映画『君の名は。』
『君の名は。』は2016年8月26日に公開された新海誠監督による長編アニメーション映画です。全国約300スクリーンで公開され、興行収入250億円を超える大ヒットを記録し歴代興行収入ランキングで第4位にランクインしました。劇中の音楽は全てRADWIMPSが手掛けており、テーマソングとなった『前前前世』は作品の内容にとてもよく合うと話題になり大人から子供まで大人気の楽曲となりました。
そして映画『君の名は。』は世界にも進出し、125の国と地域で公開が決定しています。その興行収入は歴代トップであった『千と千尋の神隠し』の2億7000万を超える2億8000万円を記録し、日本映画として史上最高記録となりました。
『君の名は。』の概要
映画『君の名は。』は東京という都会で暮らす少年・瀧と飛騨の山奥で暮らす三葉に起きた『入れ替わり』という謎の超常現象、そして1200年ぶりに地球に接近するという架空の彗星『ティアマト彗星』をめぐる出来事を描いた作品です。
【ネタバレ】『君の名は。』のあらすじを一言でまとめると
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『君の名は。』のあらすじをすごく簡単に一言でまとめると、『少年少女が入れ替わり落ちてくる彗星から街の住人を救ったのに、お互いの名前や存在を忘れしまうがまた出会えた。』というお話ですが、これだけでは内容が全くわからないのでここから簡単にあらすじをまとめて解説していきます。完全にネタバレになりますので映画をまだ見ていない方はご注意下さい!
【ネタバレ】『君の名は。』のあらすじ①
他人の人生の夢
電車から降りるときに一人の青年に対して「名前は三葉!」と叫んだところで夢から目覚めた宮水三葉。自分の身体に胸がることを確認したとき、妹の四葉に「お姉ちゃん」と呼ばれ三葉は驚きました。
着替えて朝食を取り始めた三葉は祖母と四葉から昨日はの様子がおかしかったことを告げられ、さらには通学途中で出会った友達・勅使河原克彦(テッシー)と名取早耶香(サヤチン)にも同じことを言われてましたが三葉には何の事だかわかりませんでした。
引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51JpGgD%2BcsL.jpg
通学途中、現在の糸守町の町長であり三葉の父親でもあるとしきが選挙の演説をしているところに遭遇します。しかし、父・としきはテッシ―の父親が営む土木会社との癒着疑惑が囁かれていて、一部の町民からは白い目で見られているため、三葉は父親のことを避けています。
授業で『片割れ時』の説明をされているとき、三葉は自分のノートに汚い字で書かれた『お前は誰だ?』という文字を見つけます。さらに昨日の三葉は名前も覚えておらず、記憶喪失のようだったと知らされた三葉は、自分も誰か別の人の人生を過ごしていたような気がしました。
その夜、三葉は自分の家系である宮水神社の巫女として『口噛み酒』の儀式を行います。しかし米を噛み自分の唾液と混ぜ、それを吐き出し酒を作るというこの儀式は同級生たちにからかわれ、三葉には苦痛でした。そして来世は東京のイケメン男子に生まれ変わりたいと叫び、願っていました。
【ネタバレ】『君の名は。』のあらすじ②
入れ替わりは夢じゃなかった
翌朝、三葉は目を覚ますと知らない部屋で瀧と呼ばれている男の子の身体になっていました。あまりにもリアルすぎる夢に戸惑いながらも制服に着替えて外に出た三葉は、この場所が憧れの東京であることを知ります。迷いながらも瀧という少年の通う高校に到着し、何とか学校を終えて誘われるがままにカフェでパンケーキを食べ、なりゆきでバイトしているというレストランで働きます。
変にリアルな夢だったと考えているうちに夢のはずなのに眠くなり、目が覚めると二人は元に戻っていました。しかし周囲の反応や日記の記録で度々起きていたこの入れ替わりが夢ではなく現実だと理解します。
瀧と三葉は週に2、3回入れ替わるようになりますが、目が覚めると入れ替わっていたときの記憶が段々不鮮明になってしまいます。なので二人はお互いの生活を守るためにルールを決め、その日にあった出来事を日記に残すことを約束しました。そして入れ替わる生活をやがて二人は楽しんでいくようになりました。
【ネタバレ】『君の名は。』のあらすじ③
結び
ある日、三葉に入れ替わった瀧は四葉と祖母と共に宮水家の御神体がある場所へ向かいます。そこは街から遠く離れた大きなクレーターのような窪んだ場所の中心にあり、道中で祖母から『結び』という言葉を教えられました。
そして祖母に言われるがまま御神体に三葉の半分だという『口噛み酒』をお供えした三葉(中身は瀧)は祖母に『今夢を見ているね』と言わた次の瞬間、瀧の身体で目が覚めます。
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目が覚めた瀧に届く1通のメール。それは前日、自分と入れ替わっていた三葉が取り付けた奥寺先輩とのデートのことで、奥寺先輩がもうすぐ待ち合わせに到着するという内容でした。慌てて家を飛び出し初めてのデートへと向かう瀧、しかしその頃、目が覚めた三葉はなぜか涙を流していました。
【ネタバレ】『君の名は。』あらすじ④
奥寺先輩とデート
せっかくのデートなのに緊張し戸惑ってしまう瀧。まったく会話は続かず、奥であら先輩からは「ほかに好きな人がいるでしょ」と言われてしまい早々に解散となってしまいました。
三葉が残したメモには『デートが終わるころには彗星が見えるね』と書かれていました。何のことかさっぱりわからなかった瀧は三葉に電話をかけてみるも、三葉は出ませんでした。その頃三葉は長かった髪の毛をバッサリ切り、テッシ―に誘われた地元の祭りに来ていました。
三葉が見上げた空にはティアマト彗星が2つに割れ、隕石が落下しそうな光景でした。そしてこの日を境に、瀧と三葉の入れ替わりは起きなくなりました。
【ネタバレ】『君の名は。』のあらすじ⑤
糸守町探し
少しずつ三葉の記憶が薄れていく瀧は、取り憑かれたかのように三葉と入れ替わっていたときに見た飛騨の景色を画用紙に描いていました。そして瀧は入れ替わりが途切れ、電話もメールも繋がらない三葉に自身が描いた風景画を頼りに会いに行くことにします。
しかし場所の特定が出来ず、諦めかけていたときに立ち寄ったラーメン屋で紙に描かれた町が3年前にティアマト彗星の隕石が落下し500人以上の犠牲者とともに滅んでしまった『糸守町』だということを知ります。図書館に置かれていた犠牲者名簿で三葉やその家族、友達まで亡くなっていたことを知った瀧は入れ替わらなくなった日が隕石が落下した日であり、入れ替わっていたのが3年間の三葉だったことに気づきました。
【ネタバレ】『君の名は。』のあらすじ⑥
もう一度だけ
全て自分の妄想だったのかと、入れ替わりが本当に夢だったのではないかと思いはじめていた瀧が目にしたのは手首に巻かれた組紐。そして三葉の祖母が言った結びという言葉を思い出し、三葉の半分であるという口噛み酒を飲めばもう一度時間が戻り三葉との結びが起こるのではないかと考えた瀧は、翌朝宮水家の御神体のある場所へと向かいます。
御神体へと辿りついた瀧は三葉の口噛み酒を飲み立ち上がろうとした時に転倒してしまいます。そして瀧の目には天井に描かれた彗星。そして目が覚めたとき、瀧は三葉と入れ替わっていました。
【ネタバレ】『君の名は。』あらすじ⑦
最後の入れ替わり
瀧が目覚めたのは三葉の部屋で2013年10月4日、彗星の隕石が落ちる日の朝でした。祖母に三葉じゃないことを言い当てられ、さらに祖母や三葉の母親である双葉も夢で入れ替わる経験をしたことがあることを聞いた瀧は、宮水家の人たちが入れ替わる夢を見ていたのは隕石の落下を阻止するためだったのではないかと気付きます。
三葉に入れ替わった瀧は町民を隕石落下から非難させる計画を立て、テッシーとサヤチンに事情を話しテッシーは爆薬を持ち出し街を停電させ、サヤチンは学校から避難指示を放送するという計画を説明します。しかし町長である三葉の父・としきにも協力を要請するが相手にされず、頭にきた三葉(瀧)は胸倉をつかんでしまい「お前は誰だ?」と問いかけられ協力を得られませんでした。
テッシー達と合流後、三葉(瀧)はそこに居るかもしれない三葉に会いに御神体のところへと向かいます。自転車に乗り、懸命に自転車を漕ぎながら過去の記憶を思い出していました。
【ネタバレ】『君の花。』のあらすじ⑧
過去
三葉も瀧に電話やメールが繋がらず、東京に瀧を探しに来たことがありました。私たちは会えばすぐにわかると自信を持って瀧に会いに行き電車の中で瀧を見つけ、三葉は声をかけました。しかしこのときの瀧は三葉のことを知りませんでした。ショックを受けた三葉が電車を降りようとしたとき、瀧に名前を聞かれ、「名前は三葉!」と答えながら組紐を渡しました。このことを思い出した瀧は3年間のズレがあったことをようやく理解します。
隕石で死んだはず
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瀧の身体に入れ替わった三葉は護身体があるところの崖から見た景色の中に街がなくなっていることを知り、自身が隕石で死んだことに気が付きます。そして気配を感じ立ち上がると自分の声で自分の名前を呼ぶ声だけが聞こえました。
姿は見えないけれど声だけが聞こえ、片割れ時が訪れます。そして二人は時空を超えてようやく出逢うことが出来ました。瀧は3年越しで三葉に組紐を返し、名前を忘れないようにお互いの掌に名前を書く提案をします。瀧が書き、三葉が書こうとしたその時、片割れ時が終わりペンが落ちました。
【ネタバレ】『君の花。』のあらすじ⑨
名前が思い出せなくなる
「名前は三葉」。繰り返し呼びますが記憶が薄れ、名前を忘れてしまう瀧。そのころ三葉は駆け出していました。「瀧君、名前は瀧君」と何度も名前を繰り返し走り続け、テッシーと合流後、町を停電させサヤチンが避難指示を出し始めます。テッシーと三葉は祭に来ていた人たちに避難を呼びかけますが間に合いそうになく、さらにサヤチンが捕まってしまい町内放送で待機命令が出されてしまいます。
隕石落下
三葉は父親を説得するために役場へと走り出しますが次の瞬間、彗星が分裂し糸守に接近し始めます。役場へ向かう途中で転倒した三葉は瀧の言葉を思い出し掌の名前を見ます。しかしそこには名前ではなく「すきだ」という文字が書かれていました。それを見た三葉手をぎゅっと握りしめ、また駆け出し父親の元へ到着します。そして隕石落下。周囲に激しい炎が燃え広がりました。
【ネタバレ】『君の花。』の結末
5年後、2021年
5年後。ニュースでは糸守に隕石が落ちた日は避難訓練があり奇跡的に町民がほとんどが助かったと報道されていました。大学生となり就活をしていた瀧はほとんどあの頃のことを思い出せませんでした。でもなぜかあの町に惹かれ、ずっと誰かを探しているような気がしていました。偶然立ち寄ったカフェの後ろの席でテッシーとサヤチンが会話をしていましたが、瀧には2人のことも思い出せませんでした。
「君の名は?」
そんな悶々とした日々を過ごす中、瀧が乗っていた電車に併走している電車に乗っていた女性と目が合い、2人は表情が一変しました。お互いは電車を降りてお互いのことを東京の街中で探し、ようやく出会えた2人だがすれ違ってしまいます。しかし瀧が勇気を出して話しかけると、女性は泣いていました。そしてお互いがずっと探していた「誰か」であることに気づき、2人同時に声を掛けます。「君の、名前は?」
【ネタバレ】『君の名は。』のあらすじの分かりづらいところを解説!
この映画、一度観るだけでは奥が深すぎて「あれ?」となる部分が多いかと思います。筆者も1度観ただけでは全然理解できず何回も観てようやく理解した部分がたくさんありました。ここからはかりづらかった部分を解説していきたいと思います!
【あらすじのネタバレ】瀧と三葉は3年の時間のズレがあった【君の名は。】
引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41eaW0IT%2BTL.jpg
映画の中でも大事な部分となるこの部分。映画の冒頭で三葉の「東京都に住む高校3年生の同い年の男の子」というセリフが出てきます。しかしさきほどのあらすじのラストで記したように、実は入れ替わっていた2人には3年間の時間のズレがあります。つまり2013年の三葉と、2016年の瀧が入れ替わっていたことになります。
なので三葉が東京に来て瀧に出会ったとき、瀧は三葉が分からなかったんです。2016年の瀧が三葉と入れ替わっていたのですから、その3年前の瀧は三葉を知らなくて当然です。この映画は『入れ替わり』だけでなく『タイムスリップ』の要素も含まれていました。
【あらすじのネタバレ】消えるメモ【君の名は。】
なんで三葉の残したメモが消えたのか疑問に思いませんでしたか?別メモまでに消える理由は無いんじゃないのか?しかしこれは三葉が死んだことで入れ替わりがなくなり、三葉が残したのものであったから消えたと思われます。記憶自体もだんだん薄れていきますので、三葉の存在もなくなっていくということだと考えられます。
【あらすじのネタバレ】死んだはずの三葉がなんで瀧に入れ替わったのか【君の名は。】
多くの人がなかなか理解できないというのがこの部分です。入れ替わりが起きなくなり、御神体の前で転倒したときにもう1度2人は入れ替わりますが、三葉が死んだあとなのになぜ入れ替われたのか?
御神体があるクレーターのような窪みの中には、御神体を囲むかのような円形の池があります。映画の中で祖母がその池を渡るときに「ここから先はあの世」と言いました。つまり、三葉が死んだあとにもう一度三葉に入れ替わろうとした瀧は、三葉の半分である口噛み酒を『あの世』の中で飲み、あの世に居た三葉と再び結ばれ入れ替わりが起きたということです。
【あらすじのネタバレ】三葉の死んだ記憶【君の名は】
御神体の前で転倒した瀧と入れ替わった三葉は崖を登り、町がないことに気が付き、「あのとき、私、死んだの」という発言をするシーンがあります。なぜ死んだ三葉が生き返ったのか?ここが最大の疑問となる人が多いようですので、解説していきます!
上で記したように、瀧は『あの世』という場所で三葉と入れ替わり、あの世の三葉が瀧と入れ替わりました。あの世で入れ替わったということは、瀧に入れ替わった三葉は一度死んだ三葉ということになります。なので死んだときの記憶があります。そしてテッシーに隕石が落ちるのかと聞かれた際には「この目で見た」と返答しました。このセリフがあるおかげで、死んだときの記憶があることが確定していますので、あの世の三葉と入れ替わり瀧と三葉は糸守町を救ったということになります。
【あらすじのネタバレ】2人はなんで会えたのか?片割れ時とは?【君の名は。】
時間がずれているはずの2人がなんで会うことが出来たのか?これは映画の最初の方で先生が黒板で説明していました。
引用: https://www.instagram.com/p/BRdU9uihfgF/?tagged=%E7%AB%8B%E8%8A%B1%E7%80%A7
『片割れ時』の元の意味は『逢魔が時』といい、魔に会う時間、つまりこの世にいないはずのものに出逢うかもしれない時間のことを言います。瀧から見た三葉はこの世にいないはずのものであり、三葉からみた瀧も今ここにいるはずのないものです。なので2人はこの片割れ時には出会うことが出来たんですね。また先生の説明では『黄昏時』『たそ彼時』『誰ぞ彼時』『彼は誰時』などさまざまな言い方も説明されていました。
『君の名は。』は見どころが満載!
映画『君の名は。』は、男女が入れ替わったり、タイムスリップであったり、ラブコメだったりといろんな設定がてんこ盛り!観ていて飽きることのない、何度でも観られる映画です。『秒速5センチメートル』や『雲の向こう、約束の場所』など大ヒット映画を生み出している新海誠さん渾身の作品『君の名は。』のご紹介でした。