草食動物も肉食動物も一緒に暮らす社会の物語。
田舎町バニーバロウに暮らすあなうさぎの少女ジュディ・ホップスの理想は「よりよい世界をつくること」。
夢は警察官。
でも警察官は大型動物がなるもの決まっていて、今までうさぎで警察官はいませんでした。
「そんなの無理に決まってる!」周囲の意見は反対ばかり。
ジュディは動物たちが最初に仲良く暮らした町「ズートピア」を夢見ます。
「ズートピアでは誰でも何にでもなれるのです!」
両親はジュディのために言います。
「私たちがこんなに幸せなのは夢を諦めたからだよ。多くを望まないことが必要だ。新しいことをすれば失敗もある」
でもジュディは
「新しいことするの好き。私がうさぎではじめての警察官になるの。だって世界をよりよくしたんだもの」
「よりよくしたいならニンジンを作ることだ」
うさぎはニンジンを作るのが仕事と決まっている世界。両親はあくまであきらめさせたいようです。
アカキツネのギデオン・グレイが羊たちをカツアゲしている所を、ケガをしながら必死で守り抜いたジュディ。
ますます警察官への夢をふくらませるのでした。「私は絶対あきらめない」
15年後、ジュディは夢見ていた「ズートピア警察学校」へ入学しました。
予想通り、他の訓練生は大型動物ばかり。その中に入って厳しい訓練をのりこえないといけません。
ズートピアには、12のエリアがあります。
ツンドラ・タウン、サハラ・スクエア、レインウェストなど、区域ごとにまるで気候や環境が違う場所で活動できる体力が必要になります。
「ズートピア警察「ZPD」はどのエリアも知り尽くさなけれいと命はない」
猛烈な砂嵐、猛烈な土砂降りの中、氷点下の氷の壁、巨大なる犯人、不潔なトイレ。
「もうあきらめて家に帰れ!」
と教官にののしられながらも、ジュディは努力を続けました。
訓練が終わっても1人で体力づくりと教科書の勉強を続けたのです。
うさぎ持ち前のすばっしこさと大型動物の大きさと体力を逆に利用して、課題を次々クリアしました。
そして、ついにジュディは首席で卒業。
羊のベルウェザー副市長からバッジを付けてもらい、ライオンハート市長の直々の命令で、ズートピアの心臓・シティー・センター第1分署に配属が決まりました。
反対していた両親も涙ながらに娘の晴れ姿を見届けました。
いよいよズートピアへ出立の日がやってきました。両親や親しい人にに見送られてホームに立つジュディ。
でも両親は大都会へ一人行くジュディがまだ心配です。
「心配と自慢がぶつかり合っているよ。怖くて」
「一番怖いのは理由もなく怖がること」
ずっとバニーバロウから出たことがない両親にとっては肉食動物は怖い恐ろしい存在のようです。 」キツネが一番タチが悪いと、ジュディにキツネよけスプレーだけは持たせたのでした。 ジュディはズートピアエクスプレスに乗りこみます。
サハラ、ツンドラ、レインのエリアを越えて、列車は大都会のシティー・センターの駅へたどり着きました。
ひしめくように歩く動物たち。さまざまな種類の動物たちのるつぼです。越してきた部屋は古く汚く壁がうすい。けど、始めての一人暮らし。ジュディの心は浮き立ちます。
朝5時半。めざましで飛び起きたジュディは新しい制服を着て、早速出勤。両親がくれたキツネよけスプレーも一緒に。
シティー・センター第1分署に来ると、受付のドーナツ好きのトラ・ベンジャミン・クロウハウザーから 「思っていたより、ずっとかわいいよ」 と言われますが、見た目で判断されて複雑な気持ちです。 集合場所に向かうジュディの背中をみてベンジャミンはつぶやきます。 「生きて帰ってこれればいいけど」
集合場所にいる警官は大型動物ばかり、ジュディは相手にされません。 折しも、肉食動物ばかり14人も行方不明になるという事件が発生しています。 市長からの要請で署をあげての最優先事項なのに外され、駐車違反を命ぜられます。 「100件取り締まれ」 ジュディは持ち前のすばっしこさで昼までに200件切符を切ります。たとえ本当にやりたくないことでも全力をつつくすジュディの真摯さが出ているシーンです。 、
駐車違反の取締中、ジュディはキツネの父子と知り合います。
ゾウが営むアイスキャンディーを求めて並んでいました。
ゾウはキツネをはなからズルをすると決めつけ、サービスを拒否します。
ジュディはゾウをとりなして、キツネ親子にアイスキャンディーを提供するように仕向けます。
ところが父キツネは財布を忘れたといいます。ジュディはかわりに代金を払います。
「ありがとう。俺はニック・ワイルドって言うんだ」
しばらくたって偶然ニック父子をみつけます。
アイスキャンディーを溶かしてビンに詰めます。ツンドラ・タウンでキャンディーを小分けにして再冷凍。ハムスターの銀行員に売りつけていたのでした。
残った板棒はネズミの建築業者をだまして売りつけます。
息子のふりをしていたのは、ニックの相棒でフィニック。自動車の運転もできる大人なのです。見た目で判断しちゃいけません。
ニックを見つけ出し、逮捕しようとしますが、上手に言い逃れます。その上、ジュディをにんじん呼ばわり。 「ズートピアにがっかりして、仕事もうまくいかなくて、誰もかまってくれなくて、そして田舎に帰ってニンジンを作って暮らすんだ」 こうしてヘトヘトになった上、気持ちも落ち込んだまま初出勤の日は終わったのでした。
駐車違反した動物からののしられながら、警察官としての自分を見失わないように自分に言い聞かせるジュディ。
そんな時、泥棒の通報を受け、ネズミの町に入って、大追跡の上泥棒イタチを逮捕。
「人生はミュージカル映画じゃない。歌っていたら夢がかなうもんじゃないんだ。ありのままに生きろ」
はじめて大手柄と喜んだとところ、ボゴ署長から大目玉。
「勝手に持ち場を離れて、騒ぎをおこし、ネズミたちを危険にさらした」
ジュディがもっと警察官らしい仕事がしたいと訴えても、署長は拒否します。
そんな時、行方不明になったカワウソ・エミット・オッタートンの奥さんが探してほしいと陳情に来ました。
ジュディは引き受けます。署長は最初は否定的ですが、メイウェザー副市長の後押しもあって任命されました。
ただし48時間以内にエミットを探し出さないと辞職する約束です。渡された捜査資料はたった一枚の書類と目撃情報の写真のみ。でもその写真にはアイスキャンディーを食べているエミットとニックが写り込んでいました。
ジュディはニックを脱税の容疑で逮捕すると脅して、捜査に協力させます。
往年の名作映画「48時間」みたいです。カッコいい!
ニックはエミットにアイスキャンディーを売ったナチュラリストクラブに案内します。
オーナーのヤク・ヤックスは何でも記憶していてエミットの乗った車の色・ナンバーまで憶えていました。
ジュディとニックは手がかりのナンバーから持ち主を調べるためDMV免許センターへ。
ニックと職員フラッシュは友達です。フラッシュは素早そう名前なのにやっぱり動きはスロー。
アメリカの免許センターは遅くてイライラするっていう皮肉なんでしょうか。
車の持ち主は「ツンドラ・タウン リムジン・センター」やっとわかった頃には外は暗くなっていました。
ジュディとニックは許可のないままツンドラ・タウンへ侵入。目当ての車を探し出します。
車の中には無数の爪痕とエミットの免許証がありました。 ホッキョクグマの毛、車の中のグラス・CDからニックは車の持ち主の名前が浮かびます。
「ツンドラ・タウンのボスでそして、すごく俺を嫌っている」 急におびえはじめ、ジュディを抱えて、逃げようとします。 しかし車の外にはMr.ビッグの手下ホッキョクグマのレイモンドとケヴィンが立っていました。 2人はMr.ビックの元へ。
Mr.ビッグの正体は小さなネズミでも風貌と喋り方はあの永遠の名作「ゴッドファーザー」でマーロン・ブランドが演じたドン・コルリオーネ。
ジュディとニックは氷漬けの制裁を受ける寸前。Mr.ビッグの娘をジュディがイタチ逮捕の時に救出したことが分かり命びろい。 Mr.ビッグは恩返しに捜査に協力すると言ってくれました。
エミットはMr.ビッグが手配した自動車の中、突然暴れだし、運転手を襲い、逃げ出したと言います。おとなしいカワウソがなぜ凶暴に? Mr.ビッグは言います。 「私らは進化はしたが、中身は今も獣のままだ」
ジュディとニックは襲われた運転手・黒豹のマンチャスに会いにレインフォレストへ―― エミットは突如獣に戻ってマンチャスの片目を傷つけていたのでした。 「夜の遠吠え」という謎の言葉を叫びながら。 マンチャスも突如、野生にもどり2人に襲いかかりました。
ZPDが救援に着たときにはマンチャスは既に姿はありません。 ジュディの言葉を信用しないボゴ署長は捜索の失敗の責任をとって、バッジの返還を迫ります。 ニックが「まだ10時間ある。それまでにエミットを探し出す」と助け舟。
ニックはジュディに言います。
「傷ついてたら負けだぞ」
「あなたは傷つかないの」
「今はな」
ニックは9歳の頃、憧れのジュニアレンジャースカウトに入隊。肉食動物はニック1人です。
入隊の日、メンバーに囲まれ口輪をハメられ、笑いものにされました。肉食動物だと差別されたのです。
「俺は2つ学んだよ。まず何が合っても傷つかない。そして世界がキツネのことをずるくて信用できないと決めつけるなら何をしても意味がない」
ロープウェイの下から町を見下ろすと、あちこちに交通カメラが。そこに逃亡したマンチャスが映っているはず。でも、新人のジュディにはデータベースにアクセスできる資格がありません。
ジュディは市役所に行き、副市長に地下室の交通カメラのビデオを見せてもらいます。
ビデオにはシンリンオオカミの二人組がマンチャスを捕まえて逃走する映像が映っていました。
「夜の遠吠え」とはシンリンオオカミの一味のことだと推理し、ジュディとニックはオオカミたちが警護する町外れの元病院に侵入します。そこにはエミット・マンチャスをはじめ野生化した行方不明になった肉食動物14体が収容されていました。
収容していた首謀者はライオンハート市長でした。肉食動物が野生化している事実が知られると市長の座を追われると判断して、事実を隠蔽していたのでした。なぜ野生化するのかは謎のままでした。
ライオンハート市長は逮捕され、ジュディは手柄を立てて、首はまぬがれました。
ジュディはニックに相棒になってほしいと警官になることを薦めます。
しかしジュディが記者会見で肉食動物だけが凶暴化する事実を発表したため、ズートピア中に恐怖が広がり、肉食動物を差別する風潮が広がります。
ズートピアは肉食動物と草食動物との間で真っ二つに別れてしまいました。
ニックもジュディに不信感をいだき、彼女の元を去っていきます。
故郷のバニーバロウで両親の農家の手伝いをして暮らしていたジュディ。耳を垂らして元気がありません。
そこへ昔草食動物をいじめていたキツネ・ギデオン・グレイと再会。
ギデオンはジュディとのいきさつで心を入れ替え、地元の農作物を使ったお菓子づくりの名人になっていました。
ギデオンは畑に植えてある虫除け用の青い花を「夜の遠吠え」と言いました。それを食べると草食動物でも凶暴になってしまうのです。その花が肉食動物を凶暴にしていたのです。
ジュディはズートピアに舞い戻り、ニックと仲直りして再び事件の解明に乗り出します。
以前、ジュディが逮捕したイタチ・ウィーゼルトンが盗んだのは夜の遠吠えの球根でした。
Mr.ビッグの力を借りて、ウィゼールトンに秘密を聞き出します。
夜の遠吠えは高値で売れ、取引相手はひつじのダグ。地下で取引をしていました。
古い列車を工場にして夜の遠吠えからエキスを抽出して弾丸を作り、肉食動物を狙い撃ちして野生化していたのです。仲間のブレイキング・バッド、ウールターとジェシーが戻ってきた隙きに列車ごと証拠を移動します。
ひつじ3人の激しい戦いの末、列車は横転大爆発。しかしニックがしっかり証拠を持っていました。
追い詰められたジュディとニック。ベルウェザーは犬の遠吠えの銃でニックに撃ちます。ニックは凶暴化し、ジュディの首に噛みつきます。が、これはお芝居で、弾をジュディの実家の畑のブルーベリーにすり替えていました。犯行をしゃべったブルーベリーをニンジン型ボイスレコーダーに録音して動かぬ証拠に。ベルウェザーは逮捕されました。
地下道を抜け出ようとした瞬間、市長のベルウェザーに引き止められます。
「証拠は私がいただくわ」
ベルウェザーこそ事件の黒幕で、肉食動物に濡れ衣を着せて草食動物中心の町にしようとしていたのです。
夜の遠吠えの治療法の効果があらわれ、凶暴化した肉食動物は元に戻っていきました。
そしてある日の警察学校の卒業式。壇上に立ったのはジュディでした。
「子供の頃、ズートピアは理想の街だと思っていました。けど実際は簡単にいくとは限らない。現実は厳しいできないこともあれば、間違うこともある。お互いのことをもっとよく知り、お互いの違いを認め合えばきっとうまくいく」
卒業生の中にはニックもいました。そうです警察官になったのです。
「あきらめないでほしい。世界はより良くなります。自分を見つめ、自分を知り、自分を変えることからすべてが始まるのです。それは私たちみんなから始まる」
正式に相棒になったジュディとニック。初出動はスピード違反取締り。185キロも出したスピード狂は、なんとナマケモノのフラッシュでした。運転すると性格が変わる典型的な人みたいです。
ズートピア MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
価格
¥ 3,336