叙述トリックの名手「折原一」
1951年、埼玉県出身の「折原一(おりはらいち)」は叙述トリックに定評のあるミステリー作家です。叙述トリックとはミステリー小説などで使われるテクニックのひとつで、意図的に情報を伏せることで読者の先入観や事実とは違う解釈を誘い、物語の終盤、伏線の回収で読者に驚きを与えるというトリックです。つまりは物語の最後で大どんでん返しや驚く展開を作るのが秀逸であるという見方もできます。そんな「叙述トリックの名手」折原一のおすすめ代表作/最新刊は何なのか?
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【叙述トリックの名手】折原一の代表作/最新刊おすすめランキング:【第7位】黒い森
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「ミステリー・ツアーの目的地で待っている」駆け落ちする二人の恋人に、同じ内容のメールが届いた。行き先は、樹海の奥、作家が家族を惨殺したと伝えられる山荘。ツアー客が一人、また一人と樹海の闇に消えてゆく中、恋人が待つ目的地へ辿り着けるのか? そして山荘の固く閉ざされた一室で待つものとは……。
「黒い森」は作家・佐野洋が絶賛したことからも分かるように高い評価を受けている作品です。黒い森の最大の特徴は、前と後ろどちらから読み始めてもよいというところにあります。「生存者」と「殺人者」それぞれの視点の章と「解決篇」からなる3部作で構成されていて、解決篇は袋とじになっているなど、新しい試みが見られます。珍しい小説という意味でも「黒い森」をおすすめします。
黒い森 (祥伝社文庫)
価格
¥ 710
【叙述トリックの名手】折原一の代表作/最新刊おすすめランキング:【第6位】潜伏者
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少女連続失踪事件にまつわる奇妙な小説。証拠不十分ながら服役した容疑者が出所し──。折原ワールド全開の傑作長編ミステリ!
大人気「〇〇者」シリーズは実際にあった事件をモデルに作られています。「潜伏者」は北関東連続幼女誘拐殺人事件を元に作られており、話しの前半は事件をなぞるように進んでいきますが、小説の後半からは折原一らしい叙述トリックが用いられています。「潜伏者」は主人公・笹尾、少女連続失踪事件の容疑者、被害者家族、謎の小説家などそれぞれの思惑が入り混じりながら驚きの結末まで進んでいく。読み終わった時にタイトルが「潜伏者」の意味が分かることでしょう。
潜伏者 (文春文庫)
価格
¥ 842
【叙述トリックの名手】折原一の代表作/最新刊おすすめランキング:【第5位】逃亡者
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時効直前で逮捕された「松山ホステス殺人事件」の福田和子をモデルに、魔術師・折原氏ならではの四転五転のトリックが冴える叙述ミステリー。
「逃亡者」は実際にあった「松山ホステス殺人事件」の福田和子をモデルに作られた作品です。逃亡者というタイトルからも分かるように本作品は主人公である逃亡者・友竹智恵子が警察から逃げる逃走劇がメインの話しになっています。折原一らしい叙述トリックは他の作品と比較すると控えめかもしれないが、手に汗握る展開の連続でサスペンスとして高いクオリティーを誇ります。叙述トリックが苦手な人や、サスペンスが好みな人に「逃亡者」はおすすめの1冊です。
逃亡者 (文春文庫)
価格
【叙述トリックの名手】折原一の代表作/最新刊おすすめランキング:【第4位】冤罪者
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一つの証言で「連続暴行殺人魔」河原輝男の控訴審は混迷していく。やがて新たな惨劇がはじまった。冤罪事件の闇を描く傑作推理
「冤罪者」は直木賞候補に選ばれ、惜しくも受賞は逃してしまったが、傑作ミステリーであることには変わりありません。冤罪者は実際にあった首都圏女性連続殺人事件をモデルに折原一らしい叙述トリックが用いられています。ノンフィクション作家・五十嵐は連続暴行殺人魔・河原輝男によって婚約者を亡くしてしまう。その犯人とされる河原輝男から冤罪を主張し助けを求める手紙が届くが、到底受け入れることができない五十嵐。彼が犯人でなければ誰が犯人なのか?この後、話は二転三転し手に汗握るサスペンスが繰り広げられる。「冤罪者」はミステリー小説として完成度の高い作品。
冤罪者 (文春文庫)
価格
【叙述トリックの名手】折原一の代表作/最新刊おすすめランキング:【第3位】沈黙の教室
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何者かが不気味な恐怖新聞を発行し、つぎつぎと粛清の対象を指名していく。そして行なわれる残酷ないじめ。やがて20年がたち、クラスの同窓会の告知が新聞に載った時、報復を誓う者による大量殺人計画がひそやかに進行しはじめた!
「沈黙の教室」は日本推理作家協会賞長編賞受賞作で、名実ともに人気ミステリー作家の地位を確固たるものにした
折原一の代表作のひとつに挙げられます。20年の時を行き来し、色々な視点から話が進められるので、ストーリーは少々複雑かもしれないが、日本推理作家協会賞長編賞を受賞したことからも分かるように高い評価を受けている作品で、700ページにもなる大作小説だが続きが気になる展開でサクサクと読めてしまう。折原一は「叙述トリックだけではない」ということを示した本格サスペンス小説。
沈黙の教室 (ハヤカワ文庫JA)
価格
【叙述トリックの名手】折原一の代表作/最新刊おすすめランキング:【第2位】倒錯の死角
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覗く男と覗かれる女究極の折原マジック ベットの上にのびた恍惚の白い脚──男の妄想が惨劇を呼ぶ!
「倒錯の死角」は覗く男・大沢、覗かれる女、女の日記を盗み見た泥棒・曽根の3つの視点からなる叙述トリックの傑作ミステリー。それぞれの視点からなる点と点が交差しながらひとつの真実に向けて1本の線になる。伏線回収しながら二転三転するストーリー展開でハラハラドキドキしながら読むことができるサスペンス要素が強めの折原一作品です。
倒錯の死角 (講談社文庫)
価格
¥ 750
【叙述トリックの名手】折原一の代表作/最新刊おすすめランキング:【第1位】倒錯のロンド
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精魂こめて執筆し、受賞まちがいなしと自負した推理小説新人賞応募作が盗まれた!? ──その“原作者”と“盗作者”の、緊迫の駆け引き。巧妙極まりない仕掛けとリフレインする謎が解き明かされたときの衝撃の真相。
「折原一の代表作/最新刊おすすめランキング」第1位に選ばせてもらったのは「倒錯のロンド」です。緻密なストーリー構成、終盤の伏線回収とどんでん返し、どれをとっても折原一らしい叙述ミステリーの最高傑作です。ミステリー小説の重鎮「島田荘司」が「驚嘆すべき傑作」と賞替するほど、高い評価を受けている作品です。
倒錯のロンド (講談社文庫)
価格
¥ 691
【叙述トリックの名手】折原一の代表作/最新刊おすすめランキング:【最新刊】双生児
引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51Udyjbpp9L._SX343_BO1,204,203,200_.jpg
安奈は、自分にそっくりな女性を町で見かけた。それが奇怪な出来事の始まりだった。後日、探し人のチラシが届き、そこには安奈と瓜二つの顔が描かれていた。掲載の電話番号にかけるとつながったのは…
折原一最新刊「双生児」。研ぎ澄まされた折原一の叙述トリックはデビューから30年経った今でも健在です。目まぐるしく変わる展開と伏線を回収しながら着地する結末は流石の一言。「ダーク・サスペンス」という言葉がピッタリな上質なサスペンス小説です。
双生児 (ハヤカワ・ミステリワールド)
価格
¥ 1,944
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【折原一 代表作/最新刊おすすめランキング|潜伏者/冤罪者/黒い森/逃亡者など!】まとめ
・【第1位】倒錯のロンド
・【第2位】倒錯の死角
・【第3位】沈黙の教室
・【第4位】冤罪者
・【第5位】逃亡者
・【第6位】潜伏者
・【第7位】黒い森
折原一作品のほとんどに叙述トリックが用いられ、叙述トリック・ミステリーの大御所「折原一」は普段小説を読まないような人でも謎が謎を呼び、気になる展開の連続で、スラスラと読める作品が多いのでおすすめできます。一歩間違えると安っぽくなってしまう叙述トリックをここまで昇華させたのは紛れもなく折原一の力量でしょう。