生け花の基本、道具、やり方など。簡単なコツやルールは?
生け花と言うと花嫁修行のようなイメージがありませんか?ちょっと敷居が高くて格式がある感じ?でも、案外簡単に始められるんです。基本のやり方や道具、お花を長持ちさせる方法とか、簡単なコツやルールなどなど。ちょっとしたコツをご紹介します。また、簡単に始められる生け花教室もご紹介します。
【生け花の基本、道具、やり方など】1.生け花の歴史
まずは生け花の基本の基本。生け花の歴史からご紹介します。生け花は、日本の伝統芸能のひとつで、約500年ほどの歴史を持ちます。花を生け始めたのは、仏教伝来の時代。平安時代には一輪差しを楽しむように花器なども作られるようになりました。生け花が「華道」として芸能文化となったのは室町時代の中期からだと言われています。
日本家屋の原型とも言われている書院造りにある床の間に飾る「たて花」というのが今で言う生け花の原型だそうです。明治時代には、京都の女学校で華道を教育として教えられていたそうです。そのため、男性よりも女性の方が生け花をするイメージが強いようですね。
【生け花の基本、道具、やり方など】2.基本の道具
生け花を始めるには道具が必要です。どんな道具が必要なのでしょうか?まずは、花ばさみです。そして、花器と剣山が必要です。もちろん生けるお花が必要になります。
【生け花の基本、道具、やり方など】3.あると便利な道具
基本の道具が揃ったら、次はあると便利な道具です。花木の枝が太い場合に必要になる生け花用のこぎり。花が倒れないように束ねるワイヤーや折れた茎を補強するフローラルテープ。花の茎を水切りするための水切り用ボール。花器に水を入れるためのじょうろ。剣山の針が折れたら立て直すための剣山おこしなどです。
教室で生け花を習って、そのお花を自宅に持ち帰る場合には、花合羽や花袋などがあると便利です。また、エプロンなどもあると便利です。生け花はお花を水を扱うので案外汚れます。座って生ける場合は、ギャルソンタイプの長いエプロンがよいです。
【生け花の基本、道具、やり方など】4.生け花の流派
よく耳にする生け花の流派ですが、三代流派と呼ばれている流派があります。「池坊(いけのぼう)」「草月流(そうげつりゅう)」「小原流(おはらりゅう)」です。そのうち池坊とは、池のほとりにきょじゅうしている僧侶が多く、その僧侶によって華道は確立されたからだと言われています。また、池坊が一番古い流派でもあります。それぞれの流派によって、受けづかれてきた理念や技法が違います。どの流派が簡単か?と言う視点ではなく、どんな生け花を習いたいかで流派を選ぶとよいですね。
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【生け花の基本、道具、やり方など】5.池坊生け花のやり方
一番古い生け花の流派です。池坊のルールは、立花、生花、自由花という決まった形にそって生けるのがコツです。一般的には、古典的や保守的などの印象が強いです。資格などたくさんあるので、華道を極めたい方におすすめです。
【生け花の基本、道具、やり方など】6.草月流生け花のやり方
草月流は、池坊に比べるとかなり自由な生け花になります。草月流では、「生ける」と表現せず、「造形る」などと表現しています。花器も多様なものがあり、ルールはあまりなく個性を生かして好きなように生けることがコツです。芸術的な華道を目指したい方におすすめです。
あの独創的で華やかなお花を生けられる勅使河原省吾さんは、元々は草月流の華道家だそうです。確かに堅苦しいルールにとらわれることなく自由に芸術的に表現されていますよね。
【生け花の基本、道具、やり方など】7.小原流生け花のやり方
小原流は、19世紀末に盛花(もりばな)という新しい形の生け花を作り出した小原雲心(おはらうんしん)の流派で、近代生け花の道を開いた流派とも言えます。盛花のコツは、口の広い花器に盛るようにお花を生けていくので、面的な広がりを特徴としています。ルールに縛られることなくいろんな表現方法があり、生活空間にいかせる生き方を学びたい方におすすめです。
【生け花の基本、道具、やり方など】8.花を長持ちさせる方法
生け花は、生のお花を扱っているので、花の寿命があります。でも、きれいに生けたらなるべく花を長持ちさせたいと思うのはみなさん同じですよね。そこで、簡単に花を長持ちさせるコツをご紹介します。
置く場所
お花が枯れてしまう原因は、生けたお花が置かれている場所の環境が大きな要因となります。温度や日当たりなど。まずは、生け花を長持ちさせる環境をしっかり確認しましょう。お花によって太陽を好むお花もあれば、風通しのよい日陰を好むお花もあるので、それぞれの特徴をしっかりと把握して場所を確保すると長持ちします。
細菌予防
お花の切り口から細菌が入ってくることがあり、そのため花が長持ちしないこともあります。細菌予防として簡単な方法は、茎を切る時には、やや斜め気味に切り、水を吸い上げやすいようにします。細菌予防としては、切った切り口を少し火で炙ると殺菌になります。コンロの火などでもよいので軽く炙ります。教室で習っている時にはなかなかできませんが、お家に持って帰ってきてから再度少し短く切ってコンロで炙っても大丈夫です。
また、漂白剤を入れると長持ちすると言われていますが、漂白剤の目安としては、1リットルほどの水が入る大きな花器に対して5滴ほどで大丈夫です。漂白剤で殺菌作用がありますが、いれすぎはだめです。
こまめに水を変える
花を長持ちさせる方法として、お花のお世話をしてあげることも大切です。生けているお花のお水をこまめに変えましょう。その際に花器や花瓶などもきれいに洗います。水に使っている部分の茎も洗います。水の吸い上げをよくするために水の中で茎を少し切るのもよいです。
栄養を与える
花にも栄養が必要です。お水だけでは栄養不足だと思う場合は、延命剤などの栄養剤を入れるのもよいですが、簡単な方法として、おうちにあるお砂糖などをいれても大丈夫です。お砂糖を入れる場合は、水1リットルに対して20gほどで大丈夫です。水の量に対して2%ほどのお砂糖をいれましょう。お砂糖を入れる場合は、細菌にも栄養を与えてしまうことになるので、その場合は細菌予防をしっかりとしましょう。
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【生け花の基本、道具、やり方など】9.生け花教室の選び方
生け花はなかなか自己流では上手になれないので、教室に通うことをおすすめします。先述した三代流派のどれかの教室を選ぶのがよいです。と言うのも、この三代流派の教室で習っていれば、もしも引っ越しなどをする場合、引っ越し先でも教室を見つけやすいからです。
生け花の教室は、最初はカルチャーセンターなどで習い始めるのがよいかもしれません。もしも生け花の先生のところで習う場合には、いろいろとルールがあるので、そのルールに従うのが大変かもしれません。特に花展のチケットを購入したり、お礼やお年賀など、先生に対してのルールをよくわかってからの方がよいかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?生け花と一言で言ってもいろんな流派があります。一番古い池坊から草月流、小原流と。それぞれに生け方やルールなどが違うので、自分の目的に合うように流派を探して習い始めるのがよいですね。また、教室は、まずはカルチャーセンターなど気軽に行けるところから始めるのが簡単でよいです。必須道具を用意したらあとは生けるだけ!自分の感性を十分に生かして、素敵なお花を生けてみてくださいね。