握力とは?
握力は、物を握ったり掴んだりするときの手の力のことを言います。握力には、「クラッシュ力(物を握りつぶす力)」「ピンチ力(物をつまむ力)」「ホールド力(握ったものを保持する力)」「物を開く力」の4種類があります。握力計を使用して測定することができる握力は、クラッシュ力になります。
ピンチ力は、指を使うようなスポーツや格闘技で重要な力となり、最近ではピンチ力を測定するピンチ力計も販売されているそうです。ホールド力や物を開く力だけではなく、どの種類の力でも、握力は主に前腕部と上腕部の筋力によって力が発揮されます。
握力測定をする目的は?
握力測定は、体力テストなどにおいて上肢筋力を評価するために用いられています。学生のうちでは体力テストは必ず行われますが、大人になるにつれて、健康診断はあっても握力測定をする機会はないという方がほとんどではないでしょうか。
握力は、全身の総合的な筋力と関連があると言われています。握力は安全で簡単に測定をすることができるため、筋力測定の指標としてスポーツ目的だけではなく、病院や健康センターなどでも多く用いられています。
握力の測定方法は?
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握力の測定方法には、「握力計」を使用します。握力計には、デジタル式とアナログ式があります。現在は、いろいろなメーカーから握力計が販売されていて、商品によって最大測定値や目盛りの見やすさ、グリッパーの握りやすさなどに違いがあります。
握力測定の正しい手順
それでは、握力測定の正しい手順をご説明します。
①握力計を握ったときに、人差し指の第2関節がほぼ直角(約90度)になるように幅を調整します。
②肩幅で立ち、握力計が体や衣服に触れないように体から離して持ちます。このとき、握力計の液晶や針の面を外側に向けます。
③腕を自然に下げたまま握力を計測します。
④左右2回ずつ計測し、左右それぞれの高い値を選んで、その平均値を測定値とします。
握力測定の注意点やポイントは?
握力測定での注意点は、握力計を握って力を入れるときに、握力計を振り上げたり下げたりしないようにすることと、手首や肘が曲がらないように気をつけることです。握力計を振り回したりしてしまうと、測定不可になってしまうので注意しましょう。
握力測定でのポイントは、握力計を握って力を入れるときに、声を出すことです。声を思いっきり出すと、黙って静かに力を入れるよりも力を込めることができます。
握力測定の年齢別の平均値は?
自分の年齢の握力の平均値はご存知ですか?学生の頃は体力テストで平均値と自分の測定値を比較することができたので、10代の平均値はなんとなく把握している方が多いのではないでしょうか。今回は、20歳以降の男女の年齢別握力の平均値をご紹介します。自分の年齢の握力の平均値を把握して、測定値と比較してみましょう。
男性の握力測定年齢別平均値
20-24歳:46.47kg
25-29歳:46.81kg
30-34歳:47.38kg
35-39歳:47.22kg
40-44歳:47.02kg
45-49歳:46.55kg
50-54歳:45.78kg
55-59歳:44.55kg
60-64歳:42.78kg
65-69歳:40.04kg
70-74歳:37.21kg
75-79歳:35.36kg
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女性の握力測定年齢別平均値
20-24歳:27.97kg
25-29歳:28.53kg
30-34歳:28.63kg
35-39歳:28.95kg
40-44歳:28.95kg
45-49歳:28.89kg
50-54歳:27.95kg
55-59歳:27.40kg
60-64歳:26.25kg
65-69歳:25.14kg
70-74歳:23.66kg
75-79歳:22.78kg
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握力が低下するとどうなる?
握力が低下すると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まると言われています。それらの病気だけではなく、多くの研究で握力と疾病リスクが関連していることが明らかにされています。
また、いきなり握力が低下した場合にも注意が必要です。いきなりの握力低下は、病気の可能性も考えられます。握力の低下が気になったらすぐに病院を受診しましょう。握力の低下は、「年齢による衰えだけではない可能性」もあることを意識することが大切です。
握力は定期的に測定するべき?
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握力は定期的に測定するべきだと考えられます。特に高齢者は、定期的に握力を測定することで、年齢による筋力の衰えなのか、病気による握力低下なのか見ることができます。また、病気ではなくとも、握力が大きく低下している場合は健康を保つためにも、握力と全身の筋力をトレーニングする必要があります。年齢問わず、握力測定を定期的に行うことで、筋力が不足しているかどうか確かめることができます。
握力はどこで測定できる?
握力は、病院や健康センター、スポーツ施設、教育施設、スポーツ用品店などで測定することができます。地域や店舗によっては置いていない場合もあるので、各施設に問い合わせてみましょう。また、通販やスポーツ用品店などで握力計を購入することができます。定期的に自宅で気軽に測りたい方は、握力計の購入がおすすめです。
簡単にできる握力の筋トレ方法は?
握力測定をして自分の測定値が平均値より低かったら、筋トレをして握力を鍛えましょう。握力の筋トレ方法はたくさんありますが、今回は、筋トレ初心者でも簡単にできる握力の筋トレ方法を2つ厳選しました。平均値よりも測定値が低かった方はもちろん、平均よりも握力をアップさせたい方はぜひ試してみてください。
【簡単にできる握力の筋トレ方法①】ハンドグリッパー
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握力を鍛えることができるアイテムの「ハンドグリッパー」。見たり試したりしたことがある方が多いのではないでしょうか。ハンドグリッパーは片手で「ながら筋トレ」ができるので、筋トレの時間がたっぷり取れない方でも、空いたスキマ時間に簡単に行うことができます。
筋トレ方法はとても簡単で、ハンドグリップを握って閉じたり開いたりを数回繰り返すだけです。自分のレベルに合わせて回数を設定していきましょう。初めのうちはやり過ぎに注意しましょう。また、グリップを閉じた状態でキープする方法もおすすめです。
【簡単にできる握力の筋トレ方法②】グーパー法
グーパー法は、手をグーにしたりパーにしたりを繰り返すトレーニング方法です。学生の頃、運動部に所属していた方は「グーパー法」を試したことがあるという方が多いのではないでしょうか。
グーパー法のやり方は、両手をまっすぐ前に伸ばし、両手をグーにして閉じ力を入れます。その後、パーにして手を広げます。この動作を100回ほど繰り返します。1分間の休憩をはさみ、2セット行います。目安としては、1日500回以上行いましょう。1セットの間に必ず休憩をはさんで行い、肩を上げないように気をつけるのがポイントです。
まとめ:握力を測定して自分の強さを知ろう!
今回は、握力の測定方法や年齢別の平均値などをご紹介してきました。いかがでしたか?握力の低下は、体全体の体力の低下と関連があり、病気の可能性も考えられるので、どの年代の方も定期的に測定することが大切です。健康のためにも、自分の年齢の平均値を把握しておき、自分の握力の強さを知っておきましょう。