清水寺の歴史と見どころ①清水寺が建てられた経緯
清水寺の歴史を紐解くには、どういう経緯でどんな意味で建てられたのかが大事ですね。建設に至った経緯を簡単に説明いたします。
奈良時代から始まりました僧侶「延鎮上人(えんちんしょうにん)」が清水寺の歴史の始まりとなります。奈良時代末期778年、夢の中で「木津川の北流に清泉を求めて行け」とのお告げから、山へ入ったとの記録があります。その山こそが今の清水寺が建つ音羽山。山麓には滝があり、「見つけた!ここだったのか!」と、住み始めました。
そこで偶然に出会った修行僧から、「観音霊地を守護するよう」言われて、その土地を守り始めたとされています。その時の修行僧は「行叡居士(ぎょうえいこじ)」と言われ、話し終わるとフッと姿が消えたそう。その後780年に坂上田村麻呂が鹿を狩る為に山へ入り、延鎮上人に会い、「殺生はいけません」と教えられた坂上田村麻呂は感銘を受け、お堂を建てたのが現在の清水寺とされています。
寺院や神社が無数に存在する京都においても、平安遷都以前より建つ数少ない貴重な歴史的建造物の一つであり、ユネスコ世界文化遺産にも登録されているお寺という事から、世界中の人々が足を運ぶ場所です。それでは、清水寺の見どころや、押さえておくべきスポットなどを簡単にまとめ、わかりやすい特徴を見ていきましょう。
清水寺の歴史と見どころ②正門
先述しましたように、音羽山の中腹に建てられた広大な敷地の清水寺。その敷地内には、国宝など重要文化財を含め13にも及ぶ建物が存在します。そこでまず、見逃せないのは正門とされる高さ約14mもの、室町時代に再建された特徴的な「仁王門」です。両側には、鎌倉様式で造られている高さ3.5mの金剛力士像がお寺を守るように立っています。鮮やかな朱色の大きな仁王門ですので、とてもわかりやすい入り口となっています。
この正門をくぐって進むと、右手には極楽浄土の入り口となる「西門(さいもん)」が見え、それに相応しい華やかな様式が見てとれます。その時代のわかりやすい建物が簡単に見られる場所となり、必見です。
清水寺の歴史と見どころ③鐘楼
正門の仁王門から入ると左手に見えるのが、京都の街に響く大きな鐘を備える鐘楼。現在の鐘は平成になり新しく奉納された5代目となり重さ2トンを超える大きな鐘。一般的に他の場所で見られる鐘楼は、四隅に柱が建ち、支えている構造ですが、清水寺の鐘楼は大きく重たい鐘を吊すため、柱が6本建ち鐘楼を支えています。これも清水寺のわかりやすい特徴の一つ。
その柱の上にあるのが、桃山様式となる鮮やかな彫刻が施されていますので、見上げてゆっくりとご覧ください。大晦日、煩悩を払うため清水寺の鐘をつきたいという方は、予約をしてつくこともできます!由緒あるお寺で貴重な体験してみてはいかがでしょうか?
清水寺の歴史と見どころ④美しい朱色の建築
遠くからでも目に入る朱色に塗られた丹塗り(にぬり)の建物。仁王門に西門、そして鐘楼に三重塔と経堂も続きます。当初三重塔は、平安時代に建てられましたが、現在建っている塔は、平成12年に新しく建てられたものとなり高さ31mに及びます。京都における東山のシンボルとして、美しい朱色の塔がそびえ立ち、中には大日如来像が祀られています。
鴨川から、東山の方角を眺めると見える塔がこちらの三重塔となり、わかりやすい目印にもなりますね。一方経堂の方は、時は同じ平安時代に建てられ、学問僧が全国より集まる講堂として使われ、今もなお年に1回涅槃会が行われています。
清水寺の歴史と見どころ⑤本堂
進んでいくと多くの人が集まる清水の舞台も見えてきます。が、まず本堂を見ていきましょう。丸く太く立派な柱が並ぶ廊下を通り、平安時代の建築をそのまま感じられる建物です。内部には多くの仏像が安置されていますので、さらに歴史や信仰の深さを受け取りながら見学できます。
こちらの御本尊、「千手観音像」の両側には「二十八部衆」に「風神」と、「雷神」が並んでいらっしゃいます。その圧巻の迫力は、特別法要の時にもっと間近で見ることが可能ですので、その機会にも見学できると嬉しいですね。
清水寺の歴史と見どころ⑥清水の舞台
最長約12mもの巨大な欅の柱で造られている「清水の舞台」。ビルに例えると4階の高さに相当し、本堂から張り出す形に建てられており、「清水の舞台から飛び降りる覚悟で」と言われる、まさにその舞台です。舞台の規模や、周りの景色、そして音羽山の空気をあわせて感じられる特別な場所。清水寺の特徴でもあり、下から見ても迫力のあるわかりやすい目印になっています。
懸造り(かけづくり)と呼ばれる工法で造られ、釘を一切使わず木材のはめ込み、組み方による技術で支えられている木造建築となります。約190平方メートルの舞台には、檜の板が敷かれており、現在でも様々な舞台奉納が行われている清水の舞台です。
清水寺の歴史と見どころ⑦音羽の滝
願いを込めて清い水を一口いただきましょう。清水寺が開かれて、名前の由来ともなっている滝です。盆地である京都の地下伏流水が湧き出ており、「黄金水」や「延命水」と言われ、たくさんの方がご利益を授かりにこちらの水を口にされている場所です。こちらの水はそれぞれにご利益のある云われとなっていますので、簡単に説明します。
3ヶ所から水が流れており、向かって左が「延命長寿」、真ん中が「学業成就」、そして右が「恋愛成就」とされています。どちらか一つを選び一口いただきましょう。欲張るとご利益が減るそうですので、ご注意ください。
清水寺の歴史と見どころ⑧夜の特別拝観
近年、歴史ある建築や自然との風景の美しさに加え、清水寺の新たな魅力となっているのが「夜の特別拝観」です。春夏秋の年に3回と限られますが、境内から空へ向けて一筋の青い光が放たれるのです。観音様の慈悲を光を表されており、京都の市内からも東山の空を見上げると、1本のまっすぐな光が見られます。
間近でご覧になりたい場合は、日中の参拝が終わると門が一度閉じられます。そして改めて門が開き受付を通ると境内から見る事ができます。普段では味わえない雰囲気と、幻想的な空間をこの機会に見てみるのも素敵ですね。
清水寺の歴史と見どころ⑨清水坂
清水寺へ行くまでの道のりは、緩やかな坂道になっています。徒歩約15分の距離となり、道中は京都らしい純和風の建物のお店が両側に軒を連ね、歩いているだけでも楽しい清水坂。その雰囲気に思わず吸い込まれる甘味処やお食事処、おしゃれなお店にお土産屋さんなど魅力溢れる場所です。この道からの眺めも有名ですし、撮影スポットにもおすすめです。清水寺の参拝後にぜひ歩いてみてください、きっと素敵な散歩になりますし、休憩に甘いものをいただくのも良いですね!
おわりに
ここまでいかがでしたでしょうか?清水寺の歴史とわかりやすい見どころを簡単にご紹介してきました。少しでもこうした情報がわかると、同じものを見ても理解しやすく、特徴を簡単に見つけらたり、面白さも違ってきますね。夜の特別拝観もそれぞれの季節に、何日か行われますので、ぜひ訪れみてください。明るい時間とは異なる体験になるとこ間違いありません。京都だけでなく日本を代表する歴史的建造物の清水寺です。隅々までゆっくりとどうぞお楽しみください。