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【ユーリ!!!on Ice】劇中でキャラが使った曲集!曲選びの理由も考察

2021.06.14

一世を風靡したフィギュアスケートアニメ『ユーリ!!! on ICE』。実際の競技のような丁寧な演技シーンが魅力的な『ユーリ!!! on ICE』は、使用曲についても非常にこだわっています。どんな曲を劇中で使用しているのか、曲選びの考察とともに紹介します。

  1. 『ユーリ!!! on ICE』とは
  2. 【ユーリ!!!on Ice】勝生勇利の劇中使用曲
  3. 【ユーリ!!!on Ice】ヴィクトル・ニキフォロフの劇中使用曲
  4. 【ユーリ!!!on Ice】ユーリ・プリセツキーの劇中使用曲
  5. 【ユーリ!!!on Ice】南健次郎の劇中使用曲
  6. 【ユーリ!!!on Ice】クリストフ・ジャコメッティの劇中使用曲
  7. 【ユーリ!!!on Ice】ピチット・チュラノンの劇中使用曲
  8. 【ユーリ!!!on Ice】オタベック・アルティンの劇中使用曲
  9. 【ユーリ!!!on Ice】ジャン・ジャック・ルロワの劇中使用曲
  10. 【ユーリ!!!on Ice】イ・スンギルの劇中使用曲
  11. 【ユーリ!!!on Ice】エミル・ネコラの劇中使用曲
  12. 【ユーリ!!!on Ice】ミケーレ・クリスピーノの劇中使用曲
  13. 【ユーリ!!!on Ice】ギオルギー・ポポーヴィッチの劇中使用曲
  14. 【ユーリ!!!on Ice】季光虹(ジ・グァンホン)の劇中使用曲
  15. 【ユーリ!!!on Ice】レオ・デ・ラ・イグレシアの劇中使用曲
  16. 【ユーリ!!!on Ice】劇中使用曲についてまとめ
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『ユーリ!!! on ICE』とは、漫画家の久保ミツロウ先生と、アニメーション監督の山本沙代さんが原案で生み出されたフィギュアスケートアニメです。本格的な演技構成、演出が魅力的で、スケートファンはもちろん、そうでない方も楽しめる作品となりました。

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ショートプログラム『愛について~Eros~』

勇利がショートプログラムで使用した曲は、『愛について~Eros~』。もともとヴィクトルのための曲ということもあり、成熟した大人の妖艶さがうかがえる曲となっています。

ヴィクトルが勇利にこの曲を当てたのは、「今まで勇利が選ばなかったテーマ」だからでしょう。このあと紹介する勇利をイメージして作られたFS曲からもわかるように、勇利は繊細で美しいメロディを滑るイメージがあります。対となるユーリのSP曲が自身にあてがわれると思っていたことを考えても、彼にとって『愛について~Eros~』は今までとは系統が違うことが窺えますね。

ヴィクトルにとって、この曲は勇利を変えるためのきっかけだったのだろうと考えられます。自分にコーチという新しい可能性を見せてくれ、新しい景色、新しい感情を与えてくれた勇利自身を、今度はヴィクトルが新しく変えていく。そんな想いがあったのではないでしょうか。

フリースケーティング『Yuri on ICE』

アニメの主題歌とも言える『Yuri on ICE』。勇利の愛、勇利のスケート人生、そのすべてを詰め込んだこの曲は、勇利が以前の知り合いを通じ作曲してもらった曲になります。

勇利は今まで自分で曲選びというもの積極的に行いませんでした。意見を言ったとしても、何か言葉を返されるとすぐに自分の意見を変えてしまったのです。『Yuri on ICE』はそんな勇利が悩み抜いた末に決めた曲で、タイトルも自分でつけました。

勇利がこの曲を選んだのは、おそらくどこかで「引退」の文字がちらついていたからだと思います。前シーズンのグランプリファイナルでボロボロにやられた勇利は、ヴィクトルにコーチについてもらい持ち直したあともずっと「終わり」を見据えていたのかもしれません。それがこの曲を生み、滑るに至った理由だと思われます。

エキシビション『デュエット《離れずにそばにいて》』

グランプリファイナルのエキジビションで滑った曲です。コーチであるヴィクトルが前のシーズン滑っていたFS曲、「離れずにそばにいて」のデュエットバージョンですね。

エキシビションにまさかのコーチ投入というとんでも技を披露した勇利ですが、勇利もヴィクトルも、共に現役のままいることを決めて終えたグランプリシリーズということを考えると、納得の選曲だったのではないでしょうか。

勇利は正式に滑ったわけではないですが、2人とも物語冒頭に1人で「離れずにそばにいて」を滑っていました。ヴィクトルが滑った『アリア《離れずにそばにいて》』の「アリア」は「独唱曲」という意味で、1人で歌うもののことを指しています。それぞれ1人だった2人が出会い、「デュエット」で終わるというのは、彼らの在り方そのものを表しているようですね。

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フリースケーティング『アリア《離れずにそばにいて》』

ヴィクトルがコーチを始める前に滑ったFS曲『アリア《離れずにそばにいて》』。切なげな表情から始めるこの曲は、ヴィクトルの完成されたエロスが垣間見える曲となっています。

勇利の項目でも触れた通り、ヴィクトルがオリジナルで滑っていたのは『アリア《離れずにそばにいて》』。タイトルだけ見れば情熱的な印象を受けますが、その歌詞は、愛を拒絶したいのか、愛を受け入れたいのか、もしくはどちらの意味もあるのか、滑る人によって解釈が変わりそうなものです。

ヴィクトルは、グランプリファイナル直前の独白で「ふたつの"L"」について触れます。「ふたつの"L"」とは「LIFE」と「LOVE」。ヴィクトル曰く、彼が20年以上放ったらかしにしていたものだそう。彼の年齢を考えると、フィギュアスケートを始めてからずっと捨ててきたものなのでしょう。

『アリア《離れずにそばにいて》』は「生活のなかに愛を取り戻す」曲なのではないかと考えられます。この曲は、勇利と出会う前、「ふたつの"L"」を放っていたヴィクトル・ニキフォロフという存在のすべてを詰め込んだ1曲と言えるのではないでしょうか。

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ショートプログラム『愛について~Agape~』

勇利の対となる、アレンジ違いの1曲である『愛について~Agape~』。アガペーとは「無償の愛」「無限の愛」を表した言葉で、邪心や思惑など一切ない、そういう純粋な愛を表現した曲になっています。

ユーリは、ずっと祖父に育てられ、その愛情を感じてはいるものの、自分を置いていなくなってしまった母親への未練がときおり見え隠れしていました。「親の愛は無償の愛」と表現されることも多いですが、ユーリにとってはこの「無償の愛」が欠如していたのではないでしょうか。

ヴィクトルがユーリの事情を知っていたのか、本能的に足りないものを察知したのかはわかりませんが、ユーリがスケーターとしてさらなるレベルアップをするためには必要な選曲だったのではないかと思われます。

フリースケーティング『ピアノ協奏曲 ロ短調 アレグロ・アパッショナート』

ユーリのこのFS曲は、自分をイメージした曲を選んだ勇利とは対照的なものになるのではないでしょうか。振り付けを元ボリショイ・バレエのプリンシパルであるリリアがしたことを考えると、選曲も彼女がしたのでしょう。

初めてこの曲を滑ったとき、ユーリは「美しいプリマ」を目指しリリアの元で練習を重ね、心臓破りと呼ばれるこの曲で、高得点を出す演技構成を作り、なおかつ美しいスケーティングを行いました。ファイナルで滑ったときは、プリマらしい美しさではなく、彼本来の持つ挑戦的で野生的で素直な美しさを見せましたね。

本来プリマとは、女性バレエダンサーを指す言葉です。彼が今この曲を滑ったのは、若干15歳という、まだ子ども特有の中性さを持っている時期だからだと予想されます。ヴィクトル同様、彼も成長するにつれ、中性性が失われ男性的な選手へと成長するでしょう。ファイナルで「プリマから遠ざかった」とリリアが言っていますが、彼がより高みへと成長していくために必要な選曲だったのだろうと考えられます。

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フリースケーティング『Minami's Boogie』

会場を盛り上げるのがうまい南らしいFS曲です。勇利に憧れを抱きながら、勇利とは全く違う曲調というのも特徴かもしれませんね。

タイトルの「Boogie」は「ブギ」と読み、ブルースやスイング・ジャズなどの音楽で使われるリズムのことを表す言葉です。前に「Minami's」とあることから、勇利同様、南のために作られたFS曲だと考えられます。

今のこの作品において南はサブキャラになりますが、日本のフィギュアスケーターとしてはおそらく勇利の跡を継ぐ人物という立ち位置になるのでしょう。勇利がヴィクトルに憧れていたように南は勇利に憧れ、SPでは勇利はヴィクトルの衣装を着て、南は勇利のかつての衣装を真似、FSでは勇利も南の自分の名前が入った曲を選曲、というところから、この選曲は第2の勇利の暗示だと思われます。

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ショートプログラム『Intoxicated』

セクシー担当のクリスらしい、大人の妖しく艶かしい雰囲気のある曲です。大人のエロスを見せつけるクリスのSPは勇利とはまた違う魅力がありますよね。

タイトルの意味は「酔った」「酔って」で、飲酒後の酔いが回った状態を指す言葉になります。単純に、勇利とのエロス対決というわけではなく、彼自身のスケートに対する想い、ヴィクトルに対する憧れがそこにあるのではないかと思います。クリスも、ジュニア時代からずっとヴィクトルを追いかけていた人物の1人になります。

フィギュアスケートの選手生命は短く、クリス自身あと何回グランプリファイナルに来られるかわからないと表現する場面も。そんな彼のスケートに対する愛情、ヴィクトルへの憧憬が「酔った」になり、ヴィクトルやライバルたち、ファンの子に、自分を見て「酔って」になるのではないかと考えられます。

フリースケーティング『スペイン狂詩曲』

クリスがFSで滑ったのは『スペイン狂詩曲』。SPのどこかしっとりとした曲からは想像できない、荘厳さと明るさのあるオーケストラ曲です。

スイス人のクリスが何故『スペイン狂詩曲』を選んだのかはわかりませんが、ヴィクトルとクリスが初めて会ったのがヨーロッパ選手権らしく、もしかしたらその開催地がスペインだったのではないかと予想されます。もちろん、純粋にSPとは雰囲気を変えて行こうと考えた可能性もないわけではないでしょう。

ただ、「狂詩曲」は物事をすべて表した叙事楽曲でもあるため、ヴィクトルとの出会いを想い選んだとしても違和感はないですよね。グランプリファイナルのFSで、自分を見ていないヴィクトルにムッとしたり、応援されたら嬉しそうにしたり、このFS曲にはヴィクトルへとの思い出が詰まっているようにも感じます。

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ショートプログラム『映画"王様とスケーター"より「Shall We Skate?」』

「王様とスケーター」は、本作オリジナルの作品ですが、ピチットがスケートを続ける夢やきっかけが詰まっており、非常に彼に感情移入させられる選曲ですね。

タイトルからわかる通り、スケーターを主人公に作られた曲なため、今までも多くの人がこの曲を滑っていました。観客にも親しまれているこの曲ですが、主人公がタイ人スケーターにも関わらず、今までタイのスケート選手が滑ったことはないそう。それをいつか、勇利もいる舞台で滑りたいと言っていた彼の夢は、この年のグランプリファイナルで叶えられることとなりました。

「王様とスケーター」は、友情の話でもあるため、お互いライバルで友人同士のピチットと勇利にぴったりな選曲ですよね。

フリースケーティング『映画"王様とスケーター2"より「Terra Incognita」』

FSの曲は、まさかの続編から「Terra Incognita」。意味は「未知の地」「未開の地」だそう。「王様とスケーター」と違い、あらすじが公開されていないので、どんな内容の映画なのかはわかりませんが、王様とスケーターが未開の土地に行った可能性があることだけはわかりますね。

ピチットは、この曲を滑っている際、タイでアイスショーをやりたいという夢を語ります。タイトルの「未知の地」とは、自国では開催されたことのないアイスショー、誰にも言っていない夢、というのにかかっているのではないでしょうか。

また、まだあまりフィギュアスケートというものが浸透していないタイを「未開の地」とし、タイの人々にフィギュアスケートの楽しさを知ってほしいと願う想いもタイトルに込められているのではないかと予想されます。この選曲は、彼のタイとフィギュアスケートに関する想いが一心に詰まった曲なのではないでしょうか。

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ショートプログラム『≪サマルカンド≫序曲』

鬼気迫るような低音とリズムが、「英雄」らしい曲です。その迫力ある音源は、他の選手とは一味違う雰囲気を感じさせますね。

勇利やユーリをはじめ、フィギュアスケートをやっている選手の多くはバレエを嗜んでいます。からの柔軟性や軸など通ずるものがあるからだと思いますが、オタベックはそのバレエがとても苦手でした。そんな彼が選んだ選択肢は「バレエは踊らない」。彼は彼なりにできることを磨いて、上を目指すことにしたのです。

勇利も「迷いのないジャンプが彼らしい」と言っていますが、他の選手と違う曲調というのは、そういった自己の努力を表した結果だと思われます。また、オタベックは「氷の上は戦場だ」と表現しており、そういった心持ちが、追い立てられるような『≪サマルカンド≫序曲』の選曲に繋がっているのではないでしょうか。

フリースケーティング『ベートーヴェン交響曲第9番 第2楽章 「降臨」-建国版-』

オタベックがFSで滑ったこの曲は、SP同様迫力があるのが特徴的ですね。ピチットのコーチであるチェレスティーノが「オリジナリティの証明をしようとしている」と発言する通り、重厚感のある曲が彼らしさの表れなのでしょう。

先のチェレスティーノの発言と合わせると、この選曲はそのまま「降臨」を表現したのではないかと考えられます。オタベックは今回が初めてのグランプリファイナル出場で、以前はあまり記憶に残らない選手だったそう。そんなオタベックが、フィギュアスケーターとして自身の在り方を完成させたことを、この曲は表しているのではないかと考えられます。

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ショートプログラム『Theme of King JJ』

こちらも、自身をイメージして作ってもらった1曲になります。内容はそのまま、「キングJ.J.のテーマ」で、「俺がキングJ.J.だ!」「世界は俺のものだ!」という曲です。

勇利や南など、自分の名前を曲名に入れている人はいますが、彼は歌詞付きで、さらに「J.J.」という愛称が入ってきます。彼の自己顕示欲の強さが窺えますね。ヴィクトルに対してでさえ、自分が上だと考えるほどの自信家の彼らしい一曲ではないでしょうか。

ただ、この曲はただJ.J.を讃えているわけではなく、彼を鼓舞するという要素もあり、彼の深層心理に隠れたメンタルの弱さも垣間見られるようですね。

フリースケーティング『Partizan Hope』

J.J.のFS曲は、SPとはガラッと変わった、洗練で美しいメロディーが印象的な『Partizan Hope』。ただ自信家というだけではない彼のスケートに対する情熱が見える曲ですね。

タイトルの「Partizan」とは「非正規の軍事活動を行う人物」を指し、「Hope」は「希望」を意味します。氷の上を「戦場」と表現したオタベックと何か通ずるものがありますね。自信家なJ.J.らしくない選曲のようにも感じますが、彼にとっても氷の上は雌雄を決する戦場であり、そこで勝利するという望みを叶えたいことを表現していると考えられます。

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ショートプログラム『Almavivo』

他の選手と馴れ合わず、ほぼ無表情なスンギルのSP曲は意外にも陽気なラテン音楽が特徴的な『Almavivo』。彼なりの新しい挑戦の1曲となりました。

「大人の色気で攻めたい」と思いグランプリシリーズに望んだようですが、色気の種類としては、勇利やクリスとは違うまったく違うものですね。彼は表現よりは技術に特化した選手で、滑りながら点数の計算をするなど論理的な面がある人物です。そんな彼がこんな陽気な音楽を選んだのは、やはりより成長したいからではないでしょうか。

トップにいる選手ほど、演技構成点も技術点も高い人が多く、彼も両方とも高いトップスケーターになりたいと思い、陽気なこの曲を選択したように思います。

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フリースケーティング『Anastasis』

テーマであるサイバーパンクらしい1曲となった『Anastasis』。明るく陽気なエミルの、真摯で真面目な一面が見えるようなかっこいい曲ですね。

彼のテーマは『サイバーパンク「人間やめました」』が正式なものですが、そのテーマ通り人間とは思えないジャンプ構成で望んだのがFSです。タイトルは「アナスタシス」と読み、本来の言葉の意味としては「立ち上がること」になりますが、聖書においては「復活」を表す言葉でもあります。

「復活」というものは「死からの解放」も表しており、つまり「死ぬことがないものは生物ではない」ことで、彼のテーマである「人間やめました」を表現した選曲でしょう。

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ショートプログラム『映画"Destiny Of Knights"より「L'homme Armé」』

ミケーレがSPで滑ったのは映画「Destiny Of Knights」の「L'homme Armé」という曲です。ピチットのとき同様、この映画も架空のものですね。

映画タイトルからもわかりますが、曲タイトルは「武装した人」という意味があり、「騎士」をそのまま表した1曲となりましたね。彼のこの選曲は、間違いなく双子の妹・サーラを守るということを表しているものでしょう。もはや家族愛とは思えないほどサーラを愛しているミケーレにとって、自分の運命はすべてサーラ次第であるという想いを乗せているようですね。

フリースケーティング『Serenade for Two』

SPの高貴さのある曲はまた違う、どこか切なさを感じるFS曲。「セレナーデ」は恋人や女性を讃えるための曲で、「サーラ以外の女性はいらない」とはっきり口にしている彼のことを考えると、間違いなくサーラへの歌でしょう。

本作は愛がテーマの作品なため、それぞれのキャラに愛を捧げるものがあるのですが、ミケーレほどわかりやすい人物はないですね。SP同様、サーラを想うあまりの選曲でしょう。実際は歌詞付きの曲なので、歌詞とともに聴きたいですね。

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ショートプログラム『“眠れる森の美女”より「カラボス」』

まるで悪者のような衣装で臨んだSPの曲は、「眠れる森の美女」に登場する悪役「カラボス」の曲です。失恋の痛みを抱えるギオルギーらしい1曲ではないでしょうか。

カラボスとは、オーロラ姫に登場する悪い魔女・妖精のことで、オーロラ姫に呪いを与えた人物です。オーロラ姫が眠る原因を作った人物ですね。何故、ギオルギーがこの選曲をしたかというと、愛していた彼女に別れを告げられたことで、彼女に永遠に眠る呪いをかけたいと願っていたから。

ギオルギーは、交際していた彼女とのキス写真をよくSNSにあげていたようで、そこから王子様のキスで目を覚ますオーロラ姫を選んだのではないかと想像されます。呪いたいほど愛していた、というのは、本作でもっとも「愛」に敏感なギオルギーらしいですよね。

フリースケーティング『A Tales of Sleeping Prince』

ギオルギーもミケーレと同じタイプで、SP曲もFS曲も1人の女性に当てた曲になります。タイトルからわかる通り、眠り姫についての曲ですね。

SPで自身が魔女となり愛する女性を眠らせたことのアンサーとして、この曲を選んだのでしょう。衣装もうって変わって白モチーフのものになり、眠り姫を眠りから覚ます王子様のような爽やかさがあります。それに合うように、曲調も物語ラストのような明るさがあり、彼の恋物語の終焉と、新たな恋への旅立ちにふさわしい曲のようですね。

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ショートプログラム『La Parfum de Fleurs』

どこか中華ファンタジーのような淑やかな印象を受ける『La Parfum de Fleurs』。中国出身の彼らしい曲なのではないでしょうか。

タイトルの意味は「花の香り」で、脚色されない清楚な美しさが感じられるようです。花の匂いというものは、微かに香るものやむせ返るほど香るものなど様々ですが、それは彼の未熟さと、これから成熟していく暗示を表しているのではないでしょうか。また、彼のすでに備わっている可憐さ、愛らしさも表現しているのでしょう。

フリースケーティング『映画"上海ブレイド"より「The Inferno」』

例のごとく、映画は架空のものですが、SPとは違うアンダーグラウンドのようなかっこいいメロディなのが印象的な曲になります。

タイトルには「地獄」という意味もあり、まるで桃源郷を連想させるSPの対極となる曲となりましたね。グァンホンは可愛らしく描かれることも多いキャラクターですが、FSでは裏社会で生きる人物になりきり、可愛さだけではない力強さを感じられます。

残念ながらグランプリファイナル出場は叶いませんでしたが、すでに様々な自分を表現できているということで、次世代を担っていく存在であることを示しているようですね。

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ショートプログラム『Still Alive』

「まだ生きている」というタイトルに反し、非常に穏やかな曲の『Still Alive』。レオの穏やかで落ち着いた性格を表しているようですね。

レオはFSの様子がバッサリカットされてしまっていたので推測になりますが、仲の良いグァンホンのFS曲と対になっているのではないかと思います。グァンホンのFSシーンでは、曲のストーリー映像が登場したのですが、曲の終わり、グァンホンは仲間であるレオを守って銃殺されてしまったのです。

グァンホンのイメージ映像ではあるのですが、「まだ生きている」というタイトルを考えるとそういった繋がりが連想されますよね。

レオがこの曲を選んだ理由としては、彼が音楽が非常に好きという部分が関係あるのではないかと思います。彼の音楽好きは相当なもので、音楽の世界に浸れ、音楽に身を任せ、音楽を自分なりに表現できるフィギュアスケートのこともとても好きなのではないでしょうか。だからこそ、そんな世界に居られる自分は生を実感でき「まだ生きている」に繋がるのだろうと考えられます。

劇中で使用された曲は、キャラクター性やストーリーに合わせて選ばれているので、本作を観るうえでも欠かせないものになります。楽曲は、CDや配信サイトで購入することもできるので、気になる曲があったら購入し、常に『ユーリ!!! on ICE』の世界に浸ってもいいですね。

サムネイル画像は下記より引用しました。
出典: https://twitter.com/yurionice_PR/status/1086171332717436928