林原めぐみは1967年3月30日生まれ、東京都出身の声優、歌手です。身長は155cm、血液型はO型。「めぐさん」「閣下」などの愛称でファンに親しまれています。2018年現在、御年51歳…!外見などからはとてもそんなふうには見えませんね。1998年には結婚も発表、2004年には女の子を出産しています。
声優になる前は、看護学校と声優養成所と掛け持ちし、両立させていた、とのことですから努力家でもあるのでしょう。声優としての他に歌手活動も盛んな人ですが、声優がレコード会社と専属で契約をする、ということの先駆けともなった人であり、そういった門戸をこじあけてきた人でもあります。
林原めぐみの声優としてのキャリアをまとめてみましょう。彼女が声優になろうと思ったきっかけは、小学校のときに見た『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』にて、「声優」という仕事があるのだということを意識した時から、だそうです。高校のときに進路を決める際には、現実的なこととして看護婦を目指していましたが、たまたま声優無料養成オーディションの広告を発見し、応募したところ見事に合格しました。その後は看護学校と声優養成所を掛け持ち、看護婦の資格も獲得しています。
林原めぐみの声優デビューは1986年放送のアニメ『めぞん一刻』の幼稚園児役でした。1988年放送のアニメ『魔神英雄伝ワタル』で忍部ヒミコ役を演じ、作品の主要キャラをはじめて担当します。それ以降は作品の主役キャラなど大きな役柄を多く演じるようになり、代表アニメ・キャラとして『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイや『ポケットモンスター』のロケット団のムサシなど、また、ちょっと変わったところではサンリオピューロランドのハローキティの4代目声優を務めたりもしています。
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林原めぐみが歌手活動を始めるきっかけとなったのは、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』でのイベントでした。ここで歌手としての才能を見出された彼女は1989年5月に初シングルとなる『約束だよ』をリリース。これはアニメ『小さなアヒルの大きな愛の物語 あひるのクワック』のOPテーマとして起用されています。その後、1990年にはミニアルバム『PULSE』を発表、そして1991年には初のキャラクターソングとなる『November Rain』を発表、こちらはアニメ『らんま1/2』のEDテーマに起用されました。
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林原めぐみの歌手活動はその後の、声優による歌手活動に大きな影響を与えたと言われています。声優とレコード会社との専属契約というのが当時は珍しかったのですが、彼女はその壁をいわば打ち破ったようなものですね。また、90年代、J-POP全盛期に声優ジャンルの歌をヒットさせたことも大快挙でしたし、売り上げ面においても声優として初動売上週間10万枚を越えたという記録は未だ彼女しか成し得ていません。
これまで触れてきたように、林原めぐみの声優としてのキャリアは長いですから、これまでにたくさんのアニメで主要・脇役に関わらず色んなキャラを演じてきています。
代表的なアニメ・キャラクターとして、『らんま1/2』の早乙女らんま役、『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて』のミンキーモモ役、『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ役、『スレイヤーズ』シリーズのリナ=インバース役、『万能文化猫娘』の夏目温子/ヌクヌク役、『ポケットモンスター』シリーズのムサシ役、『シャーマンキング』の恐山アンナ役、『昭和元禄落語心中』のみよ吉役など、時代・年代問わず常に第一線にいるのが凄いですよね。
これだけ、声優としても歌手としてもキャリアのある林原めぐみですから、さぞかしたくさんライブなども行なっているのだろう、と思いきや、実は彼女がライブを行ったのはこれまでにたった一度だけなんですね。そのライブというのが、デビューから30年、そして彼女が50歳を迎えるというタイミングでした。突然のライブ開催の告知には「ビートルズ初来日に匹敵する初公演」などとファンの間から言われたりもしていました。それほどに衝撃だったんですね。
これまでは個人的な方針としてライブを行ってこなかったという林原めぐみ。ではなぜこのタイミングで初ライブを行うことにしたのでしょうか。彼女のインタビューによれば、それは単純に、レコード会社から「やってください」と言われたから、だそうです。もしかしたら彼女は、その言葉を待っていたのかもしれませんね。
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林原めぐみのファーストライブのタイトルは、「林原めぐみ1st LIVE -あなたに会いに来て-」でした。会場は中野サンプラザで、開催日は2017年6月11日、このたった1日のみでした。台本も楽曲を含めた構成も衣装も、全て林原めぐみ本人が考えたものだったそうです。このライブ映像は2017年12月にBlu-ray、DVDとして発売されています。また、ライブグッズも会場では販売され、後日公式からもグッズ購入が可能となっています。
ただでさえ「ビートルズの初来日に匹敵する…」とまで言われていたライブ、貴重ですし、公演日もたった1日だけ、しかも中野サンプラザはそんなにキャパシティが大きいというわけではありません(2222人収容)。ですので、応募はかなり殺到したようです。詳しい倍率などはわかりませんが、林原めぐみのインタビューを読むと、万を越えていたといいますから相当ですよね。
昨今、取りづらいチケットなどの転売などもよくあるそうですが、林原めぐみのライブに関しては本人顔写真付きの身分証明書を持参しなければ入れないなど徹底していたようでした。
林原めぐみのファーストライブの裏テーマは「不親切」だったそうです。どのあたりがどう不親切だったのか、それはライブも終盤になってから、誰も「不親切」だとも気づかないうちにどうやら発動されていたらしいのですが…なんだったのでしょうか?
「不親切」という裏テーマ、これは実はライブの全体的な構成・コンセプトに関わってくることだったのですが、林原めぐみが演じてきたキャラで喋る→そのキャラが出ていたアニメのOPやEDなどを歌う、という流れで構成されていて、彼女は終盤まで一切MCも楽曲紹介もしなかったそうです。
でも、参加していたファンにとってはMCも楽曲紹介がなくても、林原めぐみが誰を演じていたのかすぐに分かったので、違和感もなくむしろ自然とその世界に惹き込まれて行った、そんな感じだったようですね。このあたりが、「林原めぐみのライブの演出がすごい!」と話題になった所以なのでしょう。
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「夢を抱きしめて」は、林原めぐみが主人公ミンキーモモを演じたアニメ(1991年放送)『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて』の2期OPテーマ曲。ライブのオープニングとしてもふさわしい楽曲ですよね。
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「好きより大好きミンキースマイル」は、同じくアニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて』の2期EDテーマ曲です。こちらはジャズアレンジで演奏され、ぐっと大人っぽい感じの仕上がりに。客層に合わせたのかもしれませんね。
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「約束」は同アニメの最終回で流れた楽曲です。アニメでは岡崎律子が歌っていましたが、後に林原めぐみがカバーしました。このライブでは岡崎のバージョンが流れたあと林原めぐみが受けて歌うという構成にされており、なかなか粋な演出だと話題になっていました。
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「Successful Mission」は96年放送のアニメ『セイバーマリオネットJ』のOPテーマ。この楽曲は当時オリコンチャートのトップ10に入ったヒット曲でもあります。ライブ中はサンドアーティストの伊藤花りんがパフォーマンスで共演するなどステージを盛り上げました。
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「Hesitation」はOVA『またまたセイバーマリオネットJ』OPテーマ。長い袖の衣装を着てダンスも披露するという、耳はもちろん目でも楽しめるステージでした。
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「I'll be there」は同じくアニメ『セイバーマリオネットJ』のEDテーマ曲。セイバーマリオネットJの枠の中でもOPとEDでこのようにすっきりまとめてきている構成はさすがですね。
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「私にハッピーバースデイ」は彼女の3枚目のアルバム『Perfume』に収録されていた曲で、98年のOVA『万能文化猫娘DASH!』のOPテーマ。この楽曲のときはオーディエンスとの合唱も盛り上がりました。
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「しあわせはちいさなつみかさね」は同じくOVA『万能文化猫娘DASH!』のEDテーマ。こちらは林原めぐみが1998年にリリースしたシングル『A HOUSE CAT』のカップリング曲でした。作詞作曲ともに林原めぐみが手掛けた曲でもあります。
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「Fine colorday」はアニメ『万能文化猫娘』のOP曲。1998年2月にリリースされたシングルで、オリコンチャート最高位は9位を獲得しています。万能文化猫娘のコーナーではステップを踏むシーンも見られ、「かわいい」林原めぐみが堪能できるものとなりました。
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「Over Soul」はアニメ『シャーマンキング』の前期OPテーマ曲。2001年8月に発売され、2000年代に林原めぐみが発表した楽曲の中でもっともヒットした曲でもあります。会場のボルテージもここにきてさらに盛り上がったという感じで、サイリウムが沢山振られていたようですね!
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「trust you」は同じくアニメ『シャーマンキング』の前期EDテーマ曲。「Over Soul」とのカップリング曲でした。この流れは林原めぐみファン、そしてシャーマンキング大好きな層にはたまらなかったことでしょう。
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うってかわって静かに朗々と歌い上げられた「恐山ル・ヴォワール」は漫画『シャーマンキング』のサブタイトルに使われた言葉で、また劇中詩としても登場したものです。こちらに曲をつけて初音ミクに歌わせたものが2010年にニコニコ動画に掲載され、話題となったものを2011年に林原めぐみがカバーして発表しました。なかなかに面白い曲セレクトをしてきていますよね。
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続いてはアニメ『昭和元禄落語心中』からの曲が続きます。「今際の死神」は同アニメの2期のOPテーマで椎名林檎のプロデュースによる曲。アニメが2017年の放送でしたから、まさに往年の楽曲から新しい楽曲まで幅広く取り入れたセットリスト構成にするのはさすがですね。ここではキャラのセリフやり取りはありませんでしたが、お囃子や落語家のシルエットという演出だけで、何のアニメかは一目瞭然でした。
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「薄ら氷心中」はアニメ『昭和元禄落語心中』の1期OPテーマ曲。こちらも椎名林檎がプロデュースしました。これまでの林原めぐみにはなかったような楽曲ですがデビューから四半世紀、新たなジャンルを開拓した、ということでしょうか。
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「For フルーツバスケット」は岡崎律子が原曲、林原めぐみがカバーした楽曲。岡崎律子トリビュートアルバムとして2017年5月に発売された『with you』に収録されているものです。この曲を歌い終わったあと、林原めぐみはこのライブで初めて、MCを行いました。
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「Lucky&Happy」も同アルバムからの選曲です。こちらは2007年放送のアニメ『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』EDテーマで、林原めぐみ自身も聖桜学園長の学生時代のキャラ役で出演していたものでした。
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「はじまりはここから」も『with you』からの選曲。2000年放送のアニメ『ラブひな』の最終回のEDテーマ曲です。ラブひなには林原めぐみは浦島はるか役で出演しており、大変関係が深い楽曲ですね。
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「青空」はアルバム『with you』に新たにカバーとして収録された曲で、岡崎が幼少期を過ごした軍艦島をドローンで撮影した映像も流されました。この曲は「とっておきの曲を贈りたいんです」というMCの後に歌われ、ステージラストの曲となりました。このセットリスト構成から、そして林原めぐみのMCなどから、彼女がどれだけ、岡崎律子の曲を愛しているのかが伝わりますね。
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「以上をもちまして…」とライブをしめくくるアナウンスを突き破るように林原めぐみがキャラになりきり、掛け合いののちに始まったのがアニメ『スレイヤーズ』シリーズの楽曲メドレー。確かに、このアニメ、そしてキャラなくして林原めぐみは語れませんし終われませんよね。アンコールへの入りもスムーズで素晴らしいです。
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そしてセットリスト最後を飾るのが「JUST BIGUN」。こちらは2009年放送のアニメ『スレイヤーズEVOLUTION-R』の最終回のEDテーマ曲です。ラストにもってくるにはぴったりの曲ですよね。
林原めぐみのファーストライブではもちろんグッズも販売されていました。グッズの種類は、ライブに欠かせないパンフレットはもちろん、ポストカードやTシャツ、パーカー、LEDペンライト、クッキー、エコバッグ、リボンバンドなど、ファンであれば全て欲しくなってしまうようなグッズばかりです。会場ではグッズは、1人につき買える個数も制限されており、グッズの転売対策もしっかり取られていたようですね。
なお、林原めぐみのライブは中野サンプラザのみ、たった1日だけの開催となったため、都心から離れたところに住んでいるファンや仕事などの都合がつかなかったファンたちのために、ライブグッズは公式サイトからも購入可能になっています。貴重なグッズですから転売の恐れもあったかと思いますが、公式サイトからグッズを買えるようにしているのは素晴らしい配慮ですね。
「生きててよかった」という言葉がすんなり出てくるほどに素晴らしい内容だったということが伝わります。確かに、セットリストから構成からなにまで、ファンにはたまらない内容ですよね。並べられたグッズの写真からも喜びが伝わってきます。
敢えてMCを入れずに、セットリストの合間に林原めぐみが演じるアニメキャラがリードしていった、というのもまた粋な構成ですよね。
さて、林原めぐみがライブのタイトルとして掲げていた「あなたに会いに来て」ということの意味はなんだったのでしょうか。あの頃、このアニメをみていた自分はどうだったか、アニメの楽曲を聴くことで、キャラの声を聴くことで、目の前に浮かぶ情景がきっとあるはずです。そんなころの「あなたに」会いに来て、という意味だったのですね。これはもう、こんなことを言われたら涙腺が崩壊するほどに感動してしまいますね。これは、年齢を重ねた、人生経験もたっぷり積んだ林原めぐみだからこそ、できることではないかと思います。
ここまで、林原めぐみのファーストライブ「林原めぐみ1st LIVE -あなたに会いに来て-」のセットリストや楽曲紹介、演出のすばらしさ、グッズなどをまとめました。セットリストを見ただけでも参加したかった!と思うファンの方も多い一方で、欲を言えばエヴァの曲などもセットリストに入れてほしかった、などの声もあります。ただ、林原めぐみはこのとき自分にできる一番最高のものをファンたちに提供してくれたのだ、ということは間違いないと思います。DVDなども発売されていますので、興味を持たれた方は是非チェックしてみてください。