遅筋は速筋とは違う!?
私達の体には、約400種類の骨格筋があり、骨格筋は筋線維とよばれる直径約20-100μmの非常に細い細胞が集まってできています。そして、この筋線維は、遅筋と速筋の二つから構成されています。
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遅筋とは?
この二つは、それぞれ色が違っています。人体模型で見たことがある人もいるかもしれませんが、赤く見える部分が遅筋、白く見える部分が速筋です。それぞれの色の違いから、白筋、赤筋と呼ばれることもあります。これは、ミオグロビンという、色素タンパクの量の違いによるものからです。
遅筋繊維と速筋繊維の役割
引用: http://images.slideplayer.com/23/6872816/slides/slide_11.jpg
また、この二つはそれぞれ異なった役割を持っています。遅筋繊維は長い時間にわたって力を出し続けるのに対し、速筋繊維は一瞬のうちに大きな力を出します。また、遅筋繊維は、私達の体全体の約70-80%を占めていることから、体のエンジン的な存在でもあります。
遅筋繊維を鍛えたら得られるもの
引用: https://cmkt-image-prd.global.ssl.fastly.net/0.1.0/ps/319573/580/386/m1/fpnw/wm0/fat-to-slim-woman-weight-loss-transformation-front-.jpg?1422216985&s=13bce39f1ae2a8a179a6b6339f2f0ec5
同じ筋肉でも、それぞれの違いについてすでにお分かりいただけたと思います。それぞれ役割が違うことから、遅筋繊維か速筋繊維かを鍛えることによって、メリットも違ってきます。遅筋繊維は増えると、より多くの脂肪を燃焼することができるため、太りにくい体が得られます。太りにくい体とは、脂肪の燃焼が促進され、効果的にダイエットができることです。そして、ダイエット後にも、リバウンドする可能性が減ります。あくまで、どんな体になりたいかにもよりますが、速筋を鍛えるより遅筋を鍛えた方が女性にはメリットが大きいかもしれませんね。
遅筋の鍛え方①:筋肉トレーニング
速筋繊維を鍛える際に無酸素運動が必要なのと違って、遅筋線維を鍛えるには有酸素運動が必要不可欠です。遅筋線維には小さいパワーを、継続して長い時間力を供給できるという特徴があります。そのため、トレーニングの中にも、小さい負荷で、長い時間体を動かすエクササイズが必要です。
遅筋を鍛えるためには、ある程度のトレーニングが有効的です。でも、ただ重いものを持って筋肉を鍛えても意味がありません。注意したいのは、筋力をつけるのではなく、持久力をつけるということです。遅筋をしっかり鍛えるには、小さい負荷で、ゆっくり長時間行うことが重要です。
遅筋の鍛え方②:体幹トレーニング
体幹トレーニングは効果的です。最近、よく聞く言葉ですが、体幹とは、一般的に胴体の部分を示します。遅筋繊維は胴体部分に多く、トレーニングによって姿勢が矯正されて、体内の筋肉も効果的に強化することができるそうです。
サイドブリッジ
ここでは、3つの体幹トレーニングをします。1つ目は、サイドブリッジです。3つとも、特に準備など無しにどこでも出来るのでおすすめです。やり方は、床にマットなどを敷いて横むきに寝ころび、下にある肘を立て、腰を浮かして体を一直線にキープします。
フロントブリッジ
2つ目に、フロントブリッジのやり方です。うつ伏せになる状態で寝て、腕を肩幅分広げて軽く上体を起こします。腕の角度は90度をキープし、足はつま先で軽く上体を起こします。
バックブリッジ
3つ目に、バックブリッジのやり方です。自然な状態で手を地面に置き仰向けに寝て、肩幅に足を広げます。肩甲骨を支点に、太ももとお腹の筋肉を使いながら、肩から膝までが一直線になるように骨盤を浮かします。
遅筋の鍛え方③:ランニング
小さい負荷でゆっくり長時間行なうと効果がでるスポーツとして、ランニングが挙げられます。ランニングは、小さい負荷のかかる有酸素運動なので、ある程度の時間を行なうと遅筋を鍛えることができます。ある程度の時間といっても、実際にはランニングをどのくらい行なったらいいのでしょうか?
目安として、最低20分以上と言われています。有酸素運動では、主にエネルギー源に脂質を使いますが、脂質を燃焼するためには、最低でも、ランニングを20分程度は行なわないと効果がないと言われています。ただ、時間だけ長くやっていても効果がありません。毎日、短時間でも良いので、ランニングを定期的に続けることで効果がでてきます。
遅筋の鍛え方④:サイクリング
また、ランニング以外にも鍛える方法があります。もし自転車があるのであれば、坂道のある自転車をゆっくりと走ってみるのも良いでしょう。家から仕事先や学校が近い場合は、自転車を利用して通ってみるのも良いかもしれませんね。
遅筋の鍛え方⑤:水泳
また、暑い夏や寒い冬などに外でエクササイズをしたくない人は、ぜひジムなどの屋内プールで泳いでみるのもいいと思います。水泳は、ほどよく遅筋を鍛えてくれます。他のエクササイズと同様に、思いっきりバタ足するのではなく、ゆったりとクロールや平泳ぎをしてみましょう。また、水中ウォーキングも効果があります。
遅筋の鍛え方⑥:プロテインを摂取
プロテインと聞くと、よくボディービルダーの人達が飲んでるイメージがありますよね?何となく、プロテイン=速筋を鍛えるためのものと思っている人も多いと思います。でも、実は、速筋も遅筋も同じ筋肉であり、原材料はタンパク質です。どちらの筋肉を鍛えるにしても、タンパク質の必要量に差はありません。
プロテインは、筋肉を増強するためのサプリメントではなく、あくまでタンパク質を摂るための栄養補助的なものです。そのため、タンパク質を摂取できるプロテインは、私達の体にとって大切です。マラソン選手などの場合は、一般人の2倍以上のたんぱく質が必要だと言われています。タンパク質を食事だけから必要量だけとろうとすると、脂質なども一緒に摂取することになり、太りやすく持久力が欠けてしまいます。そのため、トレーニングを平行してプロテインを摂取しています。
ちなみに、プロテインには色々種類があります。日本で売られているものは、動物性のホエイプロテインやカゼインプロテイン、植物性のソイプロテインなどがあります。ホエイプロテインは、強く筋肉質な肉体を手に入れたい人におすすめです。カゼインプロテインは、ダイエット時の間食や、タンパク質を補給したい際に摂取してみましょう。
ソイプロテインは、満腹感が持続しやすいです。健康維持や美容促進をしたい方にもおすすめです。女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンが入っているので、摂取し続けることで、肌の張りを保つ効果もあります。
遅筋の鍛え方⑦:正しい姿勢
上記に、遅筋繊維は胴体部分に多いというのをお伝えしましたが、同じ姿勢を長時間保つことで、遅筋を鍛えることができます。ただし、同じ姿勢といっても、正しい姿勢ポジションであることが条件です。
鍛え方によって遅筋繊維と速筋繊維の割合は変わる?
残念ながら、鍛え方によって遅筋繊維か速筋繊維のどちらかの割合を増やすことはできません。遅筋繊維と速筋繊維の割合は、遺伝的な影響が強く、ほぼ生まれながらに決まっています。でも、最近の研究では、遅筋線維を鍛えることで、結果として速筋繊維が細くなるため、相対的に遅筋線維の割合が増えてくるという結果もあります。なので、可能性をあきらめずに、遅筋繊維を効果的に鍛えて細マッチョを目指しましょう!
まとめ
今回は、遅筋の鍛え方をメインに紹介してみました。マッチョまでいかなくても、細マッチョ体形を目指したいのであれば、ぜひ今日からでも遅筋トレーニングを始めてみてはいかがでしょうか?