肉は洗った方がいいの?
野菜や果物に効果的な50℃洗いは、肉についても大きな効果があります。肉を洗うと旨味成分が溶け出して水っぽくななるイメージがありますが、50℃のお湯で洗えば表面の酸化物が洗い流されて美味しくなるんです。
肉は切り身やブロックなどに加工されたそのときから、肉の表面が空気に触れて酸化が始まります。また、肉の表面はベトベトしているので、汚れも付きやすくなります。肉を洗うことで酸化物や汚れ、ドリップを落としてくれます。ドリップは肉から出る余分な水分で、トレーにある赤い液体がドリップ。肉の細胞が壊れて出てきた水分と血、旨味が混じったもののことをいいます。
肉を50℃で洗うと美味しくなるって、本当?
肉は、調理する前に50℃で洗うと火が入りやすくなり、身が縮むのを抑えてくれます。肉表面の酸化や汚れも洗い落としてくれるのでおすすめ。特に、煮込み料理では灰汁の量がグンと減ります。また50℃で洗うことで肉の旨味成分が閉じ込められ、肉独特の臭みも減って焼き上がったときにふっくらとします。
50℃洗いした後のお湯には、肉の脂や汚れ、ドリップなどが含まれています。50℃洗いをしないまま調理をするとこれらの肉の脂、汚れ、ドリップを食べてしまうことになります。
肉を50℃で洗うと臭みも食感もはっきり違う!
肉を50℃で洗うと、臭みが全然違います。加熱したときの臭みがなく、煙もあまり出ません。また、50℃洗いした肉は、食感も大きく違います。
肉を50℃で洗う:鶏肉の洗い方
鶏のもも肉や胸肉、手羽元、手羽先、ささみは、50℃のお湯の中に入れて肉の表面強い力を入れずにこすり洗いをし、4分~5分お湯につけておきます。鶏レバーであれば2分~3分でOK。ひだの内側も指でこすり洗いします。このとき、お湯の温度が43℃以下にならないように気をつけましょう。
その後、鶏肉を冷水で冷やし、キッチンペーパーなどで肉の表面の水分を拭き取ります。ここまでの処理をしておけば、その後は普段どおりの調理で大丈夫。なお、同じ鶏肉でもミンチ肉は50℃洗いにはおすすめできません。
肉を50℃で洗う:豚肉の洗い方
豚肉の中でも、スペアリブ、ブロック肉、トンカツなどに使う厚切り肉は、そのまま50℃のお湯の中に入れ、表面を軽くこすり洗いした後4分~5分お湯につけておきます。このとき、お湯の温度が43℃以下にならないように気をつけましょう。なお、汚れがひどいときには新しい50℃のお湯でもう一度洗ってください。
50℃のお湯の中に4分~5分つけておいた豚肉を冷水で冷やし、キッチンペーパーなどで肉の表面の水分を拭き取ります。ここまでの処理をしておけば、その後は普段どおりの調理で大丈夫。なお、同じ豚肉でも挽肉や薄切り肉は50℃洗いにはおすすめできません。
肉を50℃で洗う:牛肉の洗い方
牛肉の塊やステーキ、ブロック肉は、そのまま50℃のお湯の中に入れ、表面を軽くこすり洗いした後4分~5分お湯につけておきます。このとき、お湯の温度が43℃以下にならないように気をつけましょう。
50℃のお湯の中に4分~5分つけておいた牛肉を冷水で冷やし、キッチンペーパーなどで肉の表面の水分を拭き取ります。ここまでの処理をしておけば、その後は普段どおりの調理で大丈夫。なお、同じ牛肉でも薄切り肉やミンチ肉は50℃洗いにはおすすめできません。
50℃洗いした肉は、その日のうちに調理を!
50℃洗いした肉は、15分~20分で熟成が始まります。できればすぐに調理をするようおすすめします。保存はできませんので、冷蔵庫に入れてその日のうちに調理をしてください。
まとめ
肉は、野菜や果物と同じように50℃洗いがおすすめです。50℃洗いをすることで酸化物やドリップを洗い落としてくれるだけではなく、臭みも減って旨味成分を閉じ込めてくれます。まだチャレンジしたことのない方は、50℃洗いの素晴らしさをぜひ一度実感してみてください。