雪の種類や名前は季節や降り方、積もり方で呼称が変わる
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みなさんが普段何気なく見ている雪ですが、実は降る時期や降り方、積もり方や状態などでそれぞれ細かく呼び分けが決まっているのです。雨に例えれば小雨や大雨など呼び分けがあるように雪にもそれぞれ名前があるのです。よく聞く雪の名前だと粉雪や牡丹雪といったものは聞き覚えがあるのではないでしょうか?前述した通り、雪は大きくわけて3つの分野に分かれて種類分けされており、それぞれの名前があります。まずは季節や時期によって変わる雪の名前をご紹介していきます。
季節ごとに決まる雪の名前や種類をご紹介
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まず初めに秋頃から降る雪の名前についてご紹介していきます。あまり聞き覚えのない雪の名前かもしれませんが、季節ごとにつけられた雪の名前は昔からの呼び名やその意味がわかると納得するところもあるので、是非覚えていってくださいね。
秋に降る雪の名前
・初冠雪(はつかんせつ)
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雪の名前に「冠」の文字が入っている理由として、これは山の頂上のことを指しています。あとは読んで字のごとく山の頂上部分に初めて雪が積もった様子のことから初冠雪と呼ばれることになりました。地域によって山の標高は変わるので、秋の部類に入らない山もありますが、日本で一番高い富士山は例年ですと10月前後に初冠雪を記録しています。
・初雪(はつゆき)
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こちらの雪は一般的にはその年の冬の時期に最初に降る雪のことを初雪と呼びます。ただし、初雪には別の意味合いもあり、新年を開けてから最初に降る雪のことを指している名前でもあるため、2つの意味が込められています。この雪の定義として、実は霙も初雪に含まれると気象庁及び、各地の気象台が発表しているため、厳密には雪ではないのかもしれませんね。
・根雪(ねゆき)
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根雪とは雪解けまで地面を覆う雪のことを指します。地面一帯に広がる雪景色は「根雪が張る」とも言われます。逆にこの根雪が無くなることを「根雪が解ける」とも言われ、前者のものは本格的な冬の季節の到来を比喩し、後者は春が訪れる前兆を比喩した言葉になります。
冬に降る雪の名前
ここからは本格的な雪のシーズンである冬の時期に降る雪の名前についてご紹介します。冬の時期になると日付などがピンポイントで特定された雪の名前もあり、名前も特徴的になってきますので、こちらも読んでいただければ幸いです。
・八日吹き(ようかぶき)
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この雪は12月8日に雪が降った場合に呼ばれる雪の名前であり、名前にも「八日」が入っていますね。昔はこの日には必ず吹雪や大雪が降るなど天候が異変すると伝えられていて、一つ目小僧や疫病神などの妖怪が到来するため、早めに引き籠るべきと伝えられたことからこの名前が付いたそうです。
・臘雪(ろうせつ)
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漢字ではほかにも臈雪、﨟雪と書くこともあります。旧暦の12月に降る雪のことを指し、現代の時期ですと12月末から2月ころまで降る雪のことを臘雪といったそうです。こちらの雪の名前の大元は虚堂録(きどうろく)という禅の教えからきていると言われています。禅の教えの中に臘雪連天白「ろうせつ てんに つらなって しろし」というところから引用されているとのことです。
・三白(さんぱく)
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三白とは正月の1、2、3日の間に降る雪のことを言います。現代でいう三が日ですが、めでたい3つの時期に降ることから呼ばれています。これ以外にも米・塩・紙など白いものが3つ揃うときや、馬の4本の足の3本が下部が白い馬のことを指したりと、とにかく縁起がよい時に使われることも多いのがこの三白です。
春に降る雪の名前
最後の季節として、春に降る雪の名前についてご紹介していきます。春はそもそも雪が降るのか?という疑問もあるでしょうが、昔は春手前くらいまで雪が降っていたこともあり、雪の名前にも終わりが近づくような言葉が入っています。
・終雪(しゅうせつ)
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その年のシーズンに最後に降った雪のことを言います。まさに読んで字のごとくですね。実はこの呼び名以外にも涅槃雪(ねはんゆき)という名前があります。更に、同じ意味合いとして「雪の果て」や「忘れ雪」などといった名前があり、日本人の雪に対するこだわりがわかりますね。
・残雪(ざんせつ)
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春先になっても山や木の陰あたりに残っている雪のことを言います。こちらも別の名前があり、去年の雪(こぞのゆき)といった呼び方もあります。読み方が「きょねん」ではなく「こぞ」と読むので注意しましょう。「こぞ」というのは昔の読み方がそのまま定着して使われているようです。
・太平雪(たびらゆき)
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大きな雪の欠片が春頃に降ることを言います。だんびら雪とも読み、平たい雪の名前になります。春の淡雪とも呼ばれています。
降り方や状態で決まる雪の種類や名前のご紹介
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お次は雪の降り方でや降雪の状態で決まる雪の種類や名前についてご紹介していきます。ここまでにすでに様々な雪の種類や名前をご紹介してきましたが、まだまだたくさんあり、ここからは聞いたことのある雪の名前もでてくるでしょう。その雪がどんな降り方や状態なのかもご説明するので、しっかり覚えていってくださいね。
認知度の高い雪の名前
・粉雪(こなゆき)
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雪の中で最も有名な雪の名前がこの粉雪(こなゆき)ではないでしょうか?こちらも読んで字のごとく、粉のような雪の状態からそう呼ばれています。パラパラと風に舞うような降り方をしており、パウダースノーとはこの雪のことを指します。スノボーやスキー愛好家の方が好む雪の状態です。
・牡丹雪(ぼたんゆき)
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こちらも聞き覚えのある雪の名前ではないでしょうか。牡丹雪は雪の結晶がいくつも固まり、ぼたんの花のような状態からその名前がつけられました。1粒が大きく、まとまって落ちる雪の降り方の場合はこの雪になります。雪と言えば寒い時に降るのが一般的なイメージですが、実は牡丹雪は気温が高い時にできやすい状態になる雪なのです。
・吹雪(ふぶき)
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こちらはイメージしやすい雪の名前かと思います。強く吹き荒れる降り方から雪が吹かれて飛んでくる降り方の様からこの名前が付けれらています。山登りなどの際に多く使われそうな言葉ですね。
その他の雪の名前
・泡雪(あわゆき)
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泡雪とは泡のようにやわらかく、手に触れただけですぐに溶けてしまう雪のことを言います。水分量が少ないため、温度に敏感で、雪の状態が維持されにくいことも泡に例えられてこの名前がついています。
・風花(かざはな)
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雪の種類の中でも数少ない名前に雪が付かない雪であり、これは雪が積もった場所から風でなびいて飛んでくる雪のことを言います。晴天時でも同様に積もった雪が風で飛ばされてくる雪のことを指しており、風に乗った花のような降り方から風花と呼ばれるようになりました。
積もり方で決まる雪の名前や種類
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最後は積もり方で決まる雪の名前や種類についてご紹介します。既に10個以上の雪を紹介してきましたが、まだまだ雪の種類はあります。ここで紹介する雪の名前も聞き覚えのある雪の名かと思います。
・新雪(しんせつ)
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新雪とは雪が積もってまだ間もない雪の積もった状態のことを言います。雪の結晶の形がしっかりと残っており、綺麗に輝いているのが特徴です。
・友待つ雪(ともまつゆき)
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次の雪が降り始めるまで、溶け切らない雪の積もった状態のことを指します。新雪とは逆に位置する雪であり、ちいきによっては降ってから1か月以上残っている雪などが挙げられます。
まとめ:雪の種類や名前は部類分けされており、名前にちなんだ意味のある雪が多い
様々な雪の種類をご紹介してきましたが、時期や降り方・積もり方でそれぞれ名前があり、新雪や吹雪など名前ですぐどんな雪かが分かるようになっていましたね。粉雪や吹雪などは聞いたことある方も多いでしょうが、風花なんて普段は聞かない雪の名前ですが、こんなにも雪の種類があるのは驚きですね。これからはそれぞれの種類の雪に注目しながら四季を感じてみてはいかがでしょうか?