アロマテラピーは、香りを楽しむだけのものではありません。エッセンシャルオイルの効能によって、いろいろな使い方ができます。中でもアロマスプレーは、手軽に使えるので便利です。そこでまず、アロマスプレーの魅力をまとめておきます。
手作りアロマスプレーは、多種多様なエッセンシャルオイルを組み合わせて作ります。そのためブレンド方次第で、さまざまな香りができあがります。その種類は無限大といっても、過言ではないでしょう。
手作りのアロマスプレーは、入れる容器の大きさに注意すれば、いつでもどこでも持ち運べます。また、使い方は後で詳しく説明しますが、エッセンシャルオイルのブレンドを変えることで、ルームスプレー以外の使い方ができるのも魅力です。
アロマスプレーを手作りするために、必要な材料は4つあります。それは「エッセンシャルオイル」「無水エタノール」「精製水」「スプレー容器」です。分量を正確に量るための計量カップを用意しておくと、作業の時に便利です。
アロマスプレーを手作りするために選ぶなら、天然素材100%のエッセンシャルオイル(精油)を選びましょう。1種類だけでなく、複数のエッセンシャルオイルをブレンドすることで、効能をアップできます。
エッセンシャルオイルと精製水を混ぜ合わせようとしても、水と油は混ざりません。そこで、無水エタノールでまずエッセンシャルオイルを溶かし、水と混ざりやすくするのです。
エッセンシャルオイルの香りを引き出すためには、不純物が少ないものが望ましいです。そのため、水道水ではなく純度の高い精製水がおすすめなのです。未開封のミネラルウォーターでも、代用できます。
スプレー容器を選ぶ際には、エッセンシャルオイルやアルコールを入れて問題がない素材がピッタリです。プラスチックではなく、ガラス製がよいでしょう。また、持ち運びを想定しているなら、30mlや50mlなど小型の容器をチョイスしておくのがポイントです。
では30ml容器に収まる、アロマスプレーの作り方をご紹介します。分量は、無水エタノールを10ml、精製水を20ml、お好みのエッセンシャルオイルを12滴です。手作りのアロマスプレーを肌につける場合は、エッセンシャルオイルの量を3~6滴にしてください。
30mlのスプレー容器に、10mlの無水エタノールを入れます。そこに好みのエッセンシャルオイルを加えたら、容器を軽く振り中身を混ぜます。それから20mlの精製水を入れ、容器のふたを閉めてから十分に振り、中身を混ぜ合わせます。その際に容器が温かくなったり、白濁することがありますが、エタノールと精製水が混ざることで起こる反応なので心配はいりません。
アロマスプレーには、ルームスプレーや消臭、リフレッシュ、スキンケアなどいろいろな用途があります。使い方に合わせて、適するブレンドが異なりますので、用途に合わせて何種類か用意しておくのもおすすめです。
芳香剤代わりに、ルームスプレーを使うという方法はがあります。リビングや寝室で使う時には、リフレッシュやリラックスを促すブレンドがおすすめです。アロマスプレーには消臭効果があるブレンドもあるので、生ごみや雨の日の部屋のにおい対策に使うのもよいでしょう。
虫よけやインフルエンザ、花粉症の対策にアロマスプレーを活用する人も多いです。虫よけなら肌や洋服につけ、インフルエンザや花粉症対策ならマスクにひと吹きすると、トラブル予防に役立ちます。
エッセンシャルオイルの使用量を少なくすることで、スキンケアやボディケアに使えるアロマスプレーを手作りすることもできます。化粧直しの際にミスト代わりに使用したり、入浴後のボディケア、体臭を予防するデオドラントとしても活用できます。
アロマスプレーを手作りした後の使い方で、覚えておいてほしいことがあります。それは、アロマスプレーを使う前に必ず容器をよく振り、中身が十分に混ざってから使うことです。そして、手作りしたアロマスプレーは必ず冷暗所で保管し、1カ月以内に使いきってください。これを守らなければ、劣化してしまいます。
アロマスプレーを手作りする場合、全体量のうちエッセンシャルオイルが占める割合は0.5~3%が基本とされています。ですが、用途に合わせて適正量が変わるので注意が必要です。スキンケアや虫よけなど肌につける可能性が高い時には、エッセンシャルオイルの濃度を全体の0.5~1%にするのが目安です。ルームスプレーなど香りが目的の場合の濃度は1~3%が基本です。掃除や除菌に使いたい時には、最大で4%までエッセンシャルオイルを入れてOKです。
アロマオイルは「精油」または「エッセンシャルオイル」のほか、香料など化学成分を加えたものも含まれます。エッセンシャルオイルは、植物の花や葉、樹皮、果物の皮などから抽出された揮発性のものだけを指します。アロマオイルは300種類以上あるといわれており、一つの香りを楽しむことも、ブレンドしてオリジナルのものを作ることも可能です。
アロマオイルについてもっと知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
アロマオイルは「フローラル系」「エキゾチック系」「柑橘系」「樹木系」「ハーブ系」「スパイス系」の6つに分かれます。それぞれの代表例をあげてみると、フローラル系ならラベンダーやローズ、エキゾチック系ならイランイランやサンダルウッド、柑橘系ならレモンやグレープフルーツ、樹木系ならティートリーやローズウッド、ハーブ系ならローズマリーやペパーミント、スパイス系ならシナモンやコリアンダーがあげられます。
アロマオイルの効果についてもっと知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
アロマスプレーは、チョイスするエッセンシャルオイルやブレンド比率によって香りが変わります。また用途や目的によっても、おすすめのブレンドは異なるのです。例えばリビングに使うルームスプレーなら、ラベンダーとローズマリー、レモンをそれぞれ4滴ずつにすると、さわやかな香りなので重宝します。夜寝る前に寝室で使いたいなら、オレンジスイート6滴にラベンダーを4滴、イランイランを2滴でブレンドしてみてください。フローラルの優しい香りが眠りに誘ってくれるはずです。
アロマテラピー初心者のうちは、本やウェブサイトを参考に基本のブレンドを楽しむだけで満足できます。でも、何度もアロマスプレーを作るうちに、自分好みの香りを見つけたくなることもあるでしょう。その場合は、無水エタノールと精製水、エッセンシャルオイルの分量は守って、ブレンド比率を変えてみましょう。ガラスのビーカーなどにエッセンシャルオイルを落とせば、香りを確かめながら加えていくことができるので、作業しやすいはずです。
アロマオイルとエッセンシャルオイルを混同している人もいるようです。実は、アロマテラピーに使えるのはエッセンシャルオイルだけで、アロマオイルは使用できません。その理由は、100%天然素材だけでできているのは、エッセンシャルオイルだけだからです。アロマオイルの中には合成香料やアルコールを使っているもののあるので注意が必要です。
アロマスプレーは、エッセンシャルオイルの濃度を薄くすることで、スキンケアにも利用できます。ですが、エッセンシャルオイルは製造の過程で濃縮されているので、そのまま肌につけると刺激が強すぎます。顔につけたり肌が弱い人は、濃度が0.5%以下になるように作りましょう。また、必ずパッチテストを行い、異常がないことを確認してから使うのがポイントです。
今回はアロマスプレーの作り方や使い方、おすすめのブレンドについて紹介しました。材料も手に入れやすく、家で簡単に手作りできるのは魅力です。また、容器を小さくすることでアロマスプレーを持ち運ぶこともできます。用途に合わせてエッセンシャルオイルを選び、好みの香りのアロマスプレーを作ってみてくださいね。
手作りアロマスプレーと市販品との効果の違いについて知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。