除いてはなるべく1本持つようにしましょう。
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数珠を持つ場合、自分が目立つことが目的なことはありません。法要など故人を偲んだり、相手ありきの場合がほとんどです。その点を踏まえて華美なものは避けつつ、ご自分の好みの色や材質のものを選びましょう。重ねて言いますが値段は安価でも構いませんので、ご自分にあったものを一本もつことが大切です。
【お通夜の香典・その他のマナー⑦】服装について(男性)
通夜の服装は略礼服での参列が主流です。あまりに決め込んだ服装では準備していたような印象になる為、かしこまり過ぎた格好は好まれません。また急ぎで駆けつける場合もある為、数珠さえあれば平服でも構わないとされています。
以下、女性用も含めて、通夜や葬儀への参列する場合の服装をご紹介します。
男性の服装は、ブラックや紺の派手でないものが良いとされています。ネクタイ・靴下・靴・カバンも黒等の色合いが良いとされています。時計も出来れば外し、必要な場合には光り物は避けるようにしましょう。毛皮や革製のものは殺生をイメージする為になるべく避けて、布製のものを選びましょう。
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【お通夜の香典・その他のマナー⑧】服装について(女性)
黒のフォーマルスーツかワンピース一般的です。なるべく肌の露出をさけ、スカートの丈などは長めのものを用意しましょう。ストッキングは黒、ヒールは低く太いものがよいです。髪ゴムも黒で、アクセサリーは真珠等の一連ネックレスのみ良いとされています。
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【お通夜の香典・その他のマナー⑨】服装について(子供)
学校の制服がある場合はそのまま着用しましょう。制服がない場合、男の子は黒や紺・灰色のブレザーとズボン。女の子は同色のブレザーとスカート、もしくはワンピースを着用しましょう。
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【まとめ】相場やマナーをおさえて備えを
通夜などの訃報は突然やってくる為、香典などの準備も急なものです。ただし通夜は急なものの為、参列する気持ちを優先して平服でも良いとされるなど寛容な面もあります。相場や不祝儀袋の入れ方など最低限のマナーをしっかり守ったうえで、故人とお別れが出来れば良いですね。日頃から最低限の準備をしておくことが大切です。
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