【サイコパス】『PSYCHO-PASS サイコパス』とは?
『PSYCHO-PASS サイコパス』は、Production I.G制作のアニメオリジナル作品で、現在では漫画や小説など様々なメディアに展開されている人気タイトルです。
アニメ1期は、2012年10月に全22話が放送され、シリーズ第2期となる『PSYCHO-PASS サイコパス 2』は、2014年10月に全11話が放送されました。
その後、第2期の後日譚のにあたるストーリーを映画『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』にて2015年1月に上映され、さらに2019年1月には、『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス|SS(sinners of the system)』が三部作連続公開、現在でも人気を博しているタイトルです。
『PSYCHO-PASS サイコパス 3』(第3期)について
『PSYCHO-PASS サイコパス』は、シリーズの第3期となる『PSYCHO-PASS サイコパス 3』が2019年10月より放送が開始されます。
本作は第3期から登場する2人の新人監視官である慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフを中心とした物語であす。第2期や劇場版までのストーリーとは少し違った『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界に期待の声も大きくなっています。
【サイコパス】理由①:第1期の評価が高すぎた
『PSYCHO-PASS サイコパス』は、一般的に第2期よりも第1期のほうが面白かったと言われています。しかし、本編を見た方ならわかると思いますが、第2期はつまらない作品かというと、そうではありません。
では、なぜ第2期がつまらないと言われるかというと、第1期が面白すぎたという理由が真っ先に思いつきます。つまり第1期の面白さで第2期の期待が高まり、蓋を開けてみたら期待を上回らなかったというだけです。
この期待度が高まりすぎたため第2期が評価されにくい現象は、『PSYCHO-PASS サイコパス』のみならず、テレビアニメにはよくあることで、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『進撃の巨人』など名作とされる作品でも見られます。
【サイコパス】理由②:脚本家の変更
『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)と『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)では脚本家が変わっており、虚淵玄さんから冲方丁さんに変更されています。そもそもストーリーを作る人物が違いますので、作品のテイストが変わってくるのは必然となります。
『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)を担当した虚淵玄さんは、『沙耶の唄』や『魔法少女まどか☆マギカ』、『Fate/Zero』などSF作品の中でも重いストーリーを描く方で、独特な脚本で有名な方です。
『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)を担当した冲方丁さんは、『蒼穹のファフナー』シリーズや『攻殻機動隊』シリーズなどを手掛けた脚本家の方で、こちらもファンの多いSF作品中心の脚本家です。
どちらの脚本家の方もベテランで人気の方ですが、『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)では虚淵玄さん独特のストーリーが展開され、ファンを獲得しました。
そしてファンの多くから『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)でもそういったストーリーが期待されていましたが、脚本家の変更により期待をスカされてしまったため、つまらないと言われるようになったのかもしれません。
【サイコパス】理由③:第1期の社会的話題性
これはテレビアニメファンの間では有名な話ですが、『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)は、社会的に問題視されたという経緯があります。
問題視された敬意は、『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)新編集版の第4話で放送されるはずだった王陵璃華子の絡む連続猟奇殺人事件についてです。
このストーリーは、殺人犯である王陵璃華子が同級生の女子高生たちを次々と殺害し、オブジェに加工、公共の場に晒すという事件です。この非日常的な事件ですが、実は実際にも似たような事件が日本で起きており、この事件は一般的に「佐世保事件」と呼ばれています。
「佐世保事件」は、2014年7月に発生した女子高生が同級生を殺害した事件で、女子高生は殺害後、被害者の首や手を解体し、腹を引き裂くという狂気的な犯行をしたことで話題になりました。
この「佐世保事件」の影響で、2014年8月に放送予定だった『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)新編集版の第4話の放送が中止、その後繰り上げで第5話が放送されました。
これにより『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)のリアリティやグロさが話題になり、結果的に『PSYCHO-PASS サイコパス』というタイトルが多くの方の目につくようになりました。
そしてその後放送された第2期は、第1期ほどのグロさが無く、つまらないという評価につながったのではないでしょうか。
【サイコパス】理由④:第2期ストーリーの説明不足
ここからは、『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)と『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)のストーリーを比較して考察していきます。
第1期と第2期の最も異なる点として、テレビアニメの話数が違うことです。『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)では全22話だった話数が、『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)では全11話になっています。
そのため第2期ではストーリーの説明不足が随所で見られます。その最も顕著な点は、第1期で説明されていたシビュラシステムや犯罪係数などの説明が殆どなかった点です。
通常テレビアニメシリーズの第2期は、第1期を視聴していない方でもある程度楽しめるように第1期のおさらいを随所で散りばめており、第2期から視聴した方でもストーリーを理解できる様になっています。
しかし『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)ではこれが殆どなく、第2期から視聴し始めた方は全員が置いてきぼりをくらい、つまらないという意見が多くなったのではないでしょうか。
【サイコパス】理由⑤:第1期は平凡なヒロイン「常守朱」が魅力的
『PSYCHO-PASS サイコパス』の主人公(ヒロイン)は、常守朱という新任監視官の女性です。彼女はいたって平凡な存在であり、テレビアニメの視聴者は朱と自分を重ね合わせることで物語を楽しむ事ができました。
『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)の朱にとっては全てが真新しいことであり、視聴者にとって驚くべきポイントや葛藤するポイントで、主人公の朱も同じように驚き、葛藤してくれます。朱の人間らしさにストーリーを通して好きになった方も多いと思います。
しかし、『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)では朱は経験を通して成長し、視聴者の共感とは少し遠い存在になっています。主人公に対する親近感という点で、第2期は第1期に劣っているのではないかと感じます。
主人公の魅力度が下がったというのは、作品にとっては大きな変化であり、つまらないという意見が多くなったのも頷けます。
【サイコパス】理由⑥:魅力的なヒーロー「狡噛慎也」の存在
『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)の主人公である狡噛慎也は、ぶっきらぼうな性格でありながら、知性と運動能力を合わせ持つイケメンのヒーローです。
第1期の事件の解決は彼の活躍が最も重要であり、彼の超人的な活躍に魅了された視聴者も多いのではないでしょうか。
第2期においては、彼の姿を見て成長した常守朱が、彼の後釜のような形で活躍するのですが、狡噛のようなイケメンヒーローが獅子奮迅する姿が好きという視聴者にとっては、少し物足りなかったでしょう。
【サイコパス】理由⑦:カリスマ的悪役「槙島聖護」の存在
魅力的なストーリーには魅力的な悪役が必要不可欠です。『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)の黒幕だった槙島聖護は、カリスマ的悪役であり、主人公たちが最後に倒すべき悪役として十分な素質を持っていました。
彼は悪魔的な計画力を持ちながら、狡噛慎也のような武闘派ヒーローを上回る格闘術を有しています。主人公たちが束になってやっと倒すことができたのも納得の強さです。また死闘の末の最期のシーンは名シーンと呼ぶに相応しいものです。
『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)の黒幕である鹿矛囲桐斗は、決してカリスマ性のないキャラクターではありませんが、槙島と比べてしまうと見劣りしてしまいます。悪役の魅力度という点において第2期は、第1期によりつまらないと言わざるを得ません。
【サイコパス】理由⑧:第1期の犯罪者たちの魅力
『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)で登場する犯罪者たちですが、先に述べた槙島聖護以外にも魅力的なキャラクターたちが多く存在します。それぞれに動機があり、黒幕の槙島とも対等に話せる人物たちもいます。
しかし、『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)においては犯罪者たちの殆どが鹿矛囲桐斗を心酔しているキャラクターであり、個々の存在の魅力度は低く、鹿矛囲の引き立て役でしかありませんでした。
話数の少なさから仕方なかったのかもしれませんが、どうしても第1期と第2期を比べると、総合的に第2期の犯罪者たちの魅力度は低いと感じます。
【サイコパス】本当に第2期はつまらない?
この記事では『PSYCHO-PASS サイコパス 2』(第2期)が『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期)よりつまらないと言われる理由を考察しご紹介致しました。
一般的に第2期はつまらないと言われる『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズですが、SF作品として高く評価するファンも少なくはありません。
また本作の第2期は、その後の劇場版作品や第3期につながる大切なシナリオになっており、シリーズ通して楽しむためには欠かせないものになっています。
2019年10月からはシリーズ第3期となる『PSYCHO-PASS サイコパス 3』が始まりますので、第1期や第2期に負けないストーリーに期待です。