影山飛雄(かげやまとびお)はハイキューのもう1人の主人公です。烏野高校に通う1年3組の男子生徒で、男子バレーボール部に所属しています。烏野に入学した理由は「引退した鳥養前監督が復帰したと聞いたから」
身長180.6cm(のちに181.9cm)、体重66.3kg、ジャンプ最高到達点337cm、指高239cm。身長も烏野男子バレーボール部では高い方でジャンプ力もあるため、チームの中で誰よりも高い位置まで飛べる選手です。
誕生日は12月22日。この日は冬至で1年で最も夜が長い日のことです。夜が長いことと影山の「影」は通ずるものがありますよね。ちなみに主人公の日向翔陽は6月21日、夏至生まれで対になっています。
好物はポークカレー温玉のせ。運動部の男子高校生らしい好みですよね。カレーは栄養素を豊富に含んでいる健康食でもあり、ポークや卵も育ち盛りの男の子には特に必要な栄養が含まれているため、天才・影山飛雄のポテンシャルの高さは好物にも支えられているのかもしれませんね。
キリっとした目つきとうる艶サラサラ髪の真ん丸頭が特徴の影山飛雄は、かっこいいと外見でも人気が高いキャラクターです。
鋭い目つきと艶のある髪は美形の象徴です。影山は身長も高く今アニメ好き女子たちに人気の高い黒髪V字でもあるため、女性を魅了するポイントがたくさんある男の子なのです。
そのためハイキューの作中でも同学年の女子に「かっこいい」と噂されています。
選手としても外見もハイスペック男子の影山飛雄ですが、実はかわいい性格をしています。このギャップがさらに影山飛雄人気を上昇させているのです。
たとえば影山は主人公の日向や2年の田中、西谷と同じレベルで浮かれていることがよくあります。先輩が男前なセリフを言えば「かっこいい」と目を輝かせます。合宿のご褒美に肉が食べられるとわかれば喜ばずにはいられません。しかも喜びのあまり踊る日向たちを見て、影山も身体を揺らしているのです。日向たちほど感情に素直になれないけど、身体は動いちゃってるところがかわいいですよね。
また最近の悩みもかわいいです。影山は「動物に嫌われている様な気がする」ことを最近の悩みとして挙げています。バレーに関することではないというのが意外ですよね。人とコミュニケーションをとるのも笑顔を作るのも下手な不器用な影山ですが、実は周囲の反応を気にしているのです。そんな不器用なところもかわいいと多くのハイキューファンが魅了されています。
ハイキュー44巻387話で初めて影山飛雄の姉である、影山美羽は登場しました。元々は影山飛雄と同じくバレーをしていたのですが、髪をショートにしなければいけないという女子バレー部の暗黙の了解が嫌で、そのまま辞めてしまいました。
その後、ヘアメイクアーティストとして働いています。
影山飛雄のポジションはセッター(S)で、烏野での背番号は9番です。
セッターはトスを上げることが役目の選手です。トスを上げるためにはボールの下に瞬時に入り込む俊敏性や誰にボールを上げるべきかを判断するために試合全体を見渡す観察力や冷静さが特に求められます。その役回りからリーダーシップを取ってゲームメイクをする立場になることが多く、バレーボールで司令塔と呼ばれる選手はセッターであることが多いです。
パワー 4 バネ 4 スタミナ 5 頭脳 5 スピード 4
見てわかるように影山飛雄はかなりの高スペックの持ち主です。特に影山はセッターであるため頭脳が5であることは大きな武器となります。点を取れるスパイカーが打てる体勢を取っていても、そこにボールが来なければ点には繋がりません。影山が誰にどんなトスを上げるか即座に判断できるのは頭脳の優れているからなのです。
しかし残念ながらこの頭脳はバレーにしか活かされておらず、勉強は不得意で補習を受けているシーンも出てきます。ちなみに強豪校であり進学校である白鳥沢の一般入試も受けて落ちています。
影山飛雄が天才と呼ばれるのは、圧倒的なコントロール力と観察眼の持ち主だからです。持ち前の身体能力もさることながら、ずば抜けたセンスを持って正確かつ精密なトス回しができるため、周囲から天才セッターと称されています。
また影山の強さはそれだけではなくメンタル面にもあります。影山は自身のことを天才だとは一切思っておらず、周囲からの評価に驕ることなく高い志を持ってストイックに努力し続けます。決定的なタイミングでツーアタックを決められる心臓の強さも持っています。またセッターというポジションに誇りを持っていることも強さに繋がっています。
さらにはレシーブ、ブロック、スパイクもハイスペックです。加えて強烈なジャンプサーブを武器としています。セッターとしてだけではなくオールラウンドにハイスペックな力を発揮できるのが天才・影山飛雄なのです。
影山飛雄は強豪である通称「北一」と呼ばれる北川第一中学校の卒業生で、中学時代も男子バレーボール部に所属していました。先輩には青葉城西の及川徹、岩泉一が、同期には同じく青葉城西の金田一勇太郎、国見英がいます。
影山は中学時代から群を抜いて実力の高い選手でした。セッターとして試合で指揮をとる影山は、勝つことへの強いこだわりから仲間たちの能力などを無視したプレーをし自分が納得する動きをしない仲間に怒りをぶつけていました。コート上の王様というのはセッターとしての高い実力を評価したものではなく、独善的なプレーをする影山に対する皮肉が込められた異名だったのです。
その結果、中学最後の県大会決勝戦では影山が上げたトスをチームメイト全員が無視し、誰にも触れられずボールが地面に落ちるという事態を引き起こしました。その後影山はベンチに下げられてしまいます。影山はこのことがトラウマになり、その後のプレイスタイルにまで影響することになります。
実は主人公・日向翔陽と影山飛雄の出会いは、烏野高校ではなく中学3年生の時の公式戦です。影山のいる北一が勝つ結果に終わりましたが、影山は日向の高い身体能力に感心する一方で、自分の力を活かしきれていないことに怒りを覚えます。
そして試合後、日向は影山を見つけて駆け寄り悔し涙を流しながら影山にリベンジを誓うのです。
影山と日向は烏野で再会して早々いがみ合い問題を起こして体育館を出禁にされてしまいます。入部条件として日向と影山はコンビを組んで、同じく1年生の月島・山口ペアと試合することになります。そして試合中に日向・影山ペアのコンビプレーを確立させ勝利し入部が認められたのです。
烏野入学当初も独善的な性格は垣間見えていましたが、強制的に日向とペアを組まされたことを皮切りに、徐々にチームの一員として動くようになります。またスパイカーに合わせて丁寧にトスを上げる3年菅原のプレーを見たことで、チームメイトとコミュニケーションを図ることや強調することの大切さも学んでいきます。
影山が烏野に入り日向とコンビを組んだことで確立していった武器は、サインも合図もない「変人速攻」です。影山が日向の動きを予測し日向が全力で飛びスイングが決まるポイントに高速トスを送ることで、日向がスパイクを決める速攻です。この変人速攻は抜群のセンスを持った影山が主導権を握り、日向はただ影山のトスを信じ、全力で飛びスイングするだけで良いので合図やサインはいりません。現に日向はトスが上がる前にジャンプし、目をつぶって飛んでいるのです。日向の高い身体能力をどうにか活かそうとした影山が思いついた速攻であり、多くの相手を圧倒させ、神業速攻・トンデモ速攻など色々な呼ばれ方があります。
周りを圧倒させた変人速攻ですが万能ではなく、インハイ予選では完全に封じ込まれたことで負けてしまいます。また目を開けて戦いたいという日向との衝突もあり、影山はスパイカーに打たせるのではなく、スパイカーが自分で考えて打てるように最大限の努力をすることを決意します。そしてコーチの助言を受けて「打点で止まるトス」を習得し、日向の身体能力を殺すことなく、選択肢を与えるトスを打てるようになったのです。
影山は春高予選での活躍により全日本ユース代表合宿メンバーに選ばれます。そして実力の高い選手と練習し多くの意見を耳にすることで、自分のトスが中学時代のトラウマによって他人と衝突することを恐れスパイカーに合わせるだけのものになっていることに気付きます。
このままではダメだと感じた影山は、あえてスパイカーに合わせずスパイカーの打点を引き上げるトスをするようになります。その様は一見中学の頃のように独善的に見えますがそうではありません。自分が間違っている可能性もあることを理解した上で、チームがもっと強くなるための改善点に積極的に挑戦し、チームごと上に引っ張り上げようとしているのです。影山は独善的なコートの王様だった過去に受けたトラウマを克服し、チームを引っ張る新コートの王様になったのです。
ハイキューの最終章では、今まで出てきたほとんどのキャラクターのその後が描かれています。その中でも影山飛雄は、高校を卒業しましたが大学には進まず、Vリーグでプレイする道を選択しますdivision1の「シュヴァイデンアドラーズ」というチームに所属していて、同メンバーに星海や牛島がいます。
2016年にはリオオリンピックの日本代表として活躍し、その後日本で日向率いるMSBYブラックジャッカル試合をします。最後には、日向と2021年にオリンピックの代表として共に出場して作品が終わります。
1993年10月13日生まれ、東京都出身の男性声優さんです。高校1年生のときに声優への志望を決め、猛反対する両親を熱心に説得し、学費を出さないことを条件にすることで認めてもらい養成所に入所しました。
生野菜(特にトマト)や酢の物が苦手だったり、十二支がわからなかったりと意外な弱点があります。ちなみに十二支がわからないことについてはハイキューの公開収録で世に知られたそうです。
まさに日向・影山ペアは影山がこのセリフを叫んだ瞬間にスタートを切りました。身体能力が高いのに技術が未熟なために活かしきれていない日向の力を最大限に引き出せるのは、ずば抜けたセンスでトスを回せる影山だけです。自分の技術や能力や日々の努力に自信を持てる影山だからこそ言えるセリフです。
敵にことごとくブロックされエースでいることに自信がなくなり部活に行かなくなった3年エースの東峰に影山がかけたセリフです。元独善的なコート上の王様とは思えませんよね。この気持ちがなければチーム全体を引っ張る烏野の影山飛雄は誕生しなかったでしょう。
影山飛雄は性格や選手としての強さを知らなくても、女性を十分魅了してしまう外見の持ち主です。外見が全てではありませんが、外見が良いから余計に性格の面でかわいいと思ったり、成長した姿に胸を熱くしたりしてしまうことは否めません(笑)
天才と呼ばれても驕らないこともさることながら、他者を侮らず上を目指す意欲をさらに高められるところも影山の強さです。また確かに口調も悪く愛想も良い方ではありませんが、本当はとてもいい子ということは仲間たちにもハイキューファンにも伝わっています。
影山飛雄はもう一人の主人公としてもともと注目を浴びやすい位置にいるキャラクターですが、上位の人気を誇っているのは生まれ持った魅力に加え、仲間との関わりの中で大きく成長していく姿に多くのファンが胸を熱くしているからです。バレーの技術向上はもちろんですが、チームで勝つために自分がどうすべきかを考え努力する姿は、最初の影山からは想像もできない姿です。どんどん成長し強くなっていく影山飛雄から今後も目が離せません。