のび太やジャイアン、スネ夫など、メインキャラクターのクラスを受け持つ担任の先生です。校内・校外問わず、教え子が悪いことをしていたら叱る、生徒に対して正面から向き合う昔ながらの教師タイプですね。
今のところ判明している家族は母親のみ。先生の母親の年齢を考えるに、父親は死別の可能性が高いですね。先生自身の配偶者や子どもの存在は確認されていません。後ほど紹介しますが、離れて暮らす一人暮らしの母の元へ行こうとする話があります。このとき、先生は自分の一存と気持ちで、今住んでいる家や土地を手放そうとしているので、まだ独身の可能性が高いですね。
公式サイトでも「学校の先生」という表記のされ方をしていて、モブだから名前はないか……と思いきや、実はアニメ限定で先生の名前が決められていたよう。
原作である漫画では先生の姓名は出てきていないのですが、日本テレビで放送していたアニメでは苗字を「我成」、テレビ朝日では苗字を「先生」とされていたのです。アニメ版で話を進めるうえで必要になったのかもしれませんね。
下の名前に関しては「えいいちろう」だそう。先生と先生の母親のお話で、そう呼ばれているシーンがありました。現在、アニメが放送されているのがテレビ朝日なので、現状のフルネームは「先生 えいいちろう」ですね。変わった苗字ですが、実は「先生」という苗字の方は本当にいて、読み方は「せんじょう」となりますよ。
先生でも親でも子どもでも、むやみに人を殴るのはあまりいいことではありませんが、ドラえもんが連載していた昭和期では、いたずらっ子を先生が叩くということは実際あったそう。ドラえもんの先生はその時代の先生らしい面を持っているので、現在では体罰と言われてしまうような行いをすることもあります。
漫画やアニメではお馴染みとも言える、廊下に立たせるシーン。これも実際にやったら体罰にあたるのだとか。学校教育法という法律によれば、立たせるという行為を長時間強いることが体罰なのだそうです。
怪我をしない程度に小突いたり、手を叩いたりするのは、体罰の一歩手前、不適切な行為に値するそう。もちろん、これが頭や頬、また叩く力強かった場合は体罰ということになりますが、廊下に長時間立たせることが体罰に値するというのは、やはり時代の流れと言えるのではないでしょうか。
生徒を殴ったり、廊下に立たせるといった、現在では体罰にあたるような行いや、厳しい言葉、指導をすることもある先生ですが、その心には生徒を立派に育てようという気持ちがあるのです。
先生のいいところは、ただ「恐ろしい」わけではないところ。のび太たちを叱るのにはきちんと理由がありますし、それは決して理不尽なものではないのです。それに、テストで0点ばかりののび太を見捨てることなく、先生は毎回毎回叱ります。叱ることは労力と時間を使いますが、先生は毎度きちんとのび太と向き合うのです。
厳しい言葉と行動が目立つ人物ではありますが、生徒のことを気にかけていなければ、きっとそんなことはしません。先生の厳しさは、教え子に対する強い想いや愛情があるからこそだと考えられます。のび太たちが先生のことを嫌いにならないのには、そういった理由もあるのではないでしょうか。
真面目で厳しい先生。いつもテストが0点ののび太を叱りますが、その原因の一因は先生にある可能性も。単純な作画のミスなのかどうかはわかりませんが、合っている回答に対してバツがつけられることもあります。実際テストでこんなことをされたらすぐに先生に申し出ますよね。
他にも、のび太が毎回テストで0点をとる理由として、問題がいやに難しいことも考えられます。漫画やアニメで、のび太の宿題やテストを確認することができますが、「そんなものに答えはあるのか」「小学生が答えられないだろう」といったようなものが多いのです。
作者や制作側の遊び心ではあると思いますが、ドラえもんの世界でこのテストを作り宿題を出しているのは間違いなく「先生」。そのことを考えると、のび太がテストで0点な理由は先生によるところが大きい気もしてきますね。
体罰のような行い、厳しい態度が特徴的な先生。しかし、彼の教師としての資質は非常に高いのではないでしょうか。先生は、のび太たちのことを責任持って担当すると宣言するのです。卒業するまで担任でいると言った彼の言葉には、教師としての生きがいや、生徒に対する愛情が見え隠れしています。
よく怒られるのび太やジャイアン、スネ夫も、先生に対して嫌な態度を見せることもあまりなく、それは先生が持っている「愛情」や「一生懸命さ」が伝わっているからではないでしょうか。どんなに厳しくても、自分のためにやってくれていることというのは自然とわかるものです。
たった数年しか付き合わない教え子を、立派な人間にするため全力を尽くせる先生は、とてもいい教師だと思います。生涯「先生」というものが似合う人物でもありますね。
「目が前向きについているのはなぜだと思う? 前へ前へと進むためだ!」
とても素敵な言葉ですよね。そんなわけはないとわかっていても、失敗を引きずってばかりいないで、次のために何ができるか考えようという前向きさと元気をもらうことができます。
この言葉は、テストで0点ばかりとるのび太に、とってしまったものは仕方がないとして、それを悲しむばかりではなく、次いい点をとるため頑張れと投げかけたセリフだとは思いますが、社会に出てうまくいかないことに頭を悩ませる人にも当てはまる言葉だと思います。
過去を反省することは大事ですが、気持ちの面で、きちんと未来に向かっていくことも大事だと考えさせられますね。
「ドラえもんに出てくる先生」と言われたときに、このセリフを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。先生のクラスにはのび太・ジャイアン・スネ夫と言った問題児も多く、自然とこのセリフが増えてしまうのかもしれませんが、実に印象的ですよね。
お決まりのセリフや行動があるのは、キャラクターにとっては強みです。何かがあってのび太がドラえもんに泣きつくシーンというのも、お決まりのパターンで読者や視聴者にわかりやすく、キャラクター性を掴みやすくあります。先生のこのセリフも、先生の性格がよくわかる言葉で、先生・のび太・ジャイアン・スネ夫のなかでは、その関係性や仲を表すセリフとなるのではないでしょうか。
最初に、先生の声を担当したのは加藤修さん。当時は「修」表記でしたが、現在は「治」表記となっています。同一人物なのでまとめて表記してしまいましたが、実はこの加藤さん、後々先生の声を担当することになる沢りつおさんと井上和彦さんの間でもう一度、加藤治名義で先生の声を担当しているのです。
また、加藤さんは兼ね役としてスネ夫の父親の声を担当していたこともあります。最初期の先生はスネ夫に甘いところもあったので、そういったところをキャスティングに反映していたら面白いですよね。
加藤さんは俳優として多くのテレビドラマに出演していますが、声優として有名なのは『美味しんぼ』に出てくる「富井副部長」ではないでしょうか。先生とは似ても似つかない非常に高い声色が特徴的なキャラクターですね。
加藤さんの次に先生の声を担当したのは雨森雅司さん。名作アニメの脇役としての声優出演が多く、昔のアニメをたくさん観ている人は、どこかで聞いている可能性が高い方ですね。
雨森んが声優として担当した代表キャラクターといえば『天才バカボン』に登場する「バカボンのパパ」。主人公であるはずのバカボンを差し置いて登場が多く、主人公のような立ち位置のバカボンパパの声を担当していたよう。他にも昔懐かしい『のらくろ』や『ど根性ガエル』にもメインキャラとして出ていますよ。
雨森さんの次に先生の声を担当したのは沢りつおさん。声優の仕事では吹き替えが多い沢さんですが、現在の若者向けアニメにも登場するなど活躍の場はとても広いようですね。
沢さんといえば、仮面ライダーやウルトラマン、戦隊モノといった特撮作品での怪物役。仮面ライダーシリーズの怪人が多いですが、特撮全般で怪人や怪物が多いです。また同じ作品内でいくつもの怪人役と担当していますので、昭和ライダー世代には馴染み深い人物でもありますね。
加藤治さんが二度目の先生を担当したのち、先生を担当することになったのは井上和彦さん。同一作品内で、かっこいい声、裏声を使った高いコミカルな声など、二面性を表すキャラクターの声を担当することも多い人物です。
多くのアニメ作品に出演している井上さんの有名な作品といえば『NARUTO』に登場する「カカシ先生」ではないでしょうか。『NARUTO』も長い間テレビ放送されていましたが、声優はずっと井上さんが担当。他には『夏目友人帳』の「ニャンコ先生」を担当するなど、意外と先生キャラに縁に縁のある方ですね。
ドラえもんに登場する先生の声と言われて想像する方が多い人物かもしれません。井上さんのあと、実に20年以上もの間「先生」の声を担当していた声優、田中亮一さん。一定年齢以上は、現在先生の声を担当している高木さんより馴染み深い方になるのではないでしょうか。
『ONE PIECE』や『名探偵コナン』など、長期放映作品に多く出演している田中さん。そんな田中さんの代表作といえば、やはり『デビルマン』ではないでしょうか。テレビアニメ版で主人公不動明の声を担当してしました。
2018年より動画配信サイトで公開されたデビルマンの新作『DEVILMAN crybaby』のCMではナレーションを担当していますよ。
現在、先生の声を担当しているのは高木渉さん。声優だけではなく俳優としても活躍し、大河ドラマや朝の連続テレビ小説などにも出演するなど、俳優としての演技力も高い方ですね。
高木さんの代表キャラクターといえば、自身と同じ「高木渉」という名前がつけられた『名探偵コナン』に登場する刑事「高木」ではないでしょうか。高木さんの名前は知らないけれど、高木刑事の名前は知っている、という方もいらっしゃるかもしれませんね。ちなみに高木さんは元太の声も担当していますよ。
他には『NARUTO疾風伝』では「うちはオビト」、話題を呼んだアニメ『ポプテピピック』では「ピピ美」を担当。高木さんがどのピピ美を担当したのかはぜひ観て確かめて観てください。高木さんの声は非常にわかりやすいので、今後ドラマやアニメで聞いているうちに気づくこともあるかと思います。
いつものように遅刻をして学校に着いたのび太。しかし、先生はいつものように叱ることも廊下に立たせることもなく、すぐに席に着くよう促します。ジャイアンが教科書を忘れ、授業とは別の教科の教科書を借りて呼んでも、叱ることなく笑って諌める先生。そんな先生に違和感を感じたのび太は、先生が転任してしまうことをしずかちゃんに知らされます。
先生の転任の噂を聞いたのび太たちは先生の家を訪れますが、話すことはないと帰されてしまいます。そこでのび太は、鏡に取り付けるとつい自分の本心が漏れてしまうホンネミラーを先生の家の鏡取り付けることに。先生が本当は転任したくない、卒業まできちんとのび太たちのことを見守りたいと泣く姿は、先生のみんなへの強い想いを感じることができ、涙を誘います。
映画のび太の結婚前夜/ザ☆ドラえもんズ おかしな お菓子な オカシナナ?/ドラミちゃんアララ少年山賊団!【映画ドラえもん30周年記念・期間限定生産商品】 [DVD]
価格
¥ 1,682
自分が本当にしずかちゃんと結婚できるのか不安になったのび太は、タムマシンで結婚式が行われる未来に行くことに。しかし、実際着いたのは結婚式の前日。ドラえもんのミスで前日ののび太としずかちゃんの様子を見守ることになったのび太は、そこでしずかちゃんの想いや、成長したみんなの姿を見たのです。
ジャイアンの家で、出木杉・スネ夫とともにお酒を飲んでいたのび太。翌日が式当日ということもあり、一足先に帰ったのび太が途中で先生と会うのですが、昔ののび太を懐かしむ様子に、のび太と先生の変らない絆を感じ、先生の年老いた先生の様子や、先生に自分のジャケットをかける場面ではのび太の成長、そして時間の流れを感じることができます。
立ち去ろうとするのび太に先生がかけた「遅刻するんじゃないぞ」のセリフは、先生にとって最後の先生らしい愛情だったのではないでしょうか。
登場回数が非常に多いわけではないですが、とても印象に残る「先生」。厳しさの裏に愛情を感じることができる古風なキャラクターですね。漫画版とアニメ版では先生の態度が多少違っていたりもするので、見比べてみても楽しいかもしれませんね。