伝説的な漫画&アニメでもある「キン肉マン」ですが、その中でも多数のファンから支持を得ている「アシュラマン」。このアシュラマンについて今回は掘り下げていこうと思います。なんとも言えぬ面妖な感じと、そして多数の腕と顔を持つこの超人とは一体なんなのか? 悪魔とも言われているアシュラマンは本当に悪なのか? それについても今回は触れていこうと思います。
キン肉マン及びキン肉マンⅡに登場する悪魔超人の一人であり、魔界のプリンスでもあります。悪魔六騎士の一人で、特徴的なのはモチーフとなっている阿修羅像に因んで三つの面と六本の腕を持っており、「蜘蛛の化身」である阿修羅一族、つまり王族の出身というエリートな肩書を持っております。得意技は「竜巻地獄」や「阿修羅バスター」。アニメと原作で体色が違い、原作では青色、アニメでは肌色となっています。
アシュラマンの面は上記でも述べたように阿修羅像を模しており「三つの面」が存在します。「笑い面」「冷血面」「怒りの面」があり、面を切り替えてファイトスタイルを操るという特殊な能力の持ち主と言えます。実際に見えているのは三つの面ですが、実は三つの面の裏側に「泣き面」が隠されおり、三つの面は覆面と言われています。つまり本性は「泣き面」ということになりますね。悪魔超人と言われているアシュラマンですが、実は「良いやつ」とファンからたくさんの支持を得ています。
アシュラマンの腕も阿修羅像に因んで6本あります。この腕ですが、実はすべて自分の腕ではなくかつて戦った強敵から奪ったものという事実があります。その為、戦いの中で腕を失っても再生させることが可能という超人的な能力を持っています。もともとの腕は超人レスラーとして戦いを始めてからの戦いですべて失っているという経緯がありますが、アシュラマン個人の特殊な能力である「他人の腕を奪う」又「死者の腕を憑依させる」ということで現在ある腕すべてが他人の腕であるということになります。6本腕ということで、通常では可能ではない技を出すことが可能となり、ほかの超人に比べて現実離れした技が多いことも特徴的です。
キン肉マンには色々な超人たちがいますが、アシュラマンはその中の「悪魔六騎士」という部類に属しています。悪魔六騎士というだけで男の熱い心をくすぐられます。悪魔六騎士とは悪魔将軍から直接指導を受けたいわば悪魔超人の中でも超エリートな6人のことをさします。それぞれに個性を発揮しているのは言うまでもありませんが、アシュラマンはその悪魔六騎士の中でもひときわ人気の高いキャラクターになります。他の悪魔六騎士も今回はご紹介していこうと思います。
その名の通り「忍者」をモチーフして作られたキャラクターです。悪魔六騎士は基本的に人間的な容姿からかけ離れたキャラクターが多い中、このニンジャだけは人間的な容姿を保っているキャラクターでもあります。忍者と同じく素早い身のこなしと多彩な術を使って戦います。
悪魔六騎士の中でも「リーダー的存在」であり、超人と呼ばれるキン肉マン作品の中でも随一の巨体を誇るサンシャイン。その巨体を生かした攻撃、また見た目はピラミッドのようなものであり、モチーフは「砂の塊」となっております。特技は「砂」と言うことを生かした戦い方がメインとなり、自在に姿を変形させ技を繰り出すのが有名となっております。コマや逆三角形のピラミッド型に変形したりなど多彩な技を持っており、タッグ戦でもこの特殊な体質が生かされた戦いをしております。最強と呼ばれる一角と言っても過言ではないでしょう。
キン肉マンの超人たちは個々に「必殺技」というものを持っているのですが、アシュラマンにももちろん必殺技が存在します。六本の腕と三つの面を操り多彩な技を放つアシュラマンですが、一体どんな必殺技があるのか? それを少し見ていきましょう!
どこかで聞いたことのあるフレーズが混じっていると思いますが、キン肉マンの「キン肉バスター」、これを真似た技が「阿修羅バスター」と言うことになります。技の掛け方はキン肉マンを同じですが、腕の多さから技をかけやすくなっていると見てもいいかもしれません。相手を逆さにくみ取り、そしてそのまま急降下すると言うキン肉マンの十八番技を真似ています。技の威力的にはもしかしたら阿修羅バスターの方が上なのかもしれませんね!
「竜巻地獄」、これは文字通りの竜巻を起こす技であり、腕の本数からなのでしょうか? 腕を振るだけで竜巻を起こせると言うなんとも化け物じみた技を繰り出します。テリーマンとの一戦使用した竜巻地獄が有名でしょう。両側からのダブルの竜巻で逃げ場を無くし、そのまま竜巻の餌食にすると言う、まさに竜巻地獄の名にふさわしい技と言えるでしょう!
キン肉マン作品の歴史の中でもアシュラマンは特に登場の多いキャラクターとも言えます。悪魔=悪というイメージが強いですが、ストーリーを追うごとにアシュラマンの素性というものが序盤から徐々に変わっていくのがわかります。元々は悪魔超人であり、悪魔六騎士という悪に染まったようなキャラクターではありましたが、後々には「いいやつ」というイメージで終わりを迎えることになります。そのストーリーを順番に見ていきましょう!
まずアシュラマンが世で有名となったのはこの「黄金のマスク編」と言ってもいいでしょう。ここではテリーマンと対峙し、あの阿修羅バスターや竜巻地獄などの名技を披露します。この戦いで初めてアシュラマンは6本の腕を披露することとなります。その腕は昔キン肉マンと歴戦を繰り広げた悪魔超人たちから奪ったものであるとわかります。試合中、テリーマンの腕を奪うシーンもありましたね。ここではかつてのバッファローマンの腕でなんとか助けられたテリーマン・・・試合の結果は両者引き分けとなりました。
この夢の超人タッグ編では、アシュラマンの本性が露わになったと言ってもいいでしょう。悪魔将軍が前ストーリーで破れたのをキッカケに悪魔六騎士の一人である「サンシャイン」と共に悪魔六騎士を離脱します。そして組んだタッグが「はぐれ悪魔超人タッグ」というものでした。夢のタッグと言ってもいいでしょう。その際に出場した超人タッグトーナメントで「呪いの人形」を使い正義超人の友情を壊そうと計画します。しかし、ここでマッスルブラザーズとの一戦の友情を見たアシュラマンはかつて自分を指導していた家庭教師の友情の記憶が蘇り、元々の顔である「泣き面」を見せます。ここでアシュラマンは改心することとなりました。
キン肉マンⅡはキン肉マンの次世代を舞台としたもので、キン肉マンⅠで活躍していたキン肉マンやそのほかの超人たちは年老いて一戦を退いておりました。もちろんアシュラマンも例外ではなく、かつて悪魔超人であったアシュラマンですが、正義の超人だったのです。妻子にも恵まれ、シバという息子を育てる一人の超人として生活しておりましたが、シバが次第に悪の道へと進み出し、実の母を手にかけたことからアシュラマンは実の息子であるシバを手にかけます。そのことがキッカケで自分はこの先、悪であり続けると誓います。キン肉マンⅡでも敵役の中核を担う立場にあったアシュラマン・・・キン肉マンにおけるアシュラマンの立ち位置は揺るがず人気だったのですね。
アシュラマンは人気キャラであるだけにたくさんの名言を残しております。ファンの心に刻む名言とは何なのか? それを個人的に選別し、ここでご紹介したいと思います。多数名言がございますが、あくまでも個人的な選別によるものと言う視点でご覧頂ければと思います。
アシュラマンの名言の中でも序盤で有名になったものです。黄金のマスク編にてキン肉マンと対峙した際、阿修羅バスターを炸裂させ横たわったキン肉マンに対して放った一言です。キン肉マンは作品の中ではもちろん主人公ですが、負けたことがないと言うわけではないはずなのですが、このセリフです。どうやらキン肉マンを打ち倒してとても嬉しかったようですね!
こちらも黄金のマスク編にてテリーマンと対峙した際に放った言葉であり、有名なシーン&セリフでもあります。竜巻地獄は自らの腕の多さを利用した技であり、通常であればまずありえないことと言うことで今回採用させて頂きました。もちろんテリーマン以外の戦いでも使用しておりますが、これが第一声と言うことでテリーマンの場面をあげさせてもらいました。個人的な感想を言うとかなり熱いセリフであると思っております!
黄金のマスク編にてテリーマンとの戦いで放った名言になります。六本の腕を駆使して繰り出される阿修羅バスターは威力も想像をはるかに超えるものがあるでしょう! テリーマンとの戦いで最初に炸裂した阿修羅バスターですが、最初はリング外の機械に当たり威力も半減しましたが、実際はかなりの威力であるのは間違いありませんね!
竜巻地獄で挟まれたテリーマンが、その攻撃から逃れようとリング外へと逃げようとした際に放った言葉です。こちらも個人的にはかなりいい感じのアシュラマンらしい名言であると思います。余裕を見せつつ放つ言葉は初期のアシュラマンらしいですね!
言わずと知れたアシュラマンの心の叫びとも言える名言ですね! これは見ているファンのみなさまの心に刺さったと言っても過言ではないでしょう。元々は悪魔超人、そして悪魔六騎士として悪の超人だったアシュラマンですが、タッグ戦で過去の記憶が蘇った後、自ら更正していくアシュラマン・・・その姿はやはり「いいやつだ」と言ってもいいでしょう!
これは夢の超人タッグ編にて発せられたセリフですが、ウォーズマンのマスクをネプチューンマンが自らのコレクションにしようとした際、ロビンマスクと共にどんな悪であってもマスクには手を出さないのがルールであると言った名言です! これはかなりの名言ではないかと個人的には思います。
衝撃的な姿での名言でした。むしろあの姿で発したからこその名言だと思います。首がない状態で放った言葉であり、その理由についてはもちろんご存知、キン肉マンに破れアシュラマンが自分で自分の首を落としたことがかなりの名シーンであり、名言であると個人的に感じました。忠誠心とでも言いますでしょうか? かなり熱いシーンです!
これは名シーン中の名シーンと言ってもいいかもしれません。アシュラマンの泣き面が露わになった瞬間に発せられた名言です。アシュラマンが呪いのローラーに巻き込まれかけたその時にサンシャインがアシュラマンを救ったこと、それに対して放ったセリフです。感動的とも言えますね!
マッスルブラザーズ戦で泣き面になった際にアシュラマンが自らの涙の理由について気づくシーンでのセリフです。これこそ名言と言えるものでしょう!
マッスルブラザーズのキン肉マングレートがテリーマンであると気づき、そして試合が続行できるかどうか揉めている際にスターエンブレムをアシュラマンがテリーマンに返した時に発したセリフです。スターエンブレムを失っているテリーマンが参加の問題点となっている際に悪魔超人であるアシュラマンが返したと言うところがミソですね!
アシュラマンが正義や友情、そして愛情と言うものに寄り始めた瞬間でもあり、テリーマンの復活を認めた言葉です。アシュラマンが良いやつであると言うことを決定づけるセリフでもあり、また今後のアシュラマンの道を変える言葉でもありました。
では、気になるアシュラマンの声優について綴っていこうと思います。アシュラマンの声優陣は長年の作品だけに色々な声優さんが担当しています。一人一人今回は見ていきましょう!
「郷里大輔」(ごうりだいすけ」さんはキン肉マン初期のアシュラマンを支えた人物として有名です。1952年2月8日〜2010年1月17日、男性声優史に残る超有名声優さんでした。あの郷里さんの声があったからこそ今のアシュラマンがあると言ってもいいかもしれませんね!
二又一成(ふたまたいっせい)さんはアシュラマンの幼少時代を演じておりました。1955年3月15日生まれ、青森県三沢市出身で、数々の名アニメの声を演じてきた超ベテラン声優、ナレーター、そして俳優さんでもあります。幼少期のアシュラマンの声と言えば二又一成さん、とって言っても過言ではないでしょう!
石森達幸(いしもりたっこう)さん、1932年1月11日〜2013年6月5日、アーツビジョンに所属する日本を代表する声優、俳優、またナレーターです。王位争奪編ではアシュラマン以外のキャラクターもつとめ、かなりの幅の広い声を持っている歴史に残る声優でもありました。
山口健(やまぐちけん)本名:山口清成(やまぐちきよしげ)、1956年3月24日〜2011年10月24日。山口キヨヒロを兄にもつ日本を代表する名声優です。多数の有名作品の声をつとめるいわば声優の代表的な存在です。歴代のアニメ史を支えてきた声優さんでもあります!
平松晶子(ひらまつあきこ)1967年8月31日生まれの日本の女性声優です。東京都出身で懐かしのアニメでは数々の作品に登場するベテラン声優です。幼少期も完璧にこなしていた平松さん、女性がアシュラマンの声優を務めるのはこれが初めてのことでした。
いかがでしたでしょうか? アシュラマンについて今回は長々と語ってきましたが、アシュラマンが作中でどのような人物であったか、またどのようにして変わっていったのか、その辺りが伝わって頂けると嬉しいです! アシュラマンの作品の中でも成長、そして葛藤や苦悩と、生き方について学べる部分もたくさんあると感じました。まだキン肉マンを知らない方は是非一度ご覧になって頂きたいと思います。