火の鳥ってどんな作品?
火の鳥はあの有名な「手塚治虫」先生による漫画作品です。手塚治虫先生がライフワークとして書いていた作品でもあるため、火の鳥は手塚治虫先生が漫画家として活動をはじめた1954年から1988年まで長期に渡って連載がされていました。
火の鳥は全部で12編の物語からなる漫画で、それぞれの物語は独立しており年代など時代背景も異なっています。しかしそれぞれは独立した物語なのですが12編全てを繋げると1つの壮大なストーリーになるように構成がされているんです。
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日本を代表する作品というだけあって、漫画のみならずラジオドラマや映画やアニメなど、様々なメディア媒体で火の鳥はコンテンツが展開されています。
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火の鳥の作者は「手塚治虫」先生
上記で触れましたように、今回当記事で紹介していく火の鳥の作者はあの有名な手塚治虫先生です。
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手塚治虫先生は漫画家やアニメーターとして活躍された人物で、大阪帝国大学附属医学専門部に在学中に「マアチャンの日記帳」という4コマ漫画を少国民新聞にて1946年1月1日から連載をスタートさせ漫画家デビューをしました。漫画雑誌で活躍するようになったのは1950年頃からで「鉄腕アトム」や「リボンの騎士」など、数多くのヒット作を生み続けました。
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また鉄腕アトムは日本初となる30分枠のアニメシリーズとして放映され、ハリウッドで映画化されるなど世界中で愛される作品に成長しています。手塚治虫先生は亡くなる1989年まで漫画家として大いに活躍し「マンガの神様」と呼ばれ後世の漫画界に多大な影響を与えました。
火の鳥のテーマは「死と再生」
当記事で紹介させていただく火の鳥はそれぞれ独立した物語ではあるのですが、一貫としてテーマが共通しています。それは「死と再生」です。火の鳥は不死鳥で、不死鳥である火の鳥の血を飲むことで不老不死の力を得られるという設定が全ての物語に共通しています。
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時代背景は様々ですがいつの時代も人間たちは様々な理由から「永遠の命」を求めます。火の鳥に翻弄される主人公をはじめとしたいろんな人間の生き様が火の鳥では描かれており、読者はいろんな時代をまるでタイムスリップしながら火の鳥に関わる人物の人生を見つめていくことになります。
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つまり火の鳥は、生きることそして人生について感じる壮大な作品となっているんです。
【火の鳥】黎明編【あらすじ】
火の鳥の「黎明編」は当初は漫画少年にて1954年から連載されていましたが、漫画少年を発行していた学童社が倒産したことで未完に終わっています。その後少女クラブに1956年からエジプト編から連載され、1967年に雑誌の「COM」にて黎明編がまた新しく連載されました。
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黎明編は火の鳥のプロローグにあたります。まだ日本という名前もついていない3世紀の頃、火の山の麓の村にナギという男の子がいました。占いによって様々な権力を得ていた卑弥呼は永遠の命と若さを求めて火の鳥を狙い続けており、ナギの姉であるヒナクと結婚した医者のクズリはなんと卑弥呼のスパイだったのです。
猿田彦が隊長をしている卑弥呼の軍は村を襲い、村は全滅しナギは猿田彦によって捕らえられ、火の鳥を狙う狩り部として育てられます。
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【火の鳥】未来編【あらすじ】
火の鳥の未来編の時代は西暦3404年で、舞台は地球の地下都市を中心とした宇宙です。
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地球が死にかかっていたため、人類は地球の地下深くに都市を作って暮らしていました。山之辺マサトというメガロポリス・ヤマトの2級宇宙戦士は、宇宙生物であるムーピーが変身していたタマミという女の子を隠していたため、犯罪者として追われる立場になります。二人はメガロポリス・レングードへ亡命しようと地上へ。そこで火の鳥に導かれ猿田博士という絶滅生物を復活させようとした人物がいるドームへたどり着きます。
一方二人がいなくなった地球の地下都市では電子頭脳同士による最終戦争が勃発しており、地下にいた人類は絶滅してしまいます。
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【火の鳥】ヤマト編【あらすじ】
火の鳥のヤマト編の時代は5世紀頃の古墳時代を描いたもので、舞台は日本(倭)です。
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オグナはヤマトの国の王子で、父で大王からクマソ国の川上タケルを殺害するように命じられます。じつはオグナにはもう1つの目的があり、それは火の鳥の生き血を手に入れること。理由は父が死ぬときに生贄にされてしまう人々の命を救うためでした。
クマソの国でオグナは、オグナの国の王タケルの人格に惹かれそしてタケルの妹カジカと恋仲になります。ですがオグナの前に現れた火の鳥は、オグナにヤマトへ帰るよう命じます。火の鳥の生き血を布に染み込ませヤマトの国に帰り、オグナは王の墓作りや生き埋めを阻止しようとしますが失敗してしまうのです。
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【火の鳥】宇宙編【あらすじ】
火の鳥の宇宙編の時代は西暦2577年で、舞台はタイトルにもなっている通り宇宙です。
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ペテルギウス第3惑星のザルツから地球へ向かって出発した宇宙船が、宇宙塵にぶつかってしまい壊れてしまいます。人工冬眠から起きた4人の隊員達は、見張り役だった牧村のミイラでした。隊員達は各自一人乗りの救命ボートで宇宙船を脱出し、無線で死んだ牧村のことについて語り合います。するとなぜか後ろから死んだはずの牧村があとを追いかけてきたのです。
脱落してしまうボートがあるなか、猿田、ナナそして牧村は謎の星に不時着してしまいます。そこで牧村が永遠に生と死を繰り返す罰を受けた宇宙の罪人であること、そして不時着した星がその罪人が島流しされる流刑星であることが、鳥人のフレミル星人の女性から明かされていきます。
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【火の鳥】鳳凰編【あらすじ】
火の鳥の鳳凰編は8世紀頃の日本の奈良時代が舞台となっています。
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生まれてすぐの事故により片目と片腕がない盗賊の我王は荒れた日々を送っていました。しかし命の恩人である高僧の良弁上人と共にいろんな国を巡っているうちに、不幸な人々と出会うことで彫刻家(仏師)としての才能に目覚めていきます。
しかし我王が盗賊時代に利き腕を傷つけた仏師の茜丸は、仏師として生きていけないことに落ち込みます。しかしある少女との出会いや賢明なリハビリによって、仏師として復活し奈良の東大寺の大仏建立のプロデューサーにまで出世をし名声を上げました。
そんなとき大仏殿の鬼瓦の製作をするにあたり、勝負を二人はすることになります。勝負に負けそうになった茜丸は昔の我王の悪行を暴露し、我王の残っていた片腕を切断させてしまいます。
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【火の鳥】復活編【あらすじ】
火の鳥の復活編は西暦2482年の地球と宇宙が舞台になっています。
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交通事故で死んでしまったレオナは、死んだ人間を復活させる実験の第一号としてニールセン博士の再生手術によって生き返ります。しかしレオナには後遺症が残ってしまいます。それは生物が醜い無機物に見えてしまうというものです。そんなある日レオナは事務用ロボットのチヒロと出会います。チヒロはロボットなので無表情なのですが、後遺症の残っていたレオナにとっては美しい女性に見えていたのです。
レオナはロボットのチヒロを愛し、そしてロボっトであるチヒロにも感情が芽生えていきます。結婚しようとレオナはチヒロを誘拐し、逃亡してしまいます。
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【火の鳥】羽衣編【あらすじ】
火の鳥の羽衣編は10世紀で三保の松原が舞台となっています。
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ある日漁師をしているズクは松の木にかかっていた美しい衣を発見し、お金に困っていたズクはその衣を売って金にしようと考えます。するとおときという女性が現れて、その衣を返してほしいと頼みます。遠い空の上の国から旅をしてきたというおときを天女だと思ったズクは、3年一緒に暮らしたら衣を返すと約束をします。
しかしじつはおときは天女ではなく未来人で、衣が売られてしまえば未来が変わってしまいます。未来が変わることを恐れたおときはズクと暮らし、やがて子供ももうけます。そんな暮らしをしていたある日、都の侍がズクを兵に招集するためにやってくるのでした。
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【火の鳥】望郷編【あらすじ】
火の鳥は宇宙時代の惑星エデン17という場所が舞台になっている物語です。
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主人公であるロミとジョージは自然破壊されていく地球に嫌気がさし、惑星エデン17にて二人だけで生活をしていくことにしました。しかし事故により恋人のジョージは死んでしまいます。ロミはジョージの子供を妊娠しており、ロミは息子と子孫を残すことで惑星エデン17を守ろうと人工冬眠を繰り返すのですが、なぜか男の子しか産まれません。
ロミが何度か人工冬眠をしていると、自分の子孫達がエデンという街を作り上げていました。火の鳥は宇宙の不定型生物ムーピーとロミの子孫の間に子供を作らせて、ロミはエデンの女王となります。しかしロミはだんだんと故郷の地球へ帰りたいと思うようになっていきます。
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【火の鳥】乱世編【あらすじ】
火の鳥の乱世編は1172年の平安時代末期の日本が舞台になっています。
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東北で猟師をしていたマタギの弁太は、誘拐されたおぶうを追い京の都へ行き、そこで出会った牛若の家来になります。連れ去られていたおぶうはその時の権力者である平清盛に仕えており、平清盛は永遠の命を得るために火の鳥を探していましたが結局死んでしまいます。
権力者がいなくなったため、その権力を得るために争い起きます。牛若が成長し義経と名乗り、平家の敵である源氏の大将とし活躍し弁太もその義経に従っていました。様々な戦いが起き、そして壇ノ浦の戦いのときでした。かつて生き別れた弁太とおぶうはようやく再会することになります。
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【火の鳥】生命編【あらすじ】
火の鳥の生命編は2155年の日本と南米が舞台になっています。
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テレビのプロデューサーをしていた青居は、テレビの人気が低迷していたこと受け、人気を上げるためにクローン人間を作り上げてハンターに殺害させるという企画を思いつきます。そこでアンデス山中のクローン研究所を訪れ、研究員の猿田と共にクローン人間の秘密を知るインカの精霊の子孫鳥と出会うことになります。
そして予定とは違い青居のクローン人間が大量に生産されてしまいます。その理由は自分の欲のために生命をもてあそぼうとした青居への罰でした。テレビ局は企画の通りクローンをハンターに殺させる番組をスタートさせてしまい、青居もまたそのターゲットとになってしまいます。
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【火の鳥】異形編【あらすじ】
火の鳥の異形編は室町時代の日本が舞台となっている物語です。
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7世紀の終わり頃戦国時代の日本で左近介は女でしたが、男として残忍で有名だった領主の八儀家正の家で育てられます。父である八儀家正は重い病にかかったのですが、そこにその病を治せるという尼の八百比丘尼が登場します。しかし父に早く死んで欲しかった左近介はこの八百比丘尼を従者の可平と共に殺しにでかけます。
尼を殺害後、城に戻ろうとする左近介ですが不思議なことが起こります。なんと寺の周りに見えない壁があり、城に帰ろうとすると寺に戻されてしまうのです。そんなときに村人が病を治してもらおうと寺に!左近介は尼の八百比丘尼に変装して本尊の中にあった光る羽根を使い病を癒してあげました。
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【火の鳥】太陽編【あらすじ】
火の鳥の太陽編は7世紀と21世紀の倭と日本が舞台になっている物語です。
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西暦663年白村江の戦いで唐の新羅連合軍敗北した倭の百済軍が逃げていましたが、百済王一族の兵士であるハリマは唐の軍に捕らえられ生きたまま顔の皮を剥がれ、変わりに狼の皮を被せられました。頭が狼となってしまったハリマは不思議な老婆の予言を信じて、倭国へ向かいます。
倭国にてハリマは先住民である狗族と出会います。狗族は昔は人間から産土神と呼ばれ崇められていましたが、仏教が普及したことで魔物と呼ばれるようになり人里離れた山奥で暮らしていたのです。
狗族の族長ルベツの信頼を得たハリマは、狗族のために力を貸すことを約束します。ハリマは狼の頭になって以来悪夢をみていたのですが、じつは21世紀に生きてる板東スグルの精神と繋がっていたのです。
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【火の鳥】まとめ【あらすじ】
火の鳥は上記で紹介した年代を見ていただけるとわかるのですが、過去と未来の物語が交互に展開されています。独立した物語のようで全て読むと壮大でかつ哲学的な要素が盛り込まれた内容になっており、どこから読んでも楽しめる構成になっています。
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以上火の鳥の全12編のあらすじを紹介させていただきました。
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読んでいただきありがとうございました。