脳にある海馬の位置
海馬は耳の内側、側頭葉と呼ばれる部分の内側に位置しています。
直径1㎝、長さ5㎝ほどで、大人の小指くらいの大きさです。
引用: https://swallowmouth.com/yobokaiba-414
赤い部分が海馬です。左は、側面から見た図。右は、正面から見た図。
引用: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E9%A6%AC_(%E8%84%B3)
脳にある海馬の図
タツノオトシゴに形がとてもよく似ているので、
「海馬」と名付けられました。
引用: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E9%A6%AC_(%E8%84%B3)#/media/File:Hippocampus_and_seahorse_cropped.JPG
脳にある海馬の役割
海馬の役割は、記憶の中枢です。
人間が見たり、聞いたり、味わったり、匂いを嗅いだり、触れたりした刺激は、すべて海馬で統括されます。
海馬ではその情報が、必要か不要かを判断し、必要なものだけを保存します。
そして、保存した情報が必要になった時は、思い出す作業もします。
日常的な出来事や覚えた情報は、海馬の中で整理整頓され、その後、大脳皮質に保存されていきます。脳の中で、新しい記憶は海馬に、古い記憶は大脳皮質にファイルされているのです。
引用: http://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku3/kioku3_1.html
海馬がなくなると、新しいことが記憶できなくなります。今やっていることすら、分からなくなってしまうのです。
海馬の敵はストレスと酸素不足
海馬は「記憶の司令塔」ですが、非常に繊細で、ストレスに弱いという特徴があります。海馬にストレスを加えると、精神的な病気になり、海馬の機能が著しく低下します。
地下鉄サリン事件や阪神大震災の被害者がストレスでPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったのは有名ですよね。これは強いやストレスによって、海馬に機能障害が現れる病気です。
また、海馬は酸素不足にも非常に弱く、脳がダメージを受けるとき、最初に海馬から機能がストップするといわれています。
海馬は高機能ですが、とてもデリケートです。海馬を守るために、適度にストレスを発散することが必要です。
海馬は運動すると増える
海馬は運動すると神経が増えることが分かっています。しかも、低い軽い運動で十分だそうです。運動をすれば気分もリフレッシュしますよね。気分転換のためにも、散歩やランニングを毎日の習慣にしてみませんか?
海馬とって理想の環境とは?
おいしいものを食べたり、好きな人と一緒にいると、幸福感を味わえますよね。このとき、脳内には「脳内モルヒネ」と呼ばれるβエンドルフィンが分泌されているのです。これが分泌されると、海馬の長期記憶が増強します。
普段からストレスを溜めすぎず、幸福感を味わうことが、海馬にとっては理想の環境です。
脳の中の海馬を鍛えるには?
海馬は脳のなかでも、最も重要な記憶や情報整理を司っています。パソコンいに例えると、メモリーと同じ役割を果たしてます。ですので、海馬を活性化させれば、記憶力をアップすることができるのです。
具体的に海馬を鍛えるには、どうすればいいのでしょうか?次の2つがおすすめです。
速読
速読には脳を活性化させる効果があります。音読や黙読でも脳は鍛えられますが、速読することによって、脳はより活性化されます。音読をすると、脳にセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。これにより抗うつ的な気分が開放され、意欲的な気分になります。
黙読文章からイメージをして、想像力を働かせなければなりません。黙読によって、暗記や記憶をするのに大切な右脳が活性化されます。もともと脳の活性化につながる黙読を速読によってより速く内容を理解することによって、脳に刺激を与え、海馬が鍛えられるのです。
速読はとにかく速く読めばいいわけではありません。内容をきちんと理解しながら、読む速度を速めることが重要です。
脳トレゲーム
ゲームを活用して、海馬を鍛えることができます。オンライン麻雀を運営する会社が発表したデータによると、短期記憶、事象についての記憶、視覚性注意力は、年齢が高くなるほど、テストの結果が良かったそうです。記憶力や判断力がゲームで養われたと考えられます。
ただし、どんなゲームでも良いわけではなく、麻雀や将棋のように頭を使うゲームがおすすめです。
まとめ
海馬を鍛えれば、脳の記憶力を向上させ、より多くの情報をインプットできます。しかし脳は使わないと機能が低下していってしまいます。つまり、勉強法や暗記法を駆使しても、普段脳を刺激しないと効果は上がらないということです。
日々の生活を少し見直すことで、海馬は意外と簡単に鍛えられます。脳にとって良い生活を確立してはいかがでしょうか?