クエン酸や重曹を使ったナチュラルクリーニングとは
浴室、台所、トイレ、洗面、洗濯洗剤etc....私達の身の回りに溢れているほとんどの洗剤は
化学物質から出来ています。簡単に汚れが落ちて使いやすい反面、毒性の高い化学物質を使った製品が家庭の中に入り込んでいるため、アレルギーや皮膚炎など人体や自然にも何かしらの影響を及ぼしています。
そこで、最近では、化学物質を使わずに『子供が間違って口に入れても安全』で、『環境を汚さない
』人体にも自然にも優しいお掃除グッズが注目されてきています。そんな『人』にも『環境』にも優しい安心素材を使ったお掃除のことをナチュラルクリーニングといいます。
身近にある素材だけで汚れを落とすことについて、「確かに安全だけど、本当に汚れが落ちるのかしら?」「効果が物足りないのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも大丈夫。生活の汚れの違いをしり、その汚れにあった使い方をすれば、十分効果アリ!すっきり綺麗に落ちるのです。
今回、ナチュラルクリーニングに欠かせないアイテム、重曹とクエン酸についてご紹介していきます。重曹とクエン酸の違いを理解することで効率よく汚れを落とし、無駄な手間をかけずにお手入れできるのでお掃除の仕方も変わってきます。お掃除は、毎日のことだからこそ、 人にも環境にも優しいアイテムを使って、安心・快適な住まいを維持していきましょう。
重曹・クエン酸について① そもそも何だろう?
重曹・クエン酸どちらも身近にあるものなので、一度は耳にしたことがあるはず。例えば、重曹はアク取りなどにも使われていますし、クエン酸はダイエットが趣味?!なんて人には、すぐにピン!とくるのではないでしょうか。どちらも人体に影響がない優れもの。古くから安全性が証明されています。この2つがなぜお掃除に効果的なのか。どう違いがあるのか?それを知るにはまず素材について知る必要があります。
重曹とは
別名「炭酸水素ナトリウム」です。水素ナトリウムと二酸化炭素だけでできています。重曹は、料理から掃除、洗濯まで使用目的によって幅広く応用できる多様な性質を持っています。そのため、一言で重曹と言っても、使い道によって種類も違ってきます。
『医薬用』
『食用(食品添加物)』
『工業用(掃除用)』
食用・医薬用・工業用 この3つの違いは重曹の純度によって分けられます。医薬用以外のものは多少の不純物が混じっています。掃除、洗濯に限って使う場合は、『工業用』で十分。スーパーでよく見かけるのは食用で、料理にも使えますし、掃除用として使ってもOKです。
クエン酸とは
クエン酸は、レモン、ゆず、すだちなどの柑橘類や梅干し、酢などの酸っぱさを顆粒状にしたものです。白い粉末で匂いはありませんが、なめると強い酸味があります。クエン酸にも食用と掃除用があります。パッケージに用途が記載されているので確認してから購入しましょう。
重曹・クエン酸について②作用について
『重曹』『クエン酸』が何なのかがご理解いただけたと思います。何となく聞いたことはあっても、この2つが何から出来ているのか?については知らない方が多かったのでないでしょうか。では、この2つにはどんな作用や効果の違いがあるのでしょうか?
重曹
効果①研磨作用・・・重曹の結晶は、丸く粒子が細かいため、研磨作用があります。お掃除では主に研磨剤(クレンザー)として使われます。ステンレス製など傷つきやすいものでも優しく汚れを落としてくれます。
効果②脱臭作用・・・重曹には、消臭効果と湿気の吸湿作用があります。下駄箱やタンス、冷蔵庫に置くと臭いや湿気を取ることができます。
効果③汚れ落しとして・・・重曹は皮脂等の軽い油汚れを落とすのに向いています。
クエン酸
効果①消臭効果・・・アルカリ性の汚れの臭いを中和し消臭します。
効果②溶解作用・・・クエン酸はカルシウムを溶かす働きがあるため、水栓金具やポットなどのカルシウムなどが固まって出来た汚れのこびりつきを溶解します。
効果③洗浄作用・・・食洗機、コーヒーメーカーなどの水アカを落とします。
効果④洗濯物の柔軟剤・・・洗濯の際にクエン酸を入れることで、洗濯物を柔らかく仕上げる柔軟作用があります。
重曹・クエン酸について③汚れを落とす仕組み
こびりついた汚れやベトベト油汚れを見るとつい『力任せに』汚れを落とそうとしていませんか?洗浄の基本は、力任せに落とすのではなく、化学反応で取り除きます。では、どのように化学反応が起こり汚れを綺麗にしていくのか簡単に説明します。汚れは、大きく2つに分けられます。
①皮脂汚れ、汗、手アカ、油汚れ、腐敗臭といった『酸性の汚れ』
②石けんカス、尿、水アカ、タバコ臭、魚の生臭さ『アルカリ性の汚れ』
化学反応で汚れを落とすには、酸性の汚れはアルカリ性のものを、アルカリ性の汚れには酸性のものを使用して、『中和』『溶解』させ汚れを落としやすくしていきます。
重曹やクエン酸もこの原理を使って汚れを落としていくことが効果的です。
引用: http://www.kisojibussan.co.jp/natural_cleaning/what_cleaning/
重曹・クエン酸について④どんな汚れに効果的?
重曹はアルカリ性なので、『油汚れ』『手アカ』『ぬめり』などの酸性の汚れに効果があります。
例・・レンジ周りの壁や、調理台、ガスレンジ、電子レンジ、洗面台、排水口、タイル目地、バスタブなど
クエン酸は酸性なので『水あか・石けんカス』『アンモニア臭 尿』『洗濯物の黄ばみ』などの
アルカリ性の汚れに効果があります。
例・・水栓金具、シンク、鏡、電気ポット、浴室天井、浴室ドア、便器、トイレ床、洗濯黄ばみ、柔軟剤として使用など
このように汚れによって、重曹・クエン酸を使い分けます。
重曹・クエン酸について⑤どのように使う?
重曹
粉で使う・・・研磨力を生かして、クレンザーとして使います。ステンレス製やプラスチックの樹脂の汚れ、茶渋やヤニなどのお掃除に。
引用: https://cojicaji.jp/cleaning/cleaning-goods/976
置く・・・下駄箱や冷蔵庫の中の消臭剤として使えます。
水に浸す・・・水に溶かし、鍋の焦げやガラス製品のくもり取りに。
引用: http://ami-diary.net/nabe-kogetsuki-otoshikata-2743
クエン酸
粉で使う・・・シャワーホースについた頑固な石けんカスや食洗機やコーヒーメーカー、ポットの洗浄、洗濯には粉のまま粉末洗剤として使います。
引用: https://koke9999.com/2016/03/29/panasonic-nc-s35p-3/
水で溶かす・・・水200mlに対して、クエン酸小さじ1を溶かしたものをスプレーボトルにいれ、トイレの消臭にしたり、キッチンやトイレ、浴室などの水栓金具の掃除やまな板などにかけて雑菌の繁殖を防ぐためにも使えます。
重曹・クエン酸について⑥使用の際注意すること
重曹・クエン酸は安全で使いやすいアイテム。ですが注意点もあるので気をつけましょう。
重曹
アルミ製のものを黒ずませてしまうことがあるので注意が必要です。また重曹に研磨作用があるため、木製品に使うと表面が削れてしまいます。
クエン酸
大理石にクエン酸をつけると、シミの原因になったりするので注意が必要です。また、鉄などにも使うとサビのもとにもなるので注意してください。
重曹・クエン酸について⑦保管の仕方
重曹もクエン酸も湿気には弱いので、ガラスなどの密封容器に入れ替えて保管しましょう。
クエン酸は、水で溶かしたものをスプレーボトルに入れて、トイレなどに常備し、臭いが気になるときに使うというのもおススメです。
重曹・クエン酸について⑧合わせ技で綺麗に
重曹とクエン酸。それぞれの特性や使い方について見てきました。実はこの2つを組み合わせて使うことで、それぞれの良さを引き出し、汚れを綺麗にしていくことも出来るのです。
重曹とクエン酸の組み合わせは、殺菌消臭とともに、ぬめりや汚れも落としてくれるので、排水口のお掃除におすすめです。 どんなふうにお掃除したらいいか、ご紹介します。 ⓵排水口のゴミを捨てます。 ⓶重曹をたっぷりまんべんなくかけます。 ⓷重曹をかけたところにお酢とお湯をかけ、5~10分放置します。 (お酢をかけると、シュワシュワと泡がたちます!) ⓸お湯で流します。 (ぬるま湯やお水でも可能ですが、しっかり洗い流せるので、お湯がおすすめです!)
重曹とクエン酸違いを理解して効果的な使い方を〜まとめ〜
重曹とクエン酸。どちらも人体にも自然にも優しいお掃除グッズ。ですが、作用の仕方や特性が違います。重曹は、アルカリ性なので酸性の汚れに向いていますし、クエン酸は、酸性なのでアルカリ性の汚れに効果的。お掃除場所に応じて、粉末のまま使ったり、水に溶かして使うなどして、幅広い場所に使えます。重曹には重曹の特徴や得意な汚れがあるように、クエン酸もまたしかり。汚れの性質をみながら使い分けて効率よくお掃除していきたいですね。