~はじめに~ 喉声ってどんな声?特徴は?改善方法はあるの?
カラオケで歌っているときなどに、「高い音が出にくい」「サビで声が裏返ってしまう」「数曲歌っただけで声がかすれる」と感じたり、まわりから「声が苦しそう」と言われたことはありませんか?
そんなときは、余計な力が入って喉が狭くなっていることが原因の「喉声」になっている可能性があります。
喉声だと、スムーズに気持ちよく歌えないのはもちろん、ときには喉を傷めてしまうことも。ボイストレーニングに通うのが一番の改善方法ですが、ちょっと敷居が高いという人も多いと思います。そんな人は、今からお伝えする、自宅で簡単に始められる喉声の改善方法を、ぜひ試してみてくださいね。
喉声ってどんな声?特徴は?
喉声と言われても、どんな声なのかピンとこない人もいると思います。
喉声がどんな声かというと、喉が閉じて狭くなっている力んだ状態で、無理やり出している声のこと。
一般的に聞いている人に「苦しそう」な印象を与える、かすれがちで、力の入ったような、響かない声であることが特徴です。
発声している本人も、すぐに声がかすれてしまったり、苦しくなってしまったり、喉が痛くなったりすることも。
歌を歌うときは、高い音になるにつれて喉声になりやすいですが、中低音域でも喉声になることはあります。
そもそも、声が出る仕組みとは?声帯の伸び縮みによって、どんな声か決まる?
喉声を改善するために、まずは声の出るしくみを見ていきましょう。
まず、声をつくる核になるのが、喉の奥にあり、食べ物の通り道と空気の通り道が交差している「喉頭」にある左右2枚のヒダ「声帯」です。
この声帯は、自動ドアのように呼吸をするときには開き、声を出すときには閉じています。この閉じたスキマを通る息が声帯を振動させて、音が出るという仕組みです。
そして、声帯をひっぱる筋肉の働きによって声帯が伸び縮みすることで、実際に外に出てくるのがどんな声になるかや音程を決めています。
喉声の原因は?喉声になりやすい人の特徴は?
それでは次に、喉声の原因と、喉声になりやすい人の特徴を見ていきましょう。
喉声の原因&喉声になりやすい人の特徴(1):肩、首、顔などに力が入っている
喉声の一番ありがちな原因が、喉が狭くなっていることです。
肩、首、顔などの喉に近い筋肉に力が入ると、声帯を振るわせる息の通り道である気道が狭くなるため、声が出しにくくなります。
喉声の原因&喉声になりやすい人の特徴(2):姿勢が悪い
姿勢が悪く、特にアゴを突き出した状態は、これも気道をふさぐ原因になり、喉声になりやすくなります。
喉声の原因&喉声になりやすい人の特徴(3):舌の筋力が落ちている
舌の筋力が弱くなり、常に舌が下がった状態になっていることも、気道をふさぐ原因になります。
喉声の原因&喉声になりやすい人の特徴(4):喫煙をしている
たばこの煙に含まれているタールは、声を出すための器官である声帯に炎症を起こしやすい原因になります。
喉声の改善方法は?
一番の改善方法はもちろんボイストレーニングに通うことですが、お金もかかるし、ちょっと敷居が高いという人が多いと思います。
そこで、すぐに自宅で始められる、簡単な喉声の改善方法をピックアップしてみました。喉声を改善したいけど、ボイトレに通うのはちょっと……という人は、一度試してみてくださいね。
喉声のおすすめの改善方法(1):腹式呼吸
腹式呼吸は、喉声を改善するための第一歩!吐く息の量と強さコントロールをしやすいため、喉に負担がかかりにくいのが特徴です。
楽に良い声を出す練習に、ぜひ腹式呼吸をマスターしてみてください。
腹式呼吸の練習方法
1)背筋をまっすぐ伸ばした状態で、ゆっくり鼻から息を吸います。
※息を多く吸ってしまうと胸式呼吸になりやすいので、息は多く吸い過ぎないように注意!
2)「ツー」と発音するイメージで、口からできるだけゆっくり長く息を吐きます。
※最初は10秒前後、慣れたら30秒を目標にして、ムラなく時間をかけて息を吐いていきましょう。
3)上半身の力を抜いたまま、お腹だけを使って息を吐ききります。
うまくいかない場合は、息を吸う前に、しっかりと息を吐ききるのがおすすめです。そうすると、自然に息が入ってきます。
喉声のおすすめの改善方法(2):横隔膜トレーニング
安定した声を支えるのが、肺の下にある横隔膜です。横隔膜も鍛えることで、声が楽にしっかりと出せる環境を整えていきましょう!
横隔膜トレーニング(1)
1)口を「あ」と言うつもりで開けます。
2)舌先を舌の歯の裏につけます。このとき、舌の力は抜きましょう。
3)手をお腹にあてて、吸う息と吐く息が均一になっているかをチェックしながら、「ハッハッハッハ…」と走った後の犬のようなイメージで、15秒ほど呼吸を続けます。
4)これを1日2~5セットくりかえします。
横隔膜トレーニング(2)
1)横隔膜のあたりに手をあてます。
2)アゴを下げ、肩が上がらないように注意しながら、大きく口から息を吸います。
3)口を閉じ、唇につまようじくらいのスキマを開けて、頬と鼻の舌をふくらましながら5秒、息を吐きます。
4)6秒目に、息を吐くのを止めます。
5)2~4を5回くりかえします。
喉声のおすすめの改善方法(3):姿勢を改善する
前述のとおり、アゴが突き出した状態だと喉声になりやすいので、姿勢を改善することも大切です。
まずは、喉やアゴに手をあてながら声を出してみてください。
喉ぼとけが高く上がり過ぎたり、アゴに余計な力が入っていませんか?
あてはまっている人は、「アゴを前に出さず、真下に下ろす感じ」を意識して、「喉ぼとけが軽く下がった状態」をキープしながら声を出すことを心がけてみてください。
喉声のおすすめの改善方法(4):首肩まわりのストレッチをする
首、肩、顔に余計な力が入っていると、喉が締まり、喉声になってしまいます。
両手を組んで背伸びをしたり、肩甲骨をまわしたりと、上半身をほぐしてリラックスさせてあげることも、効果的な改善方法です。体を温めた状態で行うと、より効果的です。
喉声のおすすめの改善方法(5):スプーンで正しい舌の位置を覚える
きれいな声を出すためには、正しい舌の位置を覚えることも重要です。そのために、ぜひ鏡で自分の舌の位置をチェックする方法を試してみてください。
まず、鏡で口の中をのぞきながら、「あー」と声を出します。
そして、次はスプーンで舌の奥を押さえつけながら、再び「あー」と声を出して、舌を押さえつけていないときとの声を比較します。
スプーンで舌を押さえたときの方が、声に奥行きが生まれていませんか?
声に奥行きが生まれていたら、それが美しい声を出すためのベストな舌の位置です。
これを何度かくりかえして舌の位置を覚えれば、舌を押さえつけなくても、きれいな声を出しやすくなります。
~まとめ~ 喉声は、発声方法を普段から意識することで改善しよう!
高音で声がかすれたり、苦しそうな印象を与える喉声は、悪い姿勢などによって喉が狭くなっているのが主な原因です。
喉声を改善するための一番の近道はもちろんボイストレーニングに通うことですが、お金もかかるので、敷居が高いと感じている人も多いと思います。
そんな人は、まずは自宅で簡単にできるトレーニングを試してみるのもおすすめ。普段から、喉の力を抜いたり、正しい舌の位置を覚えたり、発声しやすい腹式呼吸を意識してみるだけで、喉声が改善する場合もあります。
それでも喉声が改善しなかったら、プロに的確なアドバイスと指導をしてもらうのもアリ!あなたにとってベストな方法で、きれいに響く、魅力的な声を手に入れてくださいね。