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セラミックとは?
歯医者で治療をするときに、補綴物(ほてつぶつ)という被せ物をしたことがある方もいらっしゃるでしょう。補綴物という被せ物は、従来一般的に、銀歯と言われる金属製の素材の物、レジンと言われるプラスチック製のものが主流でした。
セラミックとは?
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セラミックとは陶器の素材のことで、金属を使わない金属アレルギーの方にも安心して使うことができる素材です。銀歯やレジンと同様に補綴物と言われる被せ物です。本物の歯のようなナチュラルな透明度があり、耐久性に優れていると言われています。
歯をセラミックにするメリットとは?
歯の被せ物には、一般的に知られている保険適用内で低価格の銀歯、プラスチック素材のレジンがありますが、歯の被せ物をする時には、セラミック製の被せ物がおすすめです。保険適用内で低価格の銀歯、プラスチック素材のレジンではなく、セラミックを選ぶメリットを詳しくご紹介します。
歯をセラミックにするメリット①:審美性に優れている
歯をセラミックにすることでの一番のメリットが、他の歯科用資材に比べて審美性に優れているという点です。審美性に優れているとは、見た目の美しさが優れているという意味です。
金属製の被せ物は、口を開けた時に目立ってしまったり、キラッと光ってしまうという審美面で恥ずかしさを感じる方も、特に女性に多くいます。金属製の被せ物は、口腔内で目立ってしまうなど審美性に劣りますが、審美性に優れているセラミックは、天然歯と見分けられない程です。
審美性の高いセラミックの特徴
セラミックは、天然の歯に近い色と透明感を出すことができる素材です。自然な白さで美しい見た目は、補綴物であるにも関わらず、天然の歯と見分けられないクオリティがあります。
セラミックの歯は清潔感が感じられ、笑顔に自信を持つことができる力もあります。歯に自信がないという方は、補綴物を入れるとに、セラミックの審美性の高さからセラミックを選択する人も増えています。
歯をセラミックにするメリット②:金属アレルギーが発症しにくい
金属製のアクセサリーなどが肌に触れることで、皮膚が炎症を起こしてしまうアレルギー症状を接触皮膚炎といい、通称金属アレルギーとも言われています。金属アレルギーは皮膚に触れると起こってしまうアレルギーと思われがちですが、口腔内での金属の接触でも発症してしまう事があります。
銀歯は金属であるため、金属アレルギーを持っている人に使ってしまうと、湿疹やかゆみなどさまざまなアレルギーの諸症状が出てしまいます。銀歯を使うと、金属アレルギーではない人でも症状が出てしまう事があるため注意が必要です。
セラミックは金属不使用
銀歯は金属であるため、金属アレルギーの症状が出ていない方でも症状が出始める可能性があります。歯をセラミックにするメリットとして、セラミックは陶器製なので金属アレルギーの発症リスクを抑える効果を期待できます。金属アレルギーに不安のある方は、セラミックがおすすめです。
歯をセラミックにするメリット③:歯茎が黒ずまない
引用: https://2.bp.blogspot.com/-1Hp8LPKus4M/Vf-ejLfGDdI/AAAAAAAAyQY/9w_FUsOTxEA/s400/teeth_ceramic.png
審美面で歯をセラミックにするメリットととして、歯茎が黒ずまないという効果が期待できます。従来の金属製の被せ物は、歯茎が黒くなってしまうというトラブルも多くありましたが、セラミックは黒ずむことがありません。
セラミックで黒ずまない理由
金属製の被せ物は、水分のある場所ではイオン化するという特徴があり、銀歯の金属が唾液で溶け出すことで、歯茎が黒くなってしまいます。しかし、金属を使っていないセラミックは、黒ずむ心配がありません。しかし注意しなければいけないのが、セラミックにも金属部品が使われるものあり、注意が必要です。
歯をセラミックにするメリット④:丈夫で長持ちする
プラスチック素材の被せ物は、長年使うことで経年劣化が起こり、割れてしまったり変色してしまう可能性がありますが、セラミックはプラスチック素材に比べ汚れが付きづらく、丈夫な素材であるため、長い時間綺麗な状態をキープすることが可能です。
歯をセラミックにするには自費?
セラミックには、審美性が高いことやアレルギーのリスクを軽減するという多くのメリットが多く、セラミックを使ってみたいと感じた方も多いでしょう。しかし気になるのが、歯をセラミックにする時にかかる費用です。
日本では保険に加入しないことを認めておらず、誰しもが国民健康保険などの健康保険に入っています。一般的な歯科治療の多くは、治療費の3割負担で受けることができますが、多くのメリットがあるセラミックをする時に、治療費はどうなっているのでしょうか。
歯をセラミックにするには自費?①:基本は自費
多くのメリットがあるセラミックの歯ですが、治療は保険適用外で歯をセラミックにする時には残念ながら、全て本来の値段での自費治療になります。
セラミックが自費の理由
多くのメリットがあるにもかかわらず、セラミックの歯が保険診療ではなく自費診療になる理由をご紹介します。保険診療の負担は国民からの保険料で賄われているため、最低限の治療が保証されます。そのため耐久性や審美性が低いものは安価であるため、保険診療になります。
最大の治療ともいえるセラミックの歯は、高価な素材が使われているため、耐久性や審美性が優れており自費診療になってしまうということです。したがって、セラミックは審美性を求めており、「必要最低限の治療」とはかけ離れているので、保険診療外となっています。
歯をセラミックにするには自費?②:保険適用ケースもある
メリットが多くあり魅力的なセラミックですが、高額な自費治療になってしまいます。では、歯をセラミックにするには自費しかないのか?というとそうではないのでご紹介します。
保険診療のセラミック
2014年4月からハイブリットセラミックという種類の一部が保険適用となっています。保険適用となったセラミックのハイブリットセラミックは、セラミックとレジンを混合させたもので、機械で削り出して作られた、cadcam冠というタイプが保険適用になりました。
注意!保険適用には条件があり
ハイブリットセラミックは、安い値段で天然歯に近づけることが可能なほか、汚れが付きにくく清潔に保てるメリットがありますが、保険適用になるには条件があるので確認しておきましょう。
①設備の整った歯医者で受けられる。②被せ物のみ対象で、詰め物は不可。③前から4番目、5番目の歯のみ適用される。この条件に当てはまらない場合は、本来の値段である自費での治療になります。
歯をセラミックにする時の種類
自費診療がメインでさまざまなメリットのあるセラミックの歯ですが、セラミックの中にも豊富な種類が存在しており、値段も異なっています。それぞれの種類と値段を詳しくご紹介します。
歯をセラミックにする時の種類①:オールセラミック
全てがセラミックのみでできているセラミックの歯が、オールセラミックです。オールセラミックは、本物のような透明感と美しい白さは、審美性を求める多くの方が利用しています。
オールセラミックの値段は、被せ物のクラウンが1本約10万円~20万円、詰め物のクラウンが1本5万円~10万円です。
メリットとデメリット
メリットは、他の歯に近い配色が可能で馴染みがよく、変色の心配がありません。金属を使っていないため、金属アレルギーの心配もなく、本物に近い自然な歯になります。デメリットは、陶器製のため、強度が金属と比べ劣り、かけてしまう可能性もある他、高額な値段がかかります。
歯をセラミックにする時の種類②:ジルコニア
ジルコニアは、外側がオールセラミックで、内側がジルコニアという人工関節などに使われる素材で作られています。高い美しさと、従来のセラミック以上の頑丈さが特徴の歯です。
ジルコニアセラミッククラウンの値段は、クラウンが1本約15万円~20万円、インレーが1本約5万円~10万円です。
メリットとデメリット
メリットは、しなやかな素材でありながら、強い強度があるため、削る歯を最小限で抑えることが可能です。強度が強いため奥歯にも適しており、強度だけでなく美しさもあります。デメリットは、丈夫な素材であるため、繊細な加工が難しいと言われています。
歯をセラミックにする時の種類③:メタルセラミック
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メタルセラミックは、外側がセラミックで内側が金属製のセラミックの歯です。内部が金属製であることから、光を通しにくく、透明感が損なわれており、オールセラミックと比べると審美性は低くなります。
メタルセラミックの値段は、クラウンが1本約8万円~15万円で、2層構造のセラミックのためインレーはありません。
メリットとデメリット
メリットは、内部が金属で補強されているため、上部で強度があり、噛む力の強い奥歯などに適しています。他のセラミックと比べると、値段はリーズナブルで経済負担が少なく済みます。デメリットは、金属を含んでいるため、歯茎が黒ずんでしまう可能性や、金属アレルギーが発症する可能性もあります。
歯をセラミックにする時の種類④:e.max
e.maxは、2009年に発表された新しいセラミックで、二ケイ酸リチウムガラス含有のセラミックです。耐久性がありながら、加工しやすくナチュラルな美しさもあり、評判の高いセラミックの歯です。
e.maxの値段は、クラウンが1本約6万円~10万円、インレーが1本役約4万円~5万円です。
メリットとデメリット
メリットは、硬すぎない素材で耐久性がありながら、しなやかさを兼ね揃えています。他の歯を傷つける心配もありません。デメリットは、歯垢が付着しにくく着色もしにくいですが、着色後は劣化します。配色も天然歯に近づけるのは難しいとされています。
歯をセラミックにする時の種類⑤:セラミック土台
歯にセラミックの被せ物を被せるときに、歯の根に強度が不足している場合は、補強するためにコアといわれる土台を入れる必要があり、コアには多くの種類があるのでご紹介します。
ファイバーコア
ファイバーコアは、審美性が高くしなやかな素材であるため、歯の根に負担をかけにくいです。しかし保険適用外なので費用は約1万~3万円と高くなります。
レジンコア
レジンコアは、保険適用の診療でよく使われるレジンを素材としており、保険適用時は430~470円、自費の時は5000円~2万円となっています。歯を削る量も多くなく、歯の根への負担も比較的軽いです。
ゴールドコア
ゴールドコアは、20Kの金合金、プラチナ加金を使用しているため、金属アレルギーの心配はありませんが、保険適用外のため、費用が1~3万円と高額で、強度があるため歯の根への負担が大きいです。
メタルコア
メタルコアは、保険適用のため630~760円と安く、強度があります。反対に強度が強すぎるため、歯の根への負担が大きいです。
まとめ
歯をセラミックにするメリット、種類ごとの値段と違いを解説していきましたが、参考になったでしょうか。セラミックでも種類が多く、自費診療が基本のため、値段の幅も広く、歯医者さんによって異なります。しかし保険の歯では出せない審美性を出せるメリットが、セラミックにはあり、見た目にこだわりのある方にはおすすめです。