咲 sakiの主人公である宮永咲の能力はご存知、嶺上開花です。嶺上開花とは、カンが成立した際に不足してしまった牌を決められた場所(嶺上)から取り、その牌が和了牌だった時のみ適用される役のことで、狙って上がるのはかなり難しいとされています。
宮永咲はその和了牌を引いたり、察知する力に長けているため、難しい嶺上開花を対局中に何度も繰り出すことができます。また、カンをすることで相手の心理面にも影響を与え、ペースを乱すこともできます。そうしたことから「清澄の嶺上使い」と呼ばれるようになり、無名の1年生にして他校にもマークされる存在になりました。
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原村和は基本的に能力といったものは認めないタイプです。宮永咲の連続嶺上開花も偶然そういう引きになったとして、全く信じようともしません。それは、和がパソコンでの麻雀ゲームなど運に頼らないデジタルな場で戦い続けたことが大きな要因です。ネットでは『のどっち』として麻雀をプレイし、その強さで多くのユーザーに知られる存在になっています。
そんな原村和ですが、実際の麻雀でも集中力が高まると『のどっち』になることがあり、デジタルを彷彿とさせる高い思考能力で他を圧倒する麻雀を見せます。さらに集中力が高まるとのぼせたような状態、覚醒モードに入り、プロをして「次元が違う」とまで言われるほどの実力を発揮します。
清澄高校と同じ長野県の強豪校である龍門渕高校、その大将を務める天江衣の得意役は海底撈月(ハイテイラオユエ)です。海底は局の最後に行われるツモと打牌からなる一連の行為を指し、撈月は海底でツモ和了した場合で成立する役のことを言います。
天江衣は海底牌にどの牌が埋まっているかをほぼ確実に察知することができ、テンパイしてしまえば高い確率で和了することができます。他家が鳴きを入れて阻止しようとしても、すぐに鳴きを返して海底撈月に繋げてしまいます。また、鳴きを使った速攻も得意で、付け入る隙がほとんどありません
しかし、そんな天江衣でも王牌は支配することができないため、カンを多用して王牌からも牌を取る宮永咲は少し厄介な相手となります。
阿知賀女子の大将を務める高鴨穏乃は山の奥を支配する能力を持っています。この山とは牌山を指していて、深い場所を支配して自由を奪うことで相手の能力を妨害することができます。この支配は相手が強ければ強いほど効果が高くなっていくため、一度使えば天江衣の海底撈月ですら止めてしまうほどの威力を発揮します。
この能力は海底牌などの牌奥にある牌ほど支配が強くなっていくので、嶺上牌も大きな影響を受けてしまいます。嶺上牌といえば宮永咲の能力である嶺上開花。宮永咲にとって高鴨穏乃は相性が悪い相手と言えます。
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宮永咲の姉である宮永照はインターハイ個人で連覇を果たした全国屈指の選手です。照の能力は高い和了率を活かした連続和了、そして相手の特徴を一瞬で見定める照魔境があります。
照魔境とは相手の後ろに鏡のようなものを出現させ、相手の打ち方や傾向などを見抜く能力です。東一局に使うことが多く、その間は和了せずに様子見をするしかありませんが、一度発動されてしまうと鏡からは逃れられないという恐ろしい能力となっています。
連続和了は一見すると普通の和了ですが、あがるたびに打点がどんどん上がっていき、気付いた時にはトバされて対局が終わってしまうという脅威の能力です。この連続和了は他の選手のようにこれといった弱点もないため、全国のトッププレイヤーですら単独では止めることができません。照魔境と連続和了という2つの能力で宮永照は高校生王者として君臨しています。
千里山女子の先鋒を務めるエースの園城寺怜は一巡先を視る能力を使うことで有名です。一巡先の卓上がどうなっているかを予知することができ、リーチしていなければ振り込むこともない上に、和了り牌までわかってしまうという攻守両方で使える万能な能力です。
通常は一巡先しか視ることができませんが、無理をすれば二巡先、さらに三巡先まで視ることが可能ですが、体への負担が大きすぎるため、一巡先以上を視ることは禁止されています。全国大会準決勝で宮永照を止めるために三巡先を視たことで意識を失い、倒れてしまいますが、そこからさらに視る能力が強化され、相手の動きによって変わる複数の未来が視えるようになり、万能な能力がより強固なものとなりました。
全国屈指の強豪校である白糸台高校で1年生にして大将を任されている大星淡。ビッグマウスと天然気味な明るい性格が印象的ですが、彼女の能力である絶対安全圏とダブルリーチは宮永照に匹敵する強さを誇ります。
絶対安全圏とは他家の配牌を5向聴以下、テンパイにはかなり遠い配牌に下げてしまう支配系の能力です。鳴かれない限りは4巡目までは安全に打てることから絶対安全圏と呼ばれています。この能力を破るには配牌をコントロールするしかないため、攻略できるキャラが限られてしまうのも特徴です。
ダブルリーチは、淡がダブルリーチをかけた後、山牌が最後の角に差し掛かる寸前にで暗カンを掛けることにより、その直後に和了すると暗カンしていた牌がカン裏として全て乗ってしまいます。この能力は全国で10人程度しか破れないと言われており、淡にとって最大の攻撃手段と言えます。しかし、全国大会準決勝では最後の角を高鴨穏乃に支配されてしまい、能力が打ち消されてしまいました。そこから考えると、ダブルリーチの支配力はあまり高くない可能性もあります。
九州の強豪校である福岡の新道寺女子高校。そこでダブルエースとして活躍しているのが白水哩と鶴田姫子です。2人が使うリザベーションは咲 Sakiでは珍しいコンビで使う能力です。先に戦う白水哩が飜数の縛りを自らにかけ、その飜数以上で和了ることができれば、後に戦う鶴田姫子が同じ局で倍の飜数で和了ることができます。哩が縛りを強くすればするほど、姫子はより高い飜数で和了れます。
しかし、哩が縛りをかけた局で和了れなければ、姫子もその局では和了ることができず、和了れたとしても1飜以上はできません。さらに、縛りを越えた分の飜数は換算されないので、2飜の縛りをかけた時に3飜で和了れても、姫子に反映されるのは2飜分だけなので、超えた1飜分は無駄になってしまいます。そうした欠点はあるものの、大星淡の支配すら打ち消すこともできる数少ない能力であり、その威力は咲 Sakiの世界の中でもトップクラスと言えるでしょう。
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永水女子高校の神代小蒔は体に九面と呼ばれる神を降ろし、本人が寝ることで力を発揮する不思議な能力を使います。素の力はとても全国大会に出るような実力ではありませんが、一番強い九面を降ろした際には全国トップレベルの実力を見せます。
九面の中でも実力の強弱があり、実際に降りてみないとわからないというランダム性の強い能力でもあります。しかし、何らかの方法で降りる神を調整することも可能であり、決勝には強い神を降ろす予定だったと本編で語られています。
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高鴨穏乃と同じ阿知賀女子で先鋒を務める松実玄は手牌にドラを集めやすい能力を持っています。本人が願わなくても自然に手元へドラが集まってしまうい、表ドラだけでなく赤ドラや槓ドラも集まるので、ノミ手を作るだけで高得点を叩き出せる恐ろしい能力です。その圧倒的な得点力から『阿知賀のドラゴンロード』という呼び名まで付けられました。
しかし、一度ドラを手放してしまうとしばらくドラが手元に来なくなってしまうという欠点があります。さらに、ドラが集まってしまうので打ち手が制限されたり、相手に振りこみやすくなってしまうなど、デメリットも多い能力となっています。とはいえ、一度和了ることができれば高い得点が期待できるこの能力は、ポイントゲッターがいない阿知賀女子には貴重な存在となっています。
今回は咲 Sakiの能力についてまとめました。こうしてみると個性的な能力がとても多いのがわかります。小林立先生のアイディアは本当に凄いと思います。他にもここでは紹介しきれないキャラの能力がありますし、これから先もどんどん新しい能力が登場すると思います。どんな能力を見せてもらえるのか、今から楽しみです。