魔法少女まどか☆マギカとは?
魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)
その面白さと目が離せない!シャフト制作による有名アニメ作品「魔法少女まどか☆マギカ」
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「魔法少女まどか☆マギカ」は、略して「まどマギ」と呼ばれています。
そんな魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)は、2011年1月から4月まで深夜アニメとして放送されたにも関わらず、放送が終了した今でもアニメファンの中で好きなアニメとして名前を挙げられる事が多い大人気作品です。
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可愛らしい魔法少女達が世界の平和を守るために悪い敵をやっつけるぞ!…ではなく。
魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)が、視聴者の心を惹きつけたのは“可愛い”の裏にある“重さ”でした。
魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)は、願いと引きかえに魔法少女となった少女達が魔女と戦う物語
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魔法少女になれば、なんでも願い事を一つだけ叶えてもらえるのですが、それと引き換えに“人”ではなく“魔法少女”としての生活を送らなければいけなくなってしまうのです。
ソウルジェム
魔法少女になる条件として、叶えたい願いを口にすることによって“ソウルジェム”という宝石のような石が作られます。ソウルジェムは魔法少女の魂みたいなものです。
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「魔法少女」聞こえは良い言葉かもしれませんが、魔法少女とは人の心を蝕む魔女と戦わなければならないのです。
ソウルジェムの穢れを吸いとるグリーフシード
魔女と戦う事によって、魔法少女たちのソウルジェムはどんどん穢れていってしまうのですが、魔女を倒すことによって得られる報酬“グリーフシード”を使う事で、魔法少女たちのソウルジェムの穢れを吸いとる事が出来ます。
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ですがグリーフシードは消耗品で、穢れを吸う限界を超えると魔女が孵化してしまいます。
魔女と戦うという事は、常に死と隣り合わせという事なのです。
今回は人魚の魔女「オクタヴィア」について解説していきます
魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)/人魚の魔女 オクタヴィア
こちらが魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)に登場する、人魚の魔女と言われているオクタヴィアです。
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魔法少女まどか☆マギカに登場する魔女たちには、それぞれ“性質”というものがあります。性質は「不信」「執着」「無力」など、魔女の生まれた状況や境遇によって異なります。
人魚の魔女オクタヴィアが持つ性質、それは「恋慕」でした。恋慕とはその文字の通り「異性を恋い慕うこと」という意味ですが、人魚の魔女オクタヴィアは一体どんな経緯で「恋慕」という性質を持つ事となったのでしょうか。
考察と合わせて、まずは人魚の魔女オクタヴィアの正体から追っていきましょう。
人魚の魔女 オクタヴィアの事を知る前におさらいしておきたいキャラクター「美樹さやか」
魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)/美樹さやか
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美樹さやか(みきさやか)とは、まどマギの主人公である鹿目まどかと同じ見滝原中学校に通う女の子です。美樹さやかは、とにかく明るくいつも元気!
クラスメイトの鹿目まどかと志筑仁美とは特に仲が良く、三人で談笑しながら中学校へ登下校するシーンが印象的です。
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そんな美樹さやかは、上条恭介という幼馴染に密かに好意を寄せているのです。
人魚の魔女 オクタヴィアの事を知る前におさらいしておきたいキャラクター「上条恭介」
魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)/上条恭介
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上条恭介(かみじょうきょうすけ)は、美樹さやかの幼馴染、そしてクラスメイトです。
将来有望なヴァイオリニストだったのですが交通事故にあってしまい、その事故の後遺症で指が思うように動かせなくなってしまうのです。
人魚の魔女 オクタヴィアの事を知る前におさらいしておきたいキャラクター「志筑仁美」
魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)/志筑仁美
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志筑仁美(しづきひとみ)は、美樹さやかと同じく主人公である鹿目まどかと同じ見滝原中学校に通う女の子です。鹿目まどかと美樹さやかの親友で、仲良し三人組…のはずでした。
志筑仁美は、美人なお嬢様!かなりの数の習い事を掛け持ちしていていつも忙しそうにしています。
人魚の魔女「オクタヴィア」誕生までの経緯その1 上条恭介のお見舞い
交通事故の後遺症で指が動かなくなってしまった上条恭介を少しでも元気づける為に、美樹さやかは病院へと何度も何度もお見舞いに通います。
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ですが上条恭介は、医者から「完治は絶望的」と言われてしまった事によって「もうヴァイオリンが弾けない」と自暴自棄になってしまうのです。
人魚の魔女「オクタヴィア」誕生までの経緯その2 美樹さやかの願い
想いを寄せる上条恭介の苦しむ姿を見た美樹さやかの心に、ある感情が生まれます。
「自分が魔法少女になる事と引き換えに、上条恭介の指の完治を願えば、また彼がヴァイオリンを弾けるようになるのではないか…」
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魔法少女の願いの条件に、人の為に自分の願いを使ってはいけないという決まりはありません。
美樹さやかは、迷いなく「上条恭介の指を治す」という願いと引き換えに魔法少女となる事を決意します。
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人魚の魔女「オクタヴィア」誕生までの経緯その3 上条恭介に起こった奇跡
美樹さやかは、上条恭介の素敵なヴァイオリンをまた聴く事が出来たことで「彼の為に願いを使って良かった」と思っていました。
…そう、この時までは。
完治した上条恭介は、学校に松葉杖ながらも登校するようになりました。久しぶりに登校した学校でクラスメイトと楽しそうに話す姿も。
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ですが上条恭介は、お見舞いに何度も通いサポートをしてくれた美樹さやかに「退院した」という事も伝えず、同じクラスなのに学校で美樹さやかに声をかける事もしなかったのです。
上条恭介が登校した日の夜に魔法少女となった美樹さやかが失踪してしまったので、その後二人は二度と会うことはありませんでした。
人魚の魔女「オクタヴィア」誕生までの経緯その4 美樹さやかの絶望
ここから更に美樹さやかに苦しいことが起こります。
上条恭介が退院したのとほぼ同時に、親友の志筑仁美から突然呼び出された美樹さやかは「私は上条恭介君の事が好きです。」と打ち明けられるのです。
この言葉に美樹さやかは戸惑います。
親友が恋のライバルだった事を知った美樹さやかは、自分は何も出来ないと悲観します。
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そしてある日、失踪中の美樹さやかが目撃したのは、なんだかいい雰囲気の上条恭介と志筑仁美が二人で楽しそうに歩く姿でした。
自分自身を犠牲にしてでも救った愛する人。
その愛する人の身体が治った瞬間に音信不通になって、更には親友に簡単に奪われてしまう…こんなの辛すぎますよね。美樹さやかは絶望しきってしまいます。
人魚の魔女「オクタヴィア」誕生までの経緯その5 美樹さやかの魔女化
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憂さ晴らしのような捨て身の戦い方で魔女をめちゃくちゃに倒しまくる美樹さやか。
そこに以前の元気な美樹さやかの姿はどこにもありませんでした。完全に自暴自棄になっていきます。
その後、他の魔法少女と話した事で、「他人の為に願いを使い魔法少女になった」という自分の間違えを理解した美樹さやかは涙を流します。
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「あたしって、ほんとバカ」
その言葉を最後に美樹さやかは魔女化してしまう事となります。
そして人魚の魔女 オクタヴィアの誕生
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濁りきった美樹さやかのソウルジェムから魔女が誕生します。
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美樹さやかの絶望によって誕生してしまったのが、「オクタヴィア・フォン・ゼッケン・ドルフ」という魔女。
今回の記事のタイトルにもなっている“人魚の魔女 オクタヴィア”なのです。
人魚の魔女 オクタヴィアのオマージュとなっている“人魚姫”
美樹さやかが魔女化したものが、人魚の魔女オクタヴィアという事がわかりましたね。
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人魚の魔女オクタヴィアは、こちらの画像からもわかるように下半身が人魚のようになっています。
ですが、美樹さやかの魔女が“人魚”とはどういうことなのでしょうか。なぜ人魚なのでしょうか。
その秘密は誰もが知るアンデルセン童話である「人魚姫」に秘密が隠されていました。そんな“人魚姫”の物語と考察を交えて解説していきます。
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アンデルセン童話の“人魚姫”の物語
バージョンによって物語の詳細が異なりますが、スタンダードな物語をご紹介いたします。
人魚姫はある船で王子様出会います。人魚姫は王子様に一目で恋に落ちるのですが、なんとその船が転覆してしまうのです。
王子様の命を救った人魚姫は、どうしても王子様と結ばれたくてある魔女と取引をして人間になってしまいます。
ですがそれと引き換えに声を失ってしまうのです。声を失ったという事は、人魚姫は命を救った王子様に対し自分の思いを口にすることが出来ませんよね。
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王子様は別の姫を自分の命を救ってくれた恩人だと勘違いして彼女に求婚してしまいます。ですが、人魚姫は魔女との取引が原因で王子様と結ばれなければ海の泡になって消えてしまうのです。
そんな人魚姫に、人魚姫の姉たちはナイフを手渡して「これで王子様を刺せばあなたは消えてしまわない。」と進めます。しかし人魚姫は王子様を殺すことは出来ませんでした。
人魚姫は海に飛び込み、海の泡になってしまうのでした。
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この人魚姫の物語は、まどマギの美樹さやかの境遇そのままと理解していただけますでしょうか。
王子様を救った人魚姫が「美樹さやか」
救われた王子様が「上条恭介」
王子様が求婚した別の姫が「志筑仁美」
この事から、オクタヴィアの人魚のような姿も、アンデルセン童話の人魚姫を表現したものである可能性が高いと考えられます。
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人魚の魔女 オクタヴィアについての考察
「オクタヴィア」という名前は、音楽用語であるオクターヴが由来となったと考えるのが一番近いかなと思います。
美樹さやかの想い人、上条恭介がヴァイオリニストである所から音楽用語の名前がつけられたのでしょう。
そしてオクタヴィアの性質である「恋慕」もちろん上条恭介への想いを表しています。
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オクタヴィアには、「鎧」「マント」そして武器である「剣」など、美樹さやかが魔法少女の時の姿を連想できるようなデザインが使われていますね。
美樹さやかの名残があるオクタヴィアの姿は見ているだけでグッときてしまいますね。
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人魚の魔女 オクタヴィアのいる場所までの通路
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まず入り口に書かれた「Love me do(私を愛して)」の文字。
顔文字が書かれているのは美樹さやかなりの強がりなのでしょうか。
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中へ入ると壁にびっしりと貼られたコンサートのポスター。
このポスターには魔法文字で「KYOSUKE」と書かれているそうです。上条恭介の下の名前ですね。
そして壁に貼られているから絶対に見える事の無いポスターの裏側に、魔法文字で「Look at me(私を見て)」の文字がたくさん書かれている事も確認できます。
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他にも、この場所が美樹さやかと上条恭介の思い出の場所である水族館のように見えたり、美樹さやかのような人影の目が真っ黒に塗りつぶされていたり…。
今までの美樹さやかの苦しみを理解したうえで見てみると本当に切ない要素がいっぱいです。
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人魚の魔女 オクタヴィアと戦う場所にも注目!
さぁ、いよいよオクタヴィアのいる場所へと到着です。扉を開けると…
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そこに広がっていた光景はコンサートホールのような不思議な空間でした。
コンサートホールで攻撃してくる魔法少女に対してオクタヴィアは「演奏を邪魔する奴を許さない!」と言わんばかりに全力で攻撃をしてきます。
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人魚の魔女 オクタヴィアの苦しみ…攻撃の表現が素晴らしい
オクタヴィアの攻撃方法は、美樹さやかが魔法少女の時と同じ剣、そして車輪を投げつける攻撃が加わっています。
なぜ車輪攻撃なのでしょう?それにもきちんと理由があります。
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オクタヴィアの車輪攻撃は美樹さやかが魔女化してしまった場所が電車の近くであった事の影響も考えられるのですが、
魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)オクタヴィアの魔女図鑑に「回る運命」という言葉が使われているように、永遠に同じところを回り続ける美樹さやかの行く末を表しているようです。
そしてオクタヴィアが車輪攻撃をするシーンで、黒くてドロドロとしたものが崩れ落ちていく場面があります。
この黒いドロドロはオクタヴィアの中身の一部で、黒いドロドロは美樹さやかを表しているようです。
そして魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)設定資料によると、オクタヴィアの中身は溶けかけた美樹さやか自身の姿をしているんだそうです。
これは強がって本当の弱い自分を隠そうとした美樹さやかの心の闇を表している、と解釈できますね。
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人魚の魔女 オクタヴィアの苦しみ…上条恭介のような姿をした使い魔
そして、オクタヴィアは攻撃のする度に音符を出してみたり、上条恭介の姿をした使い魔を作り出したりもします。
上条恭介の姿をした使い魔の前には弦楽器パートしかいない大勢の奏者が演奏するという異様な光景が広がっていました。更にこの使い魔はオクタヴィアに背を向けているのです、切なすぎますね。
しかし上条恭介の姿をした使い魔は指揮棒を持っています。上条恭介はヴァイオリニストなのになぜでしょう。
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そこで私はこう考えました。「もしも上条恭介を治さず普通の女の子の生活を送っていたら」という美樹さやかの後悔が表されているのではないかと。
上条恭介の才能を指を使わない“指揮者”として生かす事が出来たのではないか。上条恭介の為に願わなければ、自分も正直になれていたのではないか。
この上条恭介っぽい使い魔の存在は美樹さやかの後悔を感じました。
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人魚の魔女 オクタヴィアのテーマソング
魔女さやかのテーマと呼ばれているこの曲は、魔法少女まどか☆マギカの挿入歌の一つです。
この曲の正式名称は「Symposium magarum」といいます。ラテン語で「魔女たちの宴」という意味を持つそうです。
今回オクタヴィアの考察でご紹介した第9話の「オクタヴィア戦」に使用されたテーマ曲です。
上条恭介はクラシックをよく聴いていた事もあり、この曲もクラシックのような雰囲気をしているのですが、意図的に調和を崩した不安感を感じ取れる恐ろしくも悲しい、とても耳に残るメロディとなっています。
人魚の魔女 オクタヴィアの正体、テーマ、考察について まとめ
想い人の為に願い、魔法少女になり、一途に彼を想い、命を落とす。
とてつもない苦しみを抱えた魔法少女、美樹さやか。
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14年で終わってしまった美樹さやかの短すぎる人生はあまりにも切ないです。
そんな美樹さやかの姿は、魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)の視聴者の心にいつまでも残ることでしょう。
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そして魔女空間ですら本当の気持ちを隠して苦しみ続けるオクタヴィア。
美樹さやかの心象が痛いほど伝わってくるオクタヴィアのシーンは、細部までこだわって作られています。まさに圧巻ですね。
以上、「人魚の魔女オクタヴィアについて」でした。