何なの?チルドゆうパック
プレゼントやお中元などで冷たい商品を相手に送る機会というものは、意外と多いものです。保存のきく食品などもいいですが、できれば新鮮な魚やフレッシュな果物などを相手に食べてもらいたいと思うこともあるでしょう。チルドゆうパックはそんなときに便利な配達サービスです。
通常の宅配で生モノを送ってしまうと、配達途中で腐ってしまいますが、チルドゆうパックであれば保冷のきいた状態で相手に届けられるので、生鮮食品やデザートなどもおいしく送ることができます。傷みやすい食材でも、味や風味をそのままに届けることができるので、全国で活用されている郵送サービスといえますね。
チルドゆうパックの温度と他との違い
冷たいものを冷たい状態で集荷して配達してくれるのがチルドゆうパックですが、保冷のきいた状態で食品を配達してくれるサービスは何もチルドゆうパックだけではありません。
クロネコマークでおなじみのヤマト運輸から、青い制服と飛脚のモチーフが印象的な佐川急便などもあります。同じ保冷配達でもそれぞれの会社によって違いがありますので、まずは各会社の冷蔵サービスの違いと温度についてご紹介いたします。ぜひ、チルドゆうパック集荷前に確認しておくといいでしょう。
チルドゆうパックの温度と他との違い1 チルドゆうパック(郵便局)
チルドゆうパックについて改めて説明すると、チルドゆうパックは郵便局の保冷宅配システムになります。あとで詳しく説明しますが、ほかの宅配サービスではチルドではなく「クール」という名称が使われていることが多いです。一方、郵便局はチルドと名がついていますが、この2つの温度には大きな違いがあります。
チルドのゆうパックの温度は0〜5度に保たれていますが、クール便の温度は10度以下です。チルドとクールでは、商品管理の温度がまったく異なるといえます。これはJAS基準で決まっているものなので、チルド・クールなど指定の名称にしたい場合は、温度管理を適切に保たなければならないのです。
ですから、郵便局のチルドゆうパックは後述する2社よりも、冷蔵温度が低めに設定されているといえます。
チルドゆうパックの温度と他との違い2 クール宅急便(ヤマト運輸)
ヤマト運輸で請け負っている保冷宅配サービスがクール宅急便です。冷蔵の温度は、チルドより上限が高くなっていて0〜10度となっています。郵便局で冷凍食品を送る場合はチルドゆうパックとは別に「冷凍ゆうパック」という種類がありますが、ヤマトのクール宅急便は、冷蔵も冷凍もこれ一つです。
ですから、クール宅急便でアイスクリームなどの冷凍食品を送りたいときは、集荷時に冷凍の指定をしなくてはなりません。クール宅急便を冷蔵の伝票で書き、集荷してもらう方法だと温度はマイナスにならないので冷凍物は溶けてしまいますが、冷凍指定することで、マイナス15度以下を保って配達してくれます。
ちなみに、冷凍ゆうパックで集荷・配達する方法のときの温度は約マイナス18度です。ですが、冷凍ゆうパックは事業者専用の送付サービスといえるので、一般家庭が使用する方法では使えないと思った方がいいでしょう。
チルドゆうパックの温度と他との違い3 飛脚クール便(佐川急便)
佐川急便の保冷宅配サービス「飛脚クール便」もクール宅急便と同じで、温度管理は10度以下となっています。飛脚クール便とクール宅急便は上限の温度は10度で一緒ですが、下限の温度設定が違います。
飛脚クール便の保冷温度は2〜10度の状態なので、最高保冷温度が0度であるチルドゆうパックやクール宅急便と比較するとやや高いといえます。飛脚クール便を冷凍で送るときはクール宅急便と同じで、集荷する時に冷凍指定する方法となり、その場合の温度はマイナス18度以下です。
チルドゆうパックと他社集荷方法の違い
チルドゆうパックと各社保冷サービスには違いがありますが、集荷可能な商品にはどんな違いがあるのでしょうか? 配達する温度が異なるだけでなく、実は各社によってサービス方法にも差があるものです。
たとえば荷物のサイズや料金、割引システムなどといったところになります。チルドゆうパックについてはこの後で詳しく解説しますが、サイズは最も大きくても150cmといった規定があります。ですが、佐川急便の最大サイズは140cm、ヤマト運輸では120cmです。
また、集荷を依頼せずに自分で商品を営業所に持ち込んだときの割引額にも違いがあります。チルドゆうパックだと1点120円の割引で、2点以上同一の住所に送るときは1点60円の割引が可能です。一方、他の2社では送料を100円割引してくれますが、配達個数に対する割引はありません。
チルドゆうパック伝票の書き方
引用: https://3.bp.blogspot.com/-9f7wtxD_3EQ/VVGU9yVUf_I/AAAAAAAAtgQ/WEDvbtfHP7c/s800/denpyou_haitatsu.png
チルドゆうパックを初めて頼む方であれば、伝票の書き方がわからないといったこともありますよね。一度自分でゆうパックを送ってみたり、集荷したりしてもらえば、集荷方法もわかるものですが、その一回目が不安なものです。
最初にチルドゆうパックで集荷を依頼するときには、伝票を手に入れる必要があるのですが、伝票は郵便局やコンビニに行けば、タダでもらうことができます。今後もチルドゆうパックを送付する予定がある方は、複数枚まとめもらうこともできるので、とりあえずもらっておくとまた集荷依頼するときにラクかもしれませんね。
手元に伝票がないときは、集荷を依頼したときか持ち込んだときに、集荷担当の方から伝票をもらうことができるので、まずは送付する商品があればOKです。
また、ゆうパック伝票には青色の伝票とピンクの伝票に2つがあります。青色の伝票は送料をこちらで負担する「元払い」で、ピンクの伝票は受取人に送料を支払ってもらう「着払い」。実家などにチルドゆうパックを送るのであれば、着払いでもいいかもしれませんね。伝票は配達先や用途に合わせて、使い分けるようにしましょう。
チルドゆうパック伝票の書き方1 お届け先・ご依頼主記入
チルドゆうパック伝票の書き方ですが、まずはどこの場所に届けるのかを示す「お届け先」欄に記入します。郵便番号から始まり、相手の住所、氏名、電話番号を漏れがないように書いていきましょう。
送り先である「お届け先」を書いたら、次に「ご依頼主」欄に記入していきます。こちらは誰から送られてきた荷物かを明確にするものです。書き方は「お届け先」と同じように、郵便番号から始めて順番に記入していきます。特に近年は、不審物などの警戒が高まるようになったので電話番号の記入は必須です。
また、チルドゆうパックが引っ越しなどの理由で相手に届かないといったときには、荷物が自分に戻ってくるので、きっちりと自分の住所は書いておきましょう。書き方が間違っていると郵便局員にも迷惑をかけてしまことがあるので、この2つの欄の記入はとても大切です。
チルドゆうパック伝票の書き方2 配達希望・時間帯
「お届け先」「ご依頼主」の書き方がわかって済んだら、続いて伝票右側の項目を埋めていきます。最上部にあるお届け通知は、無事に自分の荷物が相手に届いたときに、後日、自分に配達済みのハガキが届くサービスです。荷物がちゃんと相手に届いた証明がほしい場合などは、お届け通知「必要」にマルをしておくといいでしょう。
配達希望日は、相手に荷物が届く日にちを指定できるサービス。荷物を送る相手がほとんど家にいない場合や出張などが多い仕事をしている場合に活用するといいでしょう。書き方として、事前に送付相手と連絡がとれるときは、相手の都合を聞いて、配達日の指定をするかどうか決めるものおすすめです。
配達時間帯は、平日は仕事で家にいない可能性がある場合などに使うと便利なサービス。書き方のコツとして、夕方以降など荷物の送付相手が確実に受け取れる時間にマルをしておくといいでしょう。休日や在宅仕事が多い方であれば、希望しないにマルをつけてもいいかもしれませんね。こちらも出来れば相手の都合を聞いて指定したいものです。
チルドゆうパック伝票の書き方3 内容物の記入
配達希望日や時間帯の書き方もわかって済んだら、ほぼ完成です。あとは内容物の書き方がわかっていれば問題ありません。
チルドゆうパックに限らずですが、集荷で配達できる荷物には範囲があって、送れる荷物の種類は決まっています。発火の危険性があるものなどは、荷物として受け付けてくれないので、必ず送付する中身が何であるかは記入しなければなりません。チルドゆうパックで燃える危険というのはあまりないかもしれませんが、覚えておいて損はないことでしょう。
内容物を考えたときに、品名の書き方やチルドゆうパックで集荷可能か迷ったときは、郵便局窓口で聞いてみるのもいいですね。
チルドゆうパック集荷方法
チルドゆうパックの書き方もわかって、伝票を作成したらあとは集荷で必要な作業は完了です。チルドゆうパックの集荷方法は大きく2種類あって、ネットで申し込むか電話をかけるかです。ネットの集荷方法は郵便局のWeb集荷サービスを利用することになり、ゆうびんIDの登録が必要となります。
電話の集荷方法は、自宅から近い郵便局に電話することで、配達員が自宅まで荷物を取りに来てくれるサービスです。集荷方法は主にこの2種類ですが、ほかに郵便局に直接持ち込むという方法もあります。持ち込みの場合は、割引もきくので少し料金がおトクになりますね。
チルドゆうパック集荷方法1 通常の集荷方法
生鮮食品などの保冷荷物をチルドゆうパックで送るのは初めてという方は、少し戸惑いがあるかもしれませんね。ですが、チルドの集荷にむずかしいことは何もないので大丈夫です。
通常のチルド集荷方法で配達をするのであれば、まず保冷ができるケースを準備しましょう。次に送付する食品や商品を入れて、温度が上がらないように保冷剤もその中に入れていきます。あとは保冷ケース密閉して準備完了。集荷が来るのを待つだけです。
ポイントとしては、梱包の前に集荷を郵便局にお願いして方法をとるといいでしょう。集荷もスムーズになりますし、配達にだす冷蔵商品も冷たい状態をキープして、配達局員の方に渡すことができますよ。
チルドゆうパック集荷方法2 サイズ・重量
チルドゆうパックで送れる荷物のサイズは、幅・高さ・奥行きのすべてを足したときに、150cm以下に収まるものに限定されます。それに加えて、1辺の長さは100cm以下であることが条件です。送付できるサイズは、全部で6パターンに分類されていて、一番下は60cm以下のサイズからとなっています。
サイズにはいくつかのパターンがありますが、重量は25kg以下と一律です。サイズが60以下であっても、150cmであっても重量25kgを超えるものは送ることができないということですね。集荷のときには注意するといいでしょう。
チルドゆうパック集荷方法3 料金
料金は集荷を依頼する荷物のサイズ、送付先によって異なります。また、チルドゆうパックは荷物のサイズによって、チルド料金が加算されます。60サイズでは220円が基本運賃にプラスされて、最大サイズの150サイズであれば、2,060円が基本運賃にプラスされる仕組みです。
具体的にたとえば、千葉から新潟に最小60サイズの荷物を送る場合の郵送料金は、チルド料金を含み1,070円となります(運賃割引・オプションサービスなし)。ですが、同じ千葉からの郵送でも沖縄に届ける場合の郵送料金は、チルド料金を含み1,550円となる計算です。
チルドゆうパックの料金は、持ち込み割引などによっても変動しますが、郵便局HPで簡易計算ができるので、ぜひ利用してみるといいでしょう。
チルドゆうパック集荷方法4 梱包アイテム
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冷蔵が必要な食品をチルドゆうパックで送るときのケースは、段ボールなどよりも発泡スチロールがおすすめです。発砲スチロールは大小さまざまなサイズで売っていますし、値段も18kgサイズで1,000円しないくらいとなっています。小さいサイズで安いものなら200円程度と買えるでしょう。
引用: https://shop.r10s.jp/himaraya/cabinet/0000000141d/0000000141660_r1_01.jpg
ケースに同梱する保冷剤も1個70円くらいと安いので、大事な冷蔵物が温まってしまうリスクを考えると大量に詰めて送ってあげるのがおすすめです。
チルドゆうパック集荷方法5 コンビニについて
郵便局のゆうパックはローソン、ミニストップなどのコンビニからでも送ることができますが、チルドゆうパックは集荷の方法、または郵便局への持ち込みでしか送れません。簡単にいえば、コンビニでチルドゆうパックを送ることはできないということです。
チルドゆうパックの引き受けは通常のゆうパックと違って、保冷管理できるスペースが必要となるので、コンビニでは対応できないということになっています。ですから、保冷商品を郵送する場合には、郵便局窓口か集荷のどちらかで依頼することになりますね。
チルドゆうパック集荷方法6 配達曜日
伝票の書き方でもふれたように、チルドゆうパックは配達日時を指定することができます。月曜日から金曜日までの平日はもちろん、土日、祝日の対応も可能です。
また、ゴールデンウィークやお盆、年末年始など、会社員の多くが休暇をとっているときにも配達してくれるので、相手の都合に合わせて品物を届けることができるでしょう。
チルドゆうパック集荷方法7 オプションサービス
配達時のオプションサービスには、持ち込み割引など複数のサービスがありますが、代金引換サービスは無料で使うことができます。ネット商品の販売などをしている方におすすめですね。ほかに有料ではありますが、商品が届かない・破損を補償してくれるものとしてセキュリティサービスといったものもあります。
商品の損害賠償額は50万円までと限度がありますが、重要な品物を郵送するのであてばこちらのサービスも検討してみるといいでしょう。
チルドゆうパック集荷方法8 集荷可能なもの
集荷ができる品物ですが、基本的に食品であればほぼ問題なく送ることができます。野菜や米、肉類、デザートなどさまざまです。逆に送ることができないものとしては、先に述べた発火の危険のあるもの、ほかに現金なども含まれます。
ほとんど爆発や発火の危険がないといえる、保冷が必要なチルドゆうパックで荷物が送れないということはレアでしょうが、荷物サイズには気をつけたいものです。サイズ超過や重量オーバーといったことは起こりやすいので、内容物よりもサイズや重量を守るようにするといいでしょうね。
チルドゆうパック集荷方法9 追跡システム
郵便局のゆうパックには、現在の配達状況が確認できる追跡システムがあります。こちらからチルドゆうパックを送った日時から、どこの郵便局に何時に荷物が到着・経由して、相手の元に届いたのかが追跡される仕組みです。
追跡システムは住所間違いなどで相手に荷物が届かなかったとき、不在で受け取れなかったなどもわかるシステムなので、必要に応じて使ってみるといいでしょう。
まとめ
郵便局の保冷宅配サービスであるチルドゆうパックは、約0〜5度の温度を保って、冷蔵商品を相手に届けてくれるもの。肉類やチーズなどの傷みやすい食品もおいしさをキープして相手に贈ることができます。集荷方法はWebか電話で、コンビニ対応はしていないので注意が必要です。
ゆうパックの伝票は、郵便局の窓口やコンビニで受け取ることができて、伝票の書き方もお届け先や自分の住所を書くなど簡単。ゆうパックと比べて少し金額は上がりますが、高い鮮度を保つことができるので、プレゼントやお歳暮などにもおすすめといえますね。